ここまで書いてきて思ったことは、【やっぱり『主人公無双』系って書くのが凄く大変だ】ってことですね。
何が大変って....................主人公がバトルするとほぼ勝ち確なので、盛り上げる手段が乏しいことなんです! そのためバトルの盛り上げ役は、主に原作組に頼っている状況です。
なので前にもお伝えしましたが、主人公が戦うのは基本ボス戦。さらに戦うのはラストのラストという【ワンパンマン】方式で行きたいと思います。
※ワンパンマンのアニメ第三期待ってます!!!
「ごめんね、朱乃ちゃんに朱乃ちゃんのお母さん。わざわざ一緒に来てもらっちゃって............................」
「いえ、お気になさらないでください。リアスからは許可を取っておりますので」
「ええ、今は非常時ですもの。私にも出来ることがあれば、喜んでお力になりますわ」
リアスたちと分かれた私は母様に事情を話し、二人でセラフォルー様を追いかけた。幸いにもセラフォルー様は高天ヶ原へ行くための入り口で門番に足止めを受けていたため、すぐに合流することが出来た。
そして私は『ある方』に連絡を取り、迎えに来てもらうようお願いする。その方がすぐに来てくれたおかげで、私たちは無事に高天ヶ原へと入ることが出来た。
ちなみにセラフォルー様には『リアスからの許可はもらっている』とだけ伝え、リアスたちが冥界へと向かったことは秘密にしている。
リアスはともかく、ソーナ会長が反乱軍と接触しようとしているなんて伝えたら、すぐにでも後を追いかけるに違いありませんからね。
ソーナ会長たちのことも大事ですけど、セラフォルー様にはこちらの方に専念していただかないと!
「それにしても驚きましたわ。まさか、朱乃さんがこの高天ヶ原にやってくるとは思いませんでしたもの」
「事前に何のご連絡も出来ず申し訳ありません、タマモさん」
私が連絡を取った相手はタマモさんだった。私、タマモさん、ロスヴァイセさんは離れ離れになっても連絡が取れるよう専用の通信魔術で連絡網を構築していた。
謂わば『奉先様の妻専用のホットライン』。そのおかげで、こうしてタマモさんに高天ヶ原から迎えに来てもらうことが出来た。
本当ならアーシアさんとも連絡を取りたかったのですが、神々の警告がある以上『蒼天の紅旗』へ直接連絡をするのは控えた方が良いということで断念した。
タマモさんに案内されて辿り着いたのは、日本の神々が住まう世界『高天ヶ原』。日本神話群の最高峰と言える場所だ。
広大な大地がいくつも浮かんでおり、下には雲海が広がっていて何とも神秘的な雰囲気を醸し出している。
巫女に連なる家系として色々と見て回りたい気持ちはあるけど、今は一刻も早く天照様にお会いしないといけない。
私たちが向かっていることは、既にタマモさんから連絡が行っているはず。いくら同じ想いを抱いている者同士とはいえ、ここまでしてくれるタマモさんには感謝しないといけませんわね。
そうしてタマモさんに連れられながら歩いていき、ようやく天照様がいらっしゃるお社に着いた。流石に日本の最高神がいらっしゃるだけあって、周りの建物に比べると一際荘厳さを感じる。
「朱乃さん。申し訳ありませんが、ワタクシに出来ることはここまでですわ。現在こちらには日本神話群の主神が揃っております。
また、皆様が来訪された理由をワタクシも神々も既に存じております。残念ですが、これ以上はお力添えすることがいたしかねますわ」
「「「っっっっっっっっっっっ!!!!」」」
天照様だけではなく、日本の主神たちまで揃っている!? それに私たちの来訪の理由も知っているということは日本神話群、いいえ各神話群もこの事態を知っているということですわね。
となると、当然『蒼天の紅旗』や奉先様も知っているはず............................どうやら事態は私たちが思っている以上に切迫しているようですわね。
「っ........................ありがとうございます、タマモさん。貴方がいなければ、私たちはここまで来ることは出来ませんでした。ここまでで十分です」
「ありがとう、タマモちゃん☆ 本当に助かったよ♪」
「天照様の部下なのにここまでお力添えいただいたこと、心から感謝します」
「............................ご健闘をお祈り申し上げますわ」
タマモさんは最後に私たちに微笑んでから前を向くと、こちらを一瞥することは無かった。たぶんここからは『日本神話群に所属する者』として、私たちと接しなければならないのでしょう。
つまりもう、タマモさんには頼れない。ここからは正真正銘、私たちだけで神々を説得しなければならないということですわ。
そしてもちろんのことですが、奉先様に直接頼るようなことも出来ない。そんなことをすれば、私たちの首がこの場で刎ねられてしまう。何とか上手く立ち回らないと...............................!
