深紅の武人が住くD×D   作:あさやん&あさやん

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【トゥルーエンド】開始です。場面としては、疲労困憊になった呂布がトライヘキサからボコボコにされているところに、突如大爆発が起こったシーンからです。





【トゥルーエンド】
第二百二話


 

 

 

巨大な爆発と共に起こった爆炎がトライヘキサを一瞬怯ませる。そしてその一瞬を逃さず、呂布はトライヘキサから脱出した!!

 

 

 

っ、良かった、何とか無事だったか..................だがやはりダメージを受けたのか、『須佐能乎』はかなり剝がされてしまっている。

100mはあった巨体が、今ではどうにか自身の身体を覆う程度にしか展開できていない。

 

それに肩を上下させているあたり、呂布自身の体力やチャクラも限界なのだろう。あれほどまでに消耗した呂布は初めて見る。

 

 

それにしても.............先ほどの爆発はいったい何だったんだ? 次元の狭間には呂布とトライヘキサしかいないはず。

 

それなのにあれほどの砲撃を放つことが出来る存在など......................

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

っ、いや、いる!! あれほどの炎を放つことが出来る存在がっ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺が『とある存在』のことを思い出すと同時に、『ソレ』は呂布の下へと降り立った。

 

 

『ソレ』はかつて、呂布と唯一互角に渡り合った存在。

 

 

死闘の末に互いの力を認め合い、ついには『友』となった存在。

 

 

呂布が現れるまで『最強』の座に君臨していた『偉大なる赤』。

 

 

何の運命の巡り合わせか、こうして俺たちの前で黙示録が再現されるとは夢にも思わなかった。

 

 

 

呂布を助けたのは、トライヘキサと双璧を成すもう一つの黙示録......................。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『赤龍神帝 グレートレッド』だった。

 

 

 

 

 

 

 

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トライヘキサにメッタ打ちにされ、俺がとうとう『禁手』を使わなきゃいけないと考え始めたその時...................巨大な爆発が起こってトライヘキサの一部が消し飛んだ!!! 

 

よほどの威力だったのか、ポッカリと開いた穴から脱出すると周囲が真っ赤な炎に包まれていた。トライヘキサの再生力を上回っているのか、高度を上げて見てみるとまさに炎の海と化している。

 

 

この炎、もしかして......................。

 

 

 

 

『友よ、助けに来たぞ』

 

 

 

頭に直接語りかけてくる声に反応して上を見上げると...................俺の予想通り、グッさんことグレートレッドが降りてきた!!!

 

「グレートレッド................何故ここへ「我が呼んだ」っ、オーフィス!?」

 

何でこんなところにグッさんが来たのか尋ねると、グッさんの頭の上にオーフィスが鎮座していた!!!

 

オーフィスまでいたのか..............でも何でオーフィスがここにいるの? アーシアと一緒にいたんじゃなかったっけ?

 

 

「オーフィス...............アーシアと一緒じゃなかったのか?」

 

「アーシアに頼まれた。『呂布の力になって欲しい』って。だからグレートレッド、連れてきた」

 

『オーフィスから話を聞いた時は驚いたぞ。まさか、あのトライヘキサと戦っているとはな』

 

昨日の夜から姿が見えないと思ったら、次元の狭間でグッさんを探していたのか................そう言えばアーシアが『用事があると言って出ていった』って言ってたな~~~~。

 

でもそれならそうと言っておいてよ、心配したじゃん。今度からどこか出かける時は、ちゃんと行き先を誰かに伝えておくよう言っておかないとな!

 

 

「呂布」

 

ギュッ、パァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!

 

 

オーフィスの教育について考えていると、急にオーフィスに抱きつかれる! だがその瞬間、俺の身体が光り出しチャクラと体力が回復していく!!

 

「っ、これは...............!!!」

 

「これでもう、大丈夫」

 

どうやらオーフィスが俺を全快にしてくれたみたいだ。流石は『無限』を司る龍神様だ、こんなことも出来たんだね。オジサン、びっくりだよ。

 

「そうか...............ありがとう、オーフィス。助かった」

 

「ん」グッ!

 

 

 

グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッッッッッッッッッ!!!!!!

