深紅の武人が住くD×D   作:あさやん&あさやん

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ようやく今章も半分くらいまで来ました。こっからは折り返しになります。

でも、やはりというか大規模戦闘というのは複数のキャラの戦闘が同時に進んでいるので、書くのが大変ですねぇ...................。




第百八十四話

 

 

 

ヴァーリから放たれた『龍闘気』の波動が治まると.................見る者すべてを圧倒するかの如き、【絶対強者】の姿があった。

 

 

 

白かった鎧は黒紫と白銀を基調とした色に変化、肘や膝などの関節部位は金色に輝いており鎧全体は鋭角なフォルムになっている。

 

背中には堕天使のような翼ではなく、鎧の一部であろう突起が12枚広がっており機械的な翼を思わせる。そして背中の6対12枚の翼の間からは銀色の輝きが放たれ、黒い翼とは別に光の翼を形成している。

 

それにこの威圧感、恐らく『龍闘気』だけじゃない。この全てを圧し潰すような迫力は呂布さんを思わせる!!!

 

 

 

「おいおいおい.........何なんだよ、その姿。ずいぶんと様変わりしちゃったじゃないの、ヴァーリきゅん...............」

 

 

ヴァーリの変貌ぶりと威圧感に、さっきまでヘラヘラ笑っていたリゼヴィムも冷や汗を流している。さすがのコイツも今のヴァーリから発せられる気迫には肝を冷やす思いだろう。

 

 

 

「『白銀の魔龍皇 ドラゴニック・ルシフェリオン・ドライブ』。歴代白龍皇の怨念を己の意思で捻じ伏せ、『覇龍』によって引き出されるアルビオンの『龍闘気』を全開放。

さらにこの身に流れる『初代ルシファーの魔力』と混ぜ合わせ、俺自身の『覇気』にて身体中に巡らせる............『覇龍』とは異なる俺だけの強化形態だ」

 

「ッ、バ、バカなっ、初代ルシファーの............親父の魔力を引き出しただと!? デ、デタラメ言うんじゃねえ!

人間との混ざりモノであるお前なんかに親父の魔力を使いこなせるわけがねえだろ!!!」

 

「ふっ、信じる信じないはキサマの勝手さ.............ところで兵藤一誠、キミはどうするんだ? 黙って見ているだけか?」

 

 

初代ルシファーの魔力をコントロールしていることに慌てふためくリゼヴィムを他所に、ヴァーリが俺に尋ねてくる。

 

っ、冗談じゃねえ! 確かにヴァーリの姿には驚いたが、『ソレはソレ。コレはコレ』だ! 俺だってコイツには頭に来てんだからなっ!!!

 

 

「へっ、バカ言うなよ。何のために呂布さんからの地獄の特訓を乗り越えてきたと思ってんだ。もちろん、やらせてもらうぜ!!!」

 

「そうか............なら、初手は譲ろうじゃないか。俺から戦ったら歯止めが効かなくなりそうなんでね」

 

なるほどね、今のヴァーリじゃリゼヴィムが死ぬまで戦うのを止めれそうにないってわけか。

 

じゃあ、お言葉に甘えて遠慮なくやらせてもらうぜ! もしかしたらお前の分が無くなっちまうかもしれないが、その時は勘弁してくれ!!!

 

 

 

「極まれ、俺の性欲! 妄想MAX!! 『龍昇格・龍女王   ドラゴニックプロモーション・ドラゴニッククイーン』!!!!」

 

 

ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッッッ!!!!!!!

 

 

 

ヴァーリが譲ってくれたってことで、俺はヒーローショーで部長とキスした時のことを思い出し『龍女王』に『龍昇格』!

やっぱり部長とのキス.......唇の感触を思い出すだけで一発で『龍女王』になれるくらいに煩悩が高まり、身体中に『龍闘気』が漲ってくるぜ!!

 

『龍女王』は三十分しか保たないけど.............コイツ相手に三十分もいらねえ!!!

 

 

「っ、ちぃっ、こっちもか! 今代の二天龍はいったいどうなってやがんだ..............けど、残念だったなぁ。いくらパワーアップしたところで、所詮は『神器』。ボクちゃんには通用しないんだよ☆」

 

 

「.................なら、試してみるか?」

 

 

ビュンッッッッ!!!!!