タマモさんに付いて、お社を一歩一歩進むたびに空気がどんどん重苦しくなっていく。この先にいる神々から発せられているのか、それともこの建物自体から発せられているのかは分からない。
でも、この威圧感に負けているようではとても神々と相対することなど出来はしない。私たちは冷や汗が流れるのを感じながらタマモさんの後を付いていく。
しばらく歩いていくと、建物の一番奥の部屋まで着いた。襖を通して感じられる重厚な威圧感、間違いなくここに神々がいる!
タマモさんが襖から拳2つ分程度空けて正座したのを見て、私たちもすぐに正座をする。私と母様はともかく、セラフォルー様は日本式の作法に疎いようで慌てて私たちの真似をした。
「失礼します...........................天照様。セラフォルー・レヴィアタン様、姫島朱乃様、姫島朱璃様をお連れ致しました」
「........................通せ」
「御意」
私たちが正座したことを確認してから声を掛け、襖を10センチほど開けて私たちの来訪を伝えるタマモさん。中にいる天照様から許可が出たため襖を開き自分が、次いで私たちを招き入れる。
膝立ちのまま部屋へと入る私たちを迎えたのは日本の主神たちだった。部屋の両端にズラリと並んだ神々、さらにその奥には日本の最高神たる天照様が座っている。
「近う寄れ」
天照様に呼ばれ私たちは立ち上がり、神々の視線を浴びながら近づいていく。その視線からは嫌悪とまでは言わなくても、不快なものを見る目が向けられていた。
針の筵のような感覚を覚えながら天照様の御前へと行き、正座し頭を下げる。
「面を上げよ」
「「ありがとうございます」」
「っ、ありがとうございます!」
顔を上げる許可をいただいた私たちが天照様を見ると、以前冥界でお会いした時とは別人と思えるほどの威厳と威圧感を出していた。
「こうして面と向かって話すのは初めてじゃな、姫島朱乃よ。如何に聖書陣営と言えど、呂布の妻ならば妾もそれなりの礼儀を示さねばならんのう」
私たちの代表はセラフォルー様なのですけど、この場には『奉先様の妻』として来ている。そのため天照様がセラフォルー様を差し置いて、私に話しかけるのも無理はない。
『深紅の武人の妻』とはそれほどまでに大きな存在なのだ。それこそ『四大魔王』に匹敵するほどに............................セラフォルー様には申し訳ありませんが、ここは天照様の流れに乗るしかありませんわね。
「妾はこの日ノ本の最高神にして高天ヶ原を統べる神、天照大御神じゃ。見知りおけ」
「痛み入りますわ、天照様。私は姫島朱乃、若輩の身ではございますが聖書陣営より呂布奉先様の伴侶と選ばれました。こちらこそお見知りおきくだされば、幸いでございます」
「うむ。ところで、そちらにいる女人は其方に似ているが身内かえ?」
「はい、私の母の姫島朱璃でございます」
「お初にお目にかかります、天照様。姫島朱乃が母、姫島朱璃と申します。娘ともども、よろしくお見知りおきくださいませ」
「うむ。それにしても、五大宗家の一角である姫島家。その家を追われた者の娘が『深紅の武人』の妻となろうとは............................いやはや、因果なものじゃのう。
姫島本家の者たちは今ごろ、大層悔しがっておるのではないのか? カーッハッハッハッハッハッハッ♪」
姫島本家、私の母の実家ですわね。家を出た者が堕天使と結ばれたばかりか、その娘が世界最強たる『深紅の武人』の妻に抜擢されるなど夢にも思っていないでしょう。
もしかしたら、自分たちがやったことを棚に上げてヨリを戻そうと考えるかもしれない............................もっとも、そんなことになったとしても聞く耳は持ちませんがね。
いつまでも世間話をしているわけにはいかないので、こちらから話を振ろうとすると天照様の方から本題に入ってくれた。
「さて、此度の急な来訪の理由について聞かせてもらおう。もっとも、そこにいるレヴィアタンについては予想はつくがな」
やはり、セラフォルー様は後回しですのね。ですが、逆にこれは好都合ですわ。
恐らく天照様は、私が高天ヶ原へ来た理由についても察しがついているはず。大方、私が奉先様の名前を使って自分たちの都合の良い交渉をしようと思っているのでしょう。
ですが........................生憎、そんな安易なことを考えるほど『深紅の武人の妻』は安くはありません!!!
