深紅の武人が住くD×D   作:あさやん&あさやん

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悪魔が作った火種に曹操が燃料を投下して炎上させる。

いつぞや、コカビエルが作った火種にリアスが燃料を投下して炎上させようと爆発させようとした時に似てますね。

ただ、曹操の場合は自分で燃やして自分で消火しますwww




第百七十五話

 

 

 

ベリアル領の外れにある農村地域。そこには見渡す限りの黄金色に輝く小麦畑があった。本来この時期ならば、農業に従事する方々が小麦の収穫に追われていたことでしょう。

 

しかし今は反乱軍の本拠地であるが故に、ほとんどの住民は避難させられている。そのためせっかく実った小麦たちも、私たちの目にはどこか物悲しく映っている。

 

 

 

 

私たちシトリーとリアスたちグレモリーは現在、反乱軍を統率しているディハウザー・ベリアル様を説得するべく冥界のベリアル領へとやって来ていた。

 

ライザー殿の話では、ディハウザー様は自分が統治する領地にて蜂起したらしく、ベリアル領の外れにあるこの農村地域の山奥に反乱軍の本拠地を置いているらしい。

 

私たちがライザー殿にいただいた情報を元に鬱蒼とした森の中を進んでいくと............................情報通り、反乱軍の野営地を見つけた!

 

山をいくつもの跨いで建設されている広大な野営地と砦。それはこの反乱軍が如何に大規模で、民衆の怒りがどれだけ『本気』なのかを物語っていた。

 

 

「本当にあったわね........................それで、どうするのソーナ」

 

「もちろん、正面から行きます。私たちは戦いに来たわけではないのですからね」

 

 

野営地を取り囲む厳重な警備を見て、一緒に来たリアスが方針について尋ねてくる。私たちの目的は『対話』、決して反乱軍を滅ぼしたいわけじゃあない。

 

反乱軍のメンバーは下層階級の転生悪魔や一般悪魔で構成されている。つまりは元『民衆』、今は現政権に反旗を翻しているが元々は私たち貴族が守らなくてはならない領民たちなのだ。

 

だから、彼らに対して武力を持って鎮圧するなどあってはならない。そんなことをして事態を収拾したとしても、根本的な解決とはならない。

 

だって、彼らが怒っているのは政府上層部の不正が原因なのだから! それに............................私の夢を叶えるためにも、この反乱軍たちに血を流させるわけにはいかない!!!

 

「................................行きますよ」

 

私は意を決して先頭を歩くと眷属やリアスたちも後に続く。コソコソと隠れる必要は無い、私たちは何一つやましいことなど無いのだから。

 

 

 

 

「っ、止まれ! 何者だっ!!!」

 

 

私たちが歩き進めていくと砦に着く前に隠れていた反乱軍の兵たちに見つかった。兵たちは全員武装しており、一斉に銃を向けられている。

 

しかし彼らが潜伏していることは『見聞色の覇気』で分かっていたため、私たちシトリーは取り乱すことはしなかった。

 

また、リアスたちも強くなったためか彼らの気配に気づいており、全員落ち着いている。

 

 

「私はソーナ・シトリー。こちらにいるのは私の眷属たち。そしてリアス・グレモリーとその眷属たちです」

 

「「「「「ッッッッッッッッッッッッ!!!!」」」」」

 

 

私が名乗ると反乱軍の兵たちは一斉に驚きの様相を呈する。まさか、私たちが正面から堂々と来るなんて思いもしなかったのでしょう。

 

私たちは事前の取り決め通り、両手を上げて抗戦の意思が無いことを示すとリーダーのような方が慌てながら話しかけてくる。

 

「ソ、ソーナ・シトリー殿、どうしてここに!?」

 

「貴方たちを率いているディハウザー・ベリアル様に話があって来ました。すみませんが、お取次ぎいただけますか?」

 

「は、はい! 直ちに!!!」

 

私がお願いするとリーダーの方は無線ですぐに連絡を取ってくれた。初対面で敵か味方かも分からないのにすんなり連絡してくれるとは................................自分で言うのも何ですが、ずいぶんと彼らに慕われているようですね。

 

