今話でリアスVSサイラオーグは終了。それと同時にグレモリーに焦点を当てるのは控えたいと思います。
今までは、ある程度原作に沿う形で話が進んでいましたからね。
ただ、次話からはオリジナル要素が強くなっていきますのでキャラ視点も、なるべくグレモリーは外すつもりです。
「っ、す、すみません、呂布さん。たくさんお世話になったってのに、呂布さんたちのことを放ったらかしにして.................」
一誠たちが一頻り喜んだ後で、謝ってくる。まぁ、今日くらいは仕方ないんじゃない?
「気にするな...........これも一誠が..........頑張った結果だ.........思いっきり喜べ」
「あ、ありがとうございますっ! でも...........俺が封印されずに済んだのは、呂布さんが色々と助けてくれたおかげです。
本当に..............ありがとうございましたっ!!! おれ、バカだから........こんな時、何て言ったらいいか...............」
一誠が頭を下げて、何とか自分の気持ちを言葉にしようとしてくる。根は素直なんだよな~~~~。ただその結果、自分の煩悩にまで素直になってるのがねぇ................。
「無理に言わなくてもいい................気持ちが伝われば十分だ。大変なのは..............これからなんだからな」
「え? 大変なのはこれからって..............どういう意味ですか?」
「イッセー様、呂布様が先ほど仰られたではありませんか。呂布様はもう監視役ではありません。
ですので、これからはイッセー様の面倒を見ることは出来ないということですわ」
俺が言おうとしたことを先んじて代弁してくれる、毎度お馴染みなレイヴェルちゃん。
彼女の言う通り、今までは一誠を、そしてそのついでにリアスたちの修行も見てきた。
だが監視役ではなくなる以上、もうイッセーたちの修行を見る理由が無くなってしまう。
これからは正真正銘、自分たちで試行錯誤しながら強くなっていかないといけない。
「レイヴェルの言う通りだ..............一誠も.............早く『龍女王』を............完成させろ」
「っ、やっぱり気づいてたんですね..........でも俺、まだまだ呂布さんから教わりたいことが「イッセー」っ、部長..............」
一誠も頭では理解していても、心は納得しきれていないようだ。しかし、そんな一誠をリアスが諌める。
「イッセー、アナタが呂布様のことを慕う気持ちは分かるわ。私たちだって本音を言えば、もっと呂布様から教わりたいことがたくさんある。
でも.................さすがにこれ以上は、もう無理なのよ。イッセーだって分かっているでしょう?」
「っ................はい..............」
「なら、もうワガママを言うのはお止しなさい。既に私たちは、呂布様から多くのものをいただいた。
これ以上求めるのは、呂布様のお立場を悪くするだけだわ」
「っ..........はい。すみません、部長。呂布さんもすみませんでした。俺、また呂布さんを困らせるようなこと言って....................」
リアスに諌められた一誠も納得したのか、俺に謝ってくる。
申し訳ないけど、これ以上グレモリーの面倒を見ると曹操に何を言われるか分かったものじゃないからね。
それに教えられることはだいたい教えたはずだし、後はアザゼルとかに相談しながら鍛えていくといいよ。
一誠にいたっては、歴代の先輩たちだっているんだからさ。
「気にするな...........これからのお前たちの成長を..............楽しみにしている」
「っ~~~~! はいっ!! 俺、死ぬ気で強くなって............いつか必ず、『真のハーレム王』になってみせますっ!!!」
俺が励ますと一誠は眩いくらいの笑顔で返事をする。『死ぬ気で』、ねぇ.................意気込みはいいけど、一応注意はしておこうかな。
「...........一誠..........命を投げ出すような.............マネはするな」
「ッッッッッッッッッッ!!!!」
『命を粗末にしちゃいけないよ』と俺が注意すると一誠は目を開いて驚き、バツの悪そうな顔をする。
せっかく両親から命を分けてもらったんだから、軽々しく命を掛けるようなことは言っちゃダメだよ?
