ようやく................ようやくソーナVSサイラオーグの試合が終わりました。
これで今章の大きな話題は終わりとなります。ただ、まだ書かなくてはならないことがあるので、今章はもう少し続きます........................いったいいつになったら、次章に行けるのやら。
『こここ、こっ、これはぁーーーーーーーーーーっ!!! なんとういうことでしょう!!!
サイラオーグ選手から今までにないほどの黄金に輝くオーラが放たれ、フィールドの空が金色に染まっています!!!!』
『この光景、数か月前にも見たことがあります!! グレモリー領に突如金色の柱が現れ、冥界の空が黄金に輝いた現象........................あの時にそっくりです!!!』
私たちが見ているスクリーンがサイラオーグのオーラによって、金色の光一色になる!!!
観客や私とイッセーたちも、その輝きに魅せられて言葉を発することが出来ないでいた。
皆がサイラオーグのもたらした光景に見入っている中、私と................恐らくお兄様も何が起こっているのか気づいていた。
ディハウザー・ベリアルが言っている通り、このオーラの輝き、そして空をも金色に染め上げるオーラの量........................間違いない、以前グレモリー領で呂布様が見せてくれた光景そのものだわ!!!
『っ........................まさか、【目覚めた】というのかっ!?』
あの呂布様ですらこの光景に驚愕している! だとすれば本当にサイラオーグは、呂布様と同じ力を手にしたと言うの!?
私がその可能性を考えると同時に、サイラオーグが天を見上げながら叫んだ!!!
『呂布奉先殿! 偉大なる「深紅の武人」よ!! 世界最強たる御身の技!!!
誠に勝手ながら、このサイラオーグ・バアルが使わせていただきます!!!!』
サイラオーグが呂布様に断りを入れると、彼の拳が淀みなく動きだす........................っ、あの構えはっ!!!!
『おおーーーーーーーっと、サイラオーグ選手の拳が光の軌跡を描いていくーーーーーーー!!!
あれは............................獅子座、でしょうか?』
司会者の言う通り、サイラオーグの光る拳の軌跡が獅子座を描いていく。
獅子座を描くたびにサイラオーグのオーラがどんどん彼の周囲に集まっていった。
やっぱり、あの時と....................呂布様がサイラオーグに技を放った時と同じだわ!!!
じゃあ、サイラオーグがやろうとしている技というのは....................................!!!!
『よせ、サイラオーグ!!! お前にはまだ早い!!!!』
私の予感が的中するかのように呂布様がサイラオーグを止めようとする!!!
でも、試合の公平さを保つため解説の声は試合中の選手には聞こえないようになっている。
だから、サイラオーグの声は届くけど呂布様の声は届かない。
あの寡黙な呂布様が必死になって止めようとしているのを見て、私の予感は確信へと変わった!!!
「あの奉先様が、あれほどまでに取り乱すなんて........................」
「............................それだけ危険な技ってことですよね」
「おいおい、あの呂布さんが慌てるって、いったいどんな技なんだよ........................」
イッセーたちが呂布様の様子に驚くも、それ以上にサイラオーグが放とうとしている技が気になっているようだった。
この会場にいる中で呂布様を除けば、『あの技』を知っているのは私とお兄様だけ。
そして、その恐ろしさも................................。
「あれは............................相手を原子レベルで『消滅』させる、呂布様の秘技よ」
「「「「「!!!!!!!!!!!」」」」」
サイラオーグが今からやろうとしている技について教えると、イッセーたちは目を見開いて驚いた。
気持ちは分かるわ、私も呂布様から聞いた時は同じような顔をしたもの。
「し、『消滅』、ですか!? それって部長やサーゼクス様と同じじゃないですか!?」
「ええ、本来であればバアルの血統能力でしか起こせない『消滅』という現象。呂布様はそれを純粋な体術技で起こすことが出来るのよ」
「た、体術で!? そんなっ、いったいどうやったらそんなことが............................!?」
私の答えにイッセーだけではなく、他の皆も戸惑っている。どうやったらそんなことが出来るのかというイッセーの疑問は尤もだと思う。
私だって、どんな原理でそんなことが可能なのか想像も出来ない。でも、呂布様が言うのなら本当に可能なのだろう。
皆が呂布様の技の恐ろしさを感じていると、誰よりも先に落ち着きを取り戻した朱乃が尋ねてくる。
「リアス、どうして貴方が奉先様の技のことを知っているの?」
「以前呂布様と一緒に実家に帰った時、サイラオーグと呂布様が手合わせしたことは話したわよね?
