深紅の武人が住くD×D   作:あさやん&あさやん

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残すは今章と最終章のみですので、新しい設定や伏線などは出さないつもりです。

そのため今までの章よりも展開が早く、サクサク進める....................と思います。構想段階では長くはならないのですが、書いてるうちにいつの間にか長くなってるんですよねwww




第百七十六話

 

 

 

大王派に捕まったお兄様たちを救出すべく、私たちグレモリーと真羅椿姫さん以外のシトリー眷属の皆はバアル領へとやって来ていた。

 

 

反乱軍の話だとお兄様たち魔王様方は、大王バアルの城の最上階に幽閉されているとのこと。

 

私たちは魔術で姿を変えてバアルの城の近くにある一番大きな街を通り、城へと向かっている。

反乱軍と大王派のクーデターによりほとんどの領地は混乱していると聞いているが、流石に大王バアルのお膝元の街は荒れていることもなく非常に穏やかだった。

 

 

「なんか....................思っていたのと違いますね」

 

「ああ、てっきり戒厳令とかが出てて憲兵が街を徘徊していると思ったんだけどな」

 

「たぶん必要以上の混乱を避けるために情報統制がされているんじゃないかな?

恐らく街の人たちは、反乱軍のことも大王派が魔王様方を幽閉したことも知らされていないんだと思うよ」

 

イッセーと匙くんが普通に街の中を領民たちが歩いている姿を見て疑問を抱き、祐斗が推測を立てる。

 

恐らく祐斗の言う通りだろう。大王派としても、強引に政権を奪取したため足元が固まりきっていないはず。

そんな状況下で自分たちの領民が反乱軍に呼応でもされたら目も当てられない。

 

だから領民たちには反乱軍の情報は伏せ、今は政治基盤を作ることに力を注いでいるのだろう。

 

お兄様方から正式に政権が譲渡されたことを報道した後に大々的に反乱軍の鎮圧へと乗り出し、領民たちの関心や不満を逸らすつもりなのでしょう。

 

そう考えると........................やっぱりお兄様たちの救出は急務、あまり時間は掛けていられないわね。

 

 

 

「それでどうするんですか、部長? このまま大王の城に潜入するんですか?」

 

大王の城に向かって歩きつつ、イッセーが救出の方針について尋ねてくる。本音を言えば、すぐにでも助けに行きたいところだけど............................いくら何でもそんな迂闊なことは出来ない。

 

「いいえ、まずは敵の戦力の把握が先よ。街の中は穏やかでも、さすがに城や城周辺の警備は厳重なはず。それに、お兄様たちの守りも固められていると思うわ」

 

こっちは私たちグレモリーが5人、シトリーが6人の計11人。一方、大王の城やその周辺はバアル眷属の精鋭や『王の駒』を使用したトッププレイヤーが多数いるはず。

 

正面突破は論外、まずは『魔王様』を助け出して反乱軍の下へ転移させる。その後で『魔王様の眷属』を助け出すのが理想なんだけれど............................敵の戦力や配置次第では眷属の方を先に助け出してからでないと、魔王様たちを救出出来ないわね。

 

魔王様の眷属たちは例外なく魔王様に比肩するほどの腕利き揃い。その眷属を救出して味方に引き込めれば、バアル眷属や『王の駒』を使用したプレイヤーたちにも十分に対抗できる。

 

ただ問題は、眷属たちを救出すると敵に気づかれる可能性が高いということ。つまり、眷属たちを救出したのがバレた時点で敵との戦闘は避けられないということだ。もしかしたら、魔王様方を別の場所に幽閉するかもしれない。

 

そうなると............................敵に見つからないように潜入して、魔王様方の眷属を救出。敵の注意を引くために大立ち回りを行いつつ、隙を見て魔王様方を逃がすというのがベスト。

 

私たちの身の安全については、二の次でいい。第一優先は三人の魔王様方を無事に救出すること............................そのためには敵の戦力と配置、そして魔王様方の眷属の居場所を把握しなければ!

 

 

 

 

「おんや~~~~? 見慣れた気配のヤツらがいると思ったら、グレモリーとシトリーじゃねえかよい♪」

 

「やっぱりヴァーリが言ったとおりだにゃん。この非常時に血気盛んなグレモリーたちが大人しくしているはずが無いってね♪」

 

 

「「「「「ッッッッッッッッッッッッ!!!!!」」」」」

 

 

私がどうやって情報を集めようかと考えていると、不意に後ろから声を掛けられる!! 慌てて後ろを振り向くとそこには............................美候と黒歌がいた!!!

