深紅の武人が住くD×D   作:あさやん&あさやん

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バトルシーンはやっぱり難しいです....................。




第四十四話

 

 

 

「ヒィッ!!」

「イ、イヤだ、助けてくれぇー!」

「ギィヤァァァァァァァァ!!」

「イヤ、イヤ、イヤァァァァァァァァ!!!」

 

 

それは圧倒的な光景だった、あまりの凄惨さに敵に同情すら覚える。

 

 

 

呂布が戟を回転させ、振るうたびに刃先から熱波が放たれる。熱波は触れた者を十人単位で『消し炭』にしていく。

さっきまで生きていたテロリストが一瞬でケロイド状になり。どう見ても即死。

 

痛みすら感じないどころか、本人は自分が死んだことにすら気づかずに命を絶たれたであろう。

 

静かなる死には慈悲すら感じるが、ソレを見たテロリストたちは阿鼻叫喚だった。

 

 

しかし、そんな地獄のような光景だというのに、俺の心は呂布奉先の動きに魅了されていた。

いや、俺だけじゃない。他の皆も呂布の戦いに見とれている

 

呂布の円を描く舞のような動きは、まるで日本舞踊を見ているようだ。

戟の円運動、腕の円運動、体さばきの円運動、足さばきの円運動。それらが無駄なく見事に調和し滞ることが無い。そんな一つとなったのがあの舞なのだ。

 

何よりも目を引くのは、動き自体は緩やかなのに攻撃の瞬間だけは、目にも写らないほどの速度で戟をふるっていることだ。

 

しかも呂布の攻撃には予備動作が無い。いや、正確には無駄を徹底的に省いた結果、『無いように』見えるんだ。

 

 

スポーツでもそうだが、基本となる予備動作をいかに最小限の動きでこなせるかというのは重要なファクターである。

その動きが小さければ小さいほど、パフォーマンスの効果が大きくなる。

 

『脱力』からの『緊張』、あるいは『緊張』からの脱力。『力0』の動きから『力100』の動きへ、『力100』の動きから『力0』の動きへ。

 

その切り替えをいかに素早く出来るかは基本であり、また極意でもある。

 

しかし、そのためには長い時間を掛けて一連の動作をひたすらに反復する必要がある。

近道は無い、ただひたすらな反復練習のみが技術から無駄を省く唯一の方法だ。

 

そしてその技術の結晶が呂布の『武』なのだ!

 

 

 

「......美しい」

 

ルシファーが一言呟く、皆もどうやら同じ気持ちのようだ。

 

だがあんなに美しい舞をしているのに、呂布が舞うたびに周りのテロリスト達が悲鳴を上げて消えていく。何というか、凄いギャップだな。

 

 

「はぁ~~~、強いとは分かっていたがこれほどとはなぁ.........」

 

「ええ、あの無駄の無い美しい動き。まるで一種の芸術品ですね」

 

「凄いね~~、あれだけいた敵がみるみる炭になっていってるよ!」

 

「確かに。しかし、あの熱波はいったい......人が瞬時に炭になるところを見ると、かなりの熱量があることは分かるが.......」

 

「だな。おい、曹操。呂布の斬撃の光る軌跡から放たれてるアレはいったい何なんだ?」

 

 

お偉いさん方が呂布の動きに見蕩れている中、アザゼルが俺に尋ねてくる。他の皆の視線も同時に集まる。

 

やれやれ、俺は解説役ではないんだがな。

 

 

「フゥ、あれは呂布の方天画戟を構成している三つの武器の1つ、『神滅剣 レーヴァテイン』が持つ炎を極限にまで圧縮させたために生まれた副産物ですよ」

 

「なっ、『神滅剣 レーヴァテイン』だと!? あの神の炎を宿し、神すら切り裂くと言われている北欧の神剣か!?」

 

「まさか、現存する数少ない『神殺し』の力を持つ武器を【深紅の武人】が!?」

 

アザゼルとミカエルが驚いている。驚いてるところ悪いんだが、呂布はあれでもかなり力を抑えて戦っているんだぞ?