その時にサイラオーグが呂布様の技を見たいと言って、呂布様がそれに応じたのよ」
「その時に使ったのが、今からやろうとしている技ってことね」
「ええ。相手を原子レベルで消滅させる力を、拳とともに光を超える速度で撃ちだす呂布様の秘技........................その技の名前は」
しかし私が技の名前を教えようとしたその瞬間、サイラオーグだけじゃなく匙くんまで動きだした............................!!!!
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俺は今、自分の目の前で起こっていることが理解できなかった................................。
立ち上がるだけの体力なんか残っていなかったはず。オーラだって枯渇しているはず、五感だって失っていたはず............................なのに、サイラオーグさんから感じるこの威圧感は何なんだっ!?
いや、異常なのは威圧感だけじゃない! このオーラの量もだ!! 天まで届くオーラのせいで空が見渡す限り金色に染まってやがる!!!
何が起こっているのかは、全くもって分からない!!! ただ言えることは一つ............................これからサイラオーグさんがやろうとしている技は、とんでもない威力だってことだけだ!!!!
だって、あの『師匠』の技だぞ!? どんな技かは分からないけど! どうしてサイラオーグさんが使えるのかは知らないけど!! 間違いなく俺を一撃で倒すだけのパワーはあるはずだ!!!
サイラオーグさんが拳を使って構えを取っていくと、空を染め上げていた黄金のオーラが集まっていく!! まるで黄金の風で出来た台風みたいだ!!!
「ゆくぞ、匙元士郎............................見るがいい、これが星をも噛み砕く獅子の牙だ!!!!」
キイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイインッッッッッッッッ!!!!!!!
周囲を取り巻いていた黄金の台風がサイラオーグさんの右拳に集中していく!!! 目も開けていられないほどの輝きは、太陽の光熱を思わせる!!!!
ッ、マズイ!!! こんなオーラの一撃........................受けきるなんて到底不可能だっ!!!
全チャクラと『鉄塊』で防御しても撃破待ったなしだろう!! 最悪、『死』すらあり得る!!!
何とか躱さないと........................っ、いやダメだ!!! 俺の後ろには会長がいる、俺が躱したりすれば攻撃の余波だけで会長がやられちまう!!!!
防御は無理、回避も出来ない............................なら、やることは一つ!! 俺の最大火力で迎撃するしかない!!!
ブワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア............................!!!!!
俺はここで最初に展開していた炎のオーロラ、『龍の牢獄』を解除した。上空を漂っていたオーロラは俺の身体に集まってくる。
ブオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッッッ!!!!!
『龍の牢獄』によって蓄えられた俺とサイラオーグさんのエネルギーが俺の身体全体を駆け巡る!!!
これが『龍の牢獄』の効果。展開されたフィールド内で発生したエネルギーを吸収し、俺の力に還元する。
この辺り一帯には俺とサイラオーグさんとの衝突で発生したエネルギーが大量に漂っていた。そのエネルギーを『龍の牢獄』が吸収し、今俺の身体に取り込んだってわけだ。
念のため試合の最初から蓄えていただけに、凄いエネルギー量だ! けど....................これだけじゃまだ足りない!! サイラオーグさんのオーラを超えるため、俺はさらに掛けていた『保険』を使う!!!
バァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッッッッッッッッ!!!!!
『黒い龍脈』で吸収したサイラオーグさんのオーラ、そして花戒から貰った全チャクラも使いエネルギーの量を更に引き上げる!!!