更にはリーダーの方が連絡を取るとディハウザー様の許可が下りたらしく、私たちを先導しディハウザー様のところまで案内してもらえた。

 

正直、ディハウザー様に会うまでが第一の難所と考えていただけにこれは予想外だった....................................まぁ、これも私たちの努力の成果と思って素直に喜んでおきましょう。

 

 

 

リーダーの方の先導により砦の中に入り、野営地を歩く私たち。ですが、砦の中に入った途端に兵の視線が私たちに集まる。しかしそれは憎き『貴族』としてではなく、まるで『アイドル』を見るかのように目をキラキラとさせていた。

 

気合を入れまくってここまで来ただけに、この状況は若干調子が狂ってしまう................................そんな好奇の視線に晒されながら、私たちはディハウザー様がいるという天幕へと案内された。

 

 

「ディハウザー様。ソーナ・シトリー殿、並びにその眷属たちをお連れしました」

 

「ご苦労、キミは持ち場に戻ってくれ」

 

「はっ!」

 

 

ディハウザー様の指示でここまで案内してくれたリーダーは天幕から出ていく。更にディハウザー様は護衛に付いている兵たちも下がらせようとする。

 

「キミたちも少し席を外してくれないか? どうやらソーナ嬢は私に内密な話があるようだ」

 

「「はっ!」」

 

まさか、いきなり護衛を外して部外者である私たちと自分だけの状況にするとは思わなかった。

 

それだけ私のことを信頼してくれているのか、それともディハウザー様の強さを信じているのかは分かりませんが................................いずれにしても、おかげでこちらも話しやすくなりました。

 

 

「さて、これでこの場には我々だけとなった。キミたちの来訪を歓迎するよ、若き悪魔諸君。互いに忌憚の無い話をしようじゃないか」

 

「っ............................はい。お気遣いいただきありがとうございます、ディハウザー様」

 

 

一切の害意は無く、笑顔で迎え入れてくれるディハウザー様。その姿から私たち全員、『王者』としての貫禄を見せつけられ圧倒されてしまう。

 

アウェーだから仕方が無いとは言え、もはやこの場はディハウザー様の独壇場....................................何だかディハウザー様に不意の先制パンチをくらってしまったような思いですね。

 

 

「では、まずキミたちの来訪の目的から聞かせてもらえるかな?」

 

「はい............................ッ、ディハウザー様、どうか此度の反乱を中止してはもらえないでしょうか!?」

 

「....................................................」

 

 

私は単刀直入に、ディハウザー様へ今回の暴動の矛を納めてもらうよう嘆願する! ディハウザー様も私が何を言ってくるのか分かっていたように表情一つ変えなかった。

 

 

「今、政府は魔王様方が幽閉されて政治の主導権は大王派だけではなく『禍の団』が取っている状況です! このような時に民衆が暴動を起こしては、反乱軍は皆殺しにされてしまいます!!!」

 

大王派はおろか『禍の団』は民衆のことなど何とも思っていない。自分たちの意に沿わぬようであれば、容赦なく殺すだろう。

そんなことになれば、たとえ魔王様たちをお救いして大王派たちを退けたとしても、悪魔社会を立て直すことなど出来ない!

 

ディハウザー様とて、何の訓練も行っていない民衆を集めたところで大王派や『禍の団』を打倒することなど出来ないと分かっているはず。

 

このままでは民衆を危険に晒すだけ。反乱................いいえ、自分たちの要求を通したいのなら、まず魔王様たちを救い出す。

その後に大王派たちを打倒してから、改めて魔王様たちと話し合いの場を設けるべきだ!

 

少なくともこの状況で反乱軍を組織することはリスクでしかない!!!

