深紅の武人が住くD×D   作:あさやん&あさやん

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タマモと呂布の出会いについてはどうするか考え中です。

個人的にはあまり【幕間II】でシリアスを書きたくはないんですが、かと言ってタマモだけ外すのもどうかと思いますし............................。




第百六十一話

 

 

 

 

「あ、あの~~~~、ここは........................?」

 

 

 

あの後、呂布様は私の手を引きながらオーディン様の執務室に向かい、私を連れ出す許可を願い出た。

 

いきなりの申し出でオーディン様も驚いていたけれど、私と呂布様が手を繋いでいるのを見て厭らしい笑みを浮かべて許可を出した。

 

オーディン様のあの顔、絶対に誤解してますよね!! お願いですから、私が誤解を解くまで変なことを言いふらさないで下さいね!!!

 

オーディン様の許可をもらった呂布様は『北辰の駿馬』を呼び出し、私を連れてヴァルハラを出た。

何がどうなっているのかさっぱりでしたが、呂布様に手を引かれてグラニに乗り、呂布様にしがみつきながら移動するのはまさに御伽噺に出てくるお姫様のような気分でした//////////////////

 

 

そうして呂布様の匂いやぬくもりを感じながら移動していると時間が経つのも早いもので............................私は火山の噴火口まで連れてこられた。

 

 

「ここは............................マウナロア火山だ」

 

「ッッッッッッッッッ!!!!!」

 

マ、マウナロア火山!? ハワイにある世界最大級の火山と言われる、あのマウナロア火山!?

呂布様のことしか頭に無かったとはいえ、そんなところまで来ていただなんて全然気づかなかった........................。

 

「あ、あの、呂布様。どうしてこんなところに?」

 

「ロスヴァイセに........................会ってほしいヤツがいる」

 

「? 会ってほしい人、ですか?」

 

「ん................................しっかり捕まってろ」

 

「え?」

 

呂布様は私に引き合わせたい人がいるみたいだけど、周りにはそれらしい人物がいない。そもそもこんなマグマが噴出している火山の噴火口に人が来られるわけがない。

 

でも呂布様は自分に捕まっているように言うと、グラニに結界を張らせる。

 

そして............................................

 

 

「え? え? も、もしかして........................キャアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッッッ!!!!!!」

 

 

呂布様は結界を張らせたグラニを走らせ、私を連れて火山の噴火口に飛び込んだ!!!!

 

私は心の底から悲鳴を上げるがグラニは全然止まらない!! そのまま私たちは火山の中に突入した!!!

 

 

私は恐る恐る目を開けると、辺り一面がオレンジ色に包まれていた。灼熱のマグマの中でもグラニの結界のおかげで熱さを感じることもなく、私たちは無事だった。

 

マグマを火山の内側から見るって、なかなか無い経験だと思います。たぶん今後の人生でもお目にかかる機会はまず無いでしょう。

 

 

それにしても私に会わせたい人って、いったい誰なんだろう? こうしてマグマの中にダイブしているところから判断するに、少なくとも『人間』ではないはず。

 

そして同様の理由で『生物』でもないはず............................もしかして、『精霊』?

 

 

「............................そろそろ着くぞ」

 

「っっっっっっっっっ!!!!」

 

呂布様がそう言うと、光るオレンジ一色だった周囲の様子が透けて見えるようになった! 周囲の赤み具合から熱は伝わってくるようだけど、解像度が上がったことで周りの景色も分かるようになる。

 

 

「こ、ここは............................!?」

 

「............................来るぞ」

 

「!!!!!!!!!!!!!」

 

 

呂布様の視線の先に目を向けると............................下から真っ赤な巨人が上ってきた!!!!

 

お、大きい! たぶんアースガルズの巨人族よりも!! 見たところ『精霊』のようだけど........................でも、こんなに巨大な『精霊』がいるなんて聞いたことがない!!!

 

 

「り、呂布様、こ、この方はいったい............................」

 

「星の霊脈に住まいし................星の元素を司る者....................星の力を宿した霊なる存在....................『星霊』だ」

 

「ッッッッッッッッ!? せっ、せせせせせせせせせせせっ、『星霊』様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

呂布様の思いがけない発言に私は心臓が止まる思いだった! これほど巨大で、これほどの存在感。ただの『精霊』だとは思わなかったけど、まさか『星霊』様だったなんて................................!!!!