これに俺自身の『龍王チャクラ』を合わせて、両拳へ螺旋状に限界まで圧縮して練り込む!!!!
でも、まだだっ! まだこんなんじゃ、あのオーラに........................師匠の技には太刀打ちできない!!!
さらに俺は『堅』によって纏っていたチャクラも両拳に集中させる!!
身体を守るチャクラは無くなっちまうけど、そんなこと言ってる場合じゃない!!!
ギュイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイインッッッッッッッッ!!!!
チャクラの形態変化の修行で身につけた技術!! チャクラやオーラを必要な箇所に集める基礎修行!!!
ホンッット、『基礎』っていうのはこういう土壇場で活きてくるよなぁっ!!!!
「ふっ、良いぞ........................そうこなくてはな!!! 受けてみよ、俺の全身全霊の一撃をっ!!!」
「行きますよ、サイラオーグさん!!! これは俺の今までの全てを込めた....................全力全開っ!!!!」
<<ライトニング・ボルト>>!!!!!
<<六王螺旋銃 ろくおうらせんがん>>!!!!
ドッゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッッッッッッッッ!!!!!!
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サイラオーグの右拳と匙の両拳がぶつかり合い、凄まじい衝撃波と爆音が広がる!!!
まるで目の前に核ミサイルでも落ちてきたかのような衝撃!!!!
目も開けられないような突風が巻き起こり、周囲の物を吹き飛ばしていく!!!!
私が障壁を張るも、あまりの勢いで吹き飛ばされそうになる!!!
でも、踏ん張らないとっ!! ここで吹き飛ばされて撃破されようものなら、眷属の皆に合わせる顔が無い!!!!
やがて風も治まり、私が目を開けると............................匙の姿が無かった!!!
サイラオーグは立っている、けど匙の姿が見えない! まさか撃破されて転送された!?
いいや、撃破アナウンスは流れていなかった!! じゃあ、どこへ................................?
私は周囲を必死になって探すと........................遥か後方に黒い鎧、匙の姿があった!!!
「匙っ!!!!」
私は匙に駆け寄り、彼の身体を抱き起こす! 耳を澄ますと微かだが息遣いを感じる。
良かった、生きてはいる!!!
「匙、しっかりしてください!!! 匙っ!!!!」
何度も匙の名前を呼ぶも一向に起きる気配が無い、完全に気絶している。
何度も私は呼びかけるが、一切反応はなく........................やがて、アナウンスが流れた!!!!
『ソーナ・シトリーの「兵士」1名、撃破!!!』
とうとう撃破アナウンスが流れてしまった、匙の身体が粒子となって消えていく................................。
「っ....................ありがとうございます、匙」
私は消えていく匙の姿を見ながら、お礼を言うと............................意識を切り替える!
まだ試合は終わっていない! 匙が倒された以上、次に戦うのは私だ!!
匙の頑張りに、皆の想いに応えるためにも........................私がサイラオーグを倒すしかない!!!!
私は涙を拭いながら顔を上げ、戦う覚悟を決める!!!
『サイラオーグ・バアル選手、撃破!!!』
「ッッッッッッッッ!?」
突如流れる審判のアナウンス!!! 私は目を開いて驚き、サイラオーグの方を向く!!!!
パァァァァァァァァァァァァ................................
サイラオーグは先ほどと同じく立ったままだったが、その身体は粒子となって消えていく!
まさか................................立ったまま気絶していたというの!?
