深紅の武人が住くD×D   作:あさやん&あさやん

46 / 212

財政が破綻した国と聞くとギリシャを思い出しますね~。




第四十話

 

 

 

 

「なっ、日本神話群から私たちに問いただしたいことって!?」

 

「おいおい、随分物騒じゃねえか」

 

「そのような話は聞いていませんよ」

 

「曹操殿、何故いきなりそのようなことを言われるのかな?」

 

 

俺の発言にトップ達も驚愕しているが無理もない。

 

 

 

今回の集まりはあくまで【コカビエルの事後処理】と【聖書陣営の和平について】だ。日本神話群から議題を提出されるなど寝耳に水だっただろう。

 

しかも前二つの議題は予め用意されており、話す内容と和平成立については聖書陣営で既に決められていたはず。ここからは本気の外交となる。

 

 

「すみません、情報が出揃ったのがつい先日のことでしたのでお知らせする時間がありませんでした。

ですがご安心ください、この議題は『聖書陣営』としての問題であり、皆さんが既に認識されているものですから。賈駆、例の物を」

 

俺が賈駆にそう言うと賈駆は『とあるリスト』とそれに関する資料をトップ達に渡す。

 

 

「なっ..........」

 

「これは、まさか............!」

 

「これって...........!」

 

「ちぃっ! やっぱりかよ........!」

 

 

「はい。ご覧の通り、そこに書かれている者たちはいずれもアナタ方聖書陣営の被害者です。

より詳しく言うなら、天使陣営は神器を狙われた者。教会・天使陣営は信仰のためと称し、異教徒として狙われた者。あるいは聖書の神の死を知るなど都合が悪いために追放された者。

悪魔陣営は転生悪魔に無理矢理された者や物珍しさに狙われた者、あとは転生悪魔になり不当な扱いを受けて『はぐれ悪魔』として扱われている者です」

 

「「「「!!!!!!」」」」

 

 

「もちろん全てではありませんが、それでも可能な限りリストにしました。

更には日本神話由来の宝物や生物を神器を使い、聖書陣営に取り込んだことについても記載されています。

これまでに聖書陣営が日本神話群へ行ってきた暴挙に対して資料に書かれている賠償を求めます」

 

「しかし、この金額は........」

 

「そうだぜ? これだけの金額、下手をすると国が傾くぞ?」

 

「申し訳ないが、これは全て長年アナタ方がやって来たことへの『ツケ』であり、その被害者である日本神話からの当然の要求だと思います」

 

 

これが今回俺たちがこの場に来た目的だ。

 

日本出身の『蒼天の紅旗』のメンバー、そして日本神話群が聖書陣営から受けた被害に対しての損害賠償を請求し、今まで貯まっていた『貸し』をまとめて清算する。

 

もちろん『蒼天の紅旗』としてではなく『日本神話群』としてだが、聖書陣営には『日本神話群関係者』と『蒼天の紅旗』の区別などつくはずも無い。

 

 

「........悪いが、すぐには返答は出来ない。再度我々で協議をし、後日改めて回答したい」

 

「いいえ、この場で支払いの意思を確認し同意書ならびに誓約書を書いてもらいます。

これは『日本神話群』から『聖書陣営』への正式な請求です。聖書陣営のトップが集まっているなら、この場で『聖書陣営としての回答』が出来るはずです」

 

「っ!!」

 

「ちっ、やってくれるぜ。そのための『和平成立』の事実確認かよ.........!」

 

 

そう、さっき確認したのはこのためである。あそこで和平が成立していなかったら、この請求は各陣営にそれぞれ行わなければならなかった。

そうなると今のように持ち越しをされて、時間稼ぎをされてしまうところだった。

 

しかし各陣営が和平を結び『聖書陣営』としてまとまったのなら、各陣営ごとではなく『聖書陣営』としてまとめて請求が出来る。

この場で和平が成立したんだ、ならば『聖書陣営』としての回答が出来ないなどという引き延ばしはできない。

 