 

 

【星霊】。それは星の誕生とともに生まれし、【星の力】を宿した『霊体』。大別すれば『精霊』という扱いにはなるけれど、その力や格は文字通り次元が違う。

 

何せ『星の生命力』がそのまま意思を持った存在なのだ。『星霊』様の前では各神話群の最高神ですら足元にも及ばない。

いくら神々が絶大な力を持っていようと、神の力は各神話の『神性』によって決まっている。

 

だけど、『星霊』様はこの『地球』という星の力そのもの。圧倒的な星の生命力の前では一神話の神の力など赤子に等しい。

 

しかし、これはあくまで理論上の話。今まで『星霊』様の存在は示唆されていたものの、その存在を確認出来たことは一度も無かった。

 

だから私自身、『星霊』様については眉唾物だとばかり思っていた................................。

 

 

「ゴクリ、りょ、呂布様。何故私をここに....................?」

 

 

呂布様が『星霊』様とお知り合いだったことには驚きだけど、そんな稀有で尊き存在に引き合わせてくれるなんて............................『星霊』様にお会い出来たことは嬉しいけど、どうして私を?。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「? 『星霊』と交信したいと言ったのは........................ロスヴァイセだろう?」

 

「............................................え?」

 

「ロスヴァイセの一族は....................『星霊』との交信が得意。だけど、ロスヴァイセは苦手だったから................................紋章を刻めなかったんだろう。

なら直接『星霊』と........................契約を交わしてしまえばいい」

 

「........................................................」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は叫んだ、とにかく叫んだ、それはもう心の底から叫びまくった!!!!

そして気の済むまで叫び終えた後で、何故そんな話になっているのか事情を聴いた!

 

 

どうやら呂布様は『精霊』と『星霊』を勘違いされていたらしい。

 

なんでも呂布様が世界中を旅していたころ、この地で強大なエネルギーを感じ取ったのだそうだ。気になって調べたところ、そのエネルギーの正体が『星霊』様であることが判明。

 

最初は呂布様も驚いたみたいだが、話してみるとすぐに意気投合して仲良くなったらしい...........................いきなり『星霊』様と話せるばかりか、仲良くなれるところが凄い。

 

 

そして私が『星霊』と交信することが出来ないから、落ち込んでいたと思っていたみたいだ................................さすがは呂布様、何とスケールの大きい勘違いをされるのだろうか。

 

私は一からちゃんと事情を説明し、すぐに誤解を解いた。話を終えると呂布様も納得されたらしく、腕を組みながら頷いてくれた。

 

 

「そうか............................勘違いしてしまい........................すまなかった」

 

「い、いえ、そんな........................私の方こそ言葉足らずで申し訳ありません」

 

「ロスヴァイセのせいじゃない........................だがここまで来た以上は........................仕方がない........................試しに『星霊』と....................契約してみるといい」

 

「ッッッッッッッッ!?」

 

誤解は解けたものの呂布様は私と『星霊』様を契約させる意思は変わらないらしい。呂布様は驚く私を他所に『星霊』様と何やら話し出した。

 

 

っ、そ、そんな........................通常の『精霊』とすら交信することが出来なかった私なんが、『精霊』の最上位である『星霊』様と交信するどころか契約を交わすなんて................................!!!

 

 

私はもうこの状況に頭が付いていけず、脳がオーバーヒートしそうになる。グラニの結界で熱は遮断できているはずなのに頭が熱でクラクラしてくる。

 

そんな私のことなどお構いなしに呂布様は『星霊』様とどんどん話を進めていく............................そして話がまとまったのか『星霊』様が指をグラニの結界の中に入れてきた。

 

 

「え、えっと............................?」

 

「話はついた....................両手で『星霊』の指先を....................優しく包め........................握手のようなものだ」

 

「は、はあ........................で、では、失礼します////////////////」

 

もうここまで来たのなら『どうにでもなれ』と思い、呂布様に促されるまま私は両手で『星霊』様の指に手を添えた。

 

 

パアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア............................ドクンッッッ!!!!

 

 

「!!!!!!!!!!!!!!」

 

 

『星霊』様に手を添えた瞬間、私の中に何かが入ってきて途轍もなく大きな力と繋がったことが分かった!!!

私の体がかつてないほどに熱くなり、心の隅々まで炎が行き渡ったみたいだっ!!!

 

まるで私という『駅』から線路が伸び、計り知れないほどの『大都市』................いいえ、『国』と直接繋がったような感覚! これが、『星霊』様と繋がるということ!?

