とうとう今作のラストバトルとなります。本格的な戦闘は次回からですが、盛り上がるよう頑張ります!!!
いよいよ決戦当日となった。今日の一戦でこの世界の命運が決まる..........................それにしても、思えばここまで色んなことがあったな~~~~。
神様に転生させてもらってから、バトル漫画のインフレに付いて行けるよう思いつく限りの方法で身体を鍛えてきた。
それこそ前世の様々なバトル漫画の知識をベースに、それらの技術を実現するべく分厚い本を何百冊と読み漁った。
本に書かれていないことや気になったことについてはネットの海に数日潜って調べたりもした。
そんなことを繰り返していたら、いつの間にかグレートレッドと戦う羽目になり........................今はこうしてトライヘキサと戦うことになっている。
いや、まぁ、ここが【ハイスクールD×D】の世界ならいずれトライヘキサとは戦うと思っていたけどね。
それでも戦わないで済むなら、それに越したことはない。だから何とかアレコレ頑張ってみたけど....................やっぱり戦う運命は避けられないんだな~~~。
今まで色々と原作乖離をしてきたけど、今回ばかりはどうにもならないってことか。いくら川の流れを変えたとしても、川の水は最終的に湖や海へと辿り着くものだからね。
「やあ、呂布。調子はどうだい? っと言っても、呂布のことだから万全に仕上げてきているか」
俺がこの世界に転生してからのことを走馬灯のごとく思い返していると、曹操がやってきた。
どうやら昨日のことは気にしていないみたいだな。あの時はいきなり俺の『禁手』について聞かれたから驚いたよ。
でも俺が自分の『禁手』について話すと、今度は逆に曹操が終始驚いていた。そりゃあ俺自身とんでもない能力だって自覚はあるからね、曹操が驚くのも無理はない。
だが一通り話を聞き終えると、曹操は『死んでも口外しない』と約束してくれた。別にそこまで無理して秘密にしなくてもいいんだけどな~~~。
「.....................昨日はすまなかったね、言いたくないことを無理やり聞き出したりして。キミの『禁手』については誰にも喋らないから安心してくれ....................たとえ神々に殺されることになったとしてもね」
だからそんなに無理して秘密にしなくてもいいんだってば。バレたらバレたでその時考えるから、あんまり拘る必要は無いよ?
「それでなんだが、呂布。キミに頼みたいことがあるから、ちょっと来てくれないだろうか」
俺の『禁手』についてはそこそこに、曹操が俺をどこかに連れていこうとする。別に構わないけど、もうそろそろ作戦の時間じゃない?
予定の時間に間に合わなかったら、天照とかが怒るでしょ。
「時間は.................大丈夫なのか?」
「ああ、問題ないよ。『皆』の許可も得ている」
そうなんだ、じゃあ問題無いか。『蒼天の紅旗』全員が認めているっていうなら、少なくとも俺一人が怒られることはないだろう。
いざとなったら曹操を盾にして、俺は次元の狭間へ逃げれば無問題!!
「................わかった」
「ありがとう、呂布。じゃあ早速行こう、『皆』が待っている」
俺が曹操の頼みに応じると、曹操は俺を連れて歩き出す..................はて? 『皆が待っている』って、『蒼天の紅旗』で何かやるの?
あっ、もしかしてどっかの出陣式みたいに景気づけで『えいえいおーーー!』みたいなことでもやるのかな。
っ、だとしたら面白そうだ! 一度やってみたかったんだよね、あーいうの♪ わざわざ俺を呼び止めたってことは、たぶん音頭は俺が取るんだろう。
ふっふっふ♪ 曹操もなかなか粋な演出をしてくれるじゃないか。よろしい、ならば元社畜として宴会で鍛えた音頭の取り方を見せてあげよう!!!
........................そう思っていた時期がありました。
「....................曹操..................これは、いったい....................」
俺の目の前に広がる人、人、人、人、人!!!! あとついでに、後方には巨人族やらドラゴンやら図体のデカい連中まで集まっている!!!!!