 

あの程度の連中、わざわざ戟を使わずとも【覇王色の覇気】を使えば戦うまでもなく全員ショック死させることも可能だ。

だがそれをやると俺たちはともかくグレモリーやシトリーの眷属たちまで危険となる。

 

いくら本人たちに直接向けていなくても、今の呂布の【覇王色の覇気】は、余波だけでも一般人を死に追いやるくらいなら余裕だ。一般人とほぼ変わらない下級悪魔も然り。

 

だからこそ呂布は【覇王色の覇気】は使わず、あえて手間の掛かる方法で戦っているのだ。

 

そうして呂布にそんな戦いをさせていることに気付かず、呑気に観戦している連中に俺が苛立ちを感じているとバカ二人が更に俺を苛つかせる。

 

 

「でもよぉ、いくら敵だからって同じ人間相手にあそこまでやるかよ」

 

「だよなぁ、あそこまで容赦ないと正直怖ぇよな」

 

 

........落ち着け、バカの言っていることに対してまともに怒ることほどバカなことは無い。

 

俺が何とか自分を落ち着かせていると、賈駆が呆れた顔をして口を開く。

 

 

「ハアァァ、これだから一般人上がりの転生悪魔は。リアス・グレモリー、ソーナ・シトリー、『裏世界のルール』ぐらい自分たちの眷属にキチンと教えておきなさい」

 

「「................」」

 

「な、部長は関係無いだろ! 俺達をバカにしてんのか!」

「そうだ! それに何だよ、『裏世界のルール』って!?」

 

グレモリーとシトリーが何とも言えない顔をしているのに対してバカ二人は賈駆に噛みつく。

 

良かった、賈駆が説明してくれるみたいだ。俺が説明したら思わず殺してしまうからな。

 

 

「『バカにしている』じゃなくてアンタ達は『バカそのもの』よ。ここはもう『裏の世界』よ。

その『裏の世界』に『表』の......一般人の倫理観を持ち込んでんじゃないわよ。

自分の命を狙ってくる相手に容赦してどうすんのよ。それで自分や周りを危険に晒したら元も子も無いじゃない」

 

「っ、それは.......」

「っ...............」

 

「よく覚えておきなさい。アンタ達はもう『一般人』じゃないの。『この光景』がアンタ達が足を踏み入れた世界の実情。

力の無い者は何をされても文句が言えず、簡単に命を落とす。自分や大切な者を守るためには容赦なく『敵』を殺す。それが『裏世界のルール』よ」

 

「「.....................」」

 

賈駆の言葉にバカ二人、そしてシトリーの眷属も自分たちの実情が分かったみたいだ。

 

グレモリー眷属の様子に変わりが無いのは、コカビエルの一件で『裏の世界』のやり方を味わったからだろう。

運が良かったな、『手遅れになる前』に教えてもらえて。

 

賈駆とバカ二人のやり取りで空気が重くなったが、そんなことは気にせず今度はルシファーが俺に尋ねてくる。

 

 

「曹操殿。あの『方天画戟』という武器は三つの武器から構成されている、と言っていたが他の二つは何なんだい?」

 

「残りの二つは『魔帝剣 グラム』と『聖魔槍 ブリューナク』ですよ、ルシファー殿」

 

「あらゆる龍を殺すと言われる最強の『龍殺し』に、この世に貫けぬ物無しと言われる『聖魔槍』か。つくづく規格外だな」

 

「ほへぇ~~、つまり呂布くんは『神殺し』『龍殺し』『聖魔殺し』の力を持ってるってことかぁ~~」

 

 

このセラフォルーの能天気なまでの余裕はいったいどこから来るんだろうか?

 

そんなことを考えていると赤龍帝が口を挟んでくる。

 

 

「あの~、その『聖魔槍』って木場の『聖魔剣』とどう違うんでしょうか?」

 

「基本的には同じだ、だが宿している力の桁が違う。何せ『魔槍 ブリューナク』は元々はケルトの闇の神『バロール』が作った物なんだが、その強大な力のため『バロール』自身が封印したんだ。

その後、光の神『ルー』の手に渡ったことによって、本来ならあり得ない『聖』と『魔』の神の力を宿すこととなった。

相反する神の力が宿っているため、この世に貫けない物は無いとされている」

 

「ふえ~~、おっかねえ~~」

 

「じゃあ、あの赤い光?みたいなものは何なんすか?」

 

赤龍帝の質問にアザゼルが答えると今度はシトリー眷属の男子が質問をしてくる。

 

何だ、この二人は? さっきも一緒に俺のことを睨んでいたし、『ドラゴン系の神器を宿している』ということで気が合うのか?