匙は吹き飛ばされ撃破されたというのに、サイラオーグは意識を失いながらも倒れることだけはしなかった。
無意識からか、それとも『王』としての矜恃からなのかは分からない。
でも何か....................彼にとって譲れない物のために、自身が倒れることを許さなかったのだ。
私は立ち往生で消えていくサイラオーグの姿を見て、『王』....................いいえ、『獅子王』と呼ぶに相応しいと思ってしまった。
『バアルチームの「王」の撃破を確認。現時点をもってゲームを終了します。勝者、ソーナ・シトリー!!!』
ゲーム終了とともに私の、私たちシトリーの勝利宣言がされる................................私の胸はかつてないほどの充実感で満ちていた。
夢を抱き、馬鹿にされ、笑われ、厳しい修行に耐えた日々................................夢を諦めず、諦めきれず、信頼できる仲間とともに自分たちの可能性を信じて駆け抜けてきた。
良き仲間に恵まれた、良き師にも恵まれた。何一つ欠けていてはここまで来ることは出来なかったでしょう。
まだまだやらなくてはならないことは多いですが................................今、私の夢を懸けた戦いの一つが終わったのだ。
私は目を瞑ってこれまでのことを思い返し、身体が転送されていくのを感じながら................................涙を溢していた。
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『ゲーム終了ーーーーーーーーーー!!!! 幾たびの激闘の末、勝利を手にしたのはシトリーチーーーーーム!!!!
ご覧ください、会場から割れんばかりのこの拍手を!!! 死力を尽くして戦った両チームに観客から惜しみない賞賛が送られております!!!』
『勝利したのはシトリーチームでしたが、バアルチームも素晴らしかったです。今日の試合はまさに、プロでも見られないほどの名勝負と言えましょう!!』
『ええ、まったくその通りです!!! そしてそしてそしてーーーーーーーーー! 本日の勝利により、ソーナ選手は見事『全勝宣言』を達成いたしました!!!
皆様、改めてソーナ・シトリー選手とその眷属の方々に拍手をお願いいたします!!!!』
ワアアアアアアアアアアアアアアアアアア....................................!!!!!
司会者の音頭により、観客からソーナ・シトリーたちへ満場の拍手が送られる。
今日の試合内容、そして宣言通りの全勝達成。これによりソーナ・シトリーは若手筆頭悪魔としての地位を確立するだろう。
さらには『才能』ではなく、『努力』の価値と有用性を示したことにより彼女は下層階級の悪魔にとってカリスマ的な存在になった。
ふふふ、面白くなってきたじゃないか。これは『例の連中』が動き出すのが楽しみだ♪
「う、う、う、うぅぅぅぅぅぅぅぅ~~~~、ゾーナぢゃぁん、おめでどぉぉぉぉぉぉ!!!」
俺が今後のことを考えていると、レヴィアタンが涙と鼻水を流しながら喜んでいる。
もはや魔王の威厳など全く無いが、ここまでだらしなく喜ばれると一周回って逆に好感が持ててしまう。
「曹操、なかなか面白いものを見せてもらったぞ♪」
「うむ、まさか当初の予定の半分で目標を達してしまうとはな♪」
「ええ、元一般人である彼らがここまで強くなるとは思いませんでした」
「HAHAHA☆ それに魔王や貴族共の吠え面は最高だったZE♪」
「ガーッハッハッハッハッハッ! 残り半年、あのシトリーの連中がどれだけ強くなるか楽しみだわい!! ガーッハッハッハッハッハッ!」
ソーナ・シトリーたちの成長にオーディンたち主神だけではなく、他の神々も満足してくれたようだ。
こんなに上機嫌な神々を見るのは珍しい。『神々は英雄を愛する』というように、ソーナ・シトリーたちを『英雄』に類するものと認めたということだろうか。
「ありがとうございます、ソーナ・シトリーたちには御身らの御言葉をしかと伝えておきます」
「うむ。じゃがのう、曹操。一つ聞きたいことがある............................」
ご機嫌な神々に俺が抱拳礼で応えるとオーディンが疑問を投げ掛けてくる。
それと同時に、さっきまで笑っていた周りの神々の空気も一変する。
聞きたいこと、か...........................まぁ、概ね予想は出来ている。
俺が何を聞かれるのか当たりをつけていると、オーディンから予想通りの質問が飛んできた。
「バアルの小僧が放った技........................アレは何じゃ?」
............................ハァ、やはりか。だいたい分かってはいたが、こう正面から言われると反応に困ってしまうな。
何しろ俺だって『あの技』がどういうものなのか皆目見当もつかない。
サイラオーグ・バアルから放たれていた『黄金に輝くオーラ』、あんなものは初めて見た。
通常のオーラとは明らかに違う。金色のオーラを使っていたことはあったが、あれはレグルスの影響によるものだ。
そしてチャクラとも違う、あんなチャクラは見たことがない。
オーラでもなければ、チャクラでもない。ましてや魔力であるはずがない、サイラオーグは『魔力』が使えないのだからな。
そして何より、何故サイラオーグ・バアルが呂布の技を使えていたのかが分からない。
あの呂布があれほどまでに取り乱したことから、呂布自身が教えたわけでもなさそうだしな。
「申し訳ありませんが、あの技については私にも分からないんですよ。何故、サイラオーグ・バアルが呂布の技を使えていたのかも含めて」
「そうか............................となると呂布に直接聞いた方が早いか「失礼いたします、少々よろしいでしょうか?」........................何じゃ、サーゼクス」
俺たちが『あの技』について話し合っていると、横からサーゼクス・ルシファーが話しかけてくる。
何だかバツが悪そうな顔をしているが、何かあったのか?
