深紅の武人が住くD×D   作:あさやん&あさやん

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そろそろ次の展開に行きたいので、今話は少し長めになっています。

あと余談ですが、『リリス』が【FGO】で出てくるとしたら『人類悪』の一柱になると作者は考えてたんですが、全然違いました..............悔しいですっ!




第百八十六話

 

 

 

『Ahaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!!!!!!!!!!』

 

 

 

泥の塔から現れたリリスが咆哮を上げると、さっきとは比べ物にならない量の泥がリリスの足元から噴出される!

さらにリリスはその泥の上を通って、俺たちの方へゆっくりと向かってきた!!

 

それにしても何て大きさだ!!! 以前見た『スルト・オリジン』の倍くらいあるんじゃねえのか!?

 

服装はドレスから禍々しい金色の蛇みたいな装飾が、体のあちこちに纏わりついている。さらには身体よりもずっと巨大な灰色の翼がヤツの大きさと迫力をより一層際立たせていた!!!

 

 

っ、こんなヤツとどうやって戦えば..................!

 

 

「っ、見てください、アレをっ!!!!」

 

俺がリリスに対して底知れない恐怖を感じていると、会長がリリスの足元にある泥を指す! 会長に言われて俺たちが一斉に目を向けると.................泥の中から『ナニカ』が大量に出てきた!!! ッ、アレは、いったいっ!?

 

 

「フッフッフッフッ.............ハーッハッハッハッハッハッハッ!!!!! よく見るがいい、アレこそが【進化】したリリスによって生み出された新たなる人類! 『超人類 リリン』の姿だ!!」

 

「「「「っっっっっっっっっっっ!!!!!」」」」

 

 

俺たちが泥から出てきた『ナニカ』を訝しげに見ていると、ロキが満足気に喜び始めた。アレが、『超人類 リリン』?

パッと見は巨大になる前のリリスそっくりだけど、どこか幼さを感じる。まさに『リリスの娘』、リリス自身を幼くしたという印象だ。

 

ただ問題は、数がとんでもなく多いってことだ! 百や千じゃきかねえ!! 万は余裕で超えてんぞ!!!

いくら美人だからって、あんなにも同じ顔が揃ってたら不気味なことこの上ない!!!!

 

 

ベキャッゴキッベコッゴキャッバキッ...............!!!!

 

 

俺が大量のリリンに戦慄していると、周囲を飛んでいた新生悪魔もカマキリみたいな姿から新しく生まれてきた『リリン』みたいに姿を変えていく!!!

 

「なっ!? コイツらまで姿を変えやがった! いったいどうなってんだ!?」

 

「クックックックッ、『リリン』は個にして全、全にして個たる存在。全ての『リリン』は独立しながらも、『リリス』と繋がっているのさ!!!」

 

気持ち悪い音を出しながら『リリン』へと姿を変えていく様に兵藤が驚愕していると、ロキが愉快そうに答える。

 

独立しているのに繋がっているって、どういう意味だよ!? そんな疑問を抱いているとサーゼクス様と会長だけは何かを悟っていた。

 

 

「個にして全、全にして個............つまりこの『リリン』たちは【個体群】ということか」

 

「そして【自己増殖】と【自己進化】..........単為生殖が可能でありながら、全ての『リリン』が『リリス』と繋がっている。

だから『リリン』を通して『リリス』が進化すれば、『リリン』も一斉に進化する。以降は進化した個体が生まれるというわけですね」

 

「そういうことだ! 故に我が生み出した『リリン』こそ、従来の生物の欠点を全て克服した『完璧なる生物』なのだ!!!」

 

 

『リリス』が進化したら、その子供である『リリン』たちもまとめて進化する!? しかも単為生殖が可能ということは、『リリス』がいる限り無限に数を増やすってことじゃねえか!!!

 

『リリス』が『リリン』を生み出すスピードは異常だ!! この調子なら、あっという間に人間の人口よりも増えちまうぞ!!!

 

『リリン』と『リリス』、この二つを倒さないと.................世界は終わるっ!!!!!!