 

 

『神器無効化』に安心しきっているリゼヴィムに『騎士』の最大スピードで突っ込んでいき拳を繰り出す! 『戦車』のパワーに『龍闘気』を上乗せした拳が空を切る!!

 

しかし、リゼヴィムは憎らしいほどの余裕の笑みを浮かべ、いつかのように俺の拳を受け止めようとする................ここだっ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『Penetrate!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バキャッッッッッッ!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「.............................は?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の拳は前に出ていたリゼヴィムの手を押しのけ、ヤツの顔面に突き刺さる!!!

 

あまりにも予想外過ぎる出来事にリゼヴィムも何が起こったのか分からず、口と鼻から血を垂れ流していた。

 

 

っ~~~~~、ようやく..........ようやくコイツの顔に一撃ぶち込んでやったぜ! でもまだだ...........まだまだこんなんじゃ全然足りねえ!!

てめえは父さんと母さんの分も殴んなきゃいけねえんだからなっ!!!

 

 

覚悟しろよ.................このクソ野郎ぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!

 

 

 

「オラララララララララララララララララララァァァァァァァァァァァァッッッッッッ!!!!!!」

 

ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッッッッッ!!!!!!

 

 

「ぼふっ! ぶふぇっ! がほっ! げはっ! がはっ! ごふぉっ! がはっ! ごへぇっ................!!!!!」

 

 

俺は殴った! とにかく殴った!! 今までの鬱憤を全部爆発させるかのようにリゼヴィムを殴りまくった!!!

リゼヴィムもどうして自分が殴られているのか理解できないまま、俺の拳をひたすらに受けまくっている!!!!

 

 

「だぁりゃあああああっっっっ!!!!!」

 

バキィィィィッッッッッ!!!!!!

 

 

「がはぁっっっ!!!! っ、い、いったい何が..........何で、俺の能力が.............!?」

 

 

俺にぶん殴られて吹っ飛ばされるリゼヴィムは、未だに自分の身に何が起きているのか分からずガタガタと震え出した。

 

残念だがリゼヴィムよぉ、そんな悠長に考えている暇は無いぜ。なにせこの場にいるのは、俺だけじゃねえんだからな!!!

 

 

 

「どこを見ている、リゼヴィム。俺がいることも忘れるなっ!!!!!」

 

「っっっっっっっっっっっっっっっっっ!!!!!!」

 

 

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!

 

 

「がふっぼふぇっがほっぐはっあがっがふぁっあばっごふっぶふぇっぼほぉっごはっ..................!!!!!」

 

 

マシンガンのように繰り出される超スピードの拳に成すすべなく殴られまくるリゼヴィム! しかしヴァーリはリゼヴィムがどれだけ血反吐を吐こうが殴るのを止めない!!

 

普段あれだけクールなヴァーリがここまで怒りを露わにしているところを見ると、俺と同じようにこれまでの鬱憤が.............いや、幼少の頃からのことを考えると俺以上の怒りが長い年月コイツの中で蓄積していったんだ。

 

本来ならすぐにでもリゼヴィムを始末したかったが、ヤツには『神器無効化』があったため手が出せなかった。しかし今はこうしてヤツを思いっきりぶん殴ることが出来る!! そりゃあ爆発させるよなぁ!!!!

 

 

 

バキャッッッッッッ!!!!!!!

 

 

「っ、がはあっ!!!! っ.............どういうことだ!? どうして、俺の『神器無効化』が、発動しねえんだ!!!!」

 

「ふっ、知りたいか? まぁいい、今の俺は物凄く機嫌が良いのでな。冥途の土産に教えてやろう」

 

 

もはやこれまでのふざけきった態度など取る余裕もなく、リゼヴィムは顔面血塗れになりながら俺たちに叫ぶ。

 

本当なら種明かしなんかせずにこのままコイツを始末したいところなんだが、ヴァーリがご丁寧に解説してくれるようだ。

 

どうやらコイツには『痛み』以上の『恐怖』と『絶望』を与えたいらしいな、いい性格してるぜ...........まぁ俺もコイツの吠え面を見たいし、この場はヴァーリに任せよう♪

 

 

「なに、簡単な話さ.............キサマ自慢の『神器無効化』は『無敵』でも何でもなかったというだけのことだ」

 

「っ、なっ、なに言ってやが≪黙って聞け≫ッッッッッッ!?」

 