「サイラオーグが何故、呂布殿の技を知っていたのか。そのことにつきましては私からご説明いたします」
そう言うとサーゼクス・ルシファーはサイラオーグ・バアルが呂布の技を知る経緯について話してくれた。
何でもサイラオーグ・バアルが呂布に手合わせを申し出たことがあり、呂布がそれを承諾。
手合わせの中で、サイラオーグ・バアルは呂布の戦闘技術に非常に感激していたそうだ。
そしてサイラオーグ・バアルは己が向上心から『呂布の必殺技が見たい』と要望。
サイラオーグ・バアルの真っすぐな心意気を認め、その若き魂に呂布が応えたという。
「二人の手合わせの場には、私も立ち会っておりました。そして呂布殿に秘技を使用させてしまったのは私の不徳の致すところです。
ですので、サイラオーグには一切の非はございません。曹操殿、そして神々よ。全ての責は魔王である、この私にあります。どうか私の首一つで、事を治めてはいただけないでしょうか?」
「「「「「「........................................」」」」」」
サーゼクス・ルシファーが頭を下げるのを見て、俺と神々は黙ってしまう。
確かに話だけ聞けば、サイラオーグに呂布の手の内を探らせたことになる。これは明らかに神々の警告を無視する行為だ。
普通に考えれば、悪魔側を糾弾し責任を取らせる場面。サーゼクス・ルシファーは魔王の座を終われるどころか、本人の言う通り首を刎ねられるところだろう。
だが....................................................。
「................................頭をお上げください、ルシファー殿」
「っ、曹操殿?」
俺が頭を上げるように言うと、サーゼクス・ルシファーは不思議そうな顔でこちらを見る。
ふふ、安心しろ、サーゼクス・ルシファー。ここで我々が貴方に責任を追及することはない............................『ここ』で、『我々』が、ね。
「一応確認しますが、呂布に技を使わせたのは貴方や悪魔政府の指示ではないのですよね?」
「................................ああ、呂布殿はあくまでサイラオーグの『本気の想い』に応えてくれただけだ。」
「では、サイラオーグ・バアルは呂布から直々に技を教わったのですか?」
「いや、どういう技なのかは説明はされたが指導を受けたわけではない。
その説明にしても、『どうやれば出来るのか』という部分については触れられていなかった」
「そうですか............................では、我々から言うことは特に無いでしょう」
「「「「「!!!!!!!!!!!!!!!!」」」」」
俺の言葉にルシファーだけではなく、他の魔王や貴族悪魔。そして神々まで驚きの顔を見せる。
無理もない、一番糾弾しそうな『蒼天の紅旗』が自ら矛を納めたのだ。これには神々も予想外だっただろう。
案の定、神々は俺の態度に疑問を抱いている。
「................................何を考えておる、曹の坊や」
「いえ、呂布から『技の指導』まで受けていたのなら問題でしたが........................あくまで『技を見せられた』だけなら大きく取り上げることでもないと思ったまでのことですよ」
「じゃが実際、バアルの小僧は呂布の技を使っているではないか。それは呂布の技を『盗んだ』ということじゃぞ」
「ええ。ですが『教わった』のではなく『見て盗んだ』ということであれば、なおのこと咎めることは出来ません。
古来より、武術やスポーツなどの『技術』は『教わる』のではなく『盗む』ものですからね。
我々『蒼天の紅旗』でも、常に古きを尊び新しきを取り入れております。これも大別すれば『盗む』ということになってしまいます」