 

 

 

「さあ、リリンたちよ! 目ざわりな古き種族を一掃し、新しい人類の歴史を作り上げるのだ!!!!」

 

ロキが両手を広げて号令を出すと、地上のリリンたちは一斉に飛び上がる!  さらには俺たちを取り囲んでいたヤツらも俺たちや空中要塞へと向かってきた!!

その手には黒く歪な形をした剣や槍や鎌など、様々な武器を持っている!!!

 

 

「っ、来るぞ! とにかく今はこの『リリン』を全滅させる!! 全員、離れずに一塊となって迎え撃つんだ!!!」

 

「「「「はいっ!!!!」」」」

 

サーゼクス様の指示により俺たちは集まり、互いの背中を守るよう陣形を取る! あれこれ考えるのは後だ、今はコイツらをブッ飛ばす!!

 

 

「ラインよっ!!!!」

 

ギュルンッ! ギュルンッ! ギュルンッ! ギュルンッ! ギュルンッ!

 

 

「『黒炎の牢獄』っ! 『邪炎の領域』っ!」

 

ブオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッッッ!!!!

ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッッッ!!!!

 

 

俺は『黒い龍脈』を四方八方へ伸ばして、迫りくるリリンたちの首に巻き付ける! そして『黒炎』と『邪炎』を流し込んだ!!

さらには『リリン』のエネルギーも『黒い龍脈』で吸い上げる!!!

 

リリンたちは『黒炎』と『邪炎』、そして『ラインによる吸収』を受けてボロボロと崩れていった。

 

よしっ! とりあえず俺の神器は効くみたいだなっ!!

 

 

だがひとまず落ち着け、おれ! ヤツらには何が効いて、何が通用しないかがまだ分からない..............とにかく今俺が持っている手札をぶつけまくって、戦いの中で最良の戦い方を模索しないと! 

 

こういう未知数の敵との戦い方はライザーさんとの模擬戦で経験している!! ったく、ホンットーーーに師匠から修行をつけてもらっていて良かったぜっ!!!!

 

周りを見ると会長や眷属の皆も、迂闊には飛び出さずに『六式』『チャクラ』『覇気』を駆使して試行錯誤しながら戦っている。やっぱりウチの皆は頼りになるぜ!!!

 

 

だが喜んでいるのも束の間..............サーゼクス様たちや他の遊撃メンバーの方は苦戦を強いられていた!

 

 

「『滅殺の魔弾』!!!!」

 

バシュゥゥゥンッッッッ!!!!!  パシィィィィィィィンッッッッッッ...................

 

「っ、やはり.........従来の『悪魔の魔力』を無力化させる能力は引き継がれているのかっ.................!」

 

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっ!!!!!!」

「凍りつくのですっ!!!!!」

「でりゃあああああああああああああああ!!!!!!」

 

ザシュッ!!! ピキピキピキピキピキッッッッッッ!!! ズガガガガガガァァァァァァァァァァァンッッッッッッ!!!!!

 

 

パシィィィィィィィンッッッッッッ.................

 

 

「バ、バカなっ...................!?」

「あらら~~~~、効かなくなっちゃってますね~~~~」

「そんなっ、神器まで..............!?」

 

 

リリンたちはサーゼクス様たちの『魔力』はおろか、幾瀬さんやラヴィニアさん。そしてデュリオさんの神滅具による攻撃すら弾いてしまった!!!

 

その光景を見て皆は驚きのあまり言葉を失い、一方のロキは苦戦しているこちらを嘲笑うかのように大笑いしている!

 

 

「ハーッハッハッハッハッハッハッ! 言ったはずだ、『リリス』は【自己進化】するとなっ!! リリスがリゼヴィムを取り込んだことで、ヤツの『神器無効化』すらもリリンたちに行き渡ったのよ!!!」

 

「「「「「!!!!!!!!!!」」」」」

 

 

なっ!? リゼヴィムの『神器無効化』を取り込んだって!? じゃあ、コイツらやリリスには『悪魔の魔力』『天使・堕天使の光』だけじゃなく、『神器』まで通用しないってことかよっ!!!!