 

私が『星霊』様の存在を身体の中に感じ取っていると、やがて『星霊』様は指を引っ込めて去ろうとする。

 

 

「あ、あの....................ありがとうございました!!! こんな私みたいなヴァルキリーと契約していただいて....................!!!」

 

 

私は何か言わなくてはいけないと思い、とにかく御礼を伝えた。

 

神すらも超える『星霊』様が、いちヴァルキリーと契約していただけたのだ。ヴァルハラどころじゃない、各神話群の神々ですら成しえなかった偉業だろう。

 

『星霊』様は私の方を振り向くとジッと私の目を見る。私も『星霊』様から目を逸らさずジッと見つめる。

先ほど感じた熱が徐々に暖かいものへと変わっていく。私の体の中に『星霊』様の炎が宿ったことを感じた。

 

そうして暫くすると『星霊』様はフッと笑ったような感じで頷き、また下へと沈んでいった............................。

 

 

「良かったな........................気に入られたようだぞ」

 

「そ、そうなんでしょうか........................?」

 

「ん................ロスヴァイセと契約したのも................『星霊』がロスヴァイセの心根を....................気に入ったからだ」

 

「え? で、でも、アレは呂布様がお願いしてくださったからで、私自身は何もしておりません!」

 

そう。『星霊』様と契約できたのは呂布様が執り成してくださったおかげ、断じて私自身の力じゃない。

 

しかし呂布様は私の言葉に首を振って答える。

 

「フルフル、『星霊』には....................『ロスヴァイセ自身を見てくれないか』と................頼んだだけ。契約してくれとは................言っていない」

 

え? そうだったのですか? 急に信じられないことが立て続けに起こり目の前の出来事が処理できずにいたため、呂布様と『星霊』様とのお話を全然聞いていませんでした。

 

 

「ロスヴァイセは....................自分のことを『何もない』、『空っぽ』だと言っていたが....................『空っぽ』なヤツを....................『星霊』が認めることはない」

 

「あ................................」

 

「『星霊』は....................ロスヴァイセ自身が................気づいていない『何か』に惹かれた。

それはロスヴァイセの『これまで』が....................無駄なんかじゃなかったということだ」

 

「....................................................」

 

「自分の行くべき道は....................自分の過去が教えてくれる........................もし何がやりたいのかが分からないなら............................その『何か』を知ることから........................始めるといい」

 

「呂布様............................」

 

「一つ言えることは........................ロスヴァイセの中には........................『星霊』が認めるだけの....................素晴らしい『何か』があるということ」

 

「っ~~~~~~、呂布様ぁ............................!」

 

 

私はようやく、呂布様が何故私をここに連れてきてくれたのかを理解した。

 

呂布様はご自身と同じく、私が『星霊』様と契約できるだけの『何か』があると見抜いておられた。

そして自分自身を見失っていた私を『星霊』様と会わせることで、私に大事なことを気づかせるためにここまで連れてきてくださった。

 

 

『自分には確実に星霊すら認める何かがある』こと。『自分がこれまでの人生で積み重ねてきたことは無駄ではなかった』こと。

 

そして................『それが何なのかを知るために星霊を通して【自分自身】を学ぶ』こと。

 

 

私が『学ぶ』ことが得意だと知った呂布様は、『星霊』と契約し『星霊』について学ぶことで『私自身』を知るように導いてくださったのだ。

 

『星霊』のことを知るということは、『星霊』が認めてくださった私自身の『何か』を知ることになる。

それを知ることが出来れば、自分に自信が持てる。もう『自分に何も無い』と悩むこともなくなる........................そう仰りたかったのだ。

 

私は呂布様の心遣いに感激し、涙を流してしまった。これが呂布奉先様、神々からも認められし『英雄』........................なんて御心が深いのでしょうか!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ........................次に行くぞ」

 

「グスッ................................え?」

 

 

「今、契約したのは........................『火』の星霊....................他の星霊とも....................契約しに行く」

 

「え、あ、ちょっ、呂布様!? キャアアアアアアアアアアアアアアアアア................................!!!」

 

私の感動もそこそこに、呂布様は私をグラニの背に乗せて走らせる。

 

 

 

こうして私は呂布様に連れられ、星霊様と契約するべく『バミューダ海峡』『ベネズエラ』『ギアナ高地』など、世界各地を行脚するのであった....................................。

 

 

 

 

 

◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️

 

 

 

 

 

 

 

「そ、それで、五大元素を司る星霊様すべてと契約されたのですかっ!?」

 

「はい、恥ずかしながら////////////////」

 

 

 

私が話しに一区切りをつけると、レイヴェルさんは目を思いきり開いて驚く。周りの皆さんも苦笑しながら、何とも言えない表情をしている。

 

ただ、タマモさんだけはニコニコと笑っていた。くっ、絶対に面白がってますね!?