 

「び、美候!? それに黒歌まで........................!」

「ね、姉様、どうしてここに..........................!」

 

「お~~~っと、静かにしておいた方がいいんじゃねえかい? いくら認識阻害の結界を張っているとはいえ、あんまり騒ぐと周りの連中に気づかれちまうぜぇ?」

 

「っ........................................」

 

私と白音が尋ねると美候はニヤニヤと笑いながら注意してくる。

 

くっ、相変わらず憎らしい猿ね! 美候はヴァーリや黒歌たちと組んでいて、以前にもイッセーの家で会ったことがある。

 

その時にヴァーリがよくつるんでいるメンバー、通称『ヴァーリチーム』のメンバーと顔合わせをしたのだけれど................................アーサーやルフェイはともかく、この美候だけはどうにも好きになれなかった。

 

「私たちはアザゼルに頼まれて、魔王たちを救出するためにこの街へ潜入していたにゃん」

 

「まっ、正確にはアザゼルに頼まれたヴァーリに協力してるんだけどな♪」

 

「っ、アザゼルに!?」

 

二人の返答に驚く私たち!!! アザゼルがヴァーリチームに魔王様方の救出を依頼したの!?

アザゼルは天使陣営と今回の騒動についての対策を協議すると言っていた。それがヴァーリたちを動かして魔王様方の救出を依頼するなんて............................!

 

「どうしてアザゼル先生がお前たちにサーゼクス様たちの救出を依頼するんだよ!?」

 

「落ち着けよい、赤龍帝。さっきも言ったけど、そんなに大声出したら見つかっちまうぜ?」

 

「詳しく話を聞きたいなら、黙って私たちのアジトについてくるにゃん」

 

「ぐっ........................部長、どうします?」

 

「............................仕方ないわね。大人しくついていきましょう」

 

「そうそう♪ こういう時は素直になるのが一番だぜい♪」

 

イッセーが二人に詰め寄ろうとするが、逆に諫められてしまい私に尋ねてくる。二人の言う通り、ここでこうしていてもしょうがないし、敵に見つかってしまうかもしれない。

 

それにこの街に潜入しているということは、私たちよりも詳しいことを知っているはず........................私たちは美候と黒歌についていくことにした。

 

 

 

美候と黒歌に連れられて案内されたのは、街の郊外にある森の中だった。森の中を進んでいくと、いきなり美候の姿が消えた!

 

「あ、あいつ、どこに行ったんだ!?」

 

「仙術で目隠ししているだけにゃん。そのまま進むにゃん」

 

黒歌の言う通り、そのまま前に進むと空間が水面のように波打つ。中に入ると軽井沢の別荘としてありそうなロッジの前に美候が立っていた。

 

振り返ると、イッセーたちは私の姿が見えなくなったことに若干戸惑っている様子だった。

 

「っ........................なるほど。中からは外の様子は見えるけど、外からはこちらの様子は見えないということね」

 

「そーーいうこった♪ さっ、中でヴァーリたちが待ってるぜ♪」

 

美候がドアを開けて私たちを招き入れる。中に入ると見た目通り立派な内装となっており、レンタルなどすればそれなりの値段がするだろう。

 

 

「やぁ、リアス・グレモリー。思ったよりも到着が遅かったな」

 

 

奥にあるダイニングテーブルではヴァーリ・アーサー・ルフェイの三人が、優雅にティータイムを楽しみながら私たちを迎えてくれた。

 

 

 

 

「どうぞ♪」

 

「ありがとう、ルフェイ」

 

ルフェイが私たちの分のお茶を煎れてくれる。私とヴァーリチームがダイニングテーブルに着き、ソファーの方には両眷属が座っていた。

 

香りを見る限り、朱乃と同じくらいお茶を煎れ慣れているみたいね。だけど生憎、ここにはお茶を楽しみに来たわけではないので私はすぐに本題に入った。

 

 

「ヴァーリ、アザゼルがアナタたちに魔王様方の救出を依頼したと聞いたけれど............................向こうで何があったの?」

 

アザゼルが秘密裏に魔王様方を救出しようとしたということは、天使や堕天使の交渉では魔王様方を助け出すことは出来ないと判断したからだ。

 

それだけじゃない。ヴァーリチームを動かさなければならないほど事態が逼迫している................................つまり、モタモタしているとお兄様たちの命も危ないということだ。

 

大王派がお兄様たちを手に掛けるかもしれないと判断するほどの理由、これが知りたかった。私の質問にヴァーリはお茶を一口飲んでから口を開く。

 

 

「キミの考えている通り、アザゼルも初めは交渉で魔王たちを助け出すつもりだった。だがどうやら、事態はアザゼルが思っていた以上に危険だったということさ」

 

