今章も次話で終わる予定です。いや~~~、長かった長かった........................。
............................ってなことがあって、食べ物を粗末に扱う連中を誅殺したというわけだ。
うぅ....................聞くも涙、語るも涙、思い出しても涙。涙無しでは語れない悲劇だった........................。
ちなみにあの時、正臣さんの傷は俺の『禁手』で治した............というか『無かったこと』に出来たので、すぐにスイーツちゃんを元に戻せるかもう一度試してみたんだけどダメでした。
どうやら『禁手』になる前の事象は『無かったこと』には出来ないみたいだ........................ちきせう。
「あの後、私と妻はディハウザー殿の領地にある田舎の片隅で静かに暮らすこととなりました」
「そしてその後、息子を授かり....................今は家族三人と眷属の皆で慎ましく平和な毎日を過ごしています。エカルラート、呂布様にご挨拶なさい」
クレーリアさんに促され、今まで二人の後ろに控えていた少年が前に出てくる。けれども、こっちが思わず心配してしまうぐらいガチガチに緊張してしまっていた。
頑張れ、少年!
「エカルラート、フランス語で『緋色』という意味ですわね」
「ええ、今の私たちがあるのは呂布様のおかげです。この子も貴方様のように強さと優しさを持った大人に成長して欲しいと願い、貴方様の髪の色からいただきました」
「さあ、エカルラート。いっぱい練習したでしょ? 頑張りなさい」
「は、はい! は、はじめまして、呂布さまっ! エ、エカルラート・ベリアル・八重垣と申しましゅっ!
ッッッッッッ!! あうぅぅぅぅぅ///////////」
こういった挨拶が初めてなんだろう。エカルラートくんは噛んでしまったことに恥ずかしがり、俯いてしまう。てぇてぇ、てぇてぇよ........................。
「あらあら、この子ったら♪ すみません、呂布様。練習ではちゃんとご挨拶できていたのですが」
「フルフル、一生懸命なのが伝われば....................十分だ....................エカルラート」
「ひゃっ、ひゃい!」
俺は気にしていないということを伝え、エカルラートくんに声を掛ける。しかし、エカルラートくんはおっかなびっくりに返事をする。
やっぱりずっと田舎で暮らしていたからか、こういった畏まった場ってのが苦手なんだろう。
俺も畏まった場ってのは苦手だからな~~~、なので気持ちはよ~~~く分かるよ。
「........................呂布奉先だ....................よろしくな、エカルラート」
「っ~~~~~! は、はい!! 光栄です、呂布さま!!!」
俺が軽く笑いながら手を差し出すと、花が咲いたよう笑顔を見せるエカルラートくん。
俺の差し出した手を嬉しそうにその小さな両手で握ってくる姿は尊死ものだ........................お持ち帰りしたい。それが無理なら写真を撮りたい。
「ふふ、良かったわね、エカルラート♪」
「ああ、世界最強の『深紅の武人』自ら握手を求められたんだ。非常に名誉なことだぞ?」
「はい、父さま、母さま♪ ありがとうございます、呂布さま! ボク、この手は一生洗いません」
俺と握手したことに大はしゃぎするエカルラートくん。その姿を微笑ましく見ているクレーリアさんと八重樫さん。
だからミリキャスもそうだったけど、手はちゃんと洗いなさい。
俺が衛生面の大切さを教えてあげようかと考えているとクレーリアさんと八重垣さんが佇まいを正す。
それを見たディハウザーも何かを察したようで、同じく姿勢を正した。
「呂布くん....................いや、呂布様。改めて言わせてください。十年前に私たち夫婦を救っていただき、ありがとうございます!」
「呂布様、貴方様のおかげで私たち家族はこうして幸せに暮らせております。本当に........................ありがとうございました」
「呂布殿、私からもお礼を申し上げます。私の親族を救っていただき、誠にありがとうございました」
クレーリアさんと八重樫さん、そしてディハウザーの三人が一緒に頭を下げてくる。
先ほどまではしゃいでいたエカルラートくんも、よく分からない様子でペコっと頭を下げる。尊い、なんて清らかで良い子なんだろう。
「頭を上げてください....................先ほども言いましたが........................気にしないでください。
あなた方が今、幸せなら........................それで十分です」
俺は皆に早く頭を上げるようにお願いする。三人はともかく、こんな小さな子にいつまでも頭を下げさせるわけにはいかないからね。
「呂布様............................っ~~~~、ありがとうございます。やはり貴方は紛れもなく『真の英雄』だ........................!」
「ええ、呂布様ならきっと........................ディハウザー兄さま、構いませんね?」
「ああ、呂布殿なら間違いない。『例の物』を渡してくれ」