「お前が命を掛けて.............何かを成し遂げたとしても............誰も喜ばない。残された者たちの中に.............深い悲しみを残し..........不幸にするだけだ」
「っ.............................」
「自分から死のうとするな................そして誰かに殺されるな。そうすれば..............『龍女王』を自在に使いこなせる。
そして.............お前自身が............まだ見ぬ強さと可能性を.............引き出すことも出来るはずだ」
「呂布さん.....................」
「忘れるな...........『生きる意思』は...........『死ぬ覚悟』よりも................強い」
「っっっっっ!! はい! 俺、もう間違えません! 生きて、生き続けて.............本当の意味で強くなって、『真のハーレム王』になります!!!」
俺のお説教染みた注意にも真っ直ぐに返してくれる一誠。もう一度言うけど、『根は』素直なんだよな~~~。
「ん..........そしてそれは............リアスたちにも............言える」
「え? 私たちにも、ですか?」
「ん.........グレモリーは『情愛の悪魔』。でも..........『情愛』も行き過ぎると.............自分も周りも..........傷つけることになる」
「っ............はい。イッセーの『覇龍』が、まさにそうでした」
一誠は両親を助けるために『覇龍』を発動させた。だが、あれは自分の命を捨てる行為に他ならないし、結果的に周りも危険に晒した。
しかし、あれも元を辿れば一誠の『両親への愛』が生み出した結果と言える。
「命を捨てるのではなく................大切な何かのために..............自分の強さと可能性を............十全に引き出す。
それがお前たちグレモリーが持つ............『本当の強さ』なんだと思う」
「私たちに、そんな力が..................?」
「ん............世界は『それ』を............【愛】と呼ぶ。『情愛のグレモリー』だからこその..........『強さ』だ。
だからこそ............【愛情】の在り方を..............間違えるな」
「っ~~~~~、呂布様/////////////////////」
『情愛の一族』って言うと、どうしてもどこぞの愛憎深い忍一族を思い浮かべちゃうからね。
ある日、愛情が憎しみに取って変わられて暴走でもしたら、目も当てられない。
これで少しはリアスたちの無鉄砲さも控えてくれるといいんだけど。
さ~~てと、とりあえず伝えるべきことは伝えたし...............いつの間にか朱乃の拘束も緩んでいるから、今のうちに帰るとしよう。
しかし、俺がレイヴェルたちを連れて部屋を出ようとすると、リアスに呼び止められる。
「呂布様っ...............! この度はイッセーだけではなく、私たちまで救い、教え導いてくださったこと............心より感謝申し上げます!!
貴方様からいただいたこと、決して無駄には致しません。今は感謝の言葉を申し上げることしか出来ませんが、いずれ............私たちが納得出来るほど強くなった暁には、改めて御礼をさせていただきます。
本当に.............っ~~~~~、ありがとうございました!!!」
「「「「ありがとうございましたっ!!!!」」」」
リアスが泣きそうになりながらも、お礼を言うと眷属の子たちも頭を下げてお礼を言ってくる。
『命は大事にしなさいよ』と言っただけで、そんなに重く受け止めなくても良いのに。
けど、こういう場面はいい加減慣れてきたからね。ここは意固地になって断るよりも、軽く受け止めてあげた方が早く切り上げられる。
「そうか................安心しろ............心配はしていない」
俺は軽く笑って、『心配しなくても気長に待つから安心してね』的に返事をして部屋を出る。
ところが部屋を出た瞬間、ロセとタマモが両腕に抱きついてきた! しかも何か頬を赤らめてるし!?
レイヴェルもレイヴェルで『ふふん♪』と言わんばかりに胸を張ってるし..............Why ?