 

..........................あれ? でも、じゃあ何で俺の神器は効いてんだ? それにサイラオーグさんの攻撃は効いているのに、副会長の『追憶の鏡』は破壊されているのも謎だ。

 

けど俺がリリンたちの特性について色々と考え込んでいると、会長が一番に結論を出した。

 

 

「..............なるほど。椿姫の鏡が壊されるのは純粋な『神器』の能力だから。匙は『神器』に自身の『チャクラ』を混ぜ込んでいるから無効化されない。

サイラオーグもレグルスだけではなく『オーラ』と『セブンセンシズ』を使っているから、リリンを倒せているのですね」

 

っ、そういうことか! 俺の『龍王昇格』は『ヴリトラの龍闘気』と『俺のチャクラ』を混ぜ合わせて発現させている。

だから、会長たちの『チャクラ』による攻撃のように無効化されなかったのか!

 

それにサイラオーグさんは元々『魔力』は使っていなかったし、『オーラ』や『セブンセンシズ』は神器由来の力じゃないからな。

 

 

「っ、なるほど! つまり能力の仕様もリゼヴィムと同じってことか。だったら!!!」

 

『≪Penetrate≫!!!』

 

バキャッ! シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ..................。

 

 

会長の分析を聞いて、兵藤が目覚めさせたドライグの『透過』を使いリリンをぶん殴る! 兵藤の拳はリリンの頭部を吹っ飛ばし、胴体はボロボロに崩れていった!!

 

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっ!!!!!」

 

ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッッッッッッッッッ!!!!!!!

 

 

今度はヴァーリがマシンガンのようにエネルギー弾を撃ちまくる! ヴァーリのエネルギー弾をくらったリリンたちは、頭部を中心に撃ち抜かれて消滅していく!!

 

「どうやら『神器無効化』の出力も特性もリゼヴィムと同じようだな」

 

兵藤と違い、ヴァーリのリゼヴィム対策は『パワーによるゴリ押し』と『覇気による攻撃貫通』。能力がリゼヴィムと同じなら、兵藤とヴァーリの敵じゃあない。

 

 

 

けど...............そこまでだ。リリンたちを相手取れるのはシトリー・兵藤・ヴァーリ・サイラオーグさんの、師匠から修行を受けたメンバーだけ。他の皆ではリリンやリリスにダメージを与えられない!

 

「サーゼクス様、ここは私たちに任せて空中要塞まで避難してください!! 幾瀬さんたちも!!!」

 

「っ..............わかった。すまない、アジュカやアザゼルたちとすぐに対策を考える!! それまで持ちこたえてくれ!!!」

 

そのことに気づいた会長がサーゼクス様たちを避難させる! サーゼクス様は一瞬逡巡するが、ここにいても却って足手まといになると考え会長の言う通りに空中要塞へ向かっていく!!

 

「みんな、無茶だけはしないでおくれよ!!」

「空中要塞の方は俺たちに任せてくれ!」

 

デュリオさんたちも会長の考えに同意し、遊撃から空中要塞の防衛へ回ろうとする..............しかし、『そうはさせまい』とリリンたちがサーゼクス様たちの後を追いかけていく!!!

 

 

「っ、させるかっ!!!」

 

「『≪ロンギヌス・スマッシャー≫!!!!!』」

 

 

ズガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッッッッッッ!!!!!!

 

 

「ヴァーくん、ありがとうなのです♪」

 

「..................さっさと行け」

 

 

サーゼクス様たちを追撃するリリンの大群をヴァーリの高火力砲が一掃する!!! そのおかげでサーゼクス様たちは何とか空中要塞まで撤退することが出来た。

 

ヴァーリの姉貴分であるラヴィニアさんが笑顔でお礼を言っているが、ヴァーリは振り向くことなくぶっきらぼうに返すだけだった。

 

もしかして照れてんのか? まぁ、そんなこと言ったら怒られそうなんで口にはしないけど。

 

 

「ふん、小賢しい連中よ。これだけの絶望を前にしながらもまだ抗うか」

 

「当ったり前だ! こちとら呂布さんから地獄と言う言葉すら生ぬるいぐらいの修行を受けてきてんだ!! それに比べたら、こんな状況なんか屁でもねえ!!!」

 

「兵藤くんの言う通りです。悪神ロキよ、アナタが自慢する『リリン』も私たちなら討ち滅ぼせます。私たちの中には..........『世界最強』と謳われる御方の一部が宿っているのですからっ!!!」

 

っ、そうだ! 俺たちの中には師匠の技術が宿っている。ロキがどれだけ狡猾であろうが、いくらリリンが悪魔の魔力や神器を無効化しようが...........世界最強である師匠には遠く及ばない!!! その事実があれば、俺たちはまだ戦える!!!!