クレーリアさんがディハウザーに何かを確認すると、異空間から分厚い封筒と贈呈用に使いそうな木箱を取り出した。
「呂布様、貴方様にこちらを託します。ここには十年前に私が集めました............................今の悪魔社会の『闇』とも言える情報が書かれております。
そしてこの木箱には、その『証拠』となる品が入っております」
「あ、悪魔社会の『闇』!? クレーリア様、それはどういうことですのっ!?」
クレーリアさんからの思いがけない発言に驚くレイヴェル、しかしクレーリアさんはレイヴェルの質問に首を振って答える。
「申し訳ありませんが、私の口から申し上げられるのはここまでです」
「そ、そんな................................」
クレーリアに断られ、レイヴェルは残念そうに肩を落としてしまう。俺は封筒と木箱を受け取ると、木箱の中身を確認........................中には『チェスの駒』が一つ入っていた。
これって、もしかして....................................
「............................何故、『コレ』を俺に?」
「はい。あれから色々と考えたのですが........................私たちでは情報と証拠を集められても、『コレ』を扱うだけの『力』がありません。
けれど、呂布くん....................種族や立場に関わらず、事情も知らない私たちを救ってくださった『深紅の武人』様なら、きっと正しいことに使ってくださると思いました」
「....................................................」
「『ソレ』についてどうするか、全てを貴方様に委ねます。不要だと思えば破棄してくださって構いません。どうぞ、呂布様の御心のままに」
「呂布殿、『コレ』については貴殿には一切関わりのないことです。しかし、もし貴殿が『その気』になってくださいましたら................................このディハウザー・ベリアル!! 犬馬の労も厭わず、貴殿にお力添えいたしますっ!!!!」
「呂布殿........................何を守ってくれとは申しませぬ。何を救ってくれとも申しませぬ。
ですが貴方様なら、きっとこの子が充実した人生を歩める世界を作ってくださると信じております」
「........................わかった....................然るべき処置をする」
八重樫夫妻だけではなく、ディハウザーにまで再び頭を下げられてしまう俺。
ここまで頼まれた以上、さすがに知らんぷりは出来ないよな~~~~。
とりあえず貰ったモンは仕方ないので、後で曹操にでも相談することにしよう。
「そろそろこちらの用件を済ませても構わないかな、『皇帝』?」
ひとまずこの場では明確な返答は濁して皆に頭を上げてもらう。そして話も一段落したところで、今まで控えていたリュディガーさんが話しかけてきた。
そういえば、この人もいたんだった........................でも、この人の用件って何なんだ? こればかりは全く予想がつかない。
「ああ、待たせてすまなかったね。呂布殿、申し訳ないがこの者の話も聞いてくださいませんか?」
まぁ、せっかく待ってもらったんだし。ここまで来て、断ったりはしないから大丈夫だよ。
「コクン、話と言うのは............................何でしょう?」
「はい。呂布殿、無礼を承知で申し上げます。どうか............................どうか、息子にお会いしていただけませんでしょうか!?」
....................................What? え、え、え? どういうこと? 何で俺がリュディガーさんの息子に会わなきゃならないの!?
これが『娘に会ってください』なら、『結婚相手として私の娘はどうですか?』みたいに捉えられるけど、流石に息子じゃあねぇ............................。
まぁ、娘であったなら即断るけどさ。だって、そんなことになったらアーシアには泣かれて朱乃に折檻されそうだもん。
「............................どういうことでしょうか?」
俺がストレートに疑問をぶつけると、リュディガーさんは事情を説明してくれた。
何でも『元人間』であるリュディガーさんには悪魔の奥さんとの間に一人息子がいるらしい。
そしてその息子さんは『元人間』の血が入っているからか、生まれながらに『神器』を宿しているんだそうだ。
ところが、その『神器』は息子さんには適合していなかったため、息子さんはずっと寝たきり状態だと言う。
生まれてからずっと病院で過ごすリュディガーさんの息子。そんな彼が俺の噂を聞いて『一度でいいから会ってみたい』とリュディガーさんにお願いしたらしい。
しかし、悪魔から俺へ直接連絡を取る方法なんか無い。リュディガーさんも半ば諦めかけていたところに、今回俺がたまたま冥界で解説役をすることになったことを聞いてお願いしに来たんだそうだ。
事情を聴いた俺は、ここに来てようやく原作での話を思い出した。これって、確かアザゼル杯で一誠がデュリオと対戦した時のエピソードだ!!!
