スミマセン、前話で曹操とゲオルクが呂布の隣に座るシーンでゲオルクがディオドラになっていたので訂正しました
感想で教えてくれてくれた方々、感謝です
第十六話
「・・・・・・はぁ、どうしたものか......」
俺は今執務室で、ある報告書を読んでいた・・・・その報告書というのが・・・・
「・・・なかなか上手くいかないものだな、『人材の育成』というのは・・・・」
そう、俺が読んでいるのは『蒼天の紅旗』の構成員の【訓練成果報告書】だ。
俺たち『蒼天の紅旗』もそれなりに大所帯になってきた、そのため今では役割ごとに部隊を分けている
その中で隊員たちの訓練の成果に目を通しているわけたが・・・・・正直言って芳しくない、というのもこちらで作ったカリキュラムがあまり進んでいないのだ........
現在訓練に用いているカリキュラムは、
一:『気(オーラ)』または『魔力』の開放および技術の修練
二:『六式体術』の習得
三:チャクラ(オーラと魔力を合わせた力)の開放および技術の修練
四:『覇気』の習得および修練
となっている。ちなみに神器の所持者は、カリキュラムとは別に神器の修練に励むことになる。
隊員たちはこれらのカリキュラムを能力ごとに割り振られ、順番にこなしていくのだがその進捗状況が良くない
小隊長なら2つ、部隊長なら3つはこれらのカリキュラムを修了してほしいのだが、現状の隊員たちは1つないし2つまでしか修了出来ていない。中には1つも修了していない者もいるくらいだ
特に『覇気』の習得や神器の修練が難航している......
呂布曰く『覇気』は『自分の持つ力を疑わぬこと』が入口だそうだが、これが難しい。組織の中で『覇気』を習得しているのは呂布を除けば俺ぐらいなものだ........その俺とて『武装色』『見聞色』の覇気を少し扱える程度だ。『覇王色』という覇気もあるそうだが、俺には使える兆しすら見えない
神器に至ってはもっと酷い。神器を扱う技術は上達しているのだが肝心の『禁手化』に至っている者は組織の中では俺、呂布、ゲオルク、ジャンヌしかいない。ヘラクレスがもうじき至れそうだが、それでも少ない
『禁手化』に必要なのは神器の習熟度ではなく『劇的な心の変化』だ・・・・だがその変化がなかなか起こらない。
そして何より、一番の問題は・・・・神器に関しては指導者と呼べる者がいないことだ
他のカリキュラムに関しては呂布が教えられるし、俺も『覇気』以外は完全に習得しているため、ある程度教えられる・・・・だが神器に関しては詳しい者がいないため、所持者が試行錯誤しながら訓練しており、それが進捗が滞っている最大の原因となっている・・・
無論、隊員たちは決して弱いわけではない。一般人から見たら十分超人と呼べるものたちばかりだ、オリンピックにでも出れば皆金メダルは余裕で取れるだろう
しかし我々の相手は人間ではなく悪魔や天使や妖怪という異形の存在、ひいては神と言った超常の存在だ。今のままでは中級、良くて下位の上級種の異形と同レベルと言ったところだろう
最低でも基礎能力だけで上級種の異形たちを倒せる、そのための訓練がこのカリキュラムなのだ・・・・そして個別の能力を磨き最上級の異形も超える、そうでなければ神々と渡り合うことなど出来やしない........
「・・・・・・はぁ........」
俺が何度目になるか分からない溜め息をついていると・・・・
コンコン......
「・・・入ってくれ」
「失礼するぞ」
入ってきたのは、書類を携えたゲオルクだった
「ゲオルクか、どうしたんだ?」
「どうしたんだって・・・ハァ、今日は各神話群の主神たちと会合を行うから事前に打ち合わせすると言っていただろう............」
ああ、そうだった・・・今日だったな........
「ああ、すまない。そうだったな........ハア」
「何だ、朝っぱらから溜め息なんかついて・・・って、またその報告書か」
「・・・・ああ」
「・・・ハア、そのことなら何度も話しただろう?今は時間を掛けるしかない、そう結論付けたはずだ。確かに訓練の進捗具合は良くない、だが確実に少しずつ力は付けている。今では皆中級クラスの異形なら倒せるし、上級クラスでも部隊をちゃんと編成すれば対処できる。現に任務には問題は出ていないし、何か事態が急変する兆しも無い。ならば今はじっくり力を付けるべきだ・・・・曹操、お前は少し焦りすぎだ........」
ゲオルクが何度目か分からない正論を言ってくる。確かにゲオルクの言っていることは正しい、俺だって頭では十分理解している
だが俺は何故か言い様の無い焦燥感に駆られていた。何か・・・このままでは取り返しの付かないことになるのではないか・・・それが何かは分からない・・・・だから余計に焦るのだ........