 

 

「............................なるほど、キミの言い分は分かった。確かにこちらの軍は人数こそ多いが、何の訓練も行っていない元一般悪魔ばかりだ。

いくらレーティングゲームのプロプレイヤーも参加してくれているとはいえ、大王派と『禍の団』が『本気』で潰しに掛かって来れば皆殺しにされてしまうね」

 

「ではっ「だが」っっっっっっ!?」

 

「我々が軍を解体したとして、その後はどうする。一度暴動を起こした民衆を大王派や『禍の団』が放っておくとは思えない。我々が軍を解体したと見るや、何らかの形で民衆に圧力を掛けてくるだろう」

 

「っ....................................」

 

「無論、首謀者である私は真っ先に殺されるだろうね。そして頼る先を失った民衆たちは再度暴動を起こす。

しかも今度は統率者がいないため、民衆は無秩序に暴れ回る。そうなれば、一般市民にも大きな被害が出ることになるだろう」

 

 

確かに............................ここまで一般市民に被害が出ていないのは、ディハウザー様が反乱軍をその圧倒的なカリスマ性にて統率しているからだ。

 

だが今回の反乱を諦めた後で、もしディハウザー様が殺されれば、民衆があちこちでまた反乱を起こす............................しかも統率者がいないものだから散発的に、無秩序で暴れ回る。

 

そうなれば、今度はもっと甚大な被害が出てしまう。しかもその被害を一番に受けるのは、何の罪もない一般市民だ....................................!

 

「だから、今ここで軍を解体したとしても意味は無いんだよ。むしろ大王派や『禍の団』の勢いを助長することとなり、事態はより一層悪くなるだけだ」

 

「................................................」

 

ディハウザー様の言うことはもっともだった............................けど、このまま反乱軍を結成していれば大王派や『禍の団』が本格的に鎮圧に掛かってきてしまう。

 

そうなれば、反乱に加担した者は全員殺されてしまうだろう。いったいどうすれば................................。

 

 

私が何とか反乱軍の兵たちを助ける方法を模索していると、後ろにいたリアスがディハウザー様に提案を出してきた。

 

 

「では、私たちで魔王様方を救出します。そうすれば魔王様方の眷属たちも味方となりますので、大王派たちに対抗出来るはずです。

そうして大王派や『禍の団』を退けた後で、改めて魔王様方と話し合いの場を設けてはいかがでしょうか?」

 

 

リアスが反乱軍を先に解体するのではなく、魔王様方の救出を先に行うべきと提案する。彼女の言う通り、先に魔王様方を救出してこちらの味方にしてしまえば、大王派たちには対抗できる。

 

でも、果たしてそう上手くいくかどうか............................第一、魔王様方がどこに幽閉されているのかも分からないというのに。

 

「ふむ........................悪くない提案だ。だが、キミたちだけでそれが可能なのかね? 当然のことだが、敵も魔王たちの監視と警備は厳重にしているだろう。

いくらキミたちが若手悪魔の中でもトップクラスの実力者であったとしても、大王派に与している『王の駒』を使用したプレイヤー。それに『禍の団』の精鋭たちを潜り抜けて救出できるとは思えないがね」

 

「っ、そ、それは........................................」

 

「それに、キミたちが救出に向かっている間に大王派が攻めてきたらどうするのかね? キミたちが救出に時間を掛ければ掛けるほど、敵が我々を攻めてくるリスクが上がっていくんだよ」

 

「................................................................」

 

「残念だが、兵たち........民衆の安全が確保できなければ、私は彼らの統率者として軍を解体するわけにはいかない。それこそ、【大王派や禍の団の手の届かないどこかに丸ごと移動させない限り】はね................................」

 

ディハウザー様の言う通り、反乱軍が結成されているからこそ、現状民衆の安全が守られていると言える。

反乱軍に参加していない領民たちはごく僅かだが、その者たちは力のある領主が守ってくれている。

 

そんな状況であれば、反乱軍はいつ殺されてもおかしくはない。『禍の団』には純粋悪魔を作り出す技術があるのだから。

 

でも、このままでは反乱軍は玉砕覚悟で大王派と禍の団に突撃することになる。せめて、魔王様方を救い出す間だけでも反乱軍の安全を確保しないといけない。

 

 

けれど、そんなこと出来るわけが...................................

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ん? 今、ディハウザー様は何と仰った?

 

 

【大王派と禍の団の手の及ばない場所へ反乱軍を移す】?

 

 

大王派たちが手を出せない場所へ........................反乱軍を移動させる............................大王派が手を出せない場所................................。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

っ、そうだ!! もしかすれば、何とかなるかもしれないっ!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

「すみません! 『とある方』へ連絡を取って構いませんか!?」

 

「................................フッ、どうぞ」

 

「ありがとうございます!」

 

私は一か八か、反乱軍全員を受け入れてくれるかどうかを相談するため『ある人』に連絡を取ることにした!!!

