深紅の武人が住くD×D   作:あさやん&あさやん

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スミマセン、龍神邂逅編は今回で終わるつもりだったんですが 、朱乃のことを絡めたら予想以上に長くなったので二回に分けたいと思います。





第二十六話

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

冥界。それは死後の魂が行き着く世界で、死者の生前の罪業を裁く場所でもある。

 

 

冥界は一つの世界であるため、人間界と同じくらいの広さがある。そのため魔獣や死神といった様々な異形種が存在し、その一つである悪魔は人々の欲望............感情のエネルギーを糧に生きる種族である。

 

その悪魔達を統括する機関がある建物の一室にて、四人の男女が大きな円卓を囲んで座っていた。

 

一人は眼鏡を掛け真面目そうな顔の知的な男性、一人は黒い長髪をツインテールにしているスーツ姿の活発さを感じさせる少女。

一人は眠たげな目でやる気が無さそうな青年、そして最後の一人が紅い髪を首のあたりまで伸ばした美形な顔立ちの男性。

 

 

 

 

「..................全員、集まったな」

 

 

 

彼らは冥界の悪魔社会を統治する王、『魔王』と呼ばれる存在。

 

普段は王の威厳を感じさせないほど自由奔放な四人だが、今日に限っては違っていた。四人が醸し出す空気が今日の会議の重要性を物語っている。

 

 

「ではアジュカ、始めてくれ」

 

 

「分かった................皆も知ってのとおり、つい先日各神話群の主神たちによる共同の声明があった。

内容は【『赤龍神帝グレート・レッド』が一人の人間に敗れた】というものだ」

 

「ほぇ~~~、凄いねぇ。あのグレート・レッドを倒しちゃうなんて........................どんな人なの?」

 

「その者の名前は『呂布奉先』。本名ではないだろうが、神々からは【深紅の武人】と称えられている男だ」

 

「一応聞くけどさ~~~、神々の冗談ってワケじゃないよね?」

 

「一勢力だけではなく、各神話群............しかも主神が共同で出した声明だ。前代未聞過ぎるこの事実が冗談なら、もはや世の末だ」

 

「確かにそうだが..................しかし、にわかには信じがたいな。かの黙示録の龍が敗れるなど..................」

 

「でもでも! 事実ならスッゴイことだよ!! あのグレート・レッドを倒しちゃうんだから!!!

どうせだからソーナちゃんの眷属になってくれないかなぁ~~~?」

 

「セラフォルー、冗談でも止めてくれ........................そもそもグレート・レッドを倒す程の人物だ。私たち魔王であっても眷属にするなど不可能だろう」

 

「サーゼクスの言う通りだ。それに神々の声明があった後、このような書状が届いたからな。しかもご丁寧に主神たちの署名入りでな」

 

 

 

 

【各勢力は『呂布奉先』個人への直接的・間接的を問わず、一切の干渉を禁ずる。もしこれに違反した勢力は我ら神々への宣戦布告と見なす。

また我ら神々は『呂布奉先』が現在属している『蒼天の紅旗』を支援するものとする。我らの承諾無く『蒼天の紅旗』およびそれに属する者への干渉は我ら神々への敵対行動と見なす】

 

 

 

 

「ありゃ~~~、先に手を打たれちゃったね~~~。でもこの『蒼天の紅旗』ってな~~に?」

 

「『蒼天の紅旗』は呂布奉先が所属する組織で主に各神話間・勢力間にまたがる問題を解決する傭兵組織だ。

そして構成員は、その多くが聖書陣営から追われた人間たちで占められている」

 

「聖書陣営から追われた、というのは?」

 

「堕天使であれば神器関連、天使・教会であれば聖書の神の死を知るなど都合の悪い者。そして悪魔であれば『はぐれ』関連だな」

 

「なるほどね~~。これは面倒なことになったね~」

 

「ああ、我々は別にこの書状に関して問題はない。だが問題は貴族共だ。『はぐれ』となった悪魔を見逃せ、と言っているようなものだからな。

『面子が潰れる』などと言って騒ぎだす輩が現れるやもしれん........................自分達がやっていることは棚上げにしてな」

 

「だがこちらが抗議すれば『蒼天の紅旗』は、『無理矢理悪魔にされ逃げてきた者を保護しているだけだ』と言ってくるだろう。そして最悪、戦争になる。だが......................」

 

「まぁ、悪魔にしろ教会にしろ堕天使にしろ、仕掛けたら負けるだろうね~~。何せ各神話の神々がバックに付いている上にグレート・レッドを倒した人物がいるんだから。仮に聖書陣営が一つにまとまっても無理だろうね~~」

 

 

「さて、現状の整理は出来たが..................どうする、サーゼクス。我々悪魔としては『蒼天の紅旗』、そして『呂布奉先』に対してどう対応する」

 

「........................ファルビウム、君の意見を聞きたい」

 

「まぁ、この書状には従うしかないでしょ~。何せ戦いになったら100%負けるだろうからね~。それにこの書状では、『呂布奉先』への干渉は禁じられているけど『蒼天の紅旗』には神々の承諾さえあれば接触することは出来るわけだからね~。

まずは各神話勢力との講和を図って、神々の心証を良くする。そして時期を見た上で『蒼天の紅旗』を通して『呂布奉先』へ接触すれば良いんじゃない?