「危険な状況? どういうこと?」

 

お兄様が危険な状況にあるという事実に背筋が凍りそうになるが、私はそれでも冷静であるように務めた。私が尋ねると................................ヴァーリはまるで、汚らわしいものを見るような表情で答える。

 

 

「ある筋の情報によると大王派............いや、『禍の団』は首都リリスの地下で『純粋悪魔』を素体に【化け物】を作り出しているらしい」

 

 

「「「「「っっっっっっっっっっっっっっっっっっ!!!!!!」」」」」

 

 

思いがけないヴァーリからの情報に私たちは言葉を失ってしまうほど驚愕してしまった!!!

 

カ、『禍の団』が、『純粋悪魔』を素体に....................【化け物】を!? いったい、どうしてそんなことになっているのよ!? それに大王派じゃなく、『禍の団』って....................................。

 

「なっ、何なんだよ、その【化け物】って........................何で『禍の団』がそんなもん作ってんだよっ!?」

 

「さあな、そこまでは分からない。だが、その【化け物】を作るのに『純粋悪魔』が必要だと言うのなら、『禍の団』が魔王たちを化け物へと変貌させる可能性は十分にある」

 

「そ、そんな....................................!!!」

 

魔王様が........................お兄様が化け物にされる? 私はあまりにも信じがたい事実に思考がショートしかけていた。けれど、頭が混乱している私を他所にヴァーリは更に話を続ける。

 

「既に大王派に組した中立派の貴族たちは全員【化け物】にされたらしい。恐らく『禍の団』は、自分たちにとって不要な存在から順次消していっているのだろう」

 

「なっ、中立派がっ!?」

 

「ち、中立派って、大王派に協力した貴族たちだよな!? 何で自分たちの味方を化け物にしてるんだ?」

 

「それに『禍の団』がやっているってことは、大王派の貴族たちはこのことについて知らないってこと?」

 

「もしくは、知っているけど見ないフリをしているかのどちらかだね」

 

『純粋悪魔』から【化け物】を生み出す............................そんな突拍子も無いことをにわかには信じられないけど、今はそれどころじゃない!

 

もしヴァーリの言う通り、『禍の団』にとって不要な悪魔から消しているのだとしたら、お兄様たち魔王様も遅かれ早かれ『化け物』にされてしまう!!

 

そんなの........................死ぬよりもずっと辛いことだわ!! 耐えられるわけがない!!!

 

だとしたら、もう時間が無い! 幸いにもヴァーリたちと目的は一致している、ここは彼らにも協力してもらうのが得策!!

 

 

「........................ヴァーリ、私たちと組まない? 魔王様方を助け出すなら、戦力は必要でしょう?」

 

「............................ふっ、まぁ、否定はしない。だが、仲良しこよしで足並みを揃えるのは難しいんじゃないか?」

 

ヴァーリの言う通り、シトリーとは常日頃から模擬戦を行っているから連携も取りやすい。だけど、ヴァーリチームとはほとんど関わり合いが無い。急造チームの連携などたかが知れている。

 

「もちろん、そんなことをするつもりは無いわ。私たちの目的は同じ、なら『互いに必要なものを持ち寄りましょう』と提案しているのよ」

 

「必要なもの、か........................ならばそちらは何を求め、何を差し出せる」

 

「私たちが求めているのは『情報』、差し出せるのは『人員』よ」

 

いくらヴァーリたちでも、自分たちだけでこの厳重な警備の中から魔王様方を救出するのは不可能なはず。助け出すにはどうしても陽動役が要る。

 

しかしヴァーリチームはたったの5名、これでは陽動役は逃げ切れず死ぬことになってしまう。目的達成後に陽動役も含めて全員撤退するなら、後詰めの戦力が必要だ。

 

そこで私たちとヴァーリチームを合わせれば、全部で16名。これなら取れる作戦の幅が広がるし、後詰めにも戦力を割くことが出来る!

 

 

「ククククク♪ 『白と赤が手を組む』、か。いいだろう。どんな情報が欲しいんだ?」

 

ヴァーリは少し考え込んだ後で、軽く笑い私たちと手を組むことについて承諾した。確かに、これってニ天龍初の共同作戦ってことよね?

 

修学旅行の時はアーシアさん、延いては呂布様絡みだったから仕方なかったけれど。まさか、こんな形で実現するとは思わなかったわ................................。

 

「まず敵の戦力と配置。それから魔王様方の眷属の居場所。あと出来れば、念のために魔王様の居場所も知りたいわね」

 

「それなら、これから来る『人物』に聞くといい」

 

「? これから来る人物?」

 

私の質問を受け流すように答えるヴァーリを訝しげに見ると............................急に転移魔方陣が出現した!! しかも、あの紋様はっ!!!