 

逸る気持ちを抑えながら、私は反乱軍を助けるべく『ある物』を取り出す。今の私は反乱軍の兵たちを守ることで頭が一杯だった............................だから、気づくことが出来なかったもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ディハウザー様が密かに............................不気味な笑みを浮かべていたことを。

 

 

 

 

 

 

 

 

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ディハウザー様に許可をもらった会長は懐から小さな機械を取り出した。

 

ッ、アレは................................!!!

 

 

「ソーナ、何なのその機械は?」

 

「これは、曹操殿から貰った通信機です............................曹操殿へ直接連絡するための」

 

 

「「「「「!!!!!!!!!!!!」」」」」

 

 

会長が答えた瞬間、俺以外の皆が驚愕する。

 

そう、アレはサイラオーグさんとの試合が終わってから、医務室で話をした時に曹操から貰ったものだ。

 

 

曹操は俺たちシトリーが新人戦に全勝した場合、『蒼天の紅旗』として俺たちの夢に協力してくれると言った。そして俺たちが宣言通りに全勝したってことで、色々と連絡を取り合うためにこの通信機を渡してくれたんだ。

 

本来なら神様たちの警告があるため、曹操はおろか『蒼天の紅旗』と連絡を取ることすら許されてはいない............................だが、聖書陣営としてではなく『会長個人』としてなら、特例で認めてもらえるよう曹操が神様たちに掛け合ったらしい。

 

そのため、この通信機を使えるのは会長だけ。たとえ魔王様であったとしても、他の誰かが使うことは出来ない代物だ。

 

 

「でもソーナ、曹操に連絡を取ってどうするつもりなの?」

 

「もちろん、相談するんですよ................................反乱軍の兵を一時的に受け入れてくれるかどうかを」

 

「なっ!? 『蒼天の紅旗』に!?」

 

会長の言葉にリアス先輩や周りの皆は再び驚いてしまう。でも、驚くのは無理もない。急に万単位規模の兵を受け入れるなんて、いくら何でも無茶苦茶すぎる。

 

それに、彼らは『悪魔』だ。聖書陣営のことを嫌っている『蒼天の紅旗』が『悪魔』を助けるどころか、避難場所となって受け入れてくれるとは到底思えない。

 

流石に無理があると思いながらも、余計な口を挟まないよう黙っている俺たち両眷属................................だけど、会長は何か考えがある様子だった。

 

 

「確かに可能性は皆無かもしれません........................ですが、ここにいる人たちを守るためにはコレしかないのです! 彼らは反乱軍である前に、『現政府の闇』の被害者なのですから!!」

 

「それは....................そうかもしれないけど............................」

 

「私の夢の実現には、ここにいる兵の皆さんの存在が必要なのです。そして曹操殿は、私の夢の実現のために『蒼天の紅旗』は最大限協力してくれると言っていました。私はその言葉に賭けてみます!」

 

「................................................」

 

会長の固い意思を聞いてリアス先輩や俺たちは何も言えなくなってしまった。確かに俺たちの夢には、ここにいる兵たち................いや、転生悪魔や一般悪魔たちの存在が必要だ。そのために会長はここにいる全員を助けようとしている。

 

だが、あの曹操をどうやって説得するのか。望みが薄いと分かりながらも、会長は曹操に連絡を取る。

 

 

 

『やぁ、ソーナ・シトリー。どうしたんだい? キミがこの非常用の通信手段を使ってくるということは................................よほどの緊急事態だと見受けられるが?』

 

「はい、曹操殿。実は『蒼天の紅旗』に協力していただきたいことがあります」

 

曹操が出ると会長は、今の状況と『蒼天の紅旗』にやってもらいたいことを端的に話した。曹操も今の冥界の状況は聞いているらしく、特に驚くことも無く会長の話を静かに聞いている。

 

そして会長が話し終わると、曹操はいつも通りの小憎らしい笑みを浮かべながら口を開く。

 

 

