聖女邂逅編は次回で終わらせる予定です。
本当はこんなに長くなる予定では無かったんですけどね........
俺とディオドラの元眷属達はアーシアと陳宮が寝ている岩屋に戻ってきた・・・なんか随分な大所帯になったなぁ、まあ仕方ないか............
もう夜が明ける、なんだかんだで随分時間が経ってたんだなぁ........
「............戻った........」
『おかえりなさいませ、マスター』
俺が岩屋に近づくとグラニが寄ってくる
『・・・マスター、その者達は?』
ああ、やっぱり気になるよね。でももうすぐアーシアや陳宮も起きるだろうから、話は二人が起きてからだね・・・何回も説明するのも大変だし........
「............あとで説明する.........何も無かったか?......」
『はっ!二人は無事でございます、マスター』
「............ん.......ご苦労.......」
『勿体ない御言葉!』
よし、二人が無事なのも確認したし・・・・二人の寝顔で癒されてこようかね!やれやれ、下衆の相手はこっちの心も汚れてしまう気がするよ........いざ行かん、我が聖域へ!!
俺が心のケアへ向かおうとすると・・・・・
「........ふあ~、よく寝たのです~」
「........ハフ、おはようございます~」
・・・・どうやら聖域は消えてしまったらしい........クソ、ゲスドラめ!ヴァレリーに頼んで蘇らせてもらって、リスキルかましてやろうか!!
「あ、呂布殿!おはようなのです!」
「おはようございます、呂布さん」
二人が目映い限りの笑顔を向けて朝のあいさつをしてくれる............俺の聖域は滅んでなどいなかった...........
「........おはよう........」
そうしてゲスドラによって汚れた心が浄化されていると........
「ところで呂布殿。そちらの方々は何なのです?」
陳宮が俺の後ろにいる彼女達を見て、頭に『?』を浮かべている・・・・可愛い........
「........ディオドラによって........無理矢理........眷属にされた者たち........本部に連れていく........」
『・・・・なるほど、そういうことでしたか』
「ッ!了解なのです!」
さすがグラニさん、陳宮さん、これだけで理解してくれたらしい
「えっ?ディオドラさんって、私が助けた?それに無理矢理って............?」
ああ~そりゃあ困惑するよね、でも大丈夫!俺には『彼女』がいる!
「............頼む........」
「ッ!分かりました........」
俺はディオドラの元『女王』に説明役を任せると朝食の仕度に取り掛かるため、その場を後にする
彼女は先ほど他の眷属達に『これまでのこと』『これからのこと』を説明していた、しかもかなり要領良く。まさしく説明役に適任だ!『餅は餅屋』ってね♪
さあて、これだけの人数の朝食だ。早めに、手際良くいかないとな・・・・・
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呂布様が私に説明を任せて離れていく........きっとこれは私達を試しているのだろう。理由はどうあれ、これまで私達はディオドラに従い同じ聖職者たちを自分と同様の境遇に追いやってきた・・・・そして今度はそちらにいる女性を............
タダで許されると思ってはいけない........これは呂布様が私達に与えた試練であり、試験でもあるのだ
彼女の前で自分たちの罪を告白できるかどうか、そして彼女から与えられる罰を私達が受け止められるかどうかの覚悟が問われている........
私達は目を合わせ頷き、意を決する。説明は代表して私がすることにした・・・・・
「........................以上が私達が呂布様に連れてこられた経緯です........」
「そんなっ!ディオドラさんが、そんな方だったんだなんて................」
「・・・・お気持ちは分かります。私達も最初は信じられませんでした、ですが全て事実なのです」
彼女・・・アーシアさんはショックを受けて、手を口に当て目に涙を浮かべている。無理もない・・・・ですが私にはまだ伝えなければならないことがある
「アーシアさん」
「・・・・はい」
彼女は明らかに気落ちし、力なく返事をする・・・
「申し訳ありませんでした」
「・・・えっ?」
「全ての元凶は元主ディオドラ・アスタロトにありますが、それを手助けした私達も同罪。そして私達は貴女までも同じ境遇に追いやろうとしました。呂布様が守ってくださいましたが、それで私達の罪が無くなるわけではありません」
私がそう言って頭を下げる、他のみんなも一斉に頭を下げる
「........えっと....」
「好きなだけ罵ってくださって構いません、殴りたければ気の済むまで殴ってくださって構いません。ですが・・・・」
私は一瞬言葉が詰まる。正直怖い、これを言った後の彼女の反応が・・・・でも言わなければならない、この子たちを守るために........!