「何も今すぐに賠償しろなどとは言っていません。聖書陣営としての支払いの意思の確認。

そして支払う意志があるなら書面でいただきたいと言っているだけです。

何せ金額が金額ですからね、支払いには年単位での分割払いという猶予を与えていますのでご安心を」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もっともこれは呼び水である。

 

日本神話群のこの要求に聖書陣営が応じた場合、他の神話群も同様の請求を行う予定だ。しかも一斉にではなく順番に波状的に。

 

この請求だが、普通に各神話群から行っていれば、間違いなくはぐらかせていただろう。

しかし、コカビエルの一件で迷惑を被った日本神話群から行えば話は別だ。

日本神話群に後ろめたさがある以上、聖書陣営はこの要求を無下には出来ない。

 

故に日本神話群が一番槍となって請求することが重要なのだ。

 

もしこれで日本神話群の要求に応じ、他の神話群の要求を拒否した場合は「何故、日本神話群には応じたのに我々は拒否するのか!」という話になる。

 

そのため一度支払いに応じたら、もう引き返すことは出来ない。

 

無理に拒否しようものなら、それこそ各神話群は本気で聖書陣営を攻め滅ぼすだろう。

 

何せ今まで貯めていた『ツケ』を正式に踏み倒すんだからな。。

 

そして各神話群の支払いに全て応じれば.........史上類を見ない莫大な金額の請求であっという間に赤字国家の誕生、聖書陣営の財政は破綻する。

 

古今東西、財政が破綻した国の末路がどうなるかなど、人類の歴史を見てみれば容易に想像がつくというものだ。

 

 

さて、そうなった場合の聖書陣営に対するプランを今の内から考えておくか。

 

俺が今後の聖書陣営との付き合い方を考えているとルシファーが真剣な表情で聞いてくる。

 

「一つ聞かせて欲しい。この要求を拒否した場合、日本神話群は我々に戦争を仕掛けるつもりなのかい?」

 

ふむ、想定した通りの質問が来たな。まあ、気になるのは当然か。しかしあの表情、どうやら神々の思惑までは気づいていないみたいだな。

 

ならば.........。

 

 

「さてどうでしょう? 先程も言いましたが、私は名代として日本神話群に頼まれたことをやっているだけですので。

別に強制はしません。その場合は『支払いの意思無し』と報告をするだけです」

 

「っ、そうか」

 

「なら、質問を変えてやる。俺たち聖書陣営が日本神話群と戦争することになった場合、お前達『蒼天の紅旗』はどうするつもりだ?」

 

アザゼルの質問も想定の範囲内だ、俺たちの答えは決まっている。

 

 

「我々『蒼天の紅旗』が自らの意思で戦争に参加することはありません。しかし我々は各神話間・勢力間のトラブルを解決する傭兵組織。依頼があれば、依頼主のために武力を行使することは厭わないですよ」

 

「それはつまり、日本神話群から依頼があれば聖書陣営とも戦う、ということ?」

 

「さあ? それはどちらがトラブルを起こしたかによりますね。我々はあくまで傭兵組織。依頼さえあれば悪党の手先になるような殺戮集団ではありませんので」

 

レヴィアタンよ、残念だけど『蒼天の紅旗』としての言質は取らせないよ。この要求をするにあたって、昨日は夜遅くまで何度も確認を行ったからね。

 

 

「では我々が依頼した場合は、我々に助力いただけるのですか?」

 

ミカエルのこれは少し想定外、あまりにも無意味な質問だろ。

 

「ご冗談を。『蒼天の紅旗』に依頼するには神々の許可が必要なんですよ? 他の神話群は分かりませんが、少なくとも日本神話群は絶対に許可しないでしょう」

 

まあ、他の神話群も絶対に許可しないだろうな。何せ日本神話群の後は自分たちが要求するんだから。

 

むしろ他の神話群から『蒼天の紅旗』に聖書陣営の抹殺の依頼が先に来るんじゃないかとヒヤヒヤしているよ。

 