『なるほど........................そちらの事情は分かった。一般の悪魔はともかく、転生悪魔は元人間だ。不遇な扱いや危険な状態にある元人間たちを助けることは『蒼天の紅旗』でも推奨されている。力になること自体は、やぶさかではない』

 

「っ、では『ただし』ッッッッッッ!?」

 

『当然のことだが、数が多すぎる。それに我々『蒼天の紅旗』本部の所在地を明らかにすることは出来ない。そのため出来るとしたら、各神話群の支配領域に作っている支部に分散させて受け入れるという形になるだろう』

 

「っ、各神話群の支配領域に、ですか............................」

 

 

各神話群の領地にある支部ってアレだよな? 確か前に兵藤の家で聞いた、賈駆さんたちが作ったっていうヤツだろ?

神様たちが管理している土地に悪魔を避難させる............................色々と面倒事の匂いしかしないな。

 

『もちろん、神々がそんなことをタダで許すとは思えない。故に説得するにはそれなりの手土産が必要となるわけだが................................ソーナ・シトリー、キミには何が差し出せる?』

 

「っ....................................」

 

曹操の質問に会長は何も言えなくなってしまった。そりゃあ万単位の悪魔を分けたとしても、一か所あたり数千人にはなるだろう。

そんな数の悪魔を、しかも神様たちが管理する土地で受け入れてくれって言ってるんだ。それなりの見返りを用意しないと聞く耳すら持ってもらえないに決まっている。

 

だからと言って現状、会長に神様たちを納得させるだけの見返りなんか用意できるわけがない! どうすりゃいいんだよっ!!!

 

会長だけではなく、俺たち全員が目線を下げて途方に暮れていると................................今まで黙っていたディハウザー様が間に入ってきた。

 

 

「突然、横から口を挟んですまない。曹操殿............で良いかな? 貴殿が言った『手土産』だが、私が用意できると思う」

 

「「「「っっっっっっっっっ!!!!!」」」」

 

思いがけないディハウザー様からの一言で俺たちに衝撃が走る! ディハウザー様が俺たちに協力してくれるのは驚きだけど........................いったい何を用意するんだ?

 

曹操もディハウザー様の提案に興味を持ったのか、不敵に笑っていた。

 

『ほう、面白い。聞かせてもらえますかな、ベリアル殿』

 

「ああ。此度の騒動が無事収束したら、恐らく魔王たちと我々で対談の機会が設けられるはずだ。そこで私は................................魔王、並びに貴族制度の廃止を提案するつもりだ」

 

「「「「!!!!!!!!!!!!!!!」」」」」

 

 

魔王様と貴族制の廃止!? これって俺たちが曹操に言われてやろうとしてたことじゃねえか!? 俺たちシトリーが長い年月を掛けて少しずつ進めようとしていた計画が、こんな形で表に出てくるなんて............................!!!!

 

「ディハウザー様! そのようなことを仰ってよろしいのですか!? そんなことになれば、貴方様だって貴族ではなくなるのですよ!?」

 

「構わないさ。今回の一件を起こした時に、私は貴族であることを捨てている。でなければ、皆をまとめあげることなど出来なかったからな」

 

確かに政府上層部への不満から暴動を起こしたのに、そのリーダーが貴族のままだったら統率なんか出来ないもんな。

 

ディハウザー様、そこまでの覚悟で皆の思いを汲んでいたのか....................................。

 

「それに、今回の一件を片付けるには大王派や『禍の団』。そしてそれらに与した者たちも掃討しなければならない。

そうなれば、ただでさえ少ない純粋悪魔............貴族の数が激減するだろう。そのような状態となってしまった悪魔社会では、貴族制度を残していたところで何の意味も無い」

 

ごく僅かに生き残った貴族たちを優遇するよりも、残った多くの一般悪魔のための政治体制を敷いた方が、今後の悪魔のためになる。『大を取るか小を取るか』ってヤツだな。

 

 

「そもそもこのような事態となったのは、上流階級である政府上層部の者たちが原因だ。ならばいっそのこと、悪しき慣習ごと全てを無くしてしまった方が良い。それなら兵たちも納得して武装を解除し、軍もスムーズに解体出来るだろう」

 