そしてゲオルクは正論を続ける
「それに・・・何か不測の事態になったとしても俺たちには『呂布』がいる。正直、あいつがいれば大抵のことは対処できるだろう・・・ならば尚更焦る必要はないはずだ」
そう、俺たちには『呂布奉先』がいる。だからこそ皆安心して訓練に勤しむことが出来るんだ。『呂布がいるから大丈夫』、その余裕があるからこそ皆自分のペースで、周りを気にせず自分の訓練に集中できる............
「・・・・ああ、分かっている....だが何か・・・何かが決定的に足りていない気がするんだ、今の俺たちには............」
「?足りてないって・・・一体何がだ?」
ゲオルク、それが分からないからこうして何度も同じことに頭を悩ませているんだよ.......
「・・・・分からない。だが俺たちにとって根本的なところ・・・のような気がする........」
「・・・・そうか、いずれにしても直ぐに答えが出ないならひとまずは後にしてくれ。今は目先のことを片付けよう、神々は今日の午後には来るんだからな」
・・・・・そうだな、今はとりあえずやるべきことをやろう。考えるのはまた後だ
「・・・・そうだな。すまない、余計なことに時間を裂いてしまった」
「気にするな、リーダーの相談に乗るのも参謀の役目だ」
「ああ、ありがとうゲオルク」
俺は抱いた疑問を心の奥にしまい、ゲオルクと午後の会合の打ち合わせをするのだった・・・・・
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「ガハハハハ、いやー今回も存分に暴れさせてもらったぞ!やはり呂布との戦いは血が滾るわい!なあ、ポセイドン!」
「まったくだゼウス!たまには儂らもこうして溜まった鬱憤を晴らさんとなぁ、アーハッハッハッハ!!」
「....................」
俺は今任務でギリシャに来ていた。その任務というのは目の前にいる爺たちをはじめとするギリシャの神々との修行・・・・もといガス抜きだ........
何でも武闘派の神々というのは平和が続いているため、皆フラストレーションが溜まっているらしい。しかも武闘派ということもあって、脳筋で戦闘狂の集まりだ
そんな奴らを放っておくと何をやらかすか分からないため、おもいっきり暴れさせてその溜まった鬱憤を晴らしてやらなければならない・・・・そうして選ばれたのが俺だ
神々と戦える人間は珍しく、しかもおもいっきり暴れられるとあらば戦闘狂が放っておくわけがない。だからこうして俺はよく神々に呼ばれては相手をさせられている・・・・・まあ、報酬も良いので組織としては助かっているんだけどね........
「さて、今日は確かお前さんの所で他の神話連中と会議だったのう........面倒じゃなあ」
「そう面倒くさがるな、ゼウス。行かんと呂布の順番が一番最後になってしまうぞ?」
「うーむ、それは困るのう。仕方ない・・・・そうじゃ、呂布!せっかくだから一緒に行かんか?どうせお主もこの後は帰るだけじゃろう?」
えっ!?これはマズイ........このままだとまたこの爺さん達のストレス発散に付き合わされることになる!冗談じゃない!!
どうすれば・・・・・・・・・・そうだ!!
「........フルフル....」
「む?何か用事でもあるのか?」
「............少し野暮用を片付けてくる」
「ふ~む、仕方ない。では後ほど会おうぞ!ガハハハハ!!」
「ではのう呂布!次に来たときはまたワシらに付き合ってくれい!!」
「........コクン」
俺はグラニに乗って、その場を去る・・・
よっっっし!!脱出成功!!!
いや~あの爺さん達に付き合うと長いからね~、逃げれて良かった良かった♪
さあ~て、せっかくギリシャまで来たことだし野暮用でも済ますとしますかね
そう俺の野暮用とは・・・・・・・・・・地中海料理を堪能することだ!!
やっぱり地中海沿岸に来たら、地中海の海産物を食べなきゃ神様の罰が下っちゃうでしょ!!
まあ、その神様達から逃げてきたワケですけどね........
でも、さすがにギリシャを彷徨いているのはマズイからイタリア辺りに行きましょうかね!
俺はそのままグラニにイタリアまで向かってもらうのだった
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ガツガツガツガツ!ムシャムシゃムシャ!!バクバクバク!!!
俺はグラニを戻し、イタリアの港町を散策。良さげな店を見つけたので地中海で取れた海産物からなる料理を堪能していた
「・・・・ゲプゥ」
いや~食べた食べた♪さすがに取れ立ての海産物を使っているからか、生きの良さは言うに及ばず。素材の味を生かした味付けだから、日本人好みの料理もたくさんあったよ
俺は会計を済まし、店を出て腹ごなしがてら海岸を歩いていた
う~ん、実に良い天気だ。気候も温暖だし、絶好の散歩日よりだ・・・・でもこんなに良い天気だと眠たくなってくるな・・・・お腹もいっぱいになったし・・・少し寝るか........
俺が日陰に土遁で手頃なベッドを作り寝ようとすると・・・・・
「・・・・・・見つけた」
黒髪のゴスロリ少女に起こされた・・・・・
やっぱり自分で見ているだけでは、誤字脱字には気づかないですね
これからも見つけてくれた方は感想で教えていただけるとありがたいです