よくよく見ると『蒼天の紅旗』や各神話群だけじゃなく、サーゼクスやアザゼルにミカエルと聖書陣営までいる。
あ、ヴァーリまで参加してら。律儀だね、こういう集まりには参加しなさそうなタイプなのに。
「見ての通り、『皆』を集めたのさ。世界の命運を決める一戦だ、是非とも呂布から激励をもらおうと思ってね。昨日の会議で決まったんだよ♪」
「.................激励?」
「ああ、何せ呂布がトライヘキサに『勝つ』と言ってくれたから、俺たちは一つにまとまることが出来たんだ。なら皆を鼓舞し、士気を上げるのも呂布の役目だろう?」
いやいやいやいやいやいや!!!! 士気ならもう十分上がっているでしょ、昨日の壮行会で!!!
俺のいないところで何てことを決めてくれてるんだ!!! 今さら俺に何を話せって言うのさ!?
「皆が呂布の言葉を待っている、さあ♪」
俺がどうやって断ろうか考えるも、曹操は今までにないほどの笑顔で送り出してくる! 笑顔、笑顔だよ、この人!!
人をこんな地獄のような場所に連れてきて、何でこんな屈託のない笑顔が出来るの!? 今すぐに殴りたい、この笑顔!!!
ど、どうしよう....................まさかこんなコミュ障を殺すためにあるようなイベントに強制参加させられるとは思わなかった。
殺りに来ているよ! 曹操のヤツ、決戦前に俺を殺るつもりだよ!!
しかもよく見ると曹操だけじゃなく、下にいる『蒼天の紅旗』の皆も一昔前のお昼の定番番組ばりにウキウキウォッチングな状態で待ってるし!!!
俺ってばここまで皆に嫌われるようなことした!?
......................ダメだ、これはもう俺が何かを言わないと収まりがつかない空気だ。でも何を言えばいいんだろう.....................?
前世の学生時代、全校集会で校長が全校生徒の前で長ったらしい話をしていたが.......................実際に自分がいざその立場になってみると、いかにその難易度がルナティックだったかがよく分かる。
こんなことを毎週やっていたなんて、校長先生とは何と偉大な人だったんだろうか!
流石は学校の長、今まで『さっさと終わって頭皮の心配でもしてろ、このハゲ!』とか思っててゴメンなさい!!
俺は出来る限りゆっくりと................それはもう牛歩どころか亀の歩みが如きスピードで一歩一歩進んでいく。気分はまさにこれから殺される死刑囚のようだ!!!
俺が壇上に姿を現すと、さっきまでガヤガヤと騒いでいた皆が一斉に静まり返った。
.....................静まらないでよ!!! 却ってやりにくいじゃん!!! 俺の話なんか雑談しながらBGM代わりにでも聞いててくれればいいから!!!!!
この極限の緊張感のせいで『覇王色の覇気』が駄々洩れになっているのが分かる、お腹も痛くなってきたし今にも吐きそうだ。
で、でも、ここまで来ちゃった以上、とりあえず何か話さないと.....................!
壇上にある光る玉に向かって話すとマイクみたいに俺の声がこの辺り一帯に響き渡る。
「諸君...............本日はお日柄も良く..................」
いきなり俺は何を言いだしているんだ!? それこそ校長の話じゃないんだから、こんなんで何を激励する気だ! 訂正だ、訂正!!
「などと言う定番文句は望んでいないだろう....................決戦の前だ................手短にさせてもらう」
よし。言い間違えたことに加えて、『話は短くするよ』ってことも伝えられた。これで話が短かくても文句は言われないはず、予防線は大事だからね!
「時は来た........................後は戦うだけだ」
俺の言葉で全員へ一気に緊張感が走る...................いいよいいよ! この感じキープ、キープだ俺!!
ここから『今まで大変なことも色々あったけど皆で頑張ろう!』的な話に繋げるんだ!!!
「周りを見渡せば.....................所属も立場も、種族さえも違う者たちばかりだ..................それぞれに事情や思うこともあるだろう。
ましてや我々は................歴史を見れば元々................いがみ合い、争っていた間柄だ」
う~~~~ん、まどろっこしい。ストレートに『過去のいざこざは一旦忘れてね』って言った方が分かりやすい。
ここに来て口下手&言葉足らずな癖が災いしている。これじゃあ、逆に話の着地点を見失ってしまう。何とか軌道修正しないと!
「だが我々は集まった..................過去の諍いを呑み込み...................こうして世界の脅威を倒すために」
っ、まだ遠い! ここから『みんな頑張ろう!』に繋げても話の脈絡が嚙み合わない。もうちょっと近づかないと!!