 

 

「ほう、やはりお前たちも来たか」

「お久しぶりです、皆さん」

 

「サイラオーグ!? それにクイーシャも............................!」

 

 

魔方陣から現れたのは、バアル家次期当主であるサイラオーグとその『女王』であるクイーシャだった!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

 

 

 

 

 

 

 

転移してきたサイラオーグさんを交えて、改めて部長がヴァーリたちと話し合う。ちなみにクイーシャさんは俺たち眷属側の方に座っている。

 

それにしても驚いたなぁ。いや、ここはバアル領だから次期当主であるサイラオーグさんがいるのは全く不思議じゃないんだけどさ。

 

 

「サイラオーグ、アナタもヴァーリと手を組んでいるの?」

 

「ああ、俺も今回のやり方には納得できん。自分たちの不正を誤魔化すために政権を奪い、あまつさえ魔王様たちにその罪を擦り付けるなど貴族としてあるまじき行為だ。

たとえ『バアル家次期当主』として間違っていたとしても、『貴族』としての道を踏み外すつもりはない」

 

「そう......................アナタらしいわね。それで、ヴァーリたちとはいつから組んでいるの?」

 

「呂布殿が『蒼天の紅旗』に戻り、俺も一旦バアル領へと戻ってからしばらくしてのことだ。俺は次期当主として、よく街を歩いては領民たちの声を聴いていてな。コイツらと会ったのはそんな時だ。

いつものように街を歩いていたら、見慣れない奴らを見かけたので声を掛けたのだ。それ以来、こうして城内部の情報を定期的に提供しているというわけだ」

 

 

やはり実直なサイラオーグさんは、今回の一件について憤っているようだ。

 

流石はサイラオーグさん! それに領民たちの生の声を聴きたいから街を歩くっていうのが何ともサイラオーグさんらしい。

 

 

「それでリアスたちが知りたいのは、敵の戦力と配置。そして魔王様および眷属方の居場所だったな。クイーシャ」

 

「はい」

 

サイラオーグさんはそう言うと『女王』のクイーシャさんが異空間から大きな紙を取り出した。

これは..............城の見取り図か! さすがに大王家の城なだけあって広大だな。テーブルいっぱいの大きさの紙なのに何枚もある。

 

「まず魔王様方は一番奥にある建物の最上階、眷属の方々は反対の建物の地下に幽閉されている」

 

やっぱりサーゼクス様たちと眷属たちは離されているか。まぁ当然だな、一緒に閉じ込めておいて万が一にでも暴れられたら堪ったものじゃない。

 

「次に敵の戦力と配置だが........................城の周囲をランキング4~6位のプレイヤー、そしてその眷属たちによって固められている。そいつらが城を中心として全方位に取り囲む形で陣取っており、城に近くなるにつれて上位のチームが守っている配置だ」

 

「っ、そんなに............................!」

 

思った以上の戦力が傾けられていて、部長も顔を強張らせている。いくら大王の城だからって、ここまで厳重になっているとは思わなかったんだろう。

 

「城の中はもっと厳重だ。大王派閥の精鋭たちが絶えず城の中を巡回しているうえ、魔王様たちの周囲をランキング3位の悪魔と眷属が警備しているのだからな」

 

まさに蟻の這い出る隙間も無いくらいにガッチリ守りを固められている。これじゃあ、いくら俺たちが外で暴れ回っても、逆に城の中の警備が厳しくなっちまうぞ。

 

 

「............................サイラオーグたちと一緒に私たちも城の中に転移することは出来ないの?」

 

「無理だ。予め登録した者以外が転移してくると、すぐに警報が鳴るシステムになっている。そうなれば、城の中だけではなく外にいる連中までやってくるぞ」

 

最低でも魔王様の眷属たちを救い出すまでは、敵に気づかれるわけにはいかない。サイラオーグさんに協力してもらって中に転移しても、すぐに敵に取り囲まれて身動きが出来なくなる。

 

 

「ねぇ、サイラオーグ。初代バアル................ゼクロム・バアルも城の中にいるの?」

 

「いや、今は首都リリスに行っていて留守だ。それから、リアスには非常に言いにくいことなのだが................................サーゼクス様の奥方、グレイフィア様もリリスへと連れていかれてしまった」

 

 

「「「「ッッッッッッッッッッッッ!!!!」」」」

 

 

サイラオーグさんの言葉に一斉に驚く俺たち! 何でグレイフィアさんだけが連れていかれるんだ!?