 

 

 

「っ〜~~~~、黙れっ!!! 黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ、ダマレエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!!!」

 

 

 

さっきまで余裕の笑みを浮かべていたロキが会長の言葉を聞いた瞬間、目を血走らせて叫びまくる! その姿はまるで認めたくない事実から必死に目を背けているようだった。

 

 

「何が『世界最強』だ! 何が『深紅の武人』だ!! たかが人間風情が、神たる我を超えるなど、あっていいはずが無いだろう!!!

キサマらの中にヤツの一部があるというのなら、全てまとめて消し去ってくれるわ!!!!」

 

師匠のことがよっぽどトラウマになっているのか、それともただのヒステリーなのかは分からない。だが師匠の話になった途端にロキの様子が豹変し、リリスに向かって合図を送った!

 

 

 

「『超人類の母』たるリリスよ!!! この忌々しい連中に、生物としての格を見せつけてやれ!!!!」

 

 

『Ahaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!!!!!』

 

 

 

リリスが再びバカデカい咆哮を上げると、リリスの周りを飛んでいた大量のリリンたちから黒いオーラみたいなものがリリスへと注がれていく!!!

 

リリンのオーラが暗黒の渦と呼べる黒い台風となり、リリスへと集まる! 黒い渦は集束し、巨大な魔力の球体を作り出した!! その大きさたるや、ただでさえデカいリリスの身体の3倍くらいはある!!!!

 

 

カッッッッ!!!!!!

 

 

 

ズガガガガガガガガガガガガガガァァァァァァァァァァァンッッッッッッ!!!!!!

 

 

 

リリスの目が怪しく光った瞬間、超巨大な魔力から凄まじい勢いの砲撃が放たれた!!! SFアニメの戦艦とかに出てきそうな巨大なビーム砲は大地を削りながら、空中要塞へと真っすぐに向かっていく!!!!

 

 

パリィンッ! パリィンッ! パリィンッ! パリィンッ! パリィンッ! パリィンッ! パリィンッ! パリィンッ.................!!!!!!

 

 

空中要塞の防衛システムである魔術障壁が何百と展開されるが、リリスの放った砲撃は障壁など物ともしない! 展開された障壁が悉く壊されていく!!

 

 

 

 

 

 

そして空中要塞は....................黒い閃光に呑み込まれていった

 

 

 

 

 

 

 

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

 

 

 

 

 

 

リリスの放った暗黒の魔力砲に呑み込まれた空中要塞は、もはや要塞......いいえ、『島』としての形すら保っておらず、瓦礫の山と化していた。

 

 

そんなっ..................あそこには魔王様方や、アザゼル先生。それに、リアスもいるというにっ..................!!!!!

 

 

 

「っ、ぶちょおおおおおおおおおおおおおおおおっっっっっっっっっっっ!!!!!!!」

 

「ッッッッッッッッッッッ!!!!!!」

 

 

 

私が島にいた皆のことを心配していると、兵藤くんとヴァーリが猛スピードで崩壊した島へと向かっていく!

あの要塞にはヴァーリの仲間や友人もいた。今の彼の様子から、いつもでは考えられないほど焦っているのが分かる!!!

 

「っ、いかん! 今、離れ離れになるのはマズイ!!」

 

「っ、止むを得ません! 私たちも行きますよ!! だけど決して離れないでください!!!」

 

「「「「はいっ、会長!!!」」」」

 

サイラオーグの懸念に後追いするかのように私たちも二人の後を追いかける! ただでさえ少ない人数なのに、最大火力を持つ二人が離脱されては全滅してしまう!!