でも原作では確か息子さんが憧れてたのってデュリオじゃなかった?
いや、この世界はもう原作からだいぶ乖離しているから、息子さんの憧れが変わっていても不思議じゃないだろうけどさ。
「お願いいたします、呂布殿! 貴方様のお立場は重々理解しております!! ですが息子にはもう時間が無いのです!!!
神々から罰せられる覚悟は出来ております、どうか............................どうかお願いいたします!!!!」
リュディガーさんの悲痛な叫びが部屋に響き渡る。そういえば息子さんってデュリオに会うことは出来たけど、結局助からなかったんだっけ?
そりゃあ一人息子の頼みなら何とか叶えたいって思うよなぁ。
「............................承知しました」
「っ、ほ、本当ですか!?」
「ええ....................ただ先にやることがあるので....................それからで構いませんか?」
「っ~~~~~~!!! もちろんですっ!!!! ありがとうございます、ありがとうございます!!!!!」
俺が息子さんに会うことを承諾すると、リュディガーさんは涙を流しながら喜ぶ。
いやいやいやいや、これだけの事情を聴いておきながら断るとか、そんな鬼畜なマネ出来るわけがないでしょう!
「まぁ、今回ばかりは仕方ありませんわよね」
「ふふふ♪ やっぱり呂布様は、あの頃の『呂布くん』です♪」
「ああ。そうだな、クレーリア。容姿は変わり、どれだけ年月が流れようと彼は『彼』のままだ」
「ふっ、どうやら我々の目に狂いは無かったようだ............................」
リュディガーさんの息子さんに会うのは後にして、八重樫家族やディハウザーとはその場で別れる。その後俺とレイヴェルは、先に『用件』を済ませるため部屋を出た。
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
「どうですか、サイラオーグの容態は............................?」
俺とレヴィアタンはソーナ・シトリーが医務室にいると眷属たちに聞いて、医務室までやって来た。
しかし、俺たちが来た時には医務室は重苦しい雰囲気に包まれており、とても話が出来るような空気ではなかった。
どうやら試合が終わってから、サイラオーグ・バアルは右腕の感覚が無いらしい............................彼の母親らしき女性が医師に尋ねると、医師は目を伏せながら首を横に振った。
「残念ですが、まったくもって見当がつきません。私が今までに見たどの症例とも合致しませんので........................」
「ッッッッッッッッ!!!! そう、ですか........................ありがとうございます」
医師にも原因が分からないと言われ、ショックを受ける母親。彼は腕利きの医師らしく、彼で分からないのなら恐らくどの病院に行っても答えは変わらないだろうとのこと。
医務室の空気が重苦しくなる一方、当のサイラオーグ・バアルは母親を元気づける。
「母上、そう気を落とさないでください。右腕が使えなくても、俺には左腕と両の足があります。
これだけあれば、俺はまだまだ戦えます。むしろ、母上からいただいた身体をこのような目に合わせてしまい申し訳ありません」
「っ~~~~、サイラオーグ........................!」
右腕が使えないという事態にもめげずに再起を図ろうとするサイラオーグ・バアル。だが、母親から授かった身体を傷つけてしまったことを心底申し訳なく思っている模様。
そんな気丈に振る舞う息子を見て、思わず母親も涙を流してしまう。
まったく........................全ての『悪魔』がこの二人のようだったら、どれだけ良かったことか。まぁ、それは『人間』にも言えることか。
だが、原因は恐らくサイラオーグ・バアルが放った最後の技だろう。呂布があれほどまでに必死で止めようとしたところを見ると、やはりあの技はサイラオーグ・バアルにとって早かったようだ。
右腕の感覚が無いというのも、たぶん『あの技』の反動と言ったところか。
そして俺が原因にアタリをつけているとレヴィアタンも同じ考えに至ったようだった。
「もしかして、呂布くんがサイラオーグくんに『まだ早い』って言って止めようとしたのは、こうなることが分かっていたからなのかな?」
「っ、どういうことですか、お姉様?」
「うん、実はね........................」
ソーナ・シトリーに言われ、レヴィアタンは最終試合での呂布の慌てようについて語る。
あの呂布が取り乱すなど信じられなかった皆だったが、逆にそれだけ危険な技だったということを思い知った。