サーゼクス様の奥さんってことなら、他の魔王様たちの奥さんだって連れていかれるはずだ。

 

「ッ、グレイフィアが!? どうして!?」

 

「............................分からない。首都を制圧している貴族たちから『連れてきてほしい』という連絡があって、初代が連れて行ってしまったということしか........................すまないな」

 

「っ、そんな....................................」

 

サーゼクス様の奥さんであり、義理の姉が大王に連れていかれたことにショックを受けてしまう部長................................しかし部長は、暫く目を閉じると気持ちを切り替えて凛々しい顔つきとなる!

 

 

「....................................いいわ。グレイフィアのことについては、お兄様たちを救出してから考えましょう。今の第一優先は『魔王様たちの救出』、この方針に変更は無いわ」

 

部長は俺たちのような身内に対する情愛が深い、本当ならグレイフィアさんのことが気がかりで仕方ないのだろう。

けれど部長は、この状況で自分たちがやるべきことにのみ集中し決意を口にする!

 

そんな部長の様子を見たサイラオーグさんは、嬉しそうに笑って部長に感心していた。

 

「ほう、ずいぶん成長したな。俺が知っているリアスなら、グレイフィア様のことが心配で集中力を欠くか。もしくは『自分たちだけで助けに行く』と言い出していただろう」

 

「今の私たちに出来ることは限られている。その中から『やるべきこと』『出来ること』を見極めて、全力で取り組む。レーティングゲームと同じよ」

 

誰だって出来ることと出来ないことがある。出来ないことを無理にやろうとすれば、そのシワ寄せは別の誰かに回って取り返しのつかない事態になる。

 

だからこそ、『自分が出来ることに全力を尽くす』! 今まで何度も失敗してきて学んだことだ!!

 

「ふっ、違いない。では、具体的にどうする? 悪いが俺の監視も厳しくてな、あまり長いこと城からは離れられない」

 

やっぱりサイラオーグさんも監視されているんだな。いくら大王家の次期当主だからって、サイラオーグさんはサーゼクス様たちと親しかった。大王派の連中が警戒するのも無理はない。

 

ここでもし、サイラオーグさんが俺たちと繋がっていることがバレてしまえば、サーゼクス様たちの救出が絶望的になっちまう。

 

まったく。ホンッッット、『時間』ってのは『じっくりやりたい』って時に限って少ないもんだよな! 『龍女王』の時だってそうだった!!

 

何か良い作戦が無いか俺たち全員で考えていると................................部長が何かを思いついたようで自分の考えを話す。

 

 

 

 

 

だが、その考えを聞いた俺たちは部長の大胆過ぎるトンデモ作戦に唖然としてしまった....................................。

 

 

 

 

 

 

 

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

 

 

 

 

 

 

 

 

「............................という作戦なんだけど、どうかしら?」

 

 

私が自分の思いついた作戦を話すと、皆の口がポカーンと開いてしまった........................何だか呂布様が『とんでもないこと』を仰った時に似ているわね。そんなに突拍子も無かったかしら?

 

「いやはや........................なんともまぁ、大胆なことだ」

 

「ああ。成長したと言っても、根本的な部分。豪胆というか、攻撃的な性格は変わっていないようだ」

 

失礼ね、これでも『守り』の重要性はちゃんと理解しているのよ。ただ今の状況だと『守る』よりも『攻め』の方が大事だと思ったまでよ............................まぁ、『攻める』方が得意なのは否定しないけど。

 

 

「だが、残念ながらこれ以上の作戦を思いつかないのであれば、リアス・グレモリーの作戦でいくしかないだろう............................残念ながらな」

 

「むぅ............................仕方ない。俺もこれ以上ここにいるわけにはいかないしな。仕方ないから、リアスの作戦でいこう」

 

「ちょっと! 『残念』とか『仕方ない』ってどういうことよ!! しかも二人揃って二度も言うことないでしょう!?」

 

まったく、何の代替案も出せないなら文句を言うんじゃないわよ。周りを見れば、ヴァーリチームだけじゃなくイッセーたちまで苦笑いしてるし! どうやらここに私の味方はいないみたいね、ふんっだ!

 

 

 

 

張り詰めていた空気が和らぎ、サイラオーグとクイーシャが帰るのを見送った私たちは................................そのまま夜を待った。

 

 

 

 






今章のボス戦ですが、誰が誰の相手をするのか考え中です。せっかくですから、原作とは違うマッチアップにしたいのですが、なかなか難しい........................。

それでは皆さん、次回で♪
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