「ここには一つの意思がある......................『生きる』という、ただ一つの意思が.................我々はその意思の下に集まった。
我らが一つにまとまるのは...................それだけで十分.............ならば我々は『戦友』だ。
そんな諸君のような『戦友』と................共に戦えることを.................俺はこの上なく誇りに思う」
っ...............ダ、ダメだ。近づこうとすればするほど、逆に遠ざかってしまう。
『皆で頑張ろう!』と言うだけだったのに、いつのまにか『戦友』だの『誇り』だの訳の分からないことを言いだして話が飛躍している。
あまりにも話がブッ飛び過ぎてて、着地点が未だに見えてこない。なんという会話のK点超え、俺はいったい何の新記録を出そうとしているのだろうか!?
し、仕方ない、これ以上余計なことを口走る前に強引にでも話を切り上げよう! そしてさっさと次元の狭間に行こう!!!
「共に戦う『戦友』として..............................キミたちにこの言葉を預ける」
これ以上は限界だと悟った俺はその場から飛び降り、完全体『須佐能乎』を使う!! 言葉だけじゃ無理なら、視覚と『覇気』で威圧し訴えかける!!!
≪勝つぞっ!!!!!≫
ボキャブラリーが尽きた俺は、最終手段としてどこぞの【五影】のようなことを言って話を強制カットする。
たとえ不自然であっても『須佐能乎』と『覇王色の覇気』という力業で威圧感をプラスすれば、笑ったりする人はいないはずだ!
皆はただ静まり返っていた........................さすがに『須佐能乎』で極大化させた状態の『覇気』を浴びたんだ、誰一人反応が返せないのも無理はないだろう。
あっ、でもこれって、逆に場の空気が冷めきったんじゃないだろうか?
もしかして、やり過ぎたかもしれない。笑われたり白けたりしないようにすることで頭がいっぱいになって、決戦前の皆のやる気に冷や水をぶっかけたんじゃあ....................................
オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!
突然、全員が示し合わせたかのように雄叫びが上がる!!! ドラゴンや巨人族など大型の生物もいるためか、その荘厳さは空気の震えが目で見えるようだ!!!!
と、とりあえず盛り下がってはいないみたいだ....................................良かったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、どうにか場が盛り上がってくれたよ。
あんな脈絡も無い話でよくここまで盛り上がってくれたもんだ。ひょっとしたら、俺が話し合ったら雄叫びを上げるって予め決めていたのかもね。
なんにせよ、これ以上ボロが出ないうちに急いで次元の狭間に向かおう! 下手に「須佐能乎」を解除してこの空気が冷めちゃったら元の木阿弥だからね。
未だ興奮が冷めやらぬ皆の雄叫びを背に、俺はそのまま『須佐能乎』の状態で逃げるように次元の狭間へとフェードアウトした。
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
呂布さんの言葉によって俺たちの心は爆発した! いや、言葉だけじゃない。俺たちのやる気が、士気が、魂が!! 呂布さんの炎によって一気に燃え盛ったんだ!!!
普段は冷静なソーナ会長や毅然とした部長、さらには温和なサーゼクス様すら大声で鬨の声を上げている!!
匙やサイラオーグさん、ライザーさんなんかは目に炎が宿っているくらいに気力が漲っていた!!!
「やってやる! 俺はやってやるぜぇーーーーー!! あの師匠がここまでやる気になってんだ、トライヘキサなんか屁でもねえ!!!」
「まったくだ! 呂布殿があれほどまでに高ぶっているというのに、俺たちが燃えないわけにはいくまい!!!」
「流石は呂布師父! あの気迫、あの威圧感!! フェニックスである俺の魂すらも燃やし尽くさんばかりの存在感だった!!!」
「ふふふ♪ 珍しく大声で叫んでいたわね、ソーナ。アナタがそこまで熱くなっている姿なんて初めて見るわ」
「当然です、これで世界の命運が決まるのですから。それに、叫んでいたのはリアスだって同じでしょう」
「おーーーおーーー、どいつもこいつも呂布の熱に当てられやがって。暑苦しいったらねえぜ♪」
「ハッハッハッ! 無理もないさ、アザゼル。全ての種族がここまで思いを一つにして燃え上ることなど、今後二度と無いことだろう。私も年甲斐もなくはしゃいでしまったからね」
「あぁ..............................しゅ、しゅてきでしゅ、ほーせんしゃまぁ////////////////」
「うふふふふ♪ 己の在り方をもって多くの種族を束ねる。そして自らは先陣に立ち、その姿をもって諸人を魅せ鼓舞する。
まさしく、まさしく! これこそが『真の英雄』の生き様ですわっ!!!」
周りの皆も怒号のように雄叫びを上げている..............................ただ朱乃さんは俺たちとは別のものに火がつき、目がハートどころか身体中からハートを飛ばしまくって呂律が回っていない。
と、とにかく! あの須佐能乎の迫力と『生きるために勝つ』というシンプル極まりない一言が俺たちのやる気をここまで引き出したんだ!! やっぱり呂布さんの言葉には『力』が、『魂』が宿っている!!!