「では呂布殿は、『サイラオーグがこうなるかもしれないと思ったから止めようとした』ということでしょうか?」
「でもそれなら、師匠だったら原因が分かるかもしれないってことですよね!?」
「ええ........................曹操殿、呂布殿にお越しいただくことは可能でしょうか?」
匙元士郎の言葉に賛同するソーナ・シトリー。だが、この場に呂布を呼ぶのはマズいと思ったのか俺に伺いを立ててくる。
確かに悪魔の治療のためだけに呂布を呼ぶのはよろしくないだろう。当然と言えば当然だが............................生憎その心配の必要は無い。
「残念だが、それには及ばないよ」
「? どういうことだよ?」
「簡単なことさ。呂布がこの事態を見越しているのだとしたら、放っておくはずがない。それに........................」
コンコン
俺が肩を竦めながら答えると、ちょうど良いタイミングで医務室のドアがノックされる。
サイラオーグ・バアルを診ていた医師が応対し、中に入れると気配を感じ取っていた通りの人物がやってきた。
「もう来ているからね」
「邪魔をする」
「失礼いたしますわ」
「「「呂布殿っ!?/り、呂布殿!/し、師匠!!!」」」
いったい今までどこに行っていたのか........................呂布とレイヴェルが入ってきた。
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
俺とレイヴェルが医務室に入ると匙がいきなり「助けてください!!」と鬼気迫る顔で頼み込んできた。
これこれ匙くんや。そんなに慌てて、どこの世界の中心で愛を叫ぶつもりなんだい? あと医務室で騒ぐもんじゃないよ。
匙は慌てて何を言っているのか分からなかったので、ソーナに事情を話してもらうことにした。
話を聴くとどうやら俺の予想通り、試合が終わってからサイラオーグは身体に変調を来たしていたらしい。何でも右腕が動かないんだとか。
まったく、だから止めとけって言ったのに............................まぁ、試合の都合で俺の声は届いていなかったみたいだけどさ。
「サイラオーグ........................右腕を診るぞ」
「っ、は、はい、お願いします!」
俺はサイラオーグに断ってから、サイラオーグの右腕の包帯を外して『セブンセンシズ』を使う。
「................................綺麗」
「この光って、あの時の........................!」
「やはり呂布と同質の力だったか........................」
「っ、こ、この感覚は............................!」
『セブンセンシズ』を使ってサイラオーグの右腕を触診していると、曹操たちが何やらブツブツと呟いている。
ただサイラオーグだけは何かを感じ取っているようだった。どうやら本当に『目覚めた』らしい。
「無茶な力を使ったな............................右腕の肉体と精神体が乖離している」
「っ、申し訳ありません。しかし呂布殿、この力は....................................」
「やはり感じ取れるか........................だが話は後だ」
俺は次に『エイトセンシズ』を発動させ、更に『仙術チャクラ』を使ってサイラオーグの右腕を治療していく。
治療方法としてはミスラさんにやった時とほぼ同じだ。乖離してしまったサイラオーグの精神体の右腕部分を『仙術チャクラ』を使って肉体に繋ぎ直せばいい。
幸い、肉体と精神体の縫合自体はすぐに終わったので、最後に『セブンセンシズ』で細胞を活性化させて右腕を動かせるようにして治療は終わり。
「............................治ったぞ」
「っ、おぉぉ!! ありがとうございます、呂布殿。何と御礼を申し上げれば良いか........................!」
「さっすが、師匠! 良かったですね、サイラオーグさん♪」
「こうも容易く治してしまうとは................お見事です、呂布殿」
「ふふん♪ 呂布様なら当然のことですわ!」
「やれやれ、先ほどまでの空気はどこへ行ったのやら」
「これが噂に名高い、『深紅の武人』....................!」
サイラオーグは腕を軽く動かして感覚を確かめると御礼を言ってくる。周りの皆もサイラオーグの腕が治ったことに大喜び。
さ~~て、治療も終わったことだし........................『お仕置き』、だね♪
「匙、サイラオーグ」
「はっ!」「何ですか、師匠?」
ゴンッッッッ!! ゴォンッッッ!!!