 

 

「そ、それにしても、『精霊』と『星霊』様を勘違いなさるなんて............................ずいぶんとダイナミックな勘違いですわね」

 

「アハハハハ....................た、たぶん呂布さんにも悪気は無いんだと思います」

 

「ええ。奉先様は本当にロスヴァイセさんのことを思って、協力してくれたんですわ」

 

「そうですわね。ただ少し行き違いがあって、『それ』が世界最強レベルの規模だったというだけですわ♪」

 

 

「はい........................それは分かっていますし、別にそのことについて呂布様を恨んでるわけではありません。

当時、私が思い悩んでいたのは事実ですから。あのことが『きっかけ』で私は星霊様について知るための研究を始めましたし」

 

そう、『きっかけ』。星霊様と契約した私は、あの後ヴァルハラにてヴァルキリーの仕事をしつつ星霊様について学ぶべく研究を始めた。

 

今まで存在を確認できなかった星霊様について研究するのは非常に面白し、やりがいがある。

何より、私を認めてくださった星霊様について知ることが出来るのが楽しくて嬉しかった。

 

当時、自分の生き方を見失っていた私からしたら考えられないくらいの充実感を味わっている。

そしてその『きっかけ』をくれたのが呂布様なんだ。だから私は呂布様に本当に感謝している............................『きっかけを与えてくれたこと』については。

 

 

「あの~~~、ロスヴァイセ様。今の話を聴いた限り、特にロスヴァイセ様が不満に思うようなことは無いように思われるのですが............................?」

 

「そうですわね。ここまでは非常に感動的なお話ですわね............................ここまでは♪」

 

「? 『ここまでは』って、何かあったのですか?」

 

あの後に起こったことを思い出すと頭が痛くなってくる思いなのですが、そんな私にレイヴェルさんが尋ねてくる。

 

タマモさんは相変わらず面白そうな物を見る目で見てきますし! ホンット、いい性格してますよねっ!!

 

「はぁ~~~~~~、この話には続きがあるんです........................................」

 

 

 

 

全ての星霊様と契約を交わした私はまるで夢でも見ているような、そんな放心状態でヴァルハラへと帰りました。

 

しかし、そのタイミングで呂布様のヴァルハラでの滞在期間も終わり、呂布様は次の出向先である須弥山へと向かってしまった。

 

私は呂布様を見送り、何があったのかをオーディン様へ報告をしたのですが................................それが間違いだった。

 

 

神々の中でも仮説の域を出ない『星霊』様。その存在が確認されたばかりか、契約まで交わしたということでヴァルハラは大騒ぎ。

 

その騒然たる有り様は、まるで『ラグナロク』が起こったようだった。

 

特にオーディン様が酷かった。あの知識欲の権化とも呼べる神は何かにつけて私に付きまとうようになりました。

しかも最高神としての権限を使って、私を自身の専属にしようとまで画策していた。

 

普段ならありがたい話だけれど、あの時のオーディン様の目は明らかに常軌を逸していた。恐らく私を通して星霊様について根掘り葉掘り調べようとしたのだろう。

 

さすがに身の危険を感じた私はフレイヤ様に嘆願。『星霊様についてはロスヴァイセに一任し、干渉は控えるように』ということをオーディン様をはじめとする神々に認めさせてもらった。

 

こんなことなら、最初からフレイヤ様にだけ報告しておけば良かった....................................。

 

 

 

ただ、この騒動はこれだけでは終わらなかった。私が呂布様に連れられ世界中を回り、さらには星霊様と契約をする手助けをしてもらったということがヴァルハラ中に広まってしまったのだ!

 

そんな噂が広まればどうなるか........................そう。案の定ヴァルキリーたちが怒り狂い、私のところへ大挙して押し寄せてきた!!!

 

それはもう、あの武闘派筆頭であるトール様ですら裸足で逃げ出すんじゃないかと思うくらいの迫力!