けど、この手の状況は朱乃やアーシアで鍛えられてるからな〜~~。とりあえず、しばらくはそっとしておこう。
..............................あっ、一誠の禁欲を解除するの忘れてた。まぁ、別に帰ってからでもいいか♪
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「そうか.........呂布がそんなことを...........」
呂布さんたちが出ていった後、しばらくしてサーゼクス様とセラフォルー様。それにアザゼル先生と俺の両親がやって来た。
サーゼクス様たちは、わざわざ俺に『凍結封印』の話が無くなったことを伝えに来てくれたらしい。
けど、呂布さんとさっきまで話していたこと。そして試合前に色々とアドバイスを貰ったことを伝えると、アザゼル先生は何やら考え込んでしまった。
「お兄様、本当にイッセーの処罰は無くなったということでお間違い無いのでしょうか?」
「ああ。呂布殿と神々が話しているのを聞いていたし、神々からも直接聞いたから間違いないよ」
「ホッ、そうですか。良かった..............お兄様、セラフォルー様。この度は私たちのために尽力してくださったこと、心より御礼申し上げます」
念のため部長が魔王様方にも確認し、俺の封印の話が無くなったことを改めて確認すると肩の荷が下りたかのように安心する。
そしてご迷惑をお掛けしたことを謝罪したので、俺も一緒に頭を下げる。
呂布さんだけじゃなく魔王様方、そしてアザゼル先生にも散々迷惑を掛けたからな。
「気にしなくてもいいよ、リアス。結局、私たちは何も出来なかったからね」
「そうそう♪ 一番頑張ってくれたのは、呂布くんだからね☆」
「はい、呂布様には何度も御礼を申し上げました。ですが結局、呂布様から逆に励まされてしまいました」
部長は呂布さんにもちゃんと御礼を言いたかったのだが、逆に色々と最後に教えてもらった。
それが申し訳ないのだろう。かくいう俺たちも感謝以上に申し訳なさでいっぱいだ。
でも、呂布さんのおかげグレモリー全員が救われたんだから、やっぱり感謝しないとな。
「母さん、今日は来てくれてありがとう。父さんも、母さんを連れてきてくれてありがとう」
俺はわざわざ来てくれた父さんと母さんにもお礼を言う。二人の声援が無かったら、あのまま撃破されてたからな。
「まったくだ。こんなことになってるだなんて、知らなかったぞ? 帰ったら、説教だからな」
「本当よ...............呂布さんに事情を聞いた時は、心臓が止まるかと思ったわ」
えっ、呂布さんが? てっきりアザゼル先生が連れてきてくれたものだとばかり思ってたんだけど。
俺が疑問に思っていると、父さんと母さんは何があったのか教えてくれた。
俺たちが冥界に行った後、父さんはずっと母さんを説得してくれていたらしい。しかし、どうしても踏ん切りがつかない母さんには説得が難航していた。
そこに呂布さんがやって来て、俺が置かれている状況を説明してくれたんだそうだ。
更には『今の一誠には二人の声援が必要』だと言って、応援に来てもらえるよう頭まで下げたんだとか。
さすがの母さんも俺の事情を知り、命の恩人に頭まで下げられては来ないわけにはいかないと思ったらしい。
呂布さんに連れられて試合会場に来た後は、VIPルームにいるアザゼル先生と一緒に観戦していたそうだ。
「そうだったんだ.............呂布さん、そんなことまでしてくれてたのか」
「ああ、呂布さんに言われて来て正解だったよ。もしかしたら、俺たちの知らないところで一誠がいなくなってたかもしれなかったんだからな」
「まったく............本当に肝心なことは言わない子なんだから。アナタは私たちと約束したんだから、守ってもらわないと困るわ」
「うん..............ごめん、二人とも。呂布さんにも言われたし、もう大丈夫だよ」
そうだ、父さんと母さんだけじゃない。皆と約束したんだ、生きて............生き続けて、『歴代最高の赤龍帝』に、『冥界最高の兵士』になるって。
「それにしても..............よく神々、特に天照様が納得されたわよね。イッセーにも聞いたけど、あの『龍女王』は『不完全』だったんでしょう?」
魔王様方やアザゼル先生、それに俺の両親にお礼を述べ、話が一段落したところで部長がふとした疑問を投げ掛ける。