 

 

 

俺がお礼を伝えるとオーフィスは親指をグッと立てて返事をする。だがそんな和やかな空気も束の間、痺れを切らせたトライヘキサの馬鹿デカい咆哮が響き渡る!!!

 

 

さぁ~~~て、体力とチャクラは全快して一旦戦いは仕切り直しになったけど..............どうしたもんかね。

このまま戦ってもさっきと同じことの繰り返しになるだろう。かと言って、急造チームのチームワークなんてたかが知れている。

 

しかも1人はチームワークの『チ』の字も知らなさそうなゴスロリ様、ぶっちゃけこのままだと三対一じゃなくて、『一対一』を三人でやっているようなものになる。

 

せめて役割分担が出来るといいんだけど......................ん? 役割分担?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうだよ、『アレ』があったよ!!! いや、やったことは無いけど...............でもこの状況じゃあやるしかない!!

『やっつけ仕事のぶっつけ本番』なんて前世の社畜時代では日常茶飯事だった!!!

 

「オーフィス、俺の背中に..............おぶさって.............エネルギーを送ってくれ」

 

「ん」ヨジヨジ

 

言われた通りにオーフィスが背中によじ登って来たので、俺はすかさず『須佐能乎』を使う.................うん、オーフィスのおかげで『須佐能乎』を使っても全く消耗が無い!

 

次は、と。

 

 

「グレートレッド、拳を...............俺の拳に.................合わせてくれ」

 

『? こうか?』

 

隣にいるグッさんに拳を向けると、グッさんも俺に言われた通りに拳を合わせる...................よし、思った通り! 俺とグッさんとオーフィスのチャクラが繋がった!!

 

以前グッさんと戦った時にオーフィスとグッさんを俺のチャクラで繋げといて良かった。まったく、人生どこで何が役に立つか分からんものだな~~~。

 

俺は繋がったチャクラを利用し、『須佐能乎』をグッさんに纏わせる。グッさんの巨大な肉体に『須佐能乎』の鎧が装着され、俺とオーフィスはグッさんの額にある宝玉の中に移動した。

 

 

『っ、こ、これは.........................!』

 

「【威装 須佐能乎】..............オーフィスをエネルギー源とし...............俺の『須佐能乎』を武装させた状態だ。

今の俺たちは...................一つになっている...............三位一体というヤツだ」

 

 

これぞ【NARUTO】は『うちはマダラ』の代名詞の一つ、『威装 須佐能乎』。『須佐能乎』を鎧として何かに纏わせる術で、マダラは『九尾の狐 九喇嘛』に纏わせていた。

 

その後はサスケがマダラにやったように尾獣化したナルトに『須佐能乎』を纏わせた。以降はサスケとナルトが共闘してボスを倒す時は、この技で決めることが多い。

 

それだけファンに人気があるってことなんだろう、映画とかで見ると迫力満点だしね♪

 

 

『なるほど、器用なものだな。ところで一つ、提案がある』

 

「何だ?」

 

『なに、大したことではない。この戦い、呂布が主導になって戦ってくれというだけのことだ』

 

『? 俺が主導?』

 

『ああ、戦闘の技術は呂布が一番高いからな。俺の身体の主導権を呂布に委ねるから、呂布がメインになって身体を動かしてくれ』

 

 

.................なるほど。つまり車で例えるなら、グレートレッドが『車体』、オーフィスが『エンジン』。

そして三人のチャクラを『ガソリン』として、俺が『運転手』になるってわけね。

 

確かに俺たちは今一つになっている。グレートレッドの精神を俺に繋げれば、この肉体を俺が操ることも出来るはずだ。

 

それはありがたいけど、本当にいいの? この状態はグッさんの身体がベースになっているわけだから、グッさんが動かしてもいいんだよ。それに自分の身体の主導権を他人に委ねるって恐くない?

 

「..................いいのか?」

 

『ふっ、何を今さら。我らは互いに力を認め合った仲ではないか。我はとうに呂布のことを信頼している、其方の強さもな』

 

「..............ありがとう」

 

俺が確認するも、グッさんは二つ返事で快諾してくれる。本当にええヒト.......じゃなかった。ええドラゴンやなぁ~~~~。

 

そういえば原作で一誠とグレートレッドが合体して巨大化した時も、グッさんは進んで一誠に主導権を委ねたっけ?