そうだ! 絶対に勝つんだ、俺たちは勝たなきゃならないんだ!! 勝たなければ世界は終わる、これからも『生きる』ためには『勝つ』以外の選択肢が無い!!!
相手がどれだけ強大で恐ろしい存在であったとしても、それだけは変わらない。部長や皆、父さんや母さん..............................これからも皆と一緒に生きていくためには、あの【トライヘキサ】に勝つしかないんだっ!!!!
この場にいる全員のやる気が最高潮に達したことを実感し、俺たちも他勢力の皆もそれぞれの持ち場へと転移していった。
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
呂布が次元の狭間へと向かってからしばらく経っても、俺たちの興奮は冷めることはなかった........................そればかりか呂布の言葉が俺たちの中で熱を持ち、魂を震わせている!!!
それは俺たち『蒼天の紅旗』だけじゃない、この場にいる各勢力全員がその瞳に闘志を激しく燃やしている。人も、神も、天使も、悪魔も、ドラゴンも!!!
この場にいるありとあらゆる種族の意思が一つとなったのだ..............................そう、『生きる』という意思の下に!!!!!
俺たち『蒼天の紅旗』の働きにより、各勢力間の諍いは徐々にだが解消されていっている。だが皆、心の中のわだかまりを完全には捨てきれていないはずだ。
何せ神話の時代から続く『闇』なのだ、そんなものをたかが数年程度でどうにか出来るわけがない。
今回の連合軍だって、【世界の滅亡】という共通の目的があるからこそ協力体制を取っているに過ぎない。
どれだけ綺麗事や平和論を唱えようと、共通の目的や互いの利益のために『争い』を止めることは出来ても、世界から『争い』が無くなることはない。
そんなことはこの場にいる全員が分かっていることだ。無論、呂布も分かっている....................................分かったうえでここに集まっているんだ! 死なないために!! 生きるために!!!
呂布の言う通り、単純なことなのだ!! 俺たちは『生きる』ために戦い、『生きる』ために勝つ!!!
その単純な真理一つがあれば十分、俺たちはこの場において紛れもなく『戦友』なのだ!!!!
ふふふふ♪ 流石だよ、呂布。俺たちの思惑やわだかまり、政治的な思考や既得権益。それら一切を単純極まりない真理、生物としての生存本能で吹き飛ばしてしまうんだからな。
ならば俺も、今この時ばかりは1人の『人間』として戦わせてもらう!!! 全ては『生きる』ために!!!!
「曹操。各勢力、それぞれの配置についたそうだ」
「よし。では神々よ、お願いします!」
ゲオルクから各勢力の部隊が戦闘配置についたということで、俺は神々へトライヘキサを分断してもらうよう通信を入れる。
するとトライヘキサの身体が虹色の光によって、6つの首と1つの胴体に分かれていくっ!!!
オーロラのように輝く光の結界により分断されたトライヘキサの『分身体』は俺たちと聖書陣営の下へ、そして一番巨大な『本体』は呂布のいる次元の狭間へと転移される。
俺たちの真上には聖書陣営と次元の狭間の映像がスクリーンのように空へと映し出されていた。
これはゲオルクを中心とした魔術師たちによって開発した投影魔術、これがあれば俺たちは呂布の戦いに合わせて戦況を調整できる。
しかし..............................転移されてきたトライヘキサの『分身体』、何て大きさだ! 七つに分けたというのに、まだグレートレッドよりも大きいじゃないか!!
そして次元の狭間で呂布と退治している『本体』は『分身体』よりも更に巨大とは..........................!!!!!
ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!
神々の総力を挙げた分割転移が完了すると、トライヘキサは雄叫びを上げてその姿を変異させる!!!
