マズイ、書いている内に今章は思ったよりも長くなりそうな気がする。
まぁ、前章ほどではないとは思うけど・・・・・
「あれが・・・・・・【深紅の武人】」
「あの者が呂布奉先か、中々の美形だな................」
「............................素敵///////」
このホールにいる誰もが『彼』に目を奪われていた................................普段から美男美女を見慣れている貴族たちも皆、『彼』に夢中だ................特に女性陣は。
鮮やかな深紅の髪、線は細いがよく鍛えられた褐色の体つき、中性的だが男性らしさを感じられる整った顔、隙の無い佇まい............................そして何より、魔王である私はおろか神々すらも圧倒するほどの『存在感』。
【深紅の武人】呂布奉先........................直接会うのは二度目だが、遠くから見てようやく分かる................かの者の強大さが........................!
地上にいては海や大地の広さがよく分からないように、あまりにも巨大な存在は近くからはその大きさを把握することが出来ない。海や大地の広さを把握するには地上を離れ、宇宙から地球を見なくてはならない。
会談では目の前で彼に会っていたうえ、力を抑える外套も身に付けていた....................だからこそ気付かなかったのだ....................彼の強大な存在感に........................。
今日の彼は力を抑える外套を身に付けてはいない、恐らくパーティーに出席するからだろう。ワインレッドのシャツを紺色スーツで包み、首には深緑のネクタイを締めている。『力』を感じられないのは会談の時のように彼が意識的に抑えてくれているのだろう。
しかし、その『存在感』までは抑えることは出来ない。現に先日会ったばかりの私やアザゼル、リアスにソーナや、その眷属の子たちも圧倒されている。ましてやサイラオーグにいたってはこれが初対面なのだからな....................。
彼................『蒼天の紅旗』が今日のパーティーに出席することは神々から聞いていた。そもそも今回のパーティーやその後の会合は各神話群の主神を初めとした各勢力のトップに、現悪魔政権の立場をハッキリと伝えるためだ。リゼヴィムが率いる『禍の団』が純血の悪魔を量産し、各勢力にテロ行為を行えば悪魔社会は間違いなく滅びる....................だからこそ、このパーティーや後の会合で各勢力のトップに『禍の団』のことを知らせ、『テロ行為を行った悪魔は現悪魔政権とは無関係である』と表明する必要があるのだ........................。
そしてその勢力には『蒼天の紅旗』も含まれている。呂布、オーフィス、グレート・レッド................世界最強のトップ3がいる『蒼天の紅旗』はある意味最も警戒しなければならない勢力だ。彼らはこちらから仕掛けない限り、自ら攻めることはしない....................しかし、彼らはあくまで傭兵組織。各勢力が我々悪魔、いや聖書陣営の殲滅を『蒼天の紅旗』に依頼をすれば話は別だ....................確実に我々は滅びる....................。
故に『蒼天の紅旗』とは決して敵対してはならない........................だが逆に言えば、彼らとの友好的な関係を築くことが出来れば................各勢力との間を取り持ってくれるかもしれない。それほどまでに『蒼天の紅旗』が持つ各勢力との繋がり........コネクションは深く、強い。
彼らが目の前まで来ると漢服を着た曹操殿が不敵な笑みを浮かべ挨拶をしてくる。
「こんばんわ、ゼウス様、ポセイドン様、オーディン様、帝釈天様、天照様、ダグザ様、総督殿。そして................ルシファー殿。遅くなって申し訳ありません」
神々は『様』で私やアザゼルは『殿』か....................彼の我々に対する評価が伺えるな....................無理もない、我々聖書陣営は人間に対してそれだけのことをやって来たのだからな。しかし、その評価はこれから変えていけばいい。そのために先日の四大魔王の会議で【『蒼天の紅旗』を迎えるときは最上級の待遇にする】と決めたのだからな........................。
「いや、気にしないで構わないよ曹操殿。まだパーティーは始まっていないのだからね。遠路遥々、よくぞ冥界まで来られた。歓迎するよ」
「恐れ入ります、ルシファー殿」
「おうおう、大した登場だな。見ろよ、周りの連中はお前たちにご執心だぜ?」
「............ご冗談を。皆が注目しているのは呂布ですよ、総督殿」
「久しぶりだな、曹操!ちゃんと修行はしているか?デスクワークばかりで腕を鈍らせちゃいねえだろうな?今度、須弥山に来いよ。腕を見てやる!」
「ええ、その時はお世話になります。帝釈天様」
「ホッホッホッ、曹操については心配いらんぞ、帝釈天。ついこの間、ヴァルハラに来てトールにしこたま鍛えられたばかりじゃからな」
「はい、ですがトール様には『またお願いします』とお伝えください、オーディン様」
「ガーハッハッハッ!少し見ない内に随分成長したな、曹操!!ギリシャに来た時はワシらも修行をつけてやるとするか!なあ、ポセイドン!!」
「そうだな、そろそろ儂らが直々に鍛えても良いかもな」
「ありがとうございます。主神自ら鍛えていただけるとは光栄です、ゼウス様、ポセイドン様」
主神たちと和やかに談笑する曹操殿を見て私もアザゼルも驚いた....................まさか、主神たちにここまで気に入られているとは................どうやら呂布殿だけではなく、この曹操殿も侮れない人物のようだ。
「やれやれ、年寄り共がみっともなくはしゃぎおって。少しは落ちつかんか....................のう、呂布」
「................................」
「お久しぶりですね、呂布。貴方のそんな姿は初めて見ますが....................なかなかどうして、似合っていますよ」
「うむ、呂布は元々素材が良いからのう。妾としては和服の方が好みなんじゃが、その服も悪くないのう」
「........................ありがとう」
天照様とダグザ様が呂布殿に近づき、楽しげに話をしている................あの二柱の神のあんな表情は初めて見る。やはり神々も呂布殿を気に入っているのか........................。
「そういえば、次は妾の番じゃったな。日本にはいつごろ来るんじゃ?迦具土や建御雷も首を長くして、お主のことを待っておるぞ」
「ちょっと待て、天照!お前この間、呂布に仕事を頼んだだろう!だったら次は須弥山の番だろうが!!」
「何を言っておるか、帝釈天!アレは例外じゃろうが!それに妾が依頼したのはあくまで『蒼天の紅旗』、呂布が出てきたのは不可抗力じゃ!ノーカウントじゃ、ノーカウント!!」
「いや、儂らが決めた協定では『呂布に依頼する権利』と記されておる。形はどうであれ呂布が依頼を受けたのなら、その権利は次へと移るはずじゃぞ?」
「な、オーディン!お主まで何を言っておるんじゃ!?そんなことは最初の話し合いでは誰も言っておらんじゃろうが!それに協定にも『呂布自らが依頼を受けた場合』については書かれておらん!書かれていないのなら、あれは例外じゃろう!!」
「確かにワシらが当初決めた協定には、そこまで書かれてはおらん。しかし、そもそもワシらが呂布の出撃を認めたのは天照が『権利』を使ったと思ったからじゃ。なら、順番が移るのは当然と言えよう」
「そんなことは聞いておらんし、