 

物分かりが良いのか、それとも単に戦うのがメンドクサイものぐさなのか..............何だか俺にそっくりだ。そういうところも含めて『気が合う』って言うのかね。

 

何にせよ、グッさんが任せてくれるって言うなら、俺がメインで戦うとするか!!!

 

 

「わかった............いくぞ、二人とも」

 

「ん」

『おう!!!』

 

 

俺は自身のチャクラに加えて、オーフィスとグッさんのチャクラも混ぜ合わせ『戟』を作る。やっぱり、俺自身のチャクラだけで作るよりも強力そうだ。

 

 

 

ブゥンッ、ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッッッッッッッッッッッッ!!!!!!

 

 

 

戟を振るうとトライヘキサの身体が真っ黒になって消し飛び、大地と化していた地面に巨大な穴が開く!

 

しかも俺一人の力では窪みを作るだけで精一杯だったが、今の一撃はトライヘキサの身体を貫通し、底に次元の狭間が見えるほど完璧な『穴』となっている。

 

さすがに三人分のチャクラを『残火の太刀』の要領で刃筋に集束させただけはあるな~~~。

フルパワーじゃないのにトライヘキサの身体の一部を完全に消し飛ばしちゃうんだもん。

 

まるで『マインクラフト』で地面や巨大建築物を瞬く間に削り取るような感覚だ。

 

しかも動力源がオーフィスだから、ガス欠の心配も無いしね。やっぱり持つべきは『龍神』様と『神龍』様だな♪

これならもう一度『メインコア』を露出させるまで、さほど時間は掛からない。

 

あとは現実世界の皆の方だけど...........まぁ、気にしてもしゃーない。とりあえずこっちはこっちで、やることをやるとしよう。

この戦いが終わったら、朱乃たちと結婚式を挙げるわけだしね。

 

 

 

..................『結婚』かぁ、まさか俺が所帯を持つことになるとはね~~~~。前世の俺から考えたら、とても考えられないなぁ。子供とか出来たら、どうやって接すればいいんだろう?

 

正直言って、上手にあやせる自信が無い。仏頂面な顔で赤ん坊に迫る父親................ダメだ、ギャン泣きされる絵しか思い浮かばない。『笑顔』と言ったらアーシアだよね。

 

ならここはひとつ、大天使アーシアちゃんに頼んで自然と笑顔を作れる方法を教えてもらおう。このままだとさすがに赤ん坊が可哀想だ。

 

 

 

 

戦いが終わったら、トライヘキサとは全く別の脅威に立ち向かわなければならない事実を他所に、俺たちは『デビルガンダムもどき』と化しているトライヘキサと最後の戦いを再開した。

 

 

 

 

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

 

 

 

 

 

呂布、オーフィス、グレートレッド。この三者が一つとなった龍の鎧武者、『武装騎龍』とでも呼ぶべきか。

その力は圧倒的という言葉すら生ぬるいと感じるほどに桁違いだった。

 

 

「..............ス、スゲえ...................」

 

 

上空の映像を見て誰かが溢す、それはこの戦いを見ている全員が等しく思っていることだろう。あまりもに単純すぎる感想、だがそれ以上の言葉が出てこないのだ。

 

情けないことに、俺たちではこの戦いの凄まじさを言い表せる言葉を持ち合わせていない。

 

 

先ほどまで爆音や爆風が止まない戦場であったというのに、今はそんな面影が全く無い。それほどまでにこの戦場にいる全ての者が、次元の狭間で行われている戦いに目と心を奪われているのだ。

 

『武装騎龍』が両手で戟を振るうたびにトライヘキサの触手や肉体が消し飛び、大地と化していた部分は跡形もなく吹き飛んでいく。

しかも再生が間に合っていないところを見ると、トライヘキサの再生能力を遥かに上回る破壊力を叩き込んでいるということだ。

 

オーフィスの『無限のエネルギー』、グレートレッドの『究極の肉体』、呂布の『至高の技術』。

この三者が一つとなっているんだ、いかにトライヘキサの再生能力が高くても追いつくはずがない!!!

 

 

 

ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!

 

 

 

呂布たちの攻撃によってダメージを受けたのか、トライヘキサが頭を抱えながら咆哮を上げる!!!