 

「呂布奉先。お前はどうするんだ? 『蒼天の紅旗』として、神々の先兵として戦うのか?」

 

ちっ、アザゼルめ! 先程もそうだったが、どうしても呂布から「争いは好まない」「平和を望んでいる」という類いの言葉を引き出したいみたいだな。

 

確かに呂布が平和を望んでいれば、それだけで交渉のカードに『戦争』は使えない。無論、戦争を匂わせることも出来ない。

 

そうなると聖書陣営の逃げ得を許してしまう。それほどまでに『世界最強』の一言というのは重い。

 

さて、どうするか.........。

 

俺はどうにか呂布への問いかけを止めさせられないか考えていると先に呂布が口を開いた。

 

 

「俺は、俺の居場所を守るために、戦うだけだ。立場はどうでも良い。オーフィスも、そう思っている」

 

「「「!!!!!!」」」

 

「オーフィスって、まさか『無限の龍神』オーフィスのことか!?」

 

「そんな、ウソでしょ!?」

 

「まさか、かの『無限の龍神』を支配下に置いているのですか!?」

 

トップだけではなく、この場にいる全員が呂布の言葉に驚愕した。なにしろ【深紅の武人】の傍らに【無限の龍神】の存在が明らかになったのだから。

 

 

っ、ナイスだ、呂布!!

 

今の発言はあくまで『専守防衛』であり、いざ戦う場合は立場に関係なく躊躇わないことを意味している。これなら『戦闘狂』とも『平和主義』とも捉えられない。

 

しかもオーフィスの存在を匂わせることで、一番恐れていた聖書陣営の自爆覚悟の特攻も封じた。

 

グレート・レッドを除けばかつての『世界最強』と、そのグレート・レッドを倒した現『世界最強』が揃っているところへ特攻を仕掛けるなど、もはやただの自滅である。

 

呂布のおかげで、かなりやり易くなった!

 

 

「曹操殿、呂布殿の言っていることは本当なのかい? 君たちの『蒼天の紅旗』に、『無限の龍神』オーフィスがいるというのは?」

 

「ええ、呂布がグレート・レッドと戦うきっかけがオーフィスでしたからね。

そしてグレート・レッドを倒した後は『蒼天の紅旗』で一緒に暮らしているんですよ。無論、呂布だけではなく我々とも良好な関係を築いています」

 

「っ、グレート・レッドを倒した後はオーフィスが次元の狭間に帰ったんじゃねえのか!? じゃあ、今次元の狭間を管理しているのは誰なんだよ!」

 

「? ああ、もしかして呂布がグレート・レッドを殺したと思っているのですか? だとしたらそれは誤解ですよ。

呂布はグレート・レッドを倒した後、その傷を治しましたからね。なのでグレート・レッドは次元の狭間で今も元気にやってますよ」

 

「なっ..........!」

 

「ちなみにバトルマンガではありませんが、呂布とグレート・レッドは戦いの後で互いの力を認め合い、友人関係となっています。

呂布もよく次元の狭間でグレート・レッドと修行に行っているぐらいですからね」

 

「修行相手がグレートレッドって..........」

 

「嘘だと思うのなら声明を発表した神々に確認してくれても構いませんよ。俺も神々もその場に居合わせましたしね」

 

「「「「........................」」」」

 

 

聖書陣営のトップ達の心が折れるのを感じた。

 

それも当然だろう。呂布だけなら何とかなるかもしれないと思っていたみたいだが、それに加えてオーフィス。

更にはグレート・レッドまで呂布に付いているとあれば、武力はもはや全く意味を成さない。そして交渉の余地も無い。

 

 

 

 

 

 

『戦争』というカードを逆に封じられた今、聖書陣営のトップは連名での同意書および誓約書にサインする他無かったのだった。

 

 

 

 

 





聖書陣営への制裁はひとまずここまでです。
あ~すっきりwww

ですが悪魔陣営には、あと二波乱ほどあります................しかしそれはまだ先の話となります。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。