深紅の武人が住くD×D   作:あさやん&あさやん

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今話から話が分岐していきます。まずは【ノーマルエンド】からです。

それぞれのルートはだいたい二~三話ぐらいだと思います。




【ノーマルエンド】
第百九十九話


 

 

 

 

 

 

 

ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!

 

 

 

 

雷光の巨矢は再生途中だったトライヘキサの肉体を消し去り、『メインコア』へと命中。直撃した瞬間、まるで超新星爆発のような衝撃を生み周囲を真っ白に染め上げた。

 

 

現実世界の方はどうなったのだろう? 曹操たちは『サブコア』を破壊してくれただろうか?

 

向こうの様子は分からないけど、曹操たちがタイミングを合わせてくれると信じて最後の一撃を放ったが.......................。

 

 

っ〜〜〜〜〜〜、もう、エネルギーはほとんど残っていない、チャクラもコスモもスッカラカンだ...................『雷天大装』も解けて須佐能乎も通常状態に戻っている。

 

 

『雷天大装』に使っていた雷光も、攻撃に回してしまったからな...................正直に言って、通常の須佐能乎ですら、維持しているのが、辛いくらいだ...................。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴチャッメキッグチャッグチュッグチャッグチャッグチュッネチャッ.........................!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!」

 

 

 

白い光景が消える前に耳へ伝わってきた気味の悪い音。ようやく戻ってきた視界に飛び込んできたのは...........................トライヘキサの『メインコア』だった!!!!!

 

 

 

ッ~~~~~~~~、ガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!

 

 

 

数分と掛からずに『メインコア』は肉体を修復させてしまった!

 

しかも、その姿は分裂前の元の姿よりも更に巨大!!! それこそ須佐能乎がまるで小人にしか見えない!!!!!

 

ッ、『メインコア』にはキズ一つ付いていなかった......................つまり曹操たちは『サブコア』を破壊することが出来なかったか、もしくはタイミングが合わなかったということか!?

 

クソッ、もう『俺自身』にはほとんど力が残っていない!!!!!

 

けれどトライヘキサは、手詰まりになっている俺のことなどお構いなしに、再生させた触手を四方八方から向かわせてきた!!!

 

おいおいおい、少しは考える時間をくれよっ!!!!

 

 

 

≪螺旋ノ勾玉(らせんのまがたま)≫!!!!!

 

 

 

ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオオオオオオオオンッッッッッ!!!!!!

 

 

 

押し寄せてくる無数の触手へ、【NARUTO】の『風遁 螺旋手裏剣』を須佐能乎の『八坂ノ勾玉』のように連ねて触手をまとめて吹き飛ばす!!!

 

須佐能乎によって極大化された『風遁 螺旋手裏剣』、それを手当たり次第に撃ちまくったことで、とりあえずは周囲を取り巻いていた触手は一掃できた....................かのように思えた。

 

 

 

 

ゴアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!

 

 

 

 

だが触手を消し飛ばしたことで発生した大量の爆煙の奥から、今度はトライヘキサ自身が現れて襲い掛かってきた!!!!! コイツ、動けんのかよ!?

 

 

 

ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッッッッッッッ!!!!!

 

 

バキィッガキィッガシャンッバキャッグシャッ! ガギィンッズガッバキィッガキィッ!! ガシャンッバキャッグシャッガギィンッズガッ.......................!!!!

 

 

 

トライヘキサは、もはや緑色の大地と化している触手の上を伝い、呂布へ迫ってきた。そしてその巨体から繰り出される体当たりにより、須佐能乎は触手の大地へと叩き落される!!!

 

さらには自身が持つ6つの『上半身』を使い、須佐能乎を剥がしに掛かる! 両腕を剣や爪といった様々な武器へと変化させ、滅多打ちにしていく様はまるで一匹の餌を取り合いながら捕食する獣のようだ!!!!!!

 

 

 

 

トライヘキサの6つの上半身は須佐能乎を破壊してもなお、呂布への攻撃を止めることは無かった.....................。

 

 

 

 

 

 

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

 

 

 

 

 

 

「呂布ッッッッッッ!!!!」

「奉先様っっっっ!!!!」

「呂布さんっっっ!!!!」

「呂布様ッッッッッッ!!!!」

「呂布殿ッッッッ!!!!」

「師匠ッッッッッッ!!!!」

 

 

 

それぞれ異なる戦場で戦っていた部隊は、トライヘキサに捉えられた呂布を見て戦慄が走る。この戦いに参加している者たちの中で呂布の圧倒的な強さを知らない者は誰一人としていない。

 

そんな呂布がトライヘキサに成す術無く、されるがままに攻撃されている光景を見て信じがたい『何か』を見ているような気分になってしまう.........................その中でも曹操の取り乱しは特に顕著だった。

 

 

 

「バ、バカなっ!? 何故『メインコア』が破壊できていない!!! タイミングは完璧だったはずだ!!!!!」

 

トライヘキサの『分身体』が『本体』へと回帰していくことには驚いたが、それでも呂布の凄まじい攻撃はその『本体』すらも消し飛ばすほどだった。

 

それを確認した俺は『サブコア』を破壊する準備に入るよう各部隊へと通達。上空の映像を見る限り、各部隊もそれぞれ『サブコア』を引きずり出すことに成功し破壊に取り掛かっていた。

 

万が一に備えて『サブコア』へ攻撃する瞬間に赤龍帝からの『譲渡』も受けた、俺たちの火力が足りなかったとは思えない。

 

現に俺を含め各部隊の神滅具所有者たちは『サブコア』を破壊している!!! 

 

 

それなのに何故.............................

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうして破壊したはずの『サブコア』が残っているんだ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『曹操!! 曹操!!』

 

 

 

『サブコア』の周囲を曼陀羅のように魔方陣が取り囲み、障壁を展開していく。同時に肉体の再生も始まった。

 

いったい何が起こっているか分からないながらも、俺は目の前の状況を必死で理解しようとする。その時、神滅具所有者専用の通信機から兵藤一誠の声が聞こえてきた。

 

くそっ、この忙しい時に!!!

 

 

「何だ!!!」

 

『っ、悪い、トライヘキサを倒せなかったの....................たぶん俺のせいだ!!!』

 

「なっ、ど、どういうことだ!?」

 

肉体の修復を始めている『サブコア』を見ながら通信を開くと、兵藤一誠がとんでもないことを言いだした!!!

俺は沸騰しそうになる頭を何とか抑えつつ、どうにかヤツの話を聞く。

 

 

各神滅具所有者の能力差により破壊にタイムラグが生まれないよう、兵藤一誠には『サブコア』を破壊するタイミングで神滅具所有者全員へ力を譲渡するよう言ってあった。

それにより『サブコア』を破壊するに十分な火力を俺たちは出すことが出来た.......................だが、問題は『タイミング』だった。

 

溜めた力を全員へ譲渡し、かつ自身も『サブコア』を破壊する。そのためには譲渡完了後に自分の力を倍加させるだけの時間を別で取らなくてはならない。

故に兵藤一誠は俺たち以上にシビアにタイミングを見極め、早めに行動するよう言っておいた。

 

だが兵藤一誠が言うには....................ヤツは『自分が世界の命運を背負っている』というプレッシャーから身動きが出来なくなり、そのせいで神器が一次的に機能不全を起こしたらしい。

 

そのため、自身を倍加させるだけの十分な時間が取れず『サブコア』の破壊が他のメンバーよりも遅れてしまったと言う。

 

 

 

「っ~~~~~~~、バカかキサマはっ!!!! あれほど『タイミングを間違えるな』と言っておいただろうがっっっ!!!!」

 

『っ.....................ゴメン、本当に...................ゴメン』

 

「『ゴメン』で済むか! キサマのせいでトライヘキサを倒せるチャンスを逃したんだぞ!! どれだけ俺たちや呂布の足を引っ張れば気が済むんだ!!!」

 

『..................................ゴメン』

 

 

ッ~~~~~~、くそぉっ! バカだバカだとは思っていたが、よもやここまでバカだとは思わなかった!! まさかこの局面で信じられないほどのバカをやらかすとはっ!!!

 

っ、いや.........................一度しかないチャンスを何の練習も無しに確実に掴むなんて無茶なことだとは分かっている。

 

ましてや兵藤一誠は元一般人。転生悪魔になってから一年にも満たない子どもに、『世界の命運を背負っている』という現実がとてつもない重圧となることも頭では理解している。

 

同じ転生悪魔である匙元士郎が問題なかったのは、恐らく『燃』による心の修練を欠かさなかったからだろう。

 

だがそれでも、ヤツを罵らずにはいられない!!! 俺たち全員が命を懸けて作り出したチャンス、それをこのバカによって台無しにされたのだからなっ!!!

 

 

っ~~~~~~、とりあえずヤツの始末は後回しだ! 今はトライヘキサを倒すことに専念しないと!!

 

呂布が何の抵抗も出来ずに攻撃されるがままになっているところを見ると、呂布ももう限界なのだろう。

 

あれほどの攻撃を怒涛の如く叩き込んだんだ、いくら呂布でもガス欠になったに違いない。呂布がガス欠になるところなど見たことが無いだけに、こんな時の対応策を用意していなかった。

 

俺たちのチャクラを呂布に渡してやりたいところだが、俺たちでは次元の狭間まで行くことは出来ない。

 

 

どうする、どうすればいい.......................!!!!

 

 

俺は頭のギアをこれ以上無いくらいに回転させる!!! あまりにも思考を巡らせているせいで、鼻血が出てきたが気にする余裕などない!!!

こうしている間にも呂布が死にそうになっているんだ!!!

 

 

何か、何か無いのか!? この状況を打開する方法が、呂布を助ける方法が...........................このままでは呂布は、俺の『友達』は..................................!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドッッッゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もはやどうしようもないほどの絶望が俺や戦場を支配しようとした、その時..........................次元の狭間で巨大な爆発が起こった!!!!!!

 

 

爆発によって発生した炎はトライヘキサの触手や身体を吹き飛ばしていく。上空の映像は炎一色に染まる中、現れたのは...................................

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

巨大な深紅の騎士だった!!!!!

 

 

 

 

 

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

 

 

 

 

 

 

エネルギーが枯渇寸前の状態でトライヘキサの攻撃を受けていた俺は.......................とうとう【禁】を破ってしまった。

 

 

『よろしいのですか、マスター。この力を使ってしまえば、貴方は.......................』

 

「...................仕方が無い。負けて世界が滅びるよりは.....................遥かにマシだ」

 

 

初めてフルパワーで使う『北辰の駿馬 フィンブルズ・グラニオン』の『禁手』、その名も【極天駆ける朱紅の神馬 フィンブル・グラニ・セレスティアルポーラー】。

 

本来は深紅の鎧と化したグラニを纏うのだが、今回は『須佐能乎』の状態で纏った。そのため『禁手』も通常を遥かに超える出力で極大化されている。

 

こんな状態で『禁手』の力を使ってしまえば、トライヘキサを倒したとしても俺はこの世界にはいられなくなるだろう。

 

だが、それでもいい。それでも.........................守りたいものがこの世界にはあるんだからな!!!

 

 

『っ.................承知、いたしました。このグラニ、貴方様の覚悟を確かに受け取りました! ならば異世界の果てまでお供いたしましょう、マイマスター!!!!』

 

「....................ありがとう、グラニ。ならば、共に往くぞ!!!!」

 

『御意!!!!』

 

 

俺とグラニの想いが一つとなり、『須佐能乎』の手には巨大な剣と戟が出現する!!!

 

この世界を去る覚悟を決めた俺たちは『禁手』の力を使って、現実世界にあるトライヘキサの『サブコア』を『分身体』ごと全て呼び寄せた!!!!

 

 

 

グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッッッッッッッッッ.............................!!!!!

 

 

 

 

神々によって分離されたトライヘキサの『分身体』は『本体』と融合し、肉体だけではなくコアまで一つとなった『完全体』となる。

 

その大きさたるや、まさに『惑星』とも呼ぶほどまでに巨大となっていた。

 

もはや元の形など関係無いと言わんばかりに巨大となったトライヘキサ...................なんか、【Gガンダム】でコロニーと融合した『デビルガンダム』みたいだ。ドモンたちはこんな馬鹿デカいヤツと戦おうとしてたのか。

 

こんなにデカくなったら、そりゃあガンダム程度の大きさじゃあ内部からでないと破壊できないだろう。

 

 

もっとも............................『今の俺』なら破壊できるけどな!!!!

 

 

ズシャンッッッッ!!! ズシャンッッッッ!!! ズシャンッッッッ!!! ズシャンッッッッ!!! ズシャンッッッッ!!! ズシャンッッッッ!!! ズシャァァァァンッッッッッ!!!!!

 

 

『禁手』により、理論上『無尽蔵』かつ『無制限』のエネルギーを得た俺は、戟と剣を振るいトライヘキサを吹き飛ばしていく!

 

その破壊力は、まさに『星』をも消滅させるほどの勢い!! 『完全体』となったトライヘキサの再生能力を持ってしても追いつかないほどだ!!!

 

 

もちろん、一撃でここまで破壊することは出来ない。だから『禁手』の能力を使い、【破壊できるまで攻撃を連ねる】。

そのため、俺が剣や戟を振るうたびにトライヘキサの肉体や触手は消し飛んでいく!!!

 

ここが次元の狭間で本当に良かった。もし現実世界でこんな力を使っていたら、間違いなくトライヘキサ諸共『地球そのもの』を破壊し尽くしていた...........................。

 

っ、でも急がないと!!! この状態の俺はいつまでこの世界に留まっていられるか分からない、完全にこの世界から排出される前に倒しきるっ!!!!

 

 

 

砂時計がゆっくりと落ちていくような感覚に追われながら、俺は次々とトライヘキサの身体を消し飛ばしていった。

 

 

 

 

 

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

 

 

 

 

 

呂布さんの『須佐能乎』が深紅の鎧を纏い、二枚あった翼は五対十枚となった瞬間......................俺たちの目の前からトライヘキサの触手や『分身体』と『コア』がいなくなった。

 

 

いや、俺たちだけじゃない。他の戦場でも同様のことが起こり、俺たちの目の前にはひたすらに荒野が広がっていた。

 

けれど、消えた『分身体』は次元の狭間に移動し『本体』と合体した。その大きさはまるで大陸どころか、星一つ丸呑みできるんじゃないかと思えるくらいにデカかった。

 

だが................................。

 

 

 

「す..................凄え......................!」

 

 

 

目の前の光景に対して、あまりにも陳腐な感想。でも俺のボキャブラリーではそれだけしか言えなかった。

それほどまでに、俺たちの前で繰り広げられている戦いの凄まじさは次元が違っていた!!!

 

呂布さん..................正確には『須佐能乎』だけど、呂布さんが両手に持った巨大な戟や剣を振るうたびに、途轍もないエネルギーが放たれてトライヘキサを消し飛ばしていく!!!

 

たぶん現実世界でやったら、島どころか国すら一振りで切り裂くんじゃないだろうか。そんな斬撃が雨あられの如く繰り出され、トライヘキサの再生は全く間に合っていない!!!

 

振るうたびに消し飛んでいくトライヘキサの体はどんどん小さくなっていき、恐らくコアまで到達するのに時間は大して掛からないと思う。

 

 

「なんと凄まじい戦いだ..................アレが、呂布殿の『全力』ということか」

 

「っ、はい! このままいけば、トライヘキサは完全に消滅します!!」

 

『滅びの化身』の状態から元の姿に戻ったサーゼクス様が呂布さんの戦いに興奮している。トライヘキサの撃破も間近ということで、部長も嬉しそうに声を弾ませる。

 

周りを見ると眷属たちをはじめ、他の皆もこの戦いの勝利を確信していた。俺としては最後の最後で足を引っ張っちまったため、素直に喜ぶことが出来ない。

 

今までたくさん世話になっていながら、ドジを踏むなんて.....................呂布さんに何て謝ろう........................ん?

 

 

 

「っ.................................」

 

 

俺が呂布さんや皆に申し訳なさを感じ、周囲が喜びの空気に包まれている中......................朱乃さんだけが悲しそうな表情で呂布さんのことを見ていた。

 

そんな浮かない顔の朱乃さんの様子に気づいた部長が、心配そうに声を掛ける。

 

 

「? どうしたの、朱乃。もしかして、どこか怪我でもした?」

 

「っ、いいえ.....................大丈夫、どこも怪我はしていないわ」

 

「そう? でも様子が変よ。いつものアナタなら、呂布様の雄姿を見れば目をハートにするぐらい見惚れていたじゃない」

 

部長の言う通り。いつもの朱乃さんなら、あんなに凄い呂布さんの戦いを見ればハートを撒き散らすぐらい見入っているはずだ。

 

だけど今の朱乃さんは呂布さんの姿に見入ってはいるものの、見惚れているわけじゃない。むしろ、その顔からは胸が張り裂けそうなほどの苦しさを感じさせる。

 

部長も同じことを思ったのか、朱乃さんを心配する。そして朱乃さんは悲し気な目をして静かに口を開いた。

 

 

「............................不安になったの」

 

「不安? あれほどの強さを誇る呂布様が負けるかもしれないってこと?」

 

「フルフル、いいえ。恐らく奉先様が負けることは無いわ。私が感じているのは、もっと別のこと」

 

「別のこと? いったい何なの?」

 

朱乃さんのただならぬ様子に、喜んでいた周囲の皆にも緊張が走る。

 

俺たちが固唾を飲んで見守っていると......................朱乃さんはとんでもないことを口にした!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「奉先様が......................いなくなってしまう」

 

 

 

 

 

 

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

 

 

 

 

 

 

私が自分の感じた不安を口にすると、リアスや周りの皆が驚愕する。皆が言葉を失うほどに戸惑う中、リアスが慌てた様子で尋ねてきた。

 

 

 

「っ、『いなくなる』って.......................どういうことよ、朱乃!?」

 

「っ、分からないわ。自分でもどうしてこんなことを思ったのか..........................ただ、今の奉先様からはいつもの『余裕』が感じられない。何か、焦っているように思えるの」

 

そう、奉先様にはいつだって『余裕』があった。私たちがピンチの時も、イッセーくんが『凍結封印』されそうになっている時も。常にあの方は毅然とした態度を取っていた。

 

それが『強者たる所以』か、それとも『奉先様の気質』なのかは分からない..................でも、今の奉先様は明らかに勝負を急いでいる!!

 

いつもならあんな焦った戦い方はしない、あの焦燥感が私を不安にさせるんだわ!!!

 

まるで自分に残された時間が僅かだと知りながらも、自分の成すべきことを成そうとする病人のよう..................そんな印象を覚えてしまう。

 

 

「ふむ。そう言われると、確かにいつもの呂布殿らしくはないね。朱乃くんの言う通り、どこか焦っているようにも見える」

 

「っ、お兄様まで!? では呂布様は、いったい何に焦っているというのですか!?」

 

「確かなことは言えないが.....................普通なら、呂布殿は『あの状態』では長く戦うことが出来ないと考えるのが妥当だろう。だが、朱乃くんはそうじゃないんだろう?」

 

「....................はい。もっと深刻な『何か』だと思いますわ」

 

「そ、そんな...................『深刻な何か』って、いったい.....................」

 

私の答えにならない答えにリアスだけではなく、周りの皆も困惑している。私だって、この不安が具体的にどこから来ているのか分かっていないのだもの。

 

でも、あの奉先様の焦りようは尋常じゃない。たとえトライヘキサを倒せたとしても、奉先様は私の前からいなくなってしまう。何故だかそんな気がしてならない。

 

 

 

「っ....................奉先様...................!」

 

 

 

 

 

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

 

 

 

 

 

 

トライヘキサの『分身体』と『サブコア』が次元の狭間へと移動し、俺たちは呂布の戦いを眺めていることしか出来なかった。

 

 

「っ、かぁ~~~~~~~! おいおいおいおい、とんでもねえ力だな!! もしかしたら次元の狭間が崩壊するんじゃねえか?」

「まったくにゃん。あの様子なら、最初から呂布一人で大丈夫だったんじゃない?」

 

「ホント、凄いですね~~~~~~」

「話では呂布一人だと勝算は五分五分だったはずですが、どうやら杞憂だったみたいですね」

 

 

呂布の戦いを見てトライヘキサを倒せると思ったのか、安心しきっている美候たち。いや、美候たちだけじゃなく周りの堕天使たちも気を緩み始めていた。

 

確かに呂布の攻撃は凄まじい。戟や剣を振るうたびにトライヘキサの肉体が吹き飛んでいき、コアを破壊するのもそう時間は掛からないだろう。

 

 

 

だが.....................何故だ? 何かがおかしい、いつもの呂布らしくない。

 

 

「どうしたヴァーリ、妙に大人しくなっちまって。普段のお前さんなら、呂布の戦いを見て興奮しているはずだぜ?」

 

俺が呂布の戦いに違和感を覚えていると、アザゼルが『禁手』を解除して話しかけてきた。どうやらアザゼルも、トライヘキサがこのまま呂布によって倒されるされることを確信しているようだ。

 

「別に...................ただ、あんなに『余裕』の無い呂布は初めて見たというだけのことだ」

 

「? 余裕が無い? どういうことだよ」

 

そう。俺は呂布の戦いはつぶさに観察し、余すことなく記憶している。それこそ、グレートレッドとの頂上決戦からクロウ・クルワッハとの模擬戦まで。

 

曹操にも無理を言って、呂布の戦いの記録は可能な限り収集している。

 

 

だからこそ分かる.........................今の呂布には『余裕』が無い!!!

 

 

呂布は常に冷静沈着だった。もちろん逆巻く嵐のごとき怒涛の攻めをすることもあるが、それでも焦ったり慌てたりなどといったことは一度も無かった。

 

あのグレートレッドとの戦いですら、心を静め焦燥することなど無かった。呂布は戦いの中で常に『余裕』を感じさせた、それはまさしく『世界最強』たる強者の風格と呼べるもの。

 

 

だが、今の呂布はどうだ? まるで死期を悟った病人が生き急ぐかのように決着を早めようとしている。あんな戦い方をする呂布は初めてだ。

 

俺が呂布の様子がおかしいことを説明すると、アザゼルも何やら考え込み始めた。

 

 

「....................なるほどな。確かにそう言われると、今の呂布は消えかけの炎が消える瞬間に激しく燃え盛るような印象を覚える。あんな戦い方は呂布らしくねえ」

 

「ああ。それに、先ほどまでの呂布は明らかに限界を迎えていた。それが今では『全快』しているのも気になる」

 

「いや、それだけじゃねえぞ。見ろ、あれだけのエネルギーを放出しているって言うのに呂布の攻撃は全く衰えていない。

いくらなんでも、あんなパワーで戦っていたらとっくにガス欠を起こしているはずだ」

 

アザゼルの話を聞いて益々違和感が強くなる。いつしかトライヘキサを倒せる喜びは消え失せ、言いようの無い不安が頭をよぎってきた。

 

 

今の呂布の状況は明らかに異常だ。トライヘキサを一振りで消し飛ばすパワーを連発しているのにも関わらず、未だに尽きる様子の無いエネルギー。

 

いくら呂布でも、『単独で無限のエネルギーを生み出す』ことなど出来るわけがない!!!

 

 

 

トライヘキサを圧倒するほどの強さを見せる呂布だが、俺はその『強さ』に今までにない危険性を感じていた。

 

 

 

 

 

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

 

 

 

 

 

 

「す、すっげえええええええええええ!!!! 一時はどうなるかと思ったけど、やっぱり師匠は『最強』だ!!!!!」

 

 

 

トライヘキサの撃破に失敗し、呂布殿がトライヘキサに呑み込まれた時は皆の背筋が凍りつく思いでした。しかし、大爆発と共に出現した深紅の騎士が呂布殿だと分かると全員が安堵した。

 

両手に持った武器を使い、トライヘキサを次々に消し飛ばしていく様はまさに『最強』の名に相応しい。

匙だけではなく他の眷属や部隊の方々も、その雄々しき姿に興奮している。

 

っ、けれど何故だろう.......................今の呂布殿の御姿が非常に危うく感じてしまうのは....................!

 

 

「ふえ~~~~、やっぱり呂布くんは凄いねぇ....................ん? ソーナちゃん、どうしたの? 呂布くんのことが心配?」

 

「っ、お姉様......................はい。今の呂布殿は、何かに追われるみたいに急いでトライヘキサを倒そうとしているように見えるのです」

 

「? 何かに追われる?」

 

そう、呂布殿の戦いにはいつも『余裕』とも呼ぶべき『強者』としての威厳があった。あのリリスと戦っている時ですら、呂布殿が慌てたり追い詰められている様子は無かった。

 

でも今の呂布殿からは『ソレ』が感じられない。トライヘキサを確実に追い詰めているはずなのに、戦えば戦うほど呂布殿の方が逆に追い詰められているように見えてしまう。

 

何故そんな風に思ってしまうのかは私にも分からない。ただ確実に言えることは、今の呂布殿は明らかに普段とは違うということだけ。

 

 

「う~~~ん、私はソーナちゃんほど呂布くんの戦いっぷりを見たことが無いから分からないけど........................でも、ソーナちゃんがそう言うなら間違いないんだろうね。

もしかしたら、『あの状態』は呂布くんの切り札でそう長くは戦えないんじゃないかな?」

 

 

根拠と呼べるものが一切無い私の憶測でも、お姉様は私の言うことを信じて所見を述べてくる。確かにその可能性はある、いかに呂布殿でも『全力』で戦える時間は限られているはずだ。

 

未だに呂布殿の攻撃の勢いは衰えを見せないが、それでもいつかは限界が来るはず............................それにしても、あの強大なトライヘキサを圧倒するほどのエネルギーはどこから来ているのだろうか?

 

あれだけのエネルギーを何度も放出しているのに、一向に威力が弱まる気配が無い。もしかして、『無尽蔵』にエネルギーを生成しているのかしら?

 

 

......................いや、ありえない。そんなもの、机上の空論だ。そんなことできるわけがない。もしそんなことを実現しようとするなら、それこそ.......................

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【世界の法則】を書き換え、『永久機関』を生み出すこととなる。

 

 

 

 






『禁手』の鎧を纏った『須佐能乎』ですが、見た目は『デュークモン クリムゾンモード』が『須佐能乎』のサイズになったものをイメージしてくだされば幸いです。

ただグラニの『覇獣』というのが思い付かなかったため、通常の『禁手』を遥かに上回る出力が出せる設定として【『須佐能乎』の状態で『禁手』を使う】という形にしました。

それでは皆さん、次回で♪
感想・高評価もいただけると作者が喜び、励みになります!

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