「はい、まずは急な来訪にも関わらずお目通りいただけたことに御礼申し上げます。実は天照様へ折り入って緊急のお願いあり、参りました」
「ふむ。かの『深紅の武人の妻』の頼みとあらば、妾とて内容次第では聞き入れることにやぶさかではない。申してみよ」
「ありがとうございます。ではお言葉に甘えまして............................どうか、我が夫である呂布奉先へ連絡を取らせてはいただけないでしょうか?」
「「「「!!!!!!!!!!!!!!」」」」
私の願いにセラフォルー様や母様だけではなく、周りの神々も驚愕する。よもやここまで正面切って、『奉先様と連絡が取りたい』と言ってくるとは思わなかったのだろう。
周りの神々が怪訝な雰囲気を出す中、天照様が私を射殺さんばかりに睨みつけてくる............................しかし、ここで怯んではいけない。今の私は『呂布奉先の妻』なのですから!
「............................何故、呂布に連絡を取ろうとする」
「無論、奉先様に私の無事をお伝えするためですわ。恐らく、こちらの事情は奉先様や『蒼天の紅旗』にも伝わっているはず。
夫である奉先様も妻である私の安否を心配されていると思いますので、安心させてあげたいのです」
「................................................」
「恥ずかしながら、私は『妻』と言っても挙式も祝言も行っておりません。そのため各神話群との体面を考え、奉先様との個人的な連絡手段を持ち合わせていないのです。
どうか、日本神話群の持つ『蒼天の紅旗』との連絡手段を使わせていただけないでしょうか?」
私はあくまで『妻』として『夫』に自分の無事を伝えたいと答える。天照様は私がこの状況を何とかするために奉先様へ助けを求めると考えていたのでしょう。
もし私がそのようなことを言えば、奉先様を聖書陣営のために利用しようとしたということで無事では済まなかったに違いない。
だが、私の口から出てきたのは『自分の無事を伝えたい』というもの。それに私が連絡手段を持ち合わせていないのは『神々の警告によるもの』と言われてしまえば、無下に断るわけにはいかないはず。
「そうか................................では、其方の無事については妾から伝えておく。安心するがよい」
どうやら天照様は私と奉先様に話をさせたくないようですわね。確かにこの程度のことであれば、言伝でも十分でしょう。
けど、そうはいきません! 何としても奉先様と直接お話しないと!!!
「お気遣いいただきありがとうございます。ですが、やはり私が直接お伝えしたく存じます。奉先様もその方が、より安心されると思いますわ」
「妾から聞いたのでは安心できないと? 妾の言葉には信用が無いと言うのかえ?」
「滅相もございません。信用ではなく心情的なお話ですわ。やはり『奉先様がどう思うか』が大事でございますので♪」
「っ....................................................」
『大事なのは奉先様がどう思うか』。この建前がある以上、天照様は私と奉先様が話すことを無理に止めることは出来ない。如何に最高神から言われたとしても、この非常時に限っては本人からの報告に勝るものはない。
天照様もそれが分かっているが故に返事に困っているのでしょう。そして天照様はやむを得ず、私に念押しの確認をしてくる。
「............................呂布には『自分の無事を伝えるだけ』なんじゃな?」
「はい。『私から』お伝えすることは自分が無事であるということだけです」
「........................................良かろう」
私の返答を確認した天照様は独特の術式を展開、術式が宙に浮かぶとスクリーンのようなものが現れる。そこには................................『蒼天の紅旗』のリーダーである曹操殿の顔が映っていた。
『これは天照様。急なご連絡とは如何されましたか?』
「忙しいところすまんのう、曹の坊や。実は今、『呂布の妻』である姫島朱乃が来ておってな。呂布と話がしたいそうじゃ」
『っ、そうですか............................ですが、現在呂布は取り込み中です。用件や言伝なら私がお伺いしましょう』
「そのあたりの『くだり』は既に妾がやっておる。呂布に直接自分の無事を伝えたいそうじゃ。時間は取らせん、すまんが呂布に取り次いでくれ」
『................................承知しました』
天照様の言葉に曹操殿は若干目を細めますが、奉先様に取り次いでくれた。どうやら天照様だけではなく、曹操殿も奉先様と私を会わせたくはないみたいですわね。
いくら嫌われ者の聖書陣営だからと言っても、ここまで躍起になって拒絶するのは少し気になる...........................もしかして『蒼天の紅旗』や各神話群でも何か起こったのでしょうか?