『蒼天の紅旗』と『呂布奉先』の情報を集めながら気長にさ~~~」

 

「セラフォルーは?」

 

「私もファルビーの意見に賛成かな~~? 対立できないなら、せめて波風は立てないようにしないとね。

それに私達としては、まず各神話群との間を何とかする方が先だと思うよ?」

 

「アジュカはどう思う?」

 

「二人と同意見だ。神々の声明、そしてこの書状の内容を全悪魔へ伝えるべきだろう。そして我々の権限でこの書状の内容を徹底させ、もし破れば厳罰を下す。

貴族であれば首謀者は処刑、そして財産の差し押さえはもちろんのこと一族は全員貴族位を剥奪する」

 

「っ、首謀者だけではなく一族までもか................!?」

 

「当然だ、馬鹿な貴族たちのことだ。このことを知れば必ず良からぬことを考える輩が出てくるはず。

そうなった場合、中途半端な処分では神々は納得しないだろう。何せ下手をすると悪魔が滅ぶことになるのだからな............................」

 

「....................................分かった。では我々四人の総意であることも含め全ての悪魔に通達しよう」

 

「よし、では早速手配をしよう....................それからセラフォルー、サーゼクス。これは悪魔全体の問題であり、全ての悪魔の総意だ。

もし二人の妹が暴走したとしても今回ばかりは庇い立ては出来ないぞ........................特にサーゼクス」

 

「むぅ~! それどういうこと~? うちのソーナちゃんは賢いから、そんな心配はいらないよ!」

 

「私の方も心配しないでくれ、アジュカ。悪魔の存亡が懸かっているんだ、いくらリアスでも今回ばかりは我儘は許さない。私から厳しく言っておくよ」

 

「本当に頼むぞ、二人とも................」

 

 

かくして、全ての悪魔に神々の声明と書状の内容が通達され全悪魔が徹底するよう魔王権限により命令が下された。

 

しかし、問題を抱えている悪魔は一枚岩ではなく、この命令がどこまで効力があるかは不明であった....................。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぁバラキエル、本当に良いのか?何もそこまでやることは無えだろ」

 

「いや、こうなってしまった以上は仕方がない。それに諦めさせるなら、早い方が朱乃のためだ....................」

 

「........................すまねえな、ワザワザ嫌われ役をさせちまって....................」

 

「アザゼルのせいではない。これが『神の子を見張る者』の総意であり、我々堕天使のためだ........................」

 

「..............................バラキエル」

 

「........................行ってくる」

 

「ああ、気を付けてな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「姫島さん、俺と付き合ってください!!」

 

「ごめんなさい」

 

「なっ、何でだ!?俺のどこがダメなんだ!?勉強だってスポーツだって上位の成績、読者モデルもやっている俺のどこに不満があるんだ!!」

 

「ごめんなさい、私には心に決めた方がいるんです。だから諦めてくださいな」

 

 

私がハッキリと断ると男は地面に崩れ落ちた。私はいつも通り一瞥もせず、その場を立ち去る。

 

私は屋上からの階段を下りながら溜息を吐く。

 

ハァ、これでいったい何度目やら................いい加減私が誰とも付き合わないくらい分かりそうなものなのに..................。

 

この駒王学園に入学してからというもの、男子からの告白が止むことが無い.....................それこそ他校の男子からも告白してくるくらいだ。

 

別に男が嫌いなわけではないが、告白しながら人の胸を見てくるような男はそれこそ眼中に無い。

けどそれは私に限った話ではないはず。本人達は気付かれないとでも思っているのだろうか?

 

まったく、私には心に決めた方がいると言っているのに................もしかして断るための嘘だと思われているのかしら?