「ッッッッッッ!!!」
「のごぉっっっ!!!!」
俺は二人の頭に拳骨を落としてやった。サイラオーグと匙も俺からいきなり拳骨されるとは思っていなかったらしく、大層痛がっている。
「イッテェェェェェェェェェェェェッッッッッッ!!!!!」
「り、呂布殿、何を............................?」
サイラオーグは突然のことに困惑し、匙は痛みのあまり床にのたうち回る。
ソーナとセラフォルーは目をパチクリして驚いているし、ミスラさんは口に手を当てて目を見開いていた。ただ、曹操だけは肩を竦めながら軽く笑っている。
皆が様々な反応を見せて、部屋は若干カオスな雰囲気になっていた。
「二人とも....................命を捨てるような....................危険な真似をするからだ」
「い、命を捨てる、ですか? それはいったいどういうことなのでしょうか?」
「いっつつつつつつ~~~~、どういう意味ですか、師匠?」
俺の言葉にサイラオーグと匙は戸惑っている模様。ただ、匙はまだ痛みが抜けきっていないみたいだ。
周りの皆も疑問に思っているようなので、俺は二人が最後に放った技が如何に危険な技だったかを説明した。
まず匙についてだが、匙はサイラオーグの技に対抗するために全チャクラを両拳へと圧縮させていた。
だが、そのために本来なら自分の身を守っているチャクラまで攻撃に転用してしまった。
チャクラやオーラを特定箇所に集中させる技術の『凝』。ただし『凝』はいくらエネルギーを集中させても、自分の身を守るだけの最低限のエネルギーは残している。
しかし、匙があの時使ったのはその最低限のエネルギーすら集中させる『硬』だった。
『硬』は『凝』以上にエネルギーを集中できる代わりに集中箇所以外は生身の状態、つまりは一部分を除いた『絶』のようなもの。
一般人でも自分の身体を守るだけの微弱なオーラで纏われている................だが『絶』はそのオーラが全く無い状態なので、防御力は一般人以下となってしまう。
だから最初の修行で『絶』の危険性は十分に教えたってのに、この子ときたら..................!
「もしチャクラを集中させた箇所以外に................サイラオーグの攻撃が..............少しでも当たっていたら...................お前は死んでいたぞ」
「いいいいいいいいいいいいいいいっっっっ!!!! マ、マジっすかぁ!?」
「コクン、だから『硬』については.................教えなかった」
「そうだったのですね................お手数をおかけし申し訳ありません、呂布殿」
「で、でも、あの時はああするしか............っっっっっ!!!」
ブウウンッ! スッ!! ヒュッ、ドゴオンッッ!!!!
「のべぇっっっっ!!!!」
匙が言い訳するので、『お仕置き』のおかわりをしてあげた。もちろん二度目なので、今度は強めに♪
だが匙は『見聞色の覇気』を使い躱そうとしたので、こちらも先読みして拳の軌道を拳骨からアッパーに切り替える。
避けようとしたことで『反省の色なし』と判断し、更に力を込めた結果、匙は壁まで吹っ飛んでいった。
「まったく、変に言い訳したり避けようとするからですわ」
「やれやれ、躱せるはずがないんだから大人しく食らっておけば良いものを」
「むしろ避けようとしたことで、威力が上がってましたね」
「だ、大丈夫、匙くん? 顔に思いっきり拳がめり込んでたけど......................」
どうやら匙は気絶したようで、セラフォルーの心配や曹操たちのありがたい忠告も届いていなかった。
呂布が少し暴力的になってしまってますが、匙とサイラオーグがやったことはそれだけ危険ということだと見てください。
それでは皆さん、次回で♪
感想・高評価もいただけると作者が喜び、励みになります!