天照様や曹操殿の態度を不審に思っていると、映像が切り替わり............................奉先様のお顔が映し出された!!!
『朱乃』
「っ、奉先様♪ ご多忙のところ、急にお呼び立てしてしまい申し訳ありません。どうしても私の無事を奉先様に直接お伝えしたかったのです、どうかお許しくださいませ」
非常事態とは分かっていても、やはりこうして奉先様とお会いするとどうしても喜びが顔に出てしまう。奉先様が『蒼天の紅旗』に戻られてから、しばらくぶりの再会ですもの。仕方ありませんわ♪
『そうか............................そちらの事情は........................概ね聞いている........................無事で何よりだ........................ソーナやリアスたちは無事か?』
っ、来た! 奉先様なら私の無事を知れば、次は当然リアスたちについても安否を確認をしようとする!! その言葉を待っておりましたわ!!!
「実は................................ソーナ会長たちは反乱軍を止めるため、冥界へと向かいましたわ。リアスたちもソーナ会長の力になるべく同行しております」
「ッッッッッッッッッッッッ!?」
私がリアスたちの現状を伝えると後ろにいたセラフォルー様の空気が変わるのを感じた。まさかソーナ会長だけではなく、リアスまで冥界に向かっているとは思わなかったのでしょう。
それにリアスはサーゼクス様から『冥界に来てはならない』と命令されていましたからね。
『........................そうか............................わかった....................後はこっちで........................何とかする。
朱乃は........................高天ヶ原にいろ....................天照、朱乃のことを........................頼む』
「................................ハァ、仕方ないのう」
奉先様は私のことを天照様に頼むと通信を切ってしまわれた................................出来ることはやった、奉先様なら必ずや私たちの力になってくれる。後は奉先様を信じるしかない。
「っ、やってくれたのう、姫島朱乃........................」
私が奉先様に後事を託すと天照様が苦々しい表情でこちらを睨んでくる。
『私から』は助けを求めるようなことはしなかったとはいえ、結果的には奉先様に動いてもらえるよう話を持っていったわけですからね............................天照様から見たら、小娘に煮え湯を飲まされた思いでしょう。
けれど、こちらも必死なのです!! これぐらいのことをやらないと、『本当に』守りたいものも守ることなど出来ません!!!
「あら、何のことでしょう? 先程も申し上げました通り、『私から』は自分が無事であることしかお伝えしておりません。
リアス・グレモリーたちのことについては、『奉先様から聞かれたため』お答えしたまでですわ」
「ふん、生意気な。よもや妾に一杯食わせるとはのう..............................まぁ、良い。呂布の妻たる者、この程度の搦め手が出来るくらいの強かさがなくては務まらんからな。今回ばかりは不問にしてやる」
天照様は憎々しく思いながらも『奉先様の妻』ならば、神を出し抜くぐらいの知恵が無くてはダメだと割りきってしまわれた。
流石は日本の最高神、一筋縄ではいきませんわね........................今後のお付き合いには十分注意しないと!