ヴァーリの話を遮って驚くリゼヴィムだが、ヴァーリの気迫に圧され言葉に詰まってしまう。今の威圧感、京都でも感じたな。

確か『覇王色の覇気』だっけ? 何でも呂布さんや曹操も使えるらしい。

 

 

「キサマの『神器無効化』は確かに強力だ。しかし『生物の能力』である以上、当然『限界』はある。

ならば、その『限界』を超える力を叩き込めば無効化しきれずダメージを受けるのは道理というもの」

 

「なっ!? げ、『限界』!? じゃあ、テメエが俺を殴れているのは...................」

 

「ああ、キサマの『神器無効化』では無効化しきれないほどのパワーで攻撃しているからだ。単純な話だろう?」

 

「っ~~~~~~~~~!!!!!!! じ、じゃあ、何でそっちの赤龍帝は俺を殴れてるんだ!? 赤龍帝はテメエほどのパワーは出てねえハズだっ!!!!」

 

 

あまりにも単純な話、要はパワーによるゴリ押しで自慢の能力を攻略されたことに取り乱すリゼヴィム。けれど今度は俺にまで突っかかってきやがった。

 

コイツには散々おちょくられたからな............ここは俺もヴァーリに乗っかるとするか。

 

 

「ああ、俺にはまだヴァーリほどの出力は出せない。まともに攻撃すれば、恐らくテメエの能力で無効化されちまうだろう」

 

「だ、だったら、何で「黙って聞けよ」っ~~~~~~!!!!」

 

さっきみたいに俺の話を遮ろうとするリゼヴィムをヴァーリと同じことを言って黙らせる。ヴァーリみたいに『覇王色の覇気』は使えないけど、今のコイツを威圧するには十分だったみたいだ。ざまあみやがれ♪

 

 

「俺は修行によって、神器に封じられていたドライグの能力を解放することに成功したのさ。その能力ってのは.............『透過』だ」

 

「と、『透過』だぁ? 『透過』ってことはすり抜けるってことだろ。そんなんで................ッッッッッッ!!!!」

 

俺がドライグ本来の能力について説明すると初めは訝しげに聞いていたリゼヴィムだったが、やがて顔を強張らせる。どうやら気づいたみたいだな。

 

「そうだ。俺が攻撃する瞬間、『透過』を使ってお前の『神器無効化』をすり抜けさせたのさ。だから『神器無効化』では無効化出来ずに、俺の拳をまともにくらっちまったってわけだ」

 

「っ〜~~~~~!!!!」

 

 

俺が種明かしをするとリゼヴィムは俯きながら、身体をフルフルと震わせていた。恐怖か怒りか、それとも予想外の事態に理解が追いついていないのか..............いずれにしても、ようやくコイツに吠え面をかかせることが出来たぜ!

 

へへっ、この時をどれだけ待ったことか。なにせこの日、この瞬間のためにクロウさんとの地獄の修行を乗り越えてきたんだからな!

 

アレはきつかった...............ホンッッッットーーーーーーーにキツかった。ドライグの能力を目覚めさせるために、ただひたすらクロウさんと延々組手だったからなぁ。

 

 

 

『ドラゴンの力』は『ドラゴンの力』に呼応するらしく、『ドラゴンの力』ってのは同種と共鳴しやすい性質を持つらしい。

その性質を利用して『龍門 ドラゴンゲート』という儀式で、ドラゴンを呼び出すことも出来るんだそうだ。

 

確かに俺も匙やアリヴィアンさんと会った時はドラゴンの気配を感じ取ることが出来たっけ?

 

まぁそんなわけで、ドライグやアルビオンの封じられた能力を目覚めさせるには、クロウさんみたいに圧倒的な格上のドラゴンの力をぶつけて叩き起こすのが一番なんだとか。

 

理屈としては分かるけど..............力づくで目覚めさせるには、それこそ死力を振り絞るくらいの組手を何時間にも渡って続けなければならなかった。

 

一歩間違えれば、俺もヴァーリも死んでたんじゃないのか? 今思い出しても背筋が凍るような思いだ.............まったく、我ながらよく生き延びられたもんだ。

 

 

でもその甲斐あって、この『透過』を目覚めさせることが出来た! それに目覚めてからも自分の動きに合わせて、咄嗟に発動できるよう訓練したからな。

 

呂布さんから聞いた時は本当に通用するのか不安だったけど、結果は読み通り! 流石は呂布さんだ、やっぱり『世界最強』はダテじゃねえ!!!