 

でも不思議と女子からは嫌われていないのよね。まぁ女子はそういう健気な話は好きですしね。

 

私が鞄を持って帰ろうとすると、不意に後ろから声を掛けられた。

 

 

「あら、朱乃。今から帰るの? 屋上に呼ばれていたんじゃなかったかしら?」

 

深紅の特徴的な長髪、そして普通の女性なら誰もが羨むような抜群のプロポーションをした女性が話し掛けてきた。

 

「ええ、リアス。いつも通り断って、今から帰るところよ」

 

彼女はリアス・グレモリー。私と同じこの駒王学園に通う三年生で私のクラスメイトである。そして彼女は人間ではない。グレモリー家の次期当主の上級悪魔であり、兄は魔王と恵まれ過ぎているくらいのお嬢様だ。

 

この学園の理事長が彼女の兄であり、彼女自身がこの駒王町の管理者らしいので『神の子を見張る者』の関係者にあたる私としては、あまり関わりたくない相手だ。

 

「フフ、相変わらずね。告白した男子がちょっと可哀想になってくるわ」

 

「あら、告白しながら相手の胸や身体をジロジロ見てくる男に同情するなんて、随分優しいのね。

さすがは『情愛』に深いグレモリーだわ。覗きの常習犯である二年の男子を眷属に加えるだけのことはあるわね」

 

「まったく、私に毒を吐くその口も相変わらずね。それから私の眷属を悪く言うのは止めてちょうだい......................否定は出来ないけれど」

 

「そう言われたくないのなら、眷族の躾はちゃんとなさい。ハッキリ言って彼、評判悪いわよ................特に女子から」

 

二年の男子で覗きの常習犯である彼、確か『兵藤一誠』と言ったかしら? よく今まで警察に突き出されなかったわね。

 

リアスの眷属になったということで、リアスに引き合わされたけど、いやらしい目で胸ばかり見てくるし................まぁ彼が悪魔に転生するきっかけになったのは下級堕天使が暴走したからなので、あまり強くは言えないのだけれど。

 

そんな彼が今代の赤龍帝というのだから世の中分からないものだ。だけど赤龍帝として目覚め、悪魔として転生しても覗きを止めるつもりは無いらしい。

 

私は覗かれたことは無いけれど、このままでは主であるリアスの評価を下げるだけだということが分からないのかしら?

 

 

「ご忠告痛み入るわ................それで朱乃、どうかしら?あなたも私の眷属にならない?あなたのために『女王』の駒を残しているのよ?」

 

彼女はそう言うと懐からチェスの『女王』の駒を取り出す................あれが『悪魔の駒』。他種族を悪魔にし自分の眷属にするという、上級以上の悪魔のみが持っている代物。

 

もっとも他種族を無理矢理悪魔にしたりする者もいるため、揉め事のタネにもなっているらしい。

 

「またその話? 何度も言っているけど、私は悪魔になるつもりは無いわよ」

 

「そう、でも気が変わったら言って頂戴。あなたならいつでも大歓迎よ。それじゃあ、ごきげんよう」

 

「ええ、さようなら」

 

彼女は深紅の長髪を手で払うと去っていく。私も靴を履き替えて帰路につく。そうして私は歩きながら、あの日のことを思い出す。

 

 

深紅の髪........................リアスのあの髪を見るたびに思い出す。幼き頃、私と母を助けてくれたあの御方..................呂布奉先様。

あの方の髪はリアスよりも鮮やかだったけど....................。

 

あの日..................あの方に助けられてから、私は母様に言われた通り『女』を磨いた。妻として必要な家事全般はもちろんのこと裁縫やお茶、そして強い女になるため父の『雷光』の力や母の『陰陽術』を会得する厳しい修行もこなしてきた。

 

身体付きだって自慢ではないが男好きするプロポーションになっていると思う。全てはあの方に相応しい女になるために!

 

もっともそのせいで、色んな男子が寄ってきてしまうのだけれど...................。

 

しかし肝心のあの方、奉先様には会えていない................私はいつでも嫁に行くつもりなのに。今はどこにいらっしゃるのでしょうか..........................。

 

 

せめて、どこにいるのかさえ分かれば..............................。

 

 

そんなことを考えていると、いつの間にか家に着いていた。

 

 

ガララ

 

「ただいま帰りました」

 

「おかえりなさい、朱乃」

 

私が玄関に入ると奥から母が出迎えてくれた。

 

「ただいま帰りました、母様」

 

「..............................朱乃、お話があります。このまま居間に来て頂戴」

 

「? 分かりました」

 

母が思い詰めた顔で居間へ向かう。いきなりどうしたのだろう....................?

 

私は着替えず、そのまま居間に入ると食事をするテーブルを挟んで父様と母様が座っていた。

 

「父様、帰ってらしたのですね。『神の子を見張る者』から緊急で呼ばれたと聞きましたが....................」

 

「ああ、ちょうどその件で話があってな..................帰ってきたんだ。朱乃、座りなさい」

 

私は父様に言われて二人の向かいに座ると父様が鞄から釣書を何枚か出して渡してきた。中には色々な男性が写っている................皆、私よりも年上の男性だ。

 

「父様、これはいったい....................」

 

「朱乃............お前に縁談を持ってきた」

 

 

 

 

 

 

「............................え?」

 

 

 

 

 

 

 





感想を見ていると、聖書陣営が壊滅するような心配をされている方がいましたが安心してください。

話の都合上、壊滅はしません................壊滅は...........。
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