「命がお望みならば、どうか私一つの命でこの場を収めていただけないでしょうか?呂布様からは人間に戻ることができると聞いております、この子たちには『人間』としての人生を取り戻してあげたいのです!ですのでどうか・・・!」
「「「「ッッッ!!」」」」
後ろにいる他の眷属達も驚いている。当然だ、ここに来る前に皆で話した時にはこんなこと言ってはいないのだから・・・・でも言わなければならない、これは一番最初にあの男の眷属になり、その後も罪を犯してきた私の責任なのだから........
「・・・・・・・・・」
アーシアさんは何も言わずに私達を見ている。隣にいる女の子は先ほどから静観している、どうやら私達のことはアーシアさんに一任しているようだ........
「・・・・では、皆さんにお願いがあります」
ッッ!!やっぱり、私1人の命では安過ぎましたか・・・ごめんなさい、みんな............
ですが彼女から伝えられる言葉は私達にとって、あまりにも予想外のものでした
「・・・・私と『お友達』になってください」
「・・・・・・・え?・・・」
・・・・・友達?・・・・私達が?・・・・貴女を嵌めようとした私達を・・・?私は、いや私達はしばらくその言葉の意味が分からなかった........
「・・・え?・・・あの、私達のことを憎んでいないのですか?・・・貴女のことを嵌めようとしたしたのですよ?」
「だって・・・みなさんは悪くないじゃないですか。確かに教会を追放されたことはショックでしたけど、みなさんはディオドラさんに無理矢理従わされていたんですよね?そのディオドラさんは呂布さんがやっつけてくれたわけですし・・・・だから、もう誰も悪くないかな?って........」
・・・・そんな・・・だって私達は貴女のことを・・・私達にはそんなことを言われる資格は無いのに・・・・
「ですが、それでは「それに」・・・え?」
「私、これまで『お友達』っていうのが1人もいなかったんですよね。これから行く所だって知らない人ばかりですし・・・なので、みなさんがお友達になってくれれば嬉しいかなって............ダメ、ですか?」
「ッッッッ!!」
私は膝から崩れ落ち、大泣きした。後ろにいる子達も私に抱き付き、一緒に泣いている
彼女は『聖女』と呼ばれていたけど、まさしくその通りだと思った。私もかつては教会から『聖女』と呼ばれていたが、彼女には遠く及ばない・・・・今後何人もの『聖女』が現れても彼女には及ばないだろう、そう思えるぐらいに彼女の心は広く、眩く、清らかだった............
そうして暫くの間、みんなで泣き合い、ようやく落ち着いたころに今まで静観していた小さな女の子が口を開く
「あの~そろそろ良いです?」
「・・・・はい・・スミマセン、お待たせしてしまって........」
「別に良いですよ、自分のことを受け入れてもらう嬉しさは良く知っているのですよ」
「・・・・ありがとうございます」
ああ、アーシアさんもそうでしたが、この子も何て・・・
「それで、お姉さん方も『蒼天の紅旗』に入るってことで良いのです?」
「はい・・・『お友達』であるアーシアさん共々、よろしくお願いします」
私が改めてお辞儀をすると、他の子達も一緒にお辞儀をする
「はいなのです、こちらこそお願いするのです!」
「私も、よろしくお願いします」
私達は改めてお互いに挨拶を交わす・・・・そして自然と目が合い・・・
「「「プッ、フフフ、アハハハハ」」」
私達は笑い合った・・・・ああ、こんなにおもいっきり泣いたり笑ったりしたのはいつぶりだろう............
私達の身体はまだ人間に戻れていないけど・・・心は『人間』に戻れたみたいだ。そのきっかけをくれたのは間違いなく、目の前にいる小さな女の子と『お友達』のアーシアさん。そして・・・・・・・呂布様だ
あの方がこの二人と話をさせてくれたから、私達の心は『人間』に戻れたのだ
きっとあの方は私達の心が死んでいることに気付き、身体だけ『人間』に戻すだけでは不足だと判断したのだろう............
................ありがとうございます............呂布様........
主人公は単純に「元聖職者同士、仲良く出来るだろう」ぐらいにしか考えていません