「ありがとうございます、天照様。暫しの間、お世話になります。つきまては、今後のことについてセラフォルー・レヴィアタン様からお話がございます」
「っ....................クククク、なるほど、そう繋げてくるか。レヴィアタンに話をさせるために、まずは自分の要望を通させたわけじゃな。まったく、食えない女じゃ♪」
「恐れいりますわ♪」
私の考えを見抜いた天照様は今度はご機嫌のように笑い出す。
天照様の言う通り、あのままではセラフォルー様は話をすることすら出来なかった。それに各神話群を抑えるにしても、この状況に対する打開策が何か無ければ神々を説得することは不可能。
だけど、奉先様や『蒼天の紅旗』が動くとなれば話は別。少なくとも大王派や『禍の団』については倒す目処がついた。
魔王様方についてはアザゼル先生に、反乱軍についてはソーナ会長にお任せするしかない。私たちのやるべきことは『各神話群の武力介入』を抑えること!
(ありがとう、朱乃ちゃん☆ おかげでやりやすくなったよ♪ で・も........................ソーナちゃんたちのことについては、後でじ~~~っくりとOHANSHIさせてもらうからね!)
セラフォルー様はお礼を言いつつも、ソーナ会長やリアスたちのことについては納得されていない様子。有無を言わせぬ凄みを漂わせながら私の逃げ道を塞いでくる。
はぁ........................仕方ありませんわね。必要経費だと思って諦めましょう。リアス、ソーナ会長、この貸しは高くつきますわよ?
何とも割りに合わないと嘆いている私を他所に、セラフォルー様が天照様へ交渉を始める。
リアス、ソーナ会長。こちらは何とかしてみせます、だから................................そちらは頼みましたよ。
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「ふぅ............................やれやれ。まさかレヴィアタンはともかく、姫島朱乃まで高天ヶ原へ向かうとはな........................少し甘く見ていたか」
天照からの要望で呂布に繋げた後、呂布にはまだ動かないよう言いつけた俺は椅子にもたれながら天井を見上げていた。
俺は今回の騒動が起こる前に日本神話群を通してレヴィアタンを冥界から引き剥がした。そのため、事件が起こればレヴィアタンは高天ヶ原へと向かうことは予想が出来ていた。
本来ならそこで、姫島朱乃の身柄と引き換えにレヴィアタンからの要求をある程度聞き入れるという予定だったんだが............................まさか自分から来るとはな。
しかもこちらが身柄を抑える前に、呂布から高天ヶ原へ彼女の護衛について頼んでしまった。これでは今回の一件が片付いても姫島朱乃をこちらで抑えることが出来そうにない。
姫島朱乃さえ聖書陣営から引き剥がせば、『蒼天の紅旗』が必要以上に義理立てする理由が無くなったんだが............................世の中そこまで上手くは回らないものだな。
「まぁそれでも、大局には影響は出ないか........................」
そう、この程度のイレギュラーでは大勢に影響はない。現にここまでは予定通りに事が運んでいる。
後は....................................
「曹操、『皇帝』からの連絡だ。ソーナ・シトリーが反乱軍に接触したそうだ。ただ............................何故かリアス・グレモリーまで付いてきているらしい」
「ああ、今しがた姫島朱乃より聞いたよ」
ゲオルクが部屋に入ってくると同時に伝えてきた報告を聞いて、俺は予想通りの展開にほくそ笑む。
これで後はソーナ・シトリーが俺の思惑通りに動いてくれれば........................いよいよ俺たちの出番だ。リアス・グレモリーが付いて行っているのは予想外だが、これは却って都合が良い。
「姫島朱乃から? どういうことだ?」
「どうやら彼女が自ら『呂布の妻』として高天ヶ原へ向かったようでな。天照経由で呂布に連絡を取られてしまった。これでもう我々は、彼女に手出しが出来ない」
「そうか、存外にやり手だったんだな........................だが、予定に変更は無いんだろう?」
「もちろんだ。そのためにこちらは入念な下準備をしてきたんだからな。この程度のことで変更するようなヤワな計画は立てていない」
「それは何よりだ。それから、周泰とジャック率いる隠密部隊からの報告だ。『魔王たちを見つけた』だそうだ」
「っ、よし、その情報については『皇帝』に至急伝えてくれ。あと、いつでも動けるようにメンバーには通達を頼む」
『皇帝』に魔王たちの幽閉先を伝えれば、ソーナ・シトリーたちは自ら助けに行こうとするだろう。もしソーナ・シトリーが行かなくても、リアス・グレモリーは必ず助けに行くはず。
後は『皇帝』が俺たちの指示通りに動いてくれれば、後顧の憂いは無くなる。『蒼天の紅旗』や呂布が動くなら、反乱軍にはご退場いただかないとやりづらいからな。
「わかった。あともう一つ、隠密部隊からの報告で気になる情報があった」
「気になる情報?」
「ああ........................首都リリスの地下にて『禍の団』が何やら企んでいるようだ。詳細は不明だが、『不気味な化け物』が多数産み出されているのを確認したらしい」
不気味な化け物? 『禍の団』の連中、いったい何をやっているんだ?