ヴァルキリー筆頭のブリュンヒルデ姉さまなんか、私を本気で殺そうとしてきましたからね!!

 

星霊様と通じている貴重なヴァルキリーを殺されるのはマズイと思ったヴァルハラの神々は、総出で荒ぶるヴァルキリーたちを鎮めにかかった。

 

七日七晩に及ぶ大乱闘の末にどうにかヴァルキリーたちの騒動は治まり、呂布様が来訪された際はヴァルキリーが順番でお世話をするという『鋼の掟』が制定された。

 

しかしその『鋼の掟』も、後にヴァルキリーが呂布様にご迷惑をお掛けしたということで廃止され、以降はヴァルキリーが呂布様に直接関わることが禁止されてしまった。

 

 

 

そうして騒ぎが鎮まったのも束の間、今度は私が星霊様と契約を交わしたことを知った実家が大慌てとなった。

 

すぐに帰ってくるようにと連絡を受けた私が実家に戻ると........................家族全員が神か何かを奉るが如く、私のことを拝んできたのだ!!!

 

更には星霊様の気配を感じ取った大量の精霊たちが私に惹かれているのを見て、父と養子が卒倒する。

目を覚ました二人は『お願いだから家督を継いでくれ!!!』と泣きながら頼んでくる有様。

 

あまりにも急すぎる展開により、自分が今まで固執し悩んでいたことが如何に『小さいこと』だったのかを思い知った。

 

そして私はもう自分がやりたいことがハッキリと決まっていたので、家督は継がないことを五日かけて説得した。

 

 

 

 

「「「............................................」」」

 

「何と言うか、その........................ご苦労されたのですね」

 

「憐れみの目を向けないでください! うぅ~~~、だから話したくなかったのに~~~~~//////////////」

 

私の話が終わると皆さん同様、レイヴェルさんも可哀想なものを見るかのような目で私を見てくる。

 

呂布様がいらっしゃれば、もっと穏便に事が済んだはずなのに! でもヴァルハラから去ってしまったため、私が集中砲火を受けることになってしまったのだ!!

 

 

「途中までは良い話だったのですけどね」

 

「最後の最後でオチをつけるあたり、何ともロスヴァイセさんらしいですわ♪」

 

「ちょっ、タマモさん!? 私らしいって何ですか、私らしいって!!」

 

「き、きっと、親しみやすいってことですよ!」

 

「そうそう、アーシアさんの言う通り。その残念........ゲフンゲフン、愛されやすい性格が星霊様にも認められたのですわ♪」

 

「残念!? 今、残念って言いましたよね! 聞き逃しませんでしたよ!!」

 

「ま、まぁまぁ、落ち着きましょう? ほら、新しいお茶が入りましたよ!」

 

失礼極まりないタマモさんの冷やかしに反応するもアーシアさんがお茶を薦めてくるので、ひとまずお茶を飲んで落ち着く私。

 

 

「まったくもう....................私だって皆さんのように、ちゃんと助けて欲しかったんですよ! それなのに呂布様がいらっしゃらなかったせいで、あの後大変だったんですから!!」

 

「それは呂布様のせいではないような........................」

 

「けど呂布様がいらっしゃれば、もっと簡単に事態は収拾がついていたんです! おまけに星霊様のことについてオーディン様にはしつこく聞かれまくるし!!

終いには私がお風呂に入ってる時にまでやってくるんですよ!? 思わず星霊様の力を借りてブッ飛ばしてしまいましたよ!!!」

 

「それは........................災難でしたね」

 

「最高神様を吹っ飛ばすヴァルキリーって....................」

 

私の苦労を聞いて、またもや皆さんは微妙な顔を浮かべてしまう。

 

確かに呂布様には人生を救われ、行くべき道とやりがいを見つける『きっかけ』を与えてもらいましたが............................救うなら救うで、最後までちゃんと面倒を見てほしかったです!!!

 

 

 

コンコン

 

「わ、私が出ますわ!」

 

 

私が呂布様への不満を漏らしているとドアがノックされ、レイヴェルさんがいそいそと出ようとする。

 

まるで『グッドタイミングですわ!』と言わんばかりの様子でしたけど............................まぁ、気のせいでしょう。

 

 

「り、呂布様!?」

 

「すまない............................ロセはいるか?」

 

「は、はい! 何でしょう!!」

 

ドアを開けると、そこには呂布様がいらっしゃった! 私は珍しく名指しで呼ばれてしまったため、つい声が上ずってしまう。

 

 

「明日のスパリゾートの件で........................相談がある」

 

「? 相談、ですか?」

 

明日はリアスさんからもらったチケットで呂布様と二人っきりのデート。朱乃さん・アーシアさん・タマモさんと続き、明日はいよいよ私の番。

 

なにせ明日の為に今日は遅くまで残って仕事を片付けてきたんですからね!