 

 

「さっきも言ったがあれはレーヴァテインの持つ炎の熱を極限まで圧縮.......具体的に言えば刃筋の一筋に集束させ、半放射線状に飛ばしたものだ。

光って見えるのは、熱というものは一定以上の温度になると光を帯びるようになるからだ。太陽と同じだな。つまりあの熱波は、『太陽のフレア』みたいなものだということさ」

 

「太陽の、フレア.........」

 

「なるほど、それで触れた者が一瞬で炭になっていってるんですね」

 

もっとも周囲への影響も考えて威力の範囲は抑えてあるし、地面へ振り下ろすこともしていない。

あれほどの熱量を持った刃先を直接地面に触れさせたりしたら、触れた箇所を中心に跡形もなく周囲が消し飛ぶからな。

 

 

「ヤツに近づくな!距離を取って魔法を放て!!」

 

 

テロリストの1人が全員に距離を取って戦うよう指示を出す。

 

まあ、当然だな。魔法使いが戦士系と戦うなら敵の間合いの外から魔法で攻撃するのが常識だ。

 

 

もっとも、呂布にそんな常識は通用しないけどな。

 

 

元々距離は取っていたが呂布の熱波を避けるように、テロリスト達は更に距離を取り、呂布を包囲すると一斉に魔法が呂布目掛けて放たれた!

 

 

バシュン! バリバリ! ドガァァァァ!ザシャァァァン!

 

炎、雷、風、氷。様々な魔法が呂布を襲う、それこそ逃げ場の無いほどに。

 

 

ガキィン! バキィン!ガキィン! キィン!

 

 

「なっ!?」「これは!?」「ぐあぁぁぁぁ!」

 

ボォォォォン! ドカァァン!ビシャァァァン!!

 

 

しかし呂布は動きを止めることなく、自分に向かってきた魔法をすべて方天画戟でそのまま跳ね返してしまった。それも放った相手に直接。

 

 

「いぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」

「っ、うそ........」

「え、何? 今の!」

「な、今のは.......!?

「おいおい、とんでもねえな......!」

 

 

皆、今の超絶的な技巧に驚愕している。無理もない。あんな全方位からの弾幕を一つ残らず、放った相手に直接打ち返してしまったのだから。

 

恐らく今のは【武装色の覇気】を方天画戟に纏わせて、打ち返したんだろうな。

【武装色の覇気】は炎や雷など実体の無いエネルギー状の物質を捉えることが出来る。

 

俺も【武装色の覇気】は使えるし、今の攻撃も弾き飛ばすことは出来るが、相手に的確に打ち返すのはさすがに無理だ。

 

 

しかし、今のを見ると呂布が初めてヴァーリと戦った時のことを思い出すな。

ヴァーリも苦虫を潰したような顔をしている、どうやら同じことを思い出したようだ。

 

そんなヴァーリの顔に気づいたアザゼルがヴァーリに問いかけてくる。

 

 

「ん? ヴァーリ、どうした? そんな渋い顔をして」

 

「別に、何でもない。気にしないでくれ」

 

「いや、そんな顔して『何でもない』は無えだろ」

 

「.......気にするな」

 

「.....ヴァーリ、何を隠してる。言え」

 

 

さすがは探求心の塊であるアザゼル、気になったらとことん追及してくる。

しかし、よくヴァーリのあの表情だけで気づいたな。案外面倒見がいいのか?

 

アザゼルの確信めいた視線にさすがのヴァーリも口を割った。

 

 

 

「.........ハア、別に。ただ昔、呂布と戦った時に同じことをやられたのを思い出しただけだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「ええええええええ!!!」」」」

 

 

 

「な、お、おお、お前、呂布と戦ったことがあるのか!?」

 

「随分昔のことだ。もっとも、手も足も出せずに敗れたがな」

 

「......ちなみにそれっていつのことだ?」

 

「五年ほど前だ」

 

「................」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「バッキャロオォォォォォォ!! 何でそんな超重要なことを俺に話さなかった!?

五年ほど前って言ったら、呂布がグレート・レッドを倒すずっと前の話じゃねえか!!

その時に呂布に接触出来ていれば、今と全然状況が変わってただろうが!!!」

 

「自分がボロ負けした時の話なんか、恥ずかしくて出来るか」

 

「じゃかぁしいわ!!! あ、そう言えばお前がちょくちょく出掛けるようになったのって、ちょうど五年前からだよな!?