言われてみるとそうだよな、俺も『不完全じゃ認めん!』ぐらいには言われると思っていた。
「まあな、俺も天照あたりが難癖をつけてくるんじゃないかとは思っていた。実際に不満が残っていたみたいだしな。
それでも退いたのは................やはり呂布やロスヴァイセ、タマモたち監視役の口添えがあったからだろう。特に呂布が太鼓判を押してくれたのが大きかった」
「じゃあ、イッセーが封印されなかったのは呂布様が取り成してくれたからってこと?」
「だろうな、でなきゃ天照なんかは退かなかっただろう...............だが、俺はもっと別のことで気になっている」
「? 気になること?」
アザゼル先生がずっと考え込んでたことってソレか? でも何なんだろう、気になることって。
「ああ..............呂布は本当に『龍女王』を間に合わせることが出来なかったのかってことだ」
「? それはどういう意味だい、アザゼル」
「考えてもみろ、呂布はシトリーだけじゃなくイッセーにも付きっきりで修行をつけていた。
そんな状態で、あの呂布がイッセーの成長具合を見誤ると思うか?」
「え? でもそれは、俺のオーラの『形態変化』の覚えが悪かったからで...............」
「それは分かっている。俺が言いたいのは、呂布ならイッセーの成長具合に合わせて、『修行内容を調整することぐらい出来たはずだ』ってことだ」
「っ、そう言われると...........確かにちょっと腑に落ちないわね」
確かにな。予定していた修行の進みが遅いなら、別の修行方法を試せばいい。
少なくとも呂布さんなら、それだけのことは出来るはずだ。
「じゃあ何で、師匠は予定通りに兵藤の修行を進めたんですかね?」
「俺もそれが分からなかった...........だが、さっきのお前たちの話を聞いて、ようやく分かった」
俺たちの話って..............試合前にアドバイスを貰ったことと試合後に呂布さんに言われたことか?
でも、それが何の関係があるんだろう?
「呂布は敢えて..............イッセーに予定通りの修行をさせて、『龍女王』の覚醒を遅らせてたんじゃないか?」
「「「「「ッッッッッッッッッッ!!!!」」」」」
アザゼル先生の話を聞いた俺たちは驚きに包まれた! だって呂布さんがそんなことをする理由が、全く無いからだ!!!
「なっ、何で呂布さんがそんなことをする必要があるんですかっ!!!」
「そうですわ、アザゼル先生! 奉先様がそんな、人を陥れるようなことなどするはずがありませんっ!!!」
あまりの言い分に俺だけじゃなく、呂布さんの妻である朱乃さんまでアザゼル先生に食って掛かってしまう。
けど、アザゼル先生は両手でジェスチャーをしながら俺たちを宥める。
「落ち着けって、二人とも。別に悪い意味で言ってるわけじゃねえよ」
「じ、じゃあ、どういうことなんですかっ!?」
「それはな、イッセー..............お前を『本当の意味で成長させる』ためだ」
「.............え? お、俺を? 成長、させるため...............?」
アザゼル先生からの予想外の返答に俺は反応に困ってしまった。
それは俺だけじゃなく部長たちも同様で、さっきまであった焦燥感が無くなっていた。
そんな俺たちを他所にアザゼル先生は話を続ける。
「そうだ。イッセー、お前は確かに強くなった。きっとこれまでの経験から、色々と思うところがあったんだろう。
だが、その中には...............周りの連中への『後ろめたさ』もあったんじゃないのか?」
「っ.................はい。皆に迷惑を掛けた分、命懸けで強くならなきゃって思ってました」
「イッセー......................」
アザゼル先生の言う通り、俺は色んな人に迷惑を掛けて、支えられて、助けられて............今、こうしていられる。
だからその分、【命を懸けてでも強くならなきゃいけない】って思っていた。頭の悪い俺ではそれくらいしか思いつかなかったから。
俺が心の底に秘めていた想いを吐き出すと、部長は悲しそうな顔をしてくる。アザゼル先生も頭をポリポリと掻きながら、困ったような顔をした。
「まぁ実際、その想いがバネになったことでお前の成長は目を見張るものがあった。