 

それに............冷静を装ってはいるが、リアス達のことが心配なのは私も同じだ! リアス、みんなっ................どうか無事でいてください!!!

 

 

 

 

 

兵藤くんとヴァーリを追って地上へと降り立った私たちが見たのは..................『絶望』が形となった光景だった。

 

 

見渡す限りの瓦礫と負傷者の山。聞こえてくるのは血塗れになっている負傷者の呻き声のみ、無事な者など誰一人としていなかった。

 

ここへ向かってくる間に『リリン』から攻撃をされなかったのは、恐らくロキがこの光景を私たちに見せつけるためだったのでしょう.....................『絶望』を与えるためにっ!!!!!

 

呂布殿から教えられた『強さ』という『希望』を持つ私たちが気に入らなかったから、ロキは私たちではなく敢えて空中要塞の方を狙ったのだ!!!

なんて悪辣なのだろうか、あんなのが『神』を名乗っているだなんてっ....................!!!!

 

ロキの卑劣さに怒りと吐き気が込み上げてくるが、今はリアスたちだ! 私たちは『見聞色の覇気』を使いながら、リアスやサーゼクス様たちを探す!!

 

 

幸いにもリアスたちがいる場所は私たちが降り立った場所から然程遠くではなく、シトリー全員の『見聞色の覇気』ですぐに見つけることが出来た。

 

急いでリアスたちの下へ向かう私たちだが.................そこでも更なる『絶望』を目にする。

 

 

 

「部長、しっかりしてください! 部長!! なぁ木場! ギャスパー! 白音ちゃん!

目を開けてくれよ、なぁ! 頼むから.....................っ!!!!」

 

「ラヴィニア、しっかりしろ! 鳶雄、目を開けろ! 黒歌、アーサー、美候、ルフェイ! ッ、アザゼルッ.....................みんな死ぬなぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!」

 

 

血だらけにながら倒れ伏すリアスたち、それぞれ大切な人たちに寄り添い必死に声を掛けている兵藤くんとヴァーリ。

 

他にもサーゼクス様やアジュカ様にファルビウム様の魔王様方とその眷属たち..................私たちの知り合いが瀕死の重傷を負っているのを見て、私たちは時が止まったかのように立ち尽くしていた。

 

二人のように皆の下へ駆け寄って声を掛けるべきなのに、目の前の光景を受け入れるのに必死で身動きが出来ないでいた。それほどまでに私が目にしている光景は衝撃的で、凄惨なものだった。

 

 

いつもは余裕たっぷりな私の幼馴染は、自慢の髪の色より赤い血で顔を濡らしている。眷属の子たちも同様に血塗れで倒れ、ピクリとも動かない。

全勢力の中でもトップクラスの実力を持ち、私たちを導いてくださった魔王様方やアザゼル先生もボロボロになっている。

 

微かな息遣いが聞こえるところから、生きてはいてくれている。だがその姿は普段感じる強者の雰囲気に比べて、あまりにも弱々しかった。

 

 

あのサイラオーグでさえ一言も発することが出来ないほどショックを受けている。呂布殿からの修行を受けた眷属の子たちも、この痛々しい光景にとうとう泣き出してしまった。

 

けど、そのおかげで私はどうにか冷静さを取り戻すことが出来た!

 

 

「みんな、泣いている暇はありません! すぐに散らばって『フェニックスの涙』を探し出すのです!!」

 

 

空中要塞に保管されていた『フェニックスの涙』。落下と砲撃の衝撃でほとんど壊れているでしょうが、それでも残っているのがあるかもしれない。

 

今の私たちに皆を治療する術は無い! チャクラを分け与えるには負傷者が多すぎる。

とにかく今は少しでも無事な『フェニックスの涙』を見つけ出す!! それが今の私たちに出来ること!!!!

 

 

「「「「.................................」」」」

 

「っ~~~~~、急いでっっっっ!!!!!」

 

「「「「っ、はい、会長!!!!」」」」

 

 

未だショックが抜けずに動けない眷属たちに、私はつい声を荒げてしまう。私がここまで声を張り上げることなど、今までありませんでしたから................けど、そんな私の様子から眷属の皆もようやく正気を取り戻してくれた。

 

そう、リアスたちはまだ生きている! 血塗れで意識も失っているけど、『見聞色の覇気』から皆の気配はちゃんと感じる!! 『フェニックスの涙』さえあれば、まだ助けられるっ!!!!

