朱乃編はあと1~2話で終わる予定です
恐らくそれと併せてプロローグも終わるかと....
・・・・・・・・・・・・・・・・・
誰も声を出せなかった・・・・・・
私はもちろんのこと、周りを囲んでいる術者達までもが・・・・・
斬り掛かった術者は得体の知れない相手なためか、後ろへ下がっている・・・・
そんな静寂の中、彼が動き出す............
「グラニ、二人を頼む」
『お任せください、マスター!』
そう言うと彼は馬から降り、光の円から出ていく
「貴様!いったい何者だ!!」
あまりにも予想外の出来事のためか、術者が動揺しながら問う
「........俺は........二人を守る者だ............」
その瞬間、彼から凄まじい威圧感が出る!
それはとても子供のものとは思えないほどだった・・・・
術者達にとっては目の前にいきなり巨人が現れたように感じただろう....
でも私達にとっては暖かく、とても頼もしかった・・
何故ならそれは「私達を守る」という想いから来ているものだったからだ
何故・・・どうして、そこまでして私達を守ろうとするの?
私達は間違い無く初対面のはずなのに・・・・
「くっ、子供と言えど邪魔立てするなら容赦はせん!殺れ!!」
術者達が武器を構えるが、手や足が震えているのが一目で分かった。
あれではあの場から一歩も動けないだろう・・・
「・・・・・どんな事情があろうとも、武器や殺意を向けてくるならば死ぬ覚悟ありと見る........」
そう言うと彼の拳が突然、黄金色に輝きだした
それは月明かりしかないこの夜の闇をまばゆく照らし出すほどに・・・・・
「聞くか!獅子の咆哮を!!」
目が眩むほどの光がまた拳に収束すると同時に彼の腕が消える
「ライトニング・プラズマ!!!」
ドカッ!!バキッ!!ズゴォォォォン!!!
瞬間、夜の闇に無数の光の点が現れ、それらは繋がり光の線となっていく
光が収まると術者達は全員倒れていた........
しかも前の術者達だけではない、私達を囲んでいた術者全員が倒されている
・・・一瞬、正しくその一言に尽きていた・・・・
彼は腕を横に振ると、こちらを向いた
「グラニ、もう良いぞ」
『はっ!』
赤い馬の返事と共に光の円が消えていく........
そして馬は彼の元へ赴く。
彼も馬の労を労うように頭を撫でる。
まるで一枚の絵画のようね............
「あの、彼らは殺したのでしょうか?」
私が彼に訪ねると・・・・
「・・・・人殺しなんて、子供に見せる物じゃあない・・・」
どうやら彼らは気絶しているだけのようだ。
朱乃を気遣ってくれたのだろう、確かにこの子に目の前での人の死は早すぎる........たとえ自分を殺そうとした者達でも........
でも、彼も子供なのに........この年でいったいどんな生き方をしてきたのか............
ジーーーーーーーーーーーーー
彼の生い立ちを考えて悲しい気持ちになっていると何故か彼が私達を凝視している、それこそ穴が空きそうなほどに・・・
「えっと・・・・・何かしら?」
「・・・無事で何より・・・・」
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っっっっっっ何!?今の可愛らしい笑顔!?
しかも私達の無事を心から喜んでくれるなんて!!
その瞬間、先ほどまで彼に抱いていたわずかな警戒心があっと言う間に消えてしまった
あぁ、この子はきっと誰よりも強く、誰よりも純粋で、誰よりも優しい子なんだろう
だからあんな危険な状況でも、見ず知らずの他人のためにその身を懸けて戦えるのだろう
この子の生い立ちは私では想像も出来ないけど、これだけは分かる........彼の心根は間違い無く『善』であると........
「はうぅ!」
声をした方を見てみると朱乃が私の脚にしがみつきながら、顔を真っ赤にしていた
あらあら、オチちゃったかしら。やっぱり親子ね♥️
そんなことを考えていると・・・・・・・
「朱璃!朱乃!」
空を見ると黒い翼を羽ばたかせ、私達の元に降りてきた
「「あなた/父様っ!!」」
「良かった・・無事でいてくれて本当に良かった・・・」
夫が力強く私と朱乃を抱き締めてくれた・・・あぁ、また三人揃うことが出来た・・・・
バトルシーンの描写、難しすぎる........