 

だが同時に、六つの頭部が触手と一緒に呂布たちへ詰め寄った!!! 抜け出る隙間もないほどに包囲され、呂布たちには逃げ場がない!!!!

 

 

 

キィィィィィィン.....................ズガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!

 

 

 

だが深紅の光が流星の如く走ると、頭部も触手もすべてが消滅した!!! 見ると『武装騎龍』の下半身が馬になっていたのだ!!!!

 

 

下半身が馬...............っ、そうか! 呂布の『北辰の駿馬』だな!! あの状態から更にグラニの力を上乗せさせたに違いない!!!

 

オーフィスやグレートレッドの強さに加え、グラニの『速度』が加わったのか...............まさに『武装』、いや『無双騎龍』とでも呼ぶべきか。

 

しかのあの姿はギリシャ神話に出てくる射手座『サジタリウス』に似ている。

もっとも、所持している武器は『弓』ではなく『戟』なんだがな。

 

しかしあの『武装騎龍』にグラニの『速度』や『守護』の力まで加わったとあれば、まさしく『完全無欠』と言えるだろう。

 

『無双騎龍』が攻撃するたびに深紅の閃光が走り、トライヘキサの巨大な肉体がどんどんと削られていく!

 

もはやトライヘキサにあの状態の呂布を捉えることなど出来まい!! これまでの激闘から一変して、深紅の光の奔流が溢れる光景は神秘的な美しさを感じさせる。

 

 

そうして自分たちのやるべきことすら忘れてしまうほど、俺たちが次元の狭間の戦いに魅了されていると.......................声が静かに響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『トライヘキサを倒せば...................俺は朱乃たちと結婚する』

 

「「「「「!!!!!!!!!!!!!!!!」」」」

 

 

これは..................呂布の声か!? どうして呂布の声が聞こえるんだ!? しかも呂布が俺たちへ話している様子は無い、となるとこの声は呂布の『心の声』。

 

呂布が俺たちへ向けて飛ばしているのか...............いや、それにしては俺たちへ向けて話しかけている感じではない。

だとしたら、これは戦いながら呂布が心に思っていることが俺たちへと流れ込んできているということか。

 

 

『朱乃たちと結婚すれば..............子供も出来るだろう。俺が家庭を持つ............夢みたいな気分だ』

 

 

『夢』.............そうか、グレートレッドの影響か!!!

 

グレートレッドは『夢幻』を司る、その『夢』『幻』というのは深層心理が無意識に表層意識に出てきている現象だ。

 

そして『集合的無意識』と言って、全ての人間の『深層心理』は繋がっていると聞いたことがある。

 

呂布がグレートレッドと合体したことで、呂布の心の奥底に秘めた想いが『集合的無意識』を通して俺たちに届いているということか!!

 

 

『でも俺じゃあ..............上手く子供をあやせない。だからこの戦いが終わったら...........生まれてくるであろう子供のために...............上手に笑える練習をしよう』

 

目の前で繰り広げられる壮絶な戦い............だが戦っている呂布自身が望んでいるのは『戦い』や『栄光』などではなく、一握りの小さな『幸福』だった。

 

 

『この戦いが終わって..............もし、誰も殺さずに生きられるのなら............家族と一緒に、世界を巡ろう』

 

『家族を作りたい』。それは俺が呂布と初めて出会った時に聞いた、呂布の願い。

 

最初に聞いた時は俺たちのような境遇の人間を指しているのだと思っていたが................アレはそういう意味でもあったのか。

 

 

『俺が世界中で見つけた...........素敵なモノを..............家族にも教えてやりたい』

 

呂布が俺と出会う前、呂布は世界中を旅していたと聞く。『蒼天の紅旗』の任務でも気に入った場所があれば、たまの休みを見つけては再び訪れたりしていた。

 

その他にもプライベートでは、よく色んな国へ出かけているようだった。

 

単なる趣味でしかないと思っていたが...............呂布にとってはそれだけ大事なことだったんだろう。やがて出来る家族に、自分の大切なモノを教えるために。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『俺が「蒼天の紅旗」や................一誠たちと出会えたように................この世界には、まだ見ぬ宝物がたくさんあることを..............教えてあげたい』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「.................................」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

呂布の『望み』を知り、周りの皆は俯いていた。啜り泣く声も聞こえる。今まで誰も呂布の心の内を聞いたことなどなかったのだから。

 

 

 

........................俺たちは、今まで何をやっていたんだ。呂布に『戦い』ばかりを強いて............呂布が心の底では『平穏』を望んでいたことに気づかなかった....................!!!