 

私たちシトリーだけじゃなく、サイラオーグも一緒になって『フェニックスの涙』を探しに行こうとするが....................リリンを引き連れたロキが私たちの前に立ちはだかる!!!

 

 

 

「ふっ、どうやら辛うじて息はしているようだな。どこまでもしぶとい連中だ、コウモリではなくゴキブリだったか」

 

 

「ロキィィィィィィィ!!! テメエェェェェェェェェェェェェッッッッッッ!!!!!!」

 

「匙、いけません! 今はロキよりも『フェニックスの涙』の方が先です!!」

 

この惨状を生み出したロキに匙が向かっていこうとするのを私が急いで止める。今はロキに構っている暇は無い!

ロキの言う通り、リアスたちは辛うじて生きている状態。一刻も早く『フェニックスの涙』を手に入れないとっ!!!!

 

私は逸る気持ちを抑えながら、ロキをやり過ごす方法を考える。しかしロキはこの惨状と私たちを見て、愉快そうに笑っていた。

 

 

「クックックックッ、ハーッハッハッハッハッハッハッ! どうした、さっきまでの威勢はどこへ行ったのだ?

クククク、理解したか! これが『絶望』というものだ!! キサマたちが呂布から与えられた『希望』など、所詮はこの程度よ!!!」

 

「っ~~~~~~~~~!!!!!」

 

やはりロキは私たちが呂布殿から『希望』をいただいたことが気に入らなかったために、こんな惨劇を生み出したのだ!!

そして私たちの中から『希望』を消し去ることで、私たちの心を『絶望』に染め上げたいのだっ!!!

 

 

「ロキィィィィィィィ!!!! テメエ、絶っっっ対に許さねえっっっっっ!!!!!!」

 

「ロキ、キサマは必ず殺す! たとえ『リリン』や『リリス』は倒せずとも、キサマだけはこの手で葬ってやる!!!」

 

「ふん、吠えるなトカゲども。どうやらまだ『絶望』というのが分かっていないみたいだな................ならば教えてやろう!!!」

 

大切な人を傷つけられ、兵藤くんとヴァーリが私たち以上の怒りと殺意をロキに向ける。だがロキは全く取り合わず、更なる『絶望』を与えようとしてくる!!!

 

 

 

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド...................

 

 

「「「「「!!!!!!!!!!!!!!」」」」」

 

 

突然大きな地響きが聞こえてくる! 音の方へ目を向けると私たちの目に飛び込んできたのは................迫りくる泥の津波だった!!!!

 

「ハーッハッハッハッハッハッハッ! さあ、どうする? そいつらを捨てて自分だけ助かるか! それとも一緒に『リリン』へと生まれ変わるか! 好きな方を選べ!!!」

 

 

「「「「「ッッッッッッッッッッッ!!!!!」」」」」

 

 

いけないっ! このままでは全員泥に呑み込まれてしまう!! ここには動かせない重傷者がたくさんいるというのにっ!!!! でも、リアスたちを置いて逃げるわけにもいかない!!!!!

 

迫りくる泥の波、瀕死の重傷者、空を埋め尽くさんばかりのリリンの大群.................そして『リリス』。

 

一度に対処しなくてはいけないことが多すぎて、考えがまとまらない。周りを見ると皆もどうすればいいか、何をすればいいのか分からず棒立ちになっていた。

 

 

どうすれば、どうすれば、どうすれば、どうすればっ...................どうすれば、いいの.............?

 

 

必死に頭を巡らせるが、何一つとして考えが浮かばない。こうして立ち尽くしている間にも、泥はすぐそこまで迫っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もう...........ダメ..........何も..........出来ないっ、みんなを、助ける方法が、無い...............!!!!

 

ごめんなさい、お姉様..............申し訳ありません.............呂布殿っ................!