『なるほど。今回の騒動の原因であり、今まで各神話群に対して好き勝手していた「貴族」と「魔王」がいなくなる。

そして新しい悪魔のトップの選出に各神話群も一枚噛むことが出来るというのなら............................確かに手土産としては十分ですね。分かりました、その方針で神々を説得してみましょう』

 

「「「「「................................................」」」」」

 

 

ディハウザー様の提案に曹操が乗ってしまった................................これで今回の騒動が収まったとしても、会長やリアス先輩の実家は『貴族』ではなくなる。

 

俺たちが望んでいたこととはいえ、こんなに急に事が進んでしまうと心の整理が追いつかない。

 

でも、俺たちでは神様たちが納得するような材料を用意することはできない。それに俺たちみたいな若造なんかよりも、レーティングゲームの王者から言われた方が世間の信憑性は高いだろう。

 

 

『では、ベリアル殿の提案で話を進めるとして........................そうなると問題は魔王の安全だな。これまでの話は全て「魔王が無事」であることが前提だ。

それに魔王がいないとこの騒動を終わらせたとしても、スムーズに事が運べない』

 

「それについてはこちらで対処しよう。幸いにも、魔王たちの幽閉先は割れているからね」

 

「「「「ッッッッッッッッッッッッ!?」」」」

 

 

ディハウザー様たちは既に魔王様たちの居場所を掴んでいるのか!? それなら俺たちが協力すれば、魔王様たちを救出できる可能性が高くなる!!!

 

俺だけではなく、周りの皆も同様のこと考えたようで................................会長が魔王様たちの救出に買って出た!

 

「曹操殿、ディハウザー様! その役目、私たちに任せてはもらえないでしょうか!!!」

 

『............................危険な任務となる。恐らく、大王派の悪魔だけではなく「禍の団」との交戦になるだろう。それでも行くのかね?』

 

「はい。救出任務や隠密行動であれば、少数精鋭が定石。しかし、ディハウザー様たちは反乱軍を守るために残らなければなりません。ならば私たちが行くべきです!」

 

『そうか............................では、キミたちにお願いしよう。だがソーナ・シトリー、キミは残ってくれ。俺との連絡係は必要だからね』

 

「っ............................わかりました。仕方ありませんね」

 

 

確かに曹操と連絡を取れるのは会長だけ。曹操が上手く神様たちを説得したとしても、避難が完了するまでの間、何かと曹操へ相談しなくちゃならないこともあるだろう。

 

それにもし、大王派に会長が攫われちまったら、せっかく出てきた希望の芽が完全に摘まれちまうからな。皆や俺たちのためにも、会長には残っていてもらった方が良い。

 

会長自身もそのことが分かっているからこそ、曹操の言うことにおとなしく従ったんだ。

 

 

「リアス、アナタに私の眷属たちを託します。必ず............................魔王様たちを救出してきてください」

 

「ええ、任せてソーナ。アナタの自慢の眷属たちの力、頼りにさせてもらうわ!」

 

会長は俺たちのことをリアス先輩に任せる。会長が行けないなら、救出作戦のリーダーはリアス先輩一択だ。

謂わば一時的な俺たちの『王』。頻繁に模擬戦をしていたリアス先輩なら、俺たちのことを上手く使ってくれるだろう。

 

「へっ、散々模擬戦で苦しめられてきたシトリーとの混成チームか。こりゃあ楽しみだぜ!」

 

兵藤は俺たちとチームを組んで戦うことに張り切っている。こんな状況でも前向きなコイツのスタイルは非常にありがたい。

 

それに................................やる気が漲ってくるのはこっちも同じだからな!

 

 

 

その後ディハウザーさんから魔王様たちの幽閉先を教えてもらった俺たちは、会長と会長の護衛に副会長を残して魔王様たちのいる............................大王バアルの領地へと向かった。

 

 

 

 






予定とはなりますが、今章では『蒼天の紅旗』メンバー............つまりは【FGO】と【恋姫】のキャラを可能な限り出したいと思います。

ただ『ギルガメッシュ』や『アキレウス』のような【ぶっ壊れ】、『夏候惇』や『関羽』といった【話がややこしくなる】ようなキャラは出さないつもりです。

それでは皆さん、次回で♪
感想・高評価もいただけると作者が喜び、励みになります!

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