主人公は鈍いですが、バカではありません。
ただ、変化球ではなくど真ん中の打ち頃のストレートしか打てないだけですwww
朱乃が俺と二人で話がしたいというので、皆から少し離れた場所に来た。
う〜〜〜ん、話って何だろう? やっぱりこの間無視しちゃったことかな?
いや、でもだからこそこうやって時間を取ったワケだし。でも、こうして向き合っているのに全く話す気配が無いのは、どういうこと?
そろそろこの沈黙に耐えられなくなってきたところで、ようやく朱乃が口を開いてくれた。
「あの、私のことを.......覚えていらっしゃいますか?」
? そりゃあ、この間のことだしねぇ。昔のことは子供だったし、たぶん覚えていないでしょう。
そういえば、あの時は危なかったなぁ。コカビエルの処刑方法を考えてたらタイミングがギリギリになってしまった。
ゴメンね、でもちゃんと地獄を見せてきたから♪ 今頃は夢の中でハードでゲイなオッサンたちと『肉と汗の花園』でラグビーさながらの特殊な形のスクラムをしてると思うよ?
俺は一仕事やり遂げたようにニッコリと笑い一言。
「無事で何より」ニコリ
「奉先様!!!」
そう答えると朱乃がいきなり抱きついてきた!!
ええええええええええええええ!! ちょっとちょっとちょっとちょっとちょっとちょっと!!!
どうしようどうしようどうしようどうしよう!? 落ち着け~~落ち着くんだ、俺ぇ。
そう、こういう時は素数を数えて落ち着くんだ。素数は1と自分の数でしか割れない孤独な数字、俺に勇気を与えてくれる!
まずは1.......あれ、そもそも1って素数だっけ?
ま、まあ、いいや。とりあえず泣いているみたいだから、あやすか。
ひとまず頭を撫でて.......いや確か頭を撫でられて喜ぶっていうのはフィクションで、実際は頭というか髪に触られるのを女性は嫌がるってテレビで見たような気がする。
かと言って背中を撫でると変態みたいだし、とりあえず背中をポンポンと軽く叩いてみよう。
赤ん坊とかそれで落ち着くの見たことあるし! 大人に効果あるのかは分からないけど。
俺は朱乃の背中を軽くポン、ポンと一定のリズムで叩く。
「奉先様、奉先様、奉先様ぁ!!」
朱乃は更にキツく抱き締めて来る! ダ、ダメだ、逆効果だったか!
でも朱乃の大きなモノが体に密着して気持ちいい! でもダメだ、抑えないと!!
ここで俺まで大きくしてしまったら、間違いなくバレる! そうなればいくら恩人と言えど絶対零度の視線は免れない!!
何とか背中を叩き続けて落ち着こう!!!
...........あれ、朱乃を落ち着かせるはずだったのに、逆にこっちが落ち着いていく。
確かルーティーンって言ったかな? 決まった動作を一定の間隔で行って平常心を保つ技術。
っ、使えるかも! 今度自分だけのルーティーンってのを考えてみよう。
朱乃の背中を軽く叩き続けることにより、平常心を取り戻した俺はこのあとどうするかを考える。
う~ん、このままだと間が持たないし、何か話を振ってみるか。そういえば朱乃は何で悪魔になったんだろう?
「悪魔に、なっていたんだな」
「.........はい」
やっぱりバタフライ・エフェクト的な感じで、母親に何かあったんだろうか? それとも父親に何かあった?
「両親は、元気か?」
「.........はい」
両親は元気。じゃあ朱乃自身に何かあったとか?
「何か、困ったことは無いか」
「.........はい」
朱乃自身に特に何かあったわけでは無い。じゃあ何で悪魔になったんだ?
まぁ、いいか。重要なのは今の生活だよな。
「今、幸せか」
「はい!」
どうすりゃ良いのよ! 何聞いても「はい」としか答えてくれないんですけど!?
これじゃあ話が広がらないでしょうが! 会話のキャッチボールしようよ! キャッチしたボールをそのままパクっちゃダメでしょ!
だいたい話がしたいって言ったのは朱乃の方じゃん! ならそっちから話題を振ってよ! こっちはコミュ障なんだから!!
もういいや。後は曹操が呼ぶまで朱乃の背中をポンポンしながら、自分だけのルーティーンを考えて時間を潰そう。
あの後しばらく経ってから曹操が俺たちを呼び、今度こそ本当に帰ることにした。
「では聖書陣営の皆さん、我々はこれで失礼します。行こう、皆」
「あの、奉先様!」
曹操が聖書陣営の皆に背を向けると俺たちも踵を返す。しかしまたもや朱乃が俺を呼び止めた。
あれ、デジャ・ビュ? 今度は何なのさ。
俺が振り返ると朱乃がうつむき、手をモジモジさせながら聞いてくる。
「あの......また、お会い出来ますか?///////」
う~ん、どうだろう? まあ、そのうち会えると思うよ? この後は夏休みにリアスが帰省して、なんかの集まりがあるんでしょ?