 

もっともこの『透過』、今は『龍女王』の状態じゃないと使えないのがネックなんだよなぁ。早くヴァーリみたいに通常の『禁手』状態でも使えるようになりたいもんだ。

 

 

 

「...........何故だ...........何でおまえらみたいなガキが、そんなことを思いつける!?

俺の『神器無効化』の弱点を突く!? そんなこと、お前らみたいなガキが見抜けるハズねえだろうがぁっ!!!」

 

信じ難い現実にとうとうコイツの化けの皮が剝がれる。今までは余裕綽々だったようだが、蓋を開ければ自分の思い通りにいかないことに地団駄を踏む子どもみたいだった。

 

 

やっぱりな..............同じ『ルシファー』と言っても、ヴァーリのように『絶対的な自分』を持っているわけでもなければ、サーゼクス様のように『強者の風格』も無い。

 

コイツはただの、『長く生きただけの大人になりきれていない悪ガキ』だ。こんなヤツに俺の父さんと母さんが危険な目に遭い、冥界が滅びようとしている。そう考えたら、ハラワタが煮えくり返る思いだ!!!

 

俺がリゼヴィムの本性に腹を据えかねていると、ヴァーリがため息混じりに口を開く。どうやらコイツもコイツでリゼヴィムに呆れ果てているらしい。

 

 

もっとも................それでも許す気はサラサラ無いけどなっ!!!!

 

 

「ハァ、確かに.............キサマの能力を見抜いたのは俺たちじゃあない。キサマの能力を見抜き、俺たちに攻略法を教えてくれたのは....................呂布だ」

 

「っ、り、呂布だと!? アイツが、どうして.....................」

 

「思い出してみろ。以前、キサマがロキと共にオーディンを襲撃した時のことを..............そう、キサマが兵藤一誠の両親を人質に取った結果、『覇龍』が発動した時のことだ」

 

 

 

 

『だ~~か~~ら、ムダだって言ってるのに............ん? アチチ、ちょっとヤケドしちゃったよ☆』

 

『.............................................』

 

 

 

 

「あの時、キサマは『覇龍』による『ロンギヌス・スマッシャー』を受け止めて手傷を負ったそうだな。

その時、既に呂布は貴様の『神器無効化』の限界と性質について見抜いていたのさ」

 

「っ、『限界』と............『性質』、だと..................」

 

「ああ。『ロンギヌス・スマッシャー』を無効化しきれなかったことから、『能力の限界』については言うまでもないことだろう。

そして『性質』だが.................もし『神器無効化』がキサマの『身体そのもの』に直接作用しているものならば、受けたキズも無効化されて治るハズだ」

 

「っっっっっっっっ!!!!!」

 

「しかし、キサマのキズは治らなかった。このことから『神器無効化』は、【フェニックスの『再生能力』のように身体そのものに作用するもの】ではなく、ある種の【バリアのように身体全体の表面を覆っている】ということに呂布は気付いたのさ」

 

「っ、たった.............あれだけのことで...............!?」

 

「それが『呂布奉先』という男なのさ。能力の仕組みさえ分かれば、攻略法も見えてくる。そうして呂布は、俺たちにキサマの『神器無効化』を破るための方法と修行について教えてくれたというわけだ」

 

「............................................」

 

 

 

ヴァーリの説明に返す言葉も無く、リゼヴィムは黙って聞いていることしか出来なかった。自分ですら知りえなかった能力の弱点を聞かされて、段々とヤツの顔から血の気が引いていく。

 

 

「リゼヴィム、キサマは呂布を...........『深紅の武人』を甘く見過ぎた。彼に一度見せた能力や技が二度通用することはない。

『強さ』というモノを知り尽くしている彼は、どんな能力であっても初見で見抜いて攻略してくる。故に彼は『世界最強』なのだ」

 

「!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

 

その一言が決定打となり、リゼヴィムの顔色は青から白へと変わっていった。自分の全てが一切通用しない................そんな非情な現実を容赦なく叩きつけられたリゼヴィムの心が絶望に染まっていくのが分かる。

 

リゼヴィムの失敗、それは俺やヴァーリを怒らせたことじゃあない。各勢力に喧嘩を売ったことでもない。

 

 

 

 

 

ただ、呂布さんを..............『世界最強』を敵に回してしまったことだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

 

 

 

 

 

 

 

一誠とヴァーリがリゼヴィムを追い詰めている頃、サーゼクスとグレイフィアがユーグリットと相対していた。

 

 

 

ドゴォォォォォォォォンッッッッ!!!!