頭部は龍みたいなままだったが、上半身は人のように両腕が生え、下半身は四足獣のようになった!!!!
さらに下半身にも獅子のような顔が浮かび上がり、周囲の地面からは続々と触手が出現して頭部が同じく龍のように変わっていく..............................。
空のスクリーンを見ると聖書陣営に転移した『分身体』も、頭部の形こそ違えどその他は同じような状況になっていた。
次元の狭間にいる『本体』にいたっては足が無い代わりに無数の触手が生えてきて、触手の先端には様々な動物の頭部が付いている!!!!!
【魔獣】。今までに見たどの動物とも似つかない。既存の生物という枠組みからあまりにも逸脱した、そんな形容しがたい『強大な何か』が俺たちの前に立ちはだかる。
これが【トライヘキサ】..............................人類が生み出せし『業』の集合体にして、人類の発展と共に力を蓄えてきた『人類史の癌細胞』。見れば見るほど、人間の『選別』という闇が深いものなのかを思い知らされる...................................。
ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッッッッッッッ!!!!!!!!
俺たちがトライヘキサの異様さに呑み込まれそうになった時、空から戦域全体に響くほどの爆音が轟いた!
見上げると呂布が既にトライヘキサとの戦闘を開始している!!!!
っ~~~~~、何を今さらビビっているんだ俺たちはっ! コイツに勝たなければ俺たちに明日は無いんだぞ、怖気づいている暇があったら一つでも多く攻撃を加えろっ!!!
「何をしている!!! 各員、戦闘開始! 精鋭部隊は『障壁』と『外殻』部分である触手を攻撃、いくら再生されようと攻撃の手を緩めるな!!!!」
怒鳴るような俺の号令に各神話群からの精鋭部隊も我へと返り、攻撃を開始する。
北欧の巨人族、須弥山のアスラ族など各神話群の戦闘民族が各々の得意とする武器や術によって『障壁』と『外殻』を破壊していく。
しかし..............................トライヘキサには強大な再生力があるため、破壊しては再生されてイタチごっこの状態。
っ、だがそれでも攻撃し続けなくてはならない! ヤツの再生力を超えるだけの超火力を一気に叩き込む手段が無い以上、常に攻撃し続けるしかないんだ!!
「俺たちは『分身体』へ攻撃だ!!! 『コア』は俺に任せろ!!!!」
「ッッッッッッ!? だ、だが、『外殻』である触手は大量に残っているぞ!! あんな状態で突っ込むのは危険だ!!!」
「『外殻』は驚異的なスピードで再生している! アレを完全に破壊し尽くすのは不可能だ、触手の間をすり抜けて『分身体』まで行くしかない!!!」
精鋭部隊の波状攻撃で『障壁』も『外殻』も少しずつ破壊はされている..............................だが『外殻』は次から次へと再生し、触手の数を増やしている!
あの『外殻』はとても破壊しきれるものじゃあない!! 相手が相手なんだ、多少の危険は承知で戦わなければ勝つことなんて不可能!!!
「っ、わかった! 各員、触手の動きに注意しつつ『分身体』を目指せ!! 『コア』は曹操が破壊する、俺たちは『分身体』から『コア』を引きずり出すんだ!!!」
「し、しかしゲオルク....................................」
如何に今までいくつもの修羅場を潜り抜けてきた仲間たちも、こんな戦場の真っ只中を突っ切って『分身体』に向かうという指示に尻込みしてしまっていた。
だが俺は踏ん切りがつかないメンバーたちへ怒鳴るかのように発破を掛ける!!!
「っ~~~~~! 気勢を上げろ、『蒼天の紅旗』!! キミたちが今まで辛い修行に耐えてきたのは何のためだ!? 呂布と同じ戦場で、共に戦うためだろう!!!」
「「「「「ッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!」」」」」
「あの時、諸君は呂布とグレートレッドの戦いをただ眺めていることしか出来なかった..............................それは皆が呂布と共に戦うことが出来ないくらいに弱かったからだ!!!」
今でも思い出す..............................あの時の俺たちは呂布に頼りきりで、何一つ力になってやることが出来なかった。
そのため呂布が命懸けの戦場に行こうと言うのに、力になるどころか一緒に戦場に立つことも出来なかった。
俺だって神々が一緒にいなければ、間違いなくあの場で死んでいた!!!