俺自身もそれで満足しちまった..............だが呂布は、それじゃあダメだと思ったんだろう」
「命懸けで強くなっちゃダメってことですか?」
「まったくダメってわけじゃあない。ただ問題は、『匙加減』さ。『命懸け』って言うと聞こえは良いが、一歩間違えると命を捨てる・諦めるってことに繋がる。
お前らは才能に恵まれているが、まだ若い。だからその辺りの匙加減が分からない。呂布はそれを危惧したんだろうぜ。
そのことはイッセーを通して、お前たち自身がよく分かっているはずだ」
「ええ........イッセーはご両親を命懸けで助けようとし、『覇龍』を発動させてしまった。結果、自分だけではなく周りまで危険に晒してしまった」
部長の言う通り、あの時の俺は父さんと母さんを助けることに必死で、後先のことなんて全く考えていなかった。
今にして思えば、ただ命を懸けただけ。そんなの命を捨てるのと同じだ。
サイラオーグさんとの試合でもそうだ。俺は自分の命を懸けてでも、あの人を倒そうとした。
でも、それじゃあ勝てなかった。だから.............自分から生きることを諦めてしまったんだ。
「呂布はそのことに気づいていた。『このままでは、また暴走する危険がある』ってな。
だからこそ、『龍女王』へ至るための経験を通して、イッセーに『生きる意思の強さ』を教えたかったんだろう」
「『生きる意思』は............『死ぬ覚悟』よりも、強い」
「じ、じゃあ、呂布さんが俺の両親を連れてきてくれたのは...................」
「ああ。イッセーに欠けていた、最後のピースを埋めるためだ。実際、呂布の見立て通り両親が『きっかけ』となり、イッセーは不完全ながらも『龍女王』に至ったわけだからな」
確かに、俺が『龍女王』になれたのは父さんと母さんが来てくれたからだ。
じゃあ呂布さんは最初から『龍女王』にするのが目的じゃなく、『俺自身の成長』を望んでいたってことか...............?
「イッセーの心境に危険を感じた呂布は、敢えて修行中に『龍女王』に至らせなかった。さらに試合直前にアドバイスをし『苦肉の策』をもって、イッセーが『龍闘気』を引き出させやすい状態にする。
そして両親を連れてくることで、イッセーの心に『劇的な変化』を与えた...........呂布の筋書きとしてはこんなところか」
「呂布さん、俺のためにそこまで..............」
「いや、イッセーのためだけじゃない。恐らく、イッセーを通してリアスたちにも『生きる意思の強さ』を教えたかったんだろう。『暴走』の危険はグレモリー全員が孕んでいたからな」
「『人の振り見て我が振り直せ』、というヤツですね」
「ああ、グレモリーは『情愛の悪魔』だからな。だが今回の件を通して、イッセーだけじゃなくグレモリー全員が精神的にも大きく成長した。
だからこそ呂布は............『もうお前たちが暴走することはないだろう』という意味も含めて、【安心しろ】【心配はしていない】と言っていたんだ」
「っ~~~~~~、呂布様............私たちのために、そこまで...............//////////////」
『まったく、情けねえ話だぜ。呂布から【制約と誓約】についての危険性は教えられてたってのにな。
あんな若造にここまで世話になっちまうなんて、俺もヤキが回ったな..............本来なら、俺の役目じゃねえか..............』
アザゼル先生の話を聞いて、部長はとうとう泣き出してしまう。
部長だけじゃない。朱乃さん、木場、白音ちゃん、ギャスパーも感動のあまり涙を流している。
かくいう俺だって、今にも泣きそうだ。あの人の気遣い................情の深さには、言葉が出ないほど感激している。
散々迷惑を掛けられた相手にここまで手を尽くし、心を砕いてくれた呂布さん。
これで何度あの人に救われただろう..........いや、救われただけじゃない。沢山のことを教えてくれたばかりか、『情愛の悪魔 グレモリー』としての在るべき姿すら示してもらえた。
やっぱり、あの人は俺の理想だ! 理想の『ハーレム王』、『真のハーレム王』だ!!!
「しかし、アザゼル。呂布殿は何故、そこまでリアスたちのために動いてくれたのだろうか?