「う~~~ん、まぁ、そう言われるとそうかもしれんが................................」
「もっと言うと、神々との訓練でも皆様から多くの『技術』を学ぶ................いえ、『盗ませて』いただいております。
武の世界において技や技術を盗むことは、咎められることではありません」
「そうですね、『武術』というのはそうして継承されてきたわけですからね」
「はい。呂布の秘技が悪魔の中でも継承され、未来永劫生き続ける............................そう考えれば、あながち悪いことでもないと思われます」
「う~~~む、確かに。呂布の技術や秘技が時代を、そして種族の壁すらも越えて残り続ける........................それはまさしく、『英雄』の本懐とも言える」
「だな。むしろ呂布の技を見ただけで真似ることが出来たんなら、あのバアルの坊主は大したもんだぜ♪」
俺の言葉に難色を示していた神々も、少しずつ理解を示し始める。
もちろん無秩序に広めるのは良くないが、サイラオーグ・バアルのように純粋な武闘派に知れ渡るのは吝かではない。
ダグザやゼウスも同じ武闘派なら尚更のことだ。全神話群の武闘派の中でも、筆頭格と呼べる帝釈天なんかはサイラオーグ・バアルのことを認めているからな。
ただ、オーディンや天照は未だに納得が出来てない様子....................................もう一押しするか。
「それに呂布のことですから、この件については納得しているはずです。
ならば、ここで事を大きくするのはよろしくないでしょう................................我らの『主たる目的』のためにも」
「「「「「ッッッッッッッッ!!!!」」」」
俺の最後の一言で神々の表情が一変する............................どうやら俺が何を言いたいのか、気づいたみたいだな。
そう。ここでルシファーを弾劾するのはマズイ、俺たちの計画が崩れてしまう。
せっかくここまで順調に事を運び、あとは『例の連中』が動き出すのを待つだけだと言うのに。
それなのにここでルシファーがいなくなってしまえば、せっかくの仕込みが水の泡となる。
だから『今は』まだ、この男には魔王でいてもらわないと困るんだ。俺たちのためにもな............................。
俺がそう言うと神々も納得し、ルシファーや他の魔王には『今後は控えるように』と忠告をしてVIPルームから出ていった。
危うくルシファーの首が物理的に飛ぶところを助けた俺は、ルシファーだけではなく他の魔王やアザゼルから大変感謝された。
別に彼らに感謝されたくてやったわけではないので、俺は適当に返しておいた。
その後はイリナたちを先に人間界へと帰し、俺はソーナ・シトリーと話すことがあったため、彼女たちの控室へと向かった。
............................................その際にシスコン魔王であるレヴィアタンまで付いてくることになったのは、言うまでもないだろう。
匙の技である≪六王螺旋銃≫は【NARUTO】の『螺旋丸』を拳に纏った状態で【ONE PIECE】の『六王銃』を放つ技です。
『丸 がん』と『銃 ガン』を掛けてみました♪
それから『龍の牢獄』は『魔以外の存在へのデバフ』と『周囲に蓄積していった魔力などのエネルギーを吸収し還元する』という効果になっています。
今回は悪魔同士の戦いなので前者は機能していません。後者については分かりやすく言うと【リリカルなのは】の『集束砲』、【ダイの大冒険】は『真竜の戦い』のように蓄積したエネルギーを自分の力にするような感じです。
それでは皆さん、次回で♪
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