ってことはそのころから呂布と接触してたってことじゃねえか!! 何で黙ってた!?」

 

「せっかくの修行相手をアザゼルの研究材料なんかにされてたまるか」

 

「こ、こ、こ、こ、こいつは~~~!! おい、曹操!! どうせお前も一枚噛んでんだろ!! 白状しろ!!」

 

ほう、伊達に堕天使の総督は名乗っていないな。まあ、今となっては手遅れだしな、別に話しても良いか。

 

 

「ええ、ヴァーリは呂布に敗れてからは『蒼天の紅旗』で呂布や他のメンバー達と修行しに来てますよ。

ちなみに俺たちのことをヴァーリから聞こうとしても無駄です。もし俺たちのことを話したら、二度と『蒼天の紅旗』の敷居は跨がせませんし、呂布とも二度と戦わせないと言ってありますから」

 

「やっぱりか!! くっそ、どいつもこいつも!!」

 

「そういうことだ、アザゼル。悪いが諦めてくれ、もしこれ以上しつこく聞いてくるようなら........俺は『蒼天の紅旗』の下へ降る」

 

「なっ..........!」

 

「ほう、それは良い。歴代最強の白龍皇だ、『蒼天の紅旗』一同諸手を挙げて歓迎しよう」

 

「おいぃぃぃぃぃ、何勧誘してやがんだ!! ふざけんな!!!」

 

「それは残念........ちなみにヴァーリ。俺たちのところへ来れば『戦い』には不自由しないぞ。

何せ修行相手は『蒼天の紅旗』のメンバーに加えて、各神話群の武闘派の神々だからな」

 

「だ、か、ら! 勧誘すんなって言ってんだろーが!! ヴァーリ、行くなよ! 絶対に行くなよ!!」

 

「フリか?」

 

「違えよ、アホンダラ!」

 

「.........曹操」

 

「何だ?」

 

「これからよろしく」

 

「ああ、こちらこそ」

 

 

「オマエらぁぁぁぁ、いい加減にしろぉぉぁぉぉ!!!」

 

 

俺たちの悪ふざけにヒートアップしたアザゼルをルシファーたちトップ連中が何とか宥めて事態は収集した。

 

 

「フー、フー、フー! つまりヴァーリはこれからも『蒼天の紅旗』の所へ通うが、連中に関する情報は一切俺たちには教えるつもりは無いんだな?」

 

「ああ、それが条件だからな」

 

「はあ~~、わーったよ。勝手にしろ.......ったく、いったい誰に似たのやら」

 

いや、この頑固さと自分の興味のためなら手段を選ばず、周りのことを厭わないところは間違いなくアザゼルの影響だろ。

トップ連中を見ると『お前が言うな』と言わんばかりの顔をしているからな。

 

 

一方、呂布の方を見てみるともう殲滅間近だった。

 

 

キィィィィィィィィィィィィン!!

 

ジャン!ジャン!ジャン!ジャン!ジャン!ジャン!ジャン!ジャン!ジャン!ジャァァァン!!

 

 

 呂布が方天画戟をテロリスト目掛けて振り回すと方天画戟の刃が光り、一瞬だけ巨大な閃光が走りテロリスト達を消滅させていった

 

スゴイ、まるで斬撃そのものが巨大化したみたいだ!

 

その巨大化させた斬撃を何度も振るうことにより、ついにテロリスト達は全滅した。

 

やれやれ、アザゼルが騒ぐから呂布の活躍を見れなかったじゃないか。

 

呂布は敵が全滅したのを確認すると俺たちのところへ戻ってくる。グラニも結界を解除し呂布を出迎えた。

 

 

 

「終わったぞ」

 

「おかえり」

「お疲れ様です、呂布さん♪」

「ああ、相変わらず惚れ惚れするような戦いだったぞ!」

 

 

賈駆、イリナ、ゼノヴィアが呂布に労いの言葉を掛ける。

 

「呂布、ご苦労様」

「.コクン」

 

 

さあて、雑魚どもは片付けた。あとは敵の首魁だが........。

 

 

 

バァァァァァァァ!

 

 

 

俺が今回の襲撃の黒幕について考えていると俺たちの頭上に突如、魔方陣が現れる!

 

 





『ブリューナク』を作ったのは『バロール』というのは作者のアレンジです。

というのも『ブリューナク』って誰が作ったのか謎なんですよね。

島に封印されていたと言われていますが、誰が封印したのかも明らかになってませんし....................


また、『レーヴァテイン』の炎を圧縮するくだりは【BLEACH】の山本元柳斎の『残火の太刀』を参考にしています。

ちなみに呂布の最後の攻撃は、分かりやすくイメージすると【ガンダムOO】のトランザムライザーを【真・三國無双】シリーズの『無双乱舞』で放ったような感じです。

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