その時に確か色んな神様が呼ばれるから、『蒼天の紅旗』もたぶん呼ばれると思うし。
あとはオーディンの爺ちゃんが日本神群と会談するって時にロキが襲撃して来るだろうから........いや、でもそれはどうだろう?
ロキは昔、ボコボコにしたからなぁ。もしかしたら来ないかもしれない。まあそれでも、何だかんだで会う機会はあるんじゃない?
俺は朱乃の額に人差し指と中指をトンッと当てる。
「また今度な、朱乃」
「っ~~~~~! はい♪」
俺がそう言うと朱乃は目を潤ませながら、眩しいほどの笑顔で答えた。
「呂布、そろそろ行こう」
「コクン」
俺は曹操に呼ばれ、皆と合流し駒王学園を後にするのであった。
俺たちは『蒼天の紅旗』へ帰る前に日本神群への報告をしに行くワケなんだが、その道中で曹操がイタズラでも成功したような笑みを向けてきた。
「意外だったよ、呂布にもああいう一面があったんだな」
「? 何がだ?」
「いやなに。呂布にもちゃんとそういう感情があるんだな、と思っただけさ」
「呂布さん、もしかしてあの人のことを!? 確かに美人だったし、おっぱい大きかったし.......どうしようゼノヴィア、賈駆さん! アーシアさんに何て言えば!?」
「知らないわよ、そんなこと。ボクに聞かないでよね」
「まあ、そこはちゃんと報告するべきなんじゃないか? リーダーも『報告、連絡、相談』は欠かさないようにと常日頃から言っているしな」
「それもそっか。賈駆さん、おっぱい小さいもんね。でも、ゼノヴィアの言う通りかも! ここはアーシアさんのキューピッドとしてしっかり報告してサポートしないとね!!」
「ぶっ飛ばされたいの、アンタ!!」
「まあ、確かに私達に比べれば........」
「ゼノヴィア!!」
賈駆、イリナ、ゼノヴィアが何かよく分からないことで騒いでいる。うんうん、イリナとゼノヴィアも何だかんだで馴染めているようで何より何より♪
まぁそれはそれとして、俺もちょっと『あること』が気になってるんだよね~~。
「曹操」
「ん? 何だ、呂布」
「帰ったら、ゲオルクを交えて、相談したいことがある」
「えええええええええ!! 呂布さん、やっぱりあの人のことが!?」
「へえ、意外ね」
「なるほど、呂布はああいう女性が好みなのか」
さっきまで騒いでいた姦し娘が話に入ってくる。ゴメンね、真面目な話をしてるからまた後でね。
「あ〜〜すまない、呂布。俺もゲオルクもそういった話には疎くてね。悪いが『蒼天の紅旗』の皆、特に女性陣にでも相談してみたら良いんじゃないか?」
「そうですよ、呂布さん! ここは是非、恋のキューピッドである私に相談してください!!」
「いや、それだとアンタが応援する立場になるでしょう」
「そうだぞ、イリナ。アーシアのことはどうするんだ?」
「ハッ、そうだった! うーん、どうしよう~~」
何でウチの女性陣に相談するの? イリナは何かウンウン唸っているし。
「何の話を、しているんだ?」
「ん? 呂布の色恋についての話じゃないのか?」
「何故、色恋の話に、なっている」
「違うのか?」
「全然、違う」
「え、違うの? 良かったぁ~、アーシアさんと呂布さんの板挟みになるところだったよ~~」
「何だ、違うのか。ちょっと興味あったんだがな」
「ま、そんなところよね。あの呂布から、そんなこと言い出すなんて思えないし。でもゼノヴィア、アンタまさか!?」
「ん? まぁそうだな、魅力は感じているぞ? 無論、『男』としてな。性格もそうだが、やはりあれだけの強さだからな。強い雄を求めるのは雌の本能だ」
「えええええええ! ゼノヴィアも!! どうしよう、呂布さんじゃなくてゼノヴィアとの板挟みに~~」
「別に良いんじゃないか? アーシアの邪魔をするつもりは無いし、私は最終的に呂布との子どもを授かることが出来れば文句は無いからな」
「そういう問題じゃないのよ!! う~~、どうしよう」
「子どもって、アンタいい性格してるわね........」
姦し娘がまた何か話し出した。本当に仲が良いんだなぁ~、オジサン思わずホッコリだよ。
「それで呂布。色恋じゃないなら、いったい何の話なんだ?」
おっと、そうだった。今回ばかりは杞憂であって欲しいけど『もしかしたら』があるからねぇ~~。
出来る限りの対策はしておかないとマズイことになる。
なにせ世界が滅びるかもしれないからな。
ようやく【雷光の巫女再会編】が終わりました。
いや~やっぱり過去一で長かったですね。
前にお伝えした通り、仕事の都合によりここからは更新頻度を少し下げます。
ひとまず週二回(月、金)にしようと思います。時間はいつも通りで。
読んでいただいている皆様には申し訳ありませんが、何卒ご理解願います。
最終話までの話の構成は出来ていますから、エタることはありませんので、その点はご安心ください。
次回の更新は金曜日となります。それでは....................