いくら情に深いとは言え、仲間や神々の反対を押しきってまで我々のためにしてくれる理由が思いつかない」
俺たちの気持ちが落ち着いた頃を見計らい、サーゼクス様が疑問を投げてくる。
確かに.........いくら何でもここまで他勢力、しかも嫌われ者の聖書陣営である俺たちにアレコレしてくれる理由が無い。
もちろん気持ちは凄く嬉しいけど、不思議には思ってしまう。
「ふっふっふ~~ん♪ それは簡単なことだよ、サーゼクスちゃん。呂布くんはと~~~~っても優しいからだよ☆」
「いや、セラフォルー、さすがにそれは..............」
サーゼクス様の疑問にセラフォルー様がいつものノリで答えるが、サーゼクス様も困惑してしまう。
そりゃあ呂布さんは優しいけど、さすがにそれは無理があると思う。
けれど、珍しくアザゼル先生はセラフォルー様の考えを否定しなかった。
「まぁ、当たらずとも遠からずってところだな。呂布があそこまで動いてくれたのは、恐らく..............朱乃のためだろう」
「え? わ、私のため、ですか................?」
「ああ、というかソレしか考えられん。前に曹操も言っていたが、呂布は『身近な者の痛みや苦しみを自分のモノとして考えられる』ヤツだ。
だから、イッセーが封印されればリアスたちは悲しむ。そうなれば、朱乃も深く傷つくことになるって考えたんだろうぜ」
「っ~~~~~~~~~~/////////////////////」
アザゼル先生から呂布さんの優しさと『愛』に満ちた想いを聞かされて、朱乃さんは言葉にならないくらいに喜んでいる。
俺たちもアザゼル先生の話を聞いて、不思議と納得できてしまった。
「こうして考えると、全部呂布の思惑通りに進んだ気がしてならねえ................ホント、大したヤツだ♪」
「ああ。そしてそれを恩とも思わず、何も言わずに去っていく。その気高さには敬服させられるよ」
「うっふっふっ♪ やっぱり呂布くんにソーナちゃんの先生を任せて良かった~~~~。ねーーー、ソーナちゃん☆」
「フフ、そうですね。今回ばかりは、お姉様の暴走に感謝します//////////////」
アザゼル先生に魔王様方、そしてソーナ会長すらも呂布さんの優しさに感動している。
気づけば、この部屋が笑いに満たされていた。俺の封印が無くなったこともそうだが、何より呂布さんの優しさを知って、俺たちは久しぶりに心の底から笑顔になれた。
これまでずっと必死だったからなぁ...........俺だけじゃない、グレモリーもシトリーも皆が必死で強くなろうとした。
でもそのせいで、いつしか心に余裕が無くなっていたんだと思う。
けど、呂布さんだけは常に余裕を持っていた。だからこんなに視野を広く、深く物事を考えられたんだろう。
................ホント、叶わないよなぁ、呂布さんには♪
「..........................................」
「あら、朱乃。どこに行くの?」
俺たちが笑い合っていると、朱乃さんが無言で出ていこうとする姿が見えた。
いつもの朱乃さんなら一言ぐらい断わってから出ていくはず。部長も不思議に思って呼び止めた。
「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ............ごめんなさい、ちょっと、お手洗いに行ってきますわ/////////////////////」
「「「「.................................」」」」
「.................あ、はい。どうぞ..............」
頬を真っ赤にさせ、息を荒くしながらも目がハートになっていた朱乃さんは、そのまま静かに部屋から出ていった。
あまりにも突拍子も無い事態に、部長も思わず敬語で返してしまう。
あんなに興奮した状態でトイレに行くなんて...............いや、これ以上考えるのは止めておこう。
世の中には知らない方が良いことだってある。周りの皆だって見なかったことにしているみたいだしな。
それよりも..............呂布さんには感謝してもしきれないよなぁ。
ここまでお世話になったんだから御礼がしたいんだけど、呂布さんのことだから受け取ってくれなさそうだし。
でも、それじゃあ俺の気が済まない! 何が良いだろう? 俺の秘蔵のエロ本やAVとかは..................ダメだ、間違いなく朱乃さんたちに殺される。
けど、俺が出来そうなことってそれぐらいだからな~~~~。
ん? 秘蔵のエロ本やAV? 何か忘れてるような....................
「あ~~~~~~~~!!! 呂布さんに禁欲を解いてもらうの忘れてたーーーーーーーーー!!!!」
俺は最後の最後でとんでもないポカをやらかし、周りの皆が呆れる中.................1人膝を着いて打ちひしがれていた。
毎度のことながら、勘違いにより呂布への評価が上がっていく面々。そして知らぬは本人ばかりなり。
次話は日常パートを入れたいと思っていましたが....................余計な話は入れず、そのままソーナVSサイラオーグに行きたいと思います!
それでは皆さん、次回で♪
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