 

 

 

私は遂に考えることを放棄し、目の前の『全て』をただ受け入れることしか出来なかった.................。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

≪これは多くの道、多くの夢を過ぎた遠望の城≫

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

≪其は全ての疵(きず)、全ての怨恨を癒す我らが故郷≫

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

≪顕現せよ≫!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

≪『いまは遙か理想の城(ロード・キャメロット)』≫!!!!!!

 

 

 

キイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイインッッッッッッ!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「!!!!!!!!!!!!!!」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の心が絶望に染まりかける中..............突如、青白い光を放つ巨大な城壁が現れて泥を防いだ!!!

城壁はガラスのように半透明なため向こう側が透けて見えるが、あの泥の津波を完全に遮断している!!!!!

 

 

これは...........いったい................?

 

 

 

「フゥ、間一髪でしたね。皆さん、大丈夫ですか?」

 

 

目の前で起こっていることに理解が追いつかないでいると、城壁の方から一人の女性がやってきた。

 

薄い紫のショートヘアで右目の部分が少し隠れている。イリナさんやゼノヴィアさんが着ているようなアンダースーツを着用し、その手には身の丈を上回るほどの大きさの盾を持っていた。

 

 

「っ、あ、あなたは..................」

 

「あっ、申し遅れました。私はギャラハッド、『蒼天の紅旗』に所属している者です」

 

「「「「「ッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!」」」」」

 

 

蒼天の、紅旗..........っ、じゃあ.............!!!!

 

 

 

 

 

 

 

「到着が遅れてしまいすまなかったね、ソーナ・シトリー」

 

「っっっっっっっっっっっ!!!!!!」

 

 

不意に後ろから話しかけられたことに驚き、勢いよく後ろを振り向くと..................聖槍を持った曹操殿が立っていた! 後ろには同じ『蒼天の紅旗』であろう方々やレイヴェルさんもいる!!

 

 

「曹操、殿.........来て、くださったの、ですね...................!」

 

「ああ、何とか神々からの許可が下りてね。ディハウザー・ベリアルから大体の事情と戦況は聞いているよ...............後は我々に任せてくれ」

 

この絶望的な状況で『蒼天の紅旗』の到着に感極まり、私の涙腺は緩んでしまう。けどここは戦場、涙は禁物だと思い私は必死に堪えた。

 

 

 

「っ、曹操だと!? まさか、神々が『蒼天の紅旗』を動かしたというのかっ!!!」

 

「これはロキ殿、ご無沙汰しております。ええ、アナタの仰る通り、此度のアナタの所業には北欧だけではなく各神話群の神々も大層ご立腹でしてね。こうして我々を遣わしたというわけですよ」

 

「っ~~~~~~、オーディンめぇ............そこまでして我を止めようとするかぁぁぁぁぁぁぁっっっっっ!!!!!!」

 

先ほどまで私たちを嘲笑っていたロキが、今度は憤怒に顔を歪ませている。しかしそれでも自分の優位を疑わないロキは曹操殿に食って掛かる。

 

 

「だが残念だったな! リリスの泥を防いだからといって、いい気になるなよ!! あのような防壁で防ぎきれるほど『リリスの泥』はヤワではない。すぐに貴様らなど呑み込んでくれるわ!!!」

 

っ、確かに、今はギャラハッドさんが作った壁で防いでくれているが、泥はどんどん増えていっている。このままでは壁を越えて、こちら側に到達するのも時間の問題!

 

「曹操殿っ! あの泥を生み出しているのは、巨大な魔人リリスです!! あのリリスを何とかしないとっ!!!」

 

私は今の状況とあの泥について端的に曹操へ伝えようとする。自分で言っていてもどう対処すればいいか分からないのに、今来たばかりの曹操殿に相談するなんて無茶ぶりもいいところだっ!!!

 

だけど曹操殿は全てを悟っているかのように不敵に微笑むだけだった。

 

 

「心配はいらないよ、ソーナ・シトリー。言っただろ、『大体の事情と戦況は把握している』と。既にあのデカブツについては手を打ってある」

 

手は打ってある? あの強大なリリスや迫りくる大量の泥に対して、いったいどんな手があると言うの?