 

「ん........................スパリゾートに行くのは....................午後だったはず。その前に....................ココに行きたい」

 

呂布様はそう言うと一枚のチラシを見せてきた、どうやら駅前のカフェレストランのチラシのようだ。

 

えっと、『期間限定メニュー  季節の甘味をふんだんに使った特製パフェ(カップル限定)』............................ってカップル限定!?

 

「昼食はここで食べて........................午後にスパリゾートへ行く予定に........................変更したい」

 

確かに、カップル限定メニューなら呂布様お一人では行けない。そして期間限定なら、この機を逃すと食べられない。でもでもでも、カップルって///////////////////

 

「................................ダメ、か?」

 

呂布様がいつになく不安気な表情で尋ねてくる。うぅぅぅぅぅ、そんな顔されたら断れないじゃないですかぁ~~~~~~。

 

 

「わ、わかりました........................ご一緒します////////」

 

「ん....................ありがとう。そう言えば午前は....................百均ショップ巡り、だったな」

 

「は、はい! す、すみません。つまらないですよね、百均ショップだなんて............................//////////////」

 

せっかくならもっとオシャレな場所に行きたかったんですけど、呂布様が『午前はロセの行きたいところに行く』と仰ったので思わず百均ショップと答えてしまった,

 

こんなことならもっとオシャレなデートスポットをリサーチしておくべきでした............................こーゆう時にこそ、得意な『勉強』を活かさないでどうするのよ私ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!

 

しかし私が自分の片手落ちな性格を嘆いていると、呂布様が首を振りながら笑顔で答えてくれた。

 

 

「フルフル、気にするな........................ロセと一緒にいて....................つまらない時間や無駄な時間は........................一つも無い」

 

ズキュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッッッッッッッッ!!!!!!!

 

「り、呂布さまぁ..................../////////////////」

 

 

私の心は呂布様の『優しさ』という名の弓矢で見事に射ち抜かれる! さっきまで感じていた不平不満など跡形も無く消え去り、頭の中は明日のデートのことでいっぱいになった!!

 

「じゃあ....................明日のデート....................楽しみにしている」

 

「は、はいぃ、わ、わたしもですぅ//////////」

 

呂布様はそう言うと部屋を去っていく。呂布様が明日の『私との』デートを楽しみにしてくれている、それだけで天にも昇る思いだった!

 

こうしちゃいられないわ!! すぐに明日の準備をしないと!!!

 

 

「ごめんなさい、皆さん!! 私、明日のデートの準備をしないといけませんので、これで失礼させてもらいます!!!」

 

「あ、はい! ロスヴァイセ様、今日はありがとうございました!!」

 

「いいえ! それでは失礼します!!」

 

部屋を飛び出した私は急いで自室に戻り、ファッション雑誌を読み漁る!

 

頑張るのよ、ロスヴァイセ! こんな時こそ、あなたの長所である『勉強』の成果を見せるチャンスなんだから!!

 

私は明日のデートに着ていく洋服について、ファッション雑誌を片手に鏡の前で徹夜の格闘をするのだった!!!

 

 

 

 

 

 

「............................ロスヴァイセ様が星霊様に気に入られた理由が分かった気がしますわ」

 

「ええ、精霊は『清らかな心』に惹かれると言いますもの」

 

「はい。恐らくロスヴァイセさんの単純、もとい純真で真っすぐな心根に惹かれたのでしょうね」

 

「でもでも、ロスヴァイセさん自身はそのことに気づいていないんですよね?」

 

「............................やっぱりロスヴァイセ様って」

 

 

 

「「「「残念美人........................」」」」

 

 

 

大切なものほど身近過ぎて気付きにくいと言うが、 まさに知らぬは本人ばかりなり............................。

 

 

 

 






【火の星霊】はまんま【シャーマンキング】に出てくる『スピリットオブファイア』です。

その他の【星霊】も同じく『スピリットオブ○○』となっています。

それでは皆さん、次回で♪
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