まったく、思い出すたびに自分の不甲斐なさで怒りが込み上げてくる! 仲間を『独りきり』で戦わせて、自分たちは安全な場所から呑気に見物だと!? ふざけるなっ!!!!
「あの時の悔しさを思い出せ!!! 今、呂布は自身の戦場の一部を俺たちに預けてくれたんだぞ!!! ここで怖気づくような腰抜けは『蒼天の紅旗』に非ず!!!!!」
っ....................................おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっっっっっっっっっ!!!!!!!!!!!!
自分の怒りが混ぜ合わさった叱咤激励により、皆が怒声のような咆哮を上げる! 俺たち誰一人、あの時の悔しさを忘れたことなど一度として無い!!
そして誓ったのだ..............................次こそは必ず呂布と共に戦うと!!!!
迷いや恐れを振り切った攻撃メンバーが触手の比較的少ない場所を選び前へと進んでいく! 目指すは『分身体』!! トライヘキサの『コア』を引きずり出すまでとにかく攻撃を加える!!!
今の皆なら必ず『分身体』から『コア』を露出させてくれるはずだ......................なら俺は、その一瞬のために力を蓄える!
余計な攻撃はせず、ただひたすらにチャンスが来るのを待ち..............................全身全霊の一撃で確実に仕留める!!!!!
俺はここにいる仲間を信じ、トライヘキサの『分身体』を目指す。全ては『必殺の一撃』をトライヘキサの『コア』に叩き込むために!!!
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
トライヘキサの『分身体』が転移されてきたと同時に、呂布が真っ先にトライヘキサの『本体』に攻撃を仕掛けた。
トライヘキサの巨大で異様な姿に恐怖していた堕天使や各神話群の混成部隊も、呂布の戦う姿に鼓舞され戦闘を開始する。
転移されてきたばかりの『分身体』は、蛇のような体を変異させ今は上半身は人、胴体は蛇、頭部と下半身は獅子のようにその姿を変えた。
恐らく、戦いに適した姿に自らを変化させたんだろう。俺たちを倒すべき『敵』と認識したのか................7つに分かれても尚グレートレッドより巨大な『分身体』は、足から無数の触手を生み出して大地を樹海のように覆ってしまう。
さらに宿主の先からは頭部と同じ獅子の頭が現れた。あの獅子の頭を持った触手も『外殻』部分に当たるという。
各神話群の精鋭たちは触手を破壊しつつ『障壁』も破壊しているが..........................。
「っ..................チィッ、どうにもよろしくねえな」
『外殻』と『障壁』に攻撃している部隊を見ながら、アザゼルが苦虫を潰したような顔で戦況を見る。
アザゼルの言う通り、確かに戦況はよくない。それというのも、あの『外殻』と『障壁』の異常なまでの再生力だ。
いくら破壊しても、破壊した箇所からすぐに『外殻』も『障壁』も再生されてしまう。そのため、『分身体』と『コア』を担当する聖書陣営の部隊が突入できないでいるのだ。
空に映し出された他の戦場でも似たような状況になっている。だが『蒼天の紅旗』だけは、『外殻』と『障壁』を破壊しきるのは不可能と判断し、触手の頭部から放たれる炎や光線を搔い潜りながら『分身体』へと向かっていた。
「決断しろ、アザゼル。あの魔獣はリスクを背負わず倒せるような相手ではない。このままではジリ貧になって全滅するぞ」
トライヘキサにあの異常な再生力があるのであれば、精鋭部隊が『外殻』と『障壁』を完全に破壊するのは不可能だ。
ならば『蒼天の紅旗』のように、敵の攻撃を搔い潜りながら『分身体』を目指すしかない。
アザゼルもそれは頭で分かっているはず。分かっていながら決断できていないのは........................若い連中を出来る限り危険な目に遭わせたくないからだ。
あの触手から放たれる攻撃を搔い潜りながら進むとあれば、当然触手によって迎撃される。
そうなれば、無論『死ぬ』リスクは高まる。ただでさえ絨毯爆撃のように爆発がアチコチで起こっているからな。
人間界で教師をしたせいかは分からないが、若手をあんな危険地帯に突撃させたくないんだろう。
だからこそ精鋭部隊が『外殻』を削り切るのを待ち、若手連中を安全に突入させたかったに違いない。