私はこの危機的状況下でも余裕な態度を崩さない曹操殿を不思議に思っていた。

 

 

 

 

だが、次の瞬間

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドッッッゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まるで巨大な隕石でも落ちてきたかのような大爆発が起こり、私たちの心身にビリビリと痺れが走った!

だが、それだけじゃない!! 爆発と共に起こった爆炎が大地を燃やし尽くし、天をも焦がすっ!!!

 

壁の向こうはあっという間に火の海となり、地上を覆っていた泥をみるみる蒸発させていく!!!!

いつの間にか壁に迫っていた泥も蒸発し、跡形も無く消え去っていた.....................。

 

っ、これで『リリン』が増えることはもう無い!!! しかも炎は地上の泥を全て焼滅させただけではなく、そのあまりの熱量に耐え切れず、リリスは両手と両膝を付いて四つん這いになっていた!!!!

 

 

「こ、これはっ! この炎は................!?」

 

「ふっ、言っただろう? 『既に手は打ってある』と.....................」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「【最強の一手】をな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『最強』。その言葉を聞いて思い浮かぶのはただ一人、曹操殿の一言で私たちは『あの御方』が来たのだと確信した。

 

大地を火の海と化し、地上を覆っていた泥を瞬く間に燃やし尽くす................そんなことが出来る人物は『あの御方』をおいて他に無い。

 

私の考えを裏付けるかの如く、炎の海の向こうでは.............巨大な魔人リリスと対峙している小さな人影が微かに見えた!!!!

 

 

 

「レイヴェル」

 

「はい」

 

「旗を」

 

「御意♪」

 

曹操殿に促され、レイヴェルさんが魔術を展開すると空に巨大な紋章が出現する! 紅い旗に黒い線で槍・馬・聖杯・霧など恐らく『神滅具』をはじめとする神器を象った紋様が描かれていた。

 

たぶんアレは『蒼天の紅旗』のシンボルマーク、貴族悪魔にとっての紋章のようなもの。この戦域一帯に見えるようマークを冥界の空に広く掲げ、レイヴェルさんが声を張り上げる。

 

 

 

「遠からん者は音にも聞け! 近くば寄って目にも見よ!」

 

 

「天に翻るは我らが御旗! 大地を駆けて先陣を切るは我らが誇り! 天下にその名を響かせる、『蒼天の紅旗』が一番槍!」

 

 

レイヴェルさんの言葉で曹操殿をはじめとする『蒼天の紅旗』の方々が一斉に並び、リリスと対峙している人物に武器を掲げる。軍隊さながらに統率された動きは圧巻の一言だった。

 

 

「あらゆる悪はその場でひれ伏し、あらゆる邪はその場で滅する! 【深紅の武人】呂布奉先の降臨なり!」

 

 

「世界に仇なす邪悪な魔性共よ、その目でとくと仰ぎ見るが良いですわ!」

 

 

 

 

「ぁ................ぁ.............ああっ.............あああああああああっっっっ!!!!!」

 

 

私の心は限界だった。この局面で、この絶望的な状況で...............『世界最強』の援軍が来てくれたのだ。これに感動して涙を流さない者はいない。

周りを見ると眷属の子たちも涙を流している、匙にいたっては涙と鼻水で顔がメチャクチャになっていた。

 

やっぱり...............来て、くださったのですね....................。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「呂布っ!」

「呂布さんっ!!!!」

「呂布殿っ!!!!」

「「「「呂布先生っっっ!!!!」」」」

「じじょお~~~~~~!!!!」

 

 

 

『絶望』という闇の中に、『呂布奉先』という希望が灯った瞬間だった.........................。

 

 

 

 

 






ギャラハッドの容姿は当然ながら【FGO】の『マシュ』です。ギャラハッド自身を出すのも悪くはなかったのですが、個人的な趣味でマシュを『ギャラハッド』として出しました。

ただ『ギャラハッドの子孫』という設定のため、『パラディン』ではなく通常の『シールダー』の姿ですけどね。
また詠唱も少し混ぜてます

ようやく『蒼天の紅旗』を登場させることが出来ました。いや~~長かった....................さあて、【FGO】と【恋姫】から誰を登場させましょうかね?

それでは皆さん、次回で♪
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