 

 

バシュウゥゥゥゥゥゥゥッッッ!!!!!

 

 

 

ドガァァァァァァァァァァァァァァンッッッッッッッ!!!!!

 

 

 

下を見れば地上を覆いつくす泥、上を見れば空を埋め尽くす異形の怪物。周囲では自分の眷属が、遥か後方では同志たちが闘ってくれている。

少し前までは、平和とまでは行かないまでも平穏であったはずなのに...........今では見る影も無いほどの地獄。無神論者ですら神に縋りつきたくなるような光景だろう。

 

 

どうしてこんなことになってしまったのか? 『こう』ならないように皆で力を尽くしてきたはずなのに............そんな今までの苦労を水の泡にされた怒りからか、戦闘中だと言うのに私はユーグリットに問いかけてしまう。

 

 

「っ~~~~~~、これがキミの望みか! ユーグリット!!!」

 

「『私の』ではありませんよ。これが今までアナタたち現政権が行ってきた『望みの果て』、アナタたちの『罪』、アナタたちの『業』!!!」

 

 

っ、確かに、そうかもしれない。私たちにもっと力があれば、大王派や旧魔王派をまとめあげるだけの力があれば..............だが、それでは同じことの繰り返しになってしまう!

 

我々がクーデターを起こして政権を手に入れたように、今度は別の誰かが『力』をもって政権を奪いに来る。だからこそ、私たちは『対話』による解決を望んでいたのだ!!!

 

 

「っ................いいや、まだだ! まだやり直せる!! 『悪魔』はもう我々純血だけではない。多くの逞しい若者たちという、新しい芽が生まれようとしている!!!」

 

 

リアスにソーナ、サイラオーグという若手悪魔。それにイッセーくんや匙くんたちなどの転生悪魔。今の『悪魔』には頼りになる若者たちがたくさんいる。

その者たちが育てば、小さな芽はやがて大きな大樹となり、『悪魔』に新しい風を呼び込んでくれるはずだ!

 

 

「そのためにも、『過去の闇』は今この場で消し去る! それが我々の務め!!!」

 

「ふっ、既に遅いですよサーゼクス。『私』は結果です、アナタたち現政権のね。だからこそ、断言できる!」

 

 

 

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!

 

 

 

「自ら育てた『闇』に喰われて、アナタたち『現悪魔』は滅ぶとなっっっっっ!!!!!」

 

 

ユーグリットが魔力を弾幕のように降らせてくる! 逃げ場は無い、流石にグレイフィアの弟だ。魔力量では彼女と同等か、それ以上だな!!!!

 

 

「させませんっ!!!!!!」

 

 

ガガガガガガガガガガガガガガガガッッッッッッッ!!!!!!

 

 

私に襲い掛かる大量の魔力弾の嵐をグレイフィアが障壁を張って防いでくれた! やはり、グレイフィアの魔力もユーグリットには決して引けを取っていない!!

 

 

「っ~~~~~~~!!!!! なぜだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!! なぜ、なぜ、なぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっっっっっっ!!!!」

 

 

自身の内に宿る想いと疑問を叫びながら魔力弾を放ってくるユーグリットの砲撃を、グレイフィアが障壁を張って防ぐ。

自分の想いを理解してもらえないユーグリットの目は血走っているが、それでもグレイフィアは障壁に込める魔力を緩めることはない。

 

 

「何故、私を認めない! 何故、私を拒絶する!! そんなにその男がいいのか!? そんなに『紅』がいいのかっ!!!!! アナタは『ルキフグス』だろう!!!!!」

 

「私はもう...............『ルキフグス』ではありません! たとえこの身に『ルキフグス』の血が流れていようと、私の心まで縛ることは出来ません!!

かつての大戦時に、私たちは誓ったのです。『家や血筋に関わらず、共に生きていこう』と..............!!!!!」

 

「ユーグリット、私たちは既に『家』や『血筋』から離れ、自分自身の手で未来を選んだんだ! キミも、いつまでも過去に囚われたまま生きるのは止めるんだ!!!!」

 

 

グレイフィアが防いでくれている間に私が『滅殺の魔弾』で応戦する! しかし!!!!!