もしかしたらヤツらの新戦力かもしれない。大王派も『禍の団』も本当の意味で協力し合っているわけではないだろうしな。
いつでも大王派を切り捨てられるように手駒を増やしているというところだろうか? あるいは他に何か目的が........................いずれにしても、もう少し情報が必要だ。
「わかった。隠密部隊には魔王たちの監視をしつつ、その化け物とやらの情報を探らせてくれ。ただし、決して無理はするな。
少しでも感づかれたと思ったら即時撤退を徹底させろ。現状、最も避けるべきは『蒼天の紅旗』が暗躍していることを悟られることだからな」
「もちろんだ。既に俺の『絶霧』で、隠密部隊はいつでも帰還できるよう術式を施してある。仮に『転移阻害』の結界が張られていたとしても、問題なく撤退できるだろう」
流石は参謀役筆頭。『掛かる時は離こそ重要』というように、攻め込む場合はいつでも撤退できるよう手筈を整えていることが肝心だということを理解している。
しかも俺が指示を出す前に既に手を打っていてくれるとは............................彼もまた呂布とは違った意味で頼りになる男だ。
「........................ところでゲオルク。『セブンセンシズ』の方はどうなっている?」
「ああ、既に呂布の手で『蒼天の紅旗』立ち上げメンバーは、全員目覚めさせてもらった。今は幹部および部隊長クラスに処置を施してもらっている。
目覚めた者はコントロールの修行に入っている。皆、新たなる強さを得て更なる高みへと至れるということで、士気はうなぎ登りだ」
だろうな。極めれば神にすら対抗できる力なのだから、是が非でも会得しようと躍起になるのは想像に難くない。
呂布がシトリーやサイラオーグ・バアルに技を教えたことを知り、憤慨したメンバーを宥めるために『セブンセンシズ』を教えることにしたが、予想以上の効果だ。
........................こういうのを『怪我の功名』と言うのだろうか。
「そうか。よし、これ以上は目覚めさせずに『セブンセンシズ』のコントロールの修行を優先させてくれ。少なくとも実戦で、ある程度使えるぐらいまでには鍛えないとな」
「了解した、通達が完了したら呂布へ伝えに行こう。そのまま俺も『セブンセンシズ』のコントロールの修行をさせてもらう」
「なら俺も神々への報告が終わり次第、そちらに合流する。リーダーである以上、他のメンバーに遅れを取るわけにはいかないからな」
「............................と言って、実際は新しく得た力を試したいだけじゃないのか? リーダーだからという理由で、真っ先に呂布から目覚めさせてもらったばかりか、コントロールのコツまで聞いたそうじゃないか」
「........................................否定はしない」
仕方ないだろう、俺とて武人の端くれ。より高みへと至れる方法があると知れば、心が沸き立つのを抑えることなど出来はしない。
さて............................若干予定が変わってしまったが舞台は整った。後はお前次第だ、ソーナ・シトリー。せいぜい上手く演じてくれよ....................................『救世主』『民衆のヒーロー』としての役をな。ククククククク♪
今話で語られている通り、今回の騒動については曹操や各神話群が一枚噛んでいます。
ただ決して曹操自身悪事を働いたわけではなく、あくまで燻っていた火種に燃料を投下しただけですwww
ではどこからどこまでが曹操の思惑だったのかというと....................それはこの騒動が片付いてから語る機会を設けたいと思います。
次回からは視点が変わって冥界組がメインとなり、朱乃はしばらくフェードアウトします。
それでは皆さん、次回で♪
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