しかしトライヘキサの再生力があれほどとは思わなかった。あの無限に等しい再生力がある以上、持久戦は不利。精鋭部隊の体力だって限りがある。
今は触手も『障壁』も数を増やすことはしていないが、それもいつまで保つか分からない。神々はトライヘキサの分断に掛かりきりのため、援軍には期待できないからな。
つまり精鋭部隊の体力が尽きる前に、『分身体』を攻撃して『コア』を引きずり出さなければ...................俺たちの負けだ。
「......................すまねえ。まさか分断してもトライヘキサにここまでの再生力があるとは思わなかった。くっそ! 神々め、調査するならちゃんとやりやがれってんだ!!」
「今さらそんなことを言ったところで仕方がないだろう。戦場は生き物だ、次々と状況は変わるし予測不能な事態だっていくらでも起こりうる」
再生力のことを知らなかった神々に向かって愚痴を溢すアザゼル。確かにあの再生力については事前に知りたかったところだが、もう遅い。
ここはもう『戦場』という名の生き物の体内、連綿と変わっていく戦況に対処できなければ呑み込まれて死ぬだけだ。
「それでどうするつもりだ。これ以上モタつくなら、俺一人でも『分身体』のところへ突撃するぞ」
「.....................ハァ、しかたねえ。他の連中も同じ考えみたいだし..................行くしかねえな」
空に映し出された映像を見ると、他の戦場でも『蒼天の紅旗』に倣って『分身体』への突入を決断したようだ。
何とか触手からの攻撃を避けてはいるが、それでも被害はゼロには出来ない。
「おまえら、よく聞け! 俺たちはこれから『分身体』を目指し、この地獄のような戦場を突っ切る!!
だが見ての通り、触手からの砲撃が雨あられのように降り注いでいるから全力で避けろ!!! 恨むなら半端な調査をしやがった各神話群を恨め!!!!」
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっっっっっっっっっ!!!!!!
アザゼルの号令で堕天使が一斉に戦場へと飛び出す! 案の定、触手からの砲撃によって迎撃されているが全員なんとか躱しているようだ。
「さて、俺たちも行くとするか」
「ああ.................ヴァーリ、絶対に俺から離れるな。このチームで『コア』を破壊できるのはお前だけだ、お前のことは死んでも守ってやる。だから......................」
「わかっている。『コア』が露出されるまでは防御と回避に専念、俺は『コア』を破壊することにのみ全力を注ぐ。何度確認するつもりだ?」
「これが最後の確認だ、こっからはそんなことやってる余裕は無えからな」
「そんなに心配なら、あまり待たせないでくれ。俺はそんなに気が長い方じゃないんでね」
「.....................頼んだぞ、ヴァーリ。『禁手化 バランスブレイク』!!!」
アザゼルは自身が作った人工神器を『禁手化』させて黄金の鎧を纏う。
呂布の協力(脅迫とも言う)によって完成した『堕天龍の槍』の『禁手』、その名も『堕天龍の金光鎧 ダウンフォールドラゴン・ギガンティスアーマー』。
今までは未完成であったが故に『黄金龍君 ファーブニル』の力を十分に上乗せ出来ていなかったが、完成品はアザゼル本来の力にファーブニルの力がプラスされている。
素の状態のアザゼルなら俺の『禁手』の方が上だが、今の状態のアザゼルが相手だと『白銀の魔龍皇』を使わないと厳しいかもしれない.....................この戦いが終わったら実験に付き合う名目で戦いたいものだ。
「行くぞ! 黒歌、アーサー、ルフェイ、美候!! お前らの力、アテにさせてもらうぞ!!!」
「はいはい♪」
「ええ」
「は、はいっ!」
「ほいさ、お任せあれってな♪」
鎧を纏ったアザゼルを先頭にアーサーたちも後に続く。俺を最後尾とした一列縦隊の編成で、一路トライヘキサの『分身体』へと向かう........................!
ここからはトライヘキサを倒すまでの間、なかなかギャグを入れられないと思ってどうにか入れてみました。
次回よりいよいよラスボスとの戦闘になります。
なおトライヘキサの姿は『完全体』が【デュエル・マスターズ】の『六体神』、分身体は上半身がそれぞれの『起源神』で下半身が【FF8】の『オメガウェポン』をイメージしてます。
触手や戦場なんかは【Gガンダム】の『デビルガンダム』とのラストバトルなんかが近いですかね。
それでは皆さん、次回で♪
感想・高評価もいただけると作者が喜び、励みになります!