 

 

「黙れぇ! 偽りの魔王風情がぁぁぁぁ!!!!」

 

 

ギュオオオオオオオオオンッッッッッ!!!!!!

 

 

ユーグリットが紫色の魔力の球体を放つと、私の『滅殺の魔弾』が消え去った! 私の『滅びの魔力』で消滅したわけではない、まるで私の『魔力そのもの』が打ち消されたような...............まさかっ!?

 

「っ、その力は....................!」

 

「そうだ! これこそがルキフグスの血統能力、『破壊』だ!!!」

 

 

っ、やはりか.............『ルキフグス』はルシファーの側近にして宰相、そして『世界中の財宝の管理』と『破壊』を司る悪魔だ。

 

前者の能力はこの場では脅威足りえないが、『破壊』の力は厄介だ。私の『滅びの魔力』と同系統の『破壊の魔力』、互いの魔力がぶつかれば同系統の能力なだけに対消滅してしまう。

 

つまり私の『消滅』の特性は、実質無力化されてしまうということだ。これでは決着が着かない.................かつての大戦時でも、グレイフィアとは互いの魔力を相殺し合って千日手のようになってしまっていたからな。

 

 

だが................今の私は、一人で戦っているわけではない!!!!

 

 

「『殲滅の魔砲 ルイン・ザ・アナイアレーション』!!!」

 

 

ドシュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッッッッッッッ!!!!!

 

 

私の後ろから突如、紫色の閃光が放たれユーグリットの『破壊の魔力』の弾幕がまとめて消滅した! 

 

「これは..................っ、姉上ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」

 

「残念ですが、『ルキフグス』の力を使えるのはアナタだけではありません!!!」

 

久しぶりに見るな、グレイフィアの『殲滅の魔砲 ルイン・ザ・アナイアレーション』。

 

ルキフグスの『破壊の魔力』を集束させて放つグレイフィアの得意技。大戦時はこの技で私の『滅殺の魔弾』が今のようにまとめて吹き飛ばされたものだ..................。

 

 

「ルキフグスを否定しておきながら、一族の力に頼るとはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!! どこまで私をバカにするつもりだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

「いいえ...............これは、『私』の力です! 言ったはずです、たとえ『ルキフグス』の血が流れていようと家柄や血筋では『私』の心は縛れないと!」

 

「グレイフィアの言う通りだ。『力』は、ただ『力』でしかない。それを扱えるかどうかは本人次第。

『家柄』も『血筋』も、そして『血統能力』も...............全てその者の一部に過ぎないのだ!!!」

 

 

そう、彼女は【グレイフィア】。『ルキフグス』も『破壊の魔力』も、彼女という存在の一部分であって決して全てではない。

そして、私の最愛の妻..............『そういった全て』も含めて、彼女は【グレイフィア】なのだ!!!!

 

 

「認めろ、ユーグリット! 彼女のことを真に想うのなら、今目の前にいる【グレイフィア】の生き方を認めてやるんだ!! そうすればキミも.................!」

 

「黙れっ! そんなこと認められるかっ!! もし認めてしまえば.................私の今までは何だったというのだ!!!」

 

 

彼は苦悶の表情を浮かべながら『破壊』の魔力弾を放つが、その全てが悉くグレイフィアの『破壊』の魔力で相殺されていく。

 

 

「『ルキフグス』として生まれ、『ルキフグス』として育ち、『ルキフグス』として戦った! そうして『ルキフグス』として生きてきたというのに...................目覚めた時には戦争は終わり、『ルキフグス』は無くなっていた!!

いつだって私は一人で、誰も『私』を見てくれるものはいなかった!! そんな私がどうして他の生き方が出来る!!!」

 

 

っ............確かに。彼をこのようにしてしまったのは我々だ。『ルキフグス』として生きてきた彼にとって、唯一の心の拠り所は『ルキフグス』............家族であるグレイフィアだけだった。

 

しかしグレイフィアは私の妻となり、家庭を持ち『ルキフグス』ではなくなっていた。『ルキフグス』としてでしか生きられなかった彼に残されたのは............【グレイフィア・ルキフグス】を取り戻し、『ルキフグス』を再興することだけだった。

 

誰か一人でも、彼を『ルキフグス』としてではなく『ユーグリット』として見てやれる者がいれば『こう』はならなかったのかもしれない。

 

 

 

だが..................そうはならなかった。ならなかったんだ! だからせめて、彼を『ルキフグス』としてではなく『ユーグリット』として終わらせる!! それがせめてもの償いであり、贖罪なのだ!!!

 

 

「グレイフィア!!!」

 

「はい、サーゼクス!!!」

 

 

ギュオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッッッッ..................!!!!

 

 

私は『滅びの魔力』、グレイフィアは『破壊の魔力』を練り上げて混ぜ合わせる! 私たちの魔力は混ざりあい、溶け合い..............やがて巨大なブラックホールのような魔力球を生成する!!!

 

 

「っ、そ、それは............バカな! 『滅び』の魔力と『破壊』の魔力が【融合】するなど..............!!!!!」

 

 

「ええ。アナタの言う通り、『滅びの魔力』も『破壊の魔力』も互いに対象を滅する性質を持ちます。そのため、本来なら互いを打ち消しこそすれ、混ざり合うことなどありません」

 

「だが、私たちだけは可能なのだ。私たちは互いに契りを交わし、交じり合った。そうして互いの魔力がそれぞれの身に溶け合ったため、このように二人の魔力を融合させることが出来るのだ」

 

 

「っ..............そんな............姉上..........アナタは、そこまで......................」

 

 

血筋や家柄などを超えた『絆』で繋がっていることを見せつけられたユーグリットは、茫然自失となりその場に立ち尽くしていた。

 

 

「.................さようなら、ユーグリット」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

≪紅と銀の滅界 ユニゾン・ルイン・エクスティンクション≫!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ..................!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黒い球体はユーグリットを呑み込むと徐々に端から消えていく。球体が完全に消え去ったその場所には..............ユーグリットの姿は無かった。

 

隣にいるグレイフィアを見ると、彼女は表情を一切変えてはいなかったが................その目からは涙が流れていた。気丈な彼女であっても、実の弟をその手で葬ったことに、言葉では言い表せないやるせなさを感じているのだろう。

 

そしてその想いは和らぐことはあっても、消え去ることは無い。永い悪魔の生の中、彼女はずっと弟を殺した事実に苛まれていかなければならないのだ。

 

 

私にできることは、ただ一つ。

 

 

 

「................グレイフィア」

 

ギュッ

 

「ッ、サー、ゼクス............」

 

「言ったはずだよ。ユーグリットを殺めた『罪』と『業』は私たち二人で生み出したもの。だから二人で背負っていこう............これからずっと、一生ね。だから一人だけで背負って苦しまないでくれ」

 

「っ~~~~~~~、サーゼクス.............!」

 

 

 

眷属たちが周囲の敵と戦っている中、私がグレイフィアを優しく抱きしめると彼女は私の胸に顔を押し付けながら泣いていた...................。

 

 

 






ヴァーリのオリジナル形態である【白銀の魔龍皇 ドラゴニック・ルシフェリオン・ドライブ】の見た目ですが、イメージとして一番近いのは【コードギアス】の『ランスロット・アルビオン・ゼロ』のエナジーウイングが6対12枚になっている状態ですかね?

色々と探してはみたものの『コレだ!』というものが見つかりませんでした................。

詠唱の意味については以下のようになっています。


≪我目覚めるは己が極限を体現せし魔龍皇≫
我は自分自身を極めた魔王の力を宿す白き龍の皇帝なり。
 
≪往くは天龍の極み、至るは魔の深淵≫
天龍としての道を歩みながら、悪魔としての深みに達する。
 
≪祝福よりもなお白き存在(もの)よ、 暁よりもなお眩き存在(もの)よ≫
『白龍皇』アルビオンよ、『暁の明星』ルシファーよ。
 
≪悠久たる覇の理をも降し、黎明たる王位へと至らん≫
長きに渡り縛られていた覇王としての資質を超え、永久不滅の王者となる。

≪我ここに汝らに願う、我ここに汝らに誓う≫
アルビオンとルシファーに願い、誓う。

≪我と汝らが力もて、我らにただ窮極をも超越せし一条の栄光を与えんことを≫
三人の力で呂布を超えて『最強』の称号を得よう


こんな感じですかね。

それでは皆さん、次回で♪
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