 

駒王学園の会談で、呂布は『自分の居場所を脅かす者には容赦はしない』と言っていた。確かに呂布はいざ戦いとなれば、敵には一切容赦をしない苛烈さを持っている。

 

だが呂布が自ら望んで戦いを仕掛けたことは一度も無い!!! 呂布が戦う時は必ず『敵を倒さなければ守れない』時だけだ。そうしなければ、自分も仲間も守れないから戦っているんだ。

 

『勝たなければいけないから、戦っているだけ』。かつてトライヘキサの対応方針を決める会議にて、神々の前で呂布が言っていたことだ。

 

 

呂布は決して『戦いたい』わけではない。『勝たなければいけない』から戦っているだけなんだ!!!

 

 

心の底ではずっと.................『平穏に生きたい』と望んでいた。それは恐らく、家族と同時に『平穏』まで失われたことで生まれた反動なのだろう。

 

『神器』という自身が望まぬ『力』を手にしたが故に命を狙われる人生。自分の命を狙う輩から身を守るために敵を殺す。敵に殺されないよう強くなってはまた命を狙われる。

 

そんな『平穏』とは無縁の人生を呂布は送っていたはずだ.................俺たちも似たようなものだったからな。

 

 

いくら強くなっても誰かに命を狙われる人生。普通ならどこかで命を落とすか、『戦い』そのものを好んで受け入れる..................あるいは心が壊れて精神異常者になってしまうだろう。

 

実際俺たちもそんな輩を数えきれないほど見てきた。いくら『蒼天の紅旗』という受け皿があったとしても、全てを救えたわけではないからな。

 

だが呂布は元の優しい性格のまま、『争いを好まぬ平和を愛する心』を持ったまま強くなってしまった。

そしてそのまま................『世界最強』へと至ってしまった。

 

 

いくら強くなっても『戦い』という呪縛から逃れることが出来ない事実に、呂布はどれだけ苦しんだんだろうか?

 

本心では『戦い』という輪廻の輪から外れ、『平穏』に暮らしたいと思っているのだろう.................だが世界は呂布のように優しくはない。

呂布自身がいくら『平穏』を望んでいようと、周りは『最強』たる呂布を放っておいてはくれない。

 

責務か恐怖か欲望か。どんな理由であれ権力者ならば、そんな『力』を持つ者を管理下に置きたいと考えるのは当然。未知の存在に恐怖を抱くのは生物の常だからな。

 

『世界最強』になっても.............いや、『世界最強』だからこそ、呂布の人生には常に『戦い』が付きまとってしまうのだ。

 

そしてそのことを呂布自身も理解している。だからこそ、大切な存在を守るために敵へ対して容赦はしないのだ。

 

そうしなければ何も『守る』ことが出来ないということを知っているから.....................。

 

 

呂布の心は『家族との平穏』を望んでいる。だが呂布の人生は『戦い』の渦の中にある...........まるで呪いだな。

誰も持っていない『強大な力』を呂布は手にしているのに、誰もが持っている『小さな幸福』を呂布は手にすることができないのか。

 

そう、『呪い』。『最強』である呂布ですら................いや、『最強』である呂布だからこそ逃れることが出来ない【世界の呪縛】。

 

俺たちが呂布に戦うことを望む限り、呂布は戦い続けなければならない。呂布にとっては、『戦いをもたらす者すべて』が『敵』と言えるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

..................わかったよ、呂布。キミが『平穏』を望むというのなら..................俺たちが『それ』を守ろうじゃないか!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いつまで呂布を、呂布『だけ』を戦わせておくつもりだ『蒼天の紅旗』!!!!!」

 

 

「「「「「っっっっっっっっっっっっっっ!!!!!!」」」」」

 

 

 

俺が怒りを込めながらの声を張り上げると、呂布の心に触れて感傷に浸っていた皆が我に返る。もっとも、一番腹立たしいのは『俺自身』に対してなんだがな!!!

 

 

「忘れたか! 俺たちは今、呂布と同じ戦場に立っているんだぞ!! 呂布が俺たちに戦場を預けてくれたのは何のためだ?

この世界の全てを..................呂布の『宝物』を守るためだろうが!!!!」

 

「「「「「!!!!!!!!!!!!!!!」」」」」

 

 

以前リゼヴィムが『呂布ほどの人物であれば、もっと好きに、もっと自由に生きてもいいはずだ』と言って勧誘したことがあったそうだ。

 

アレはある意味で、的を射ていたのかもしれない。この世界で『最強』たる呂布が、この世界で最も『不自由』な生き方をしているんだからな。

 

だがそれでも................呂布はそんな誘惑には負けなかった! リゼヴィムの甘言に耳を貸さず、『たとえ不自由であっても、皆と出会えたのならそれで十分だ』と言ってくれたのだ!!

 

 

呂布よ、それを聞いた俺たちがどれだけ嬉しかったか................たぶんキミには分からないんだろうな。

俺たちの『誇り』が、『俺たちとの出会い』を喜んでくれているんだから。あの後、メンバー全員の顔がにやけていて大変だったんだぞ? 

 

まぁ、それは俺もなんだがな...............ただ呂布が言う『皆』には『蒼天の紅旗』だけではなく、恐らく兵藤一誠たちのような聖書陣営も含まれているんだろう。

 

まったく.............その点だけは不愉快極まりないな!!!

 

 

「呂布にあそこまで言わせておいて、奮い立てないヤツは『蒼天の紅旗』に非ず!!! 全員、気合を見せろっ!!!!」

 

 

「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」」」」」

 

 

俺の号令によって『蒼天の紅旗』メンバー全員の目に炎が宿る!

 

この戦いを終わらせるためにじゃない..................呂布に『一握りの幸せ』を堪能する人生を始めてもらうために!!!!

 

俺たちが今まで呂布から与えられてきたもの、その全てを使って呂布の『平穏』を守る! この戦いが終わった後もずっと..................それが俺たちが呂布へと返せる唯一のことだ!!

 

 

そのためにもトライヘキサ.....................キサマは邪魔だっ!!!!!

 

 

 

「ゲオルク! 俺の声を全部隊へ届けることは可能か、全ての戦場にいる者たちへだ!!」

 

「っ、いや、さすがにそれは『私がやろう』っ、この声は............アジュカ・ベルゼブブ!?」

 

俺が全部隊へ連絡が取れないかゲオルクに相談すると、突然通信魔術でアジュカ・ベルゼブブから連絡が入ってきた。

聖書陣営全体の指揮担当のベルゼブブとは連絡が取れるようにしていたが、まさかあっちの方から連絡してくるとはな。

 

『呂布殿の心の声は、我々にも届いていた。先ほどの現象の解析も今終わったところだ。呂布殿とグレートレッドが一体となっていることを逆に利用すれば、キミの声を戦場の全員へ届けることは可能だ』

 

っ、なるほど。つまりグレートレッドと合体している呂布を媒介にすることで、俺と全員の『集合的無意識』を繋げるわけか。

たぶん先ほどの現象で、一時的に『集合的無意識』にアクセス出来るようになったんだろう。

 

この短時間で先ほどの現象を解析するばかりか、利用する術式まで作り上げてしまうとはな。

流石は卓越した魔術によって『超越者』と数えられているだけのことはある。

 

「ありがたい、すぐにお願いする」

 

『承知した................繋げたよ、さぁ話したまえ。今なら戦場どころかトライヘキサを分離させている神々にもキミの声は届くだろう』

 

アジュカ・ベルゼブブに戦場だけではなく、『庭園』にいる神々にまで繋げてもらった俺は自身の想いの丈を伝える。

呂布に『平穏』を与えるには俺たちだけじゃない、この戦いに参加している全員の協力が必要なんだ。

 

 

 

そしてそれは、呂布にはたぶん出来ないこと。だから...............呂布の『友達』である俺がやらなくてはならないんだ!!!!

 

 

 

 






呂布(須佐能乎)、オーフィス、グレートレッドが合体した姿は【デュエルマスターズ】の『ボルシャック大和ドラゴン』がイメージとして近いですかね。

持っている武器は『刀』じゃなくて『戟』ですけど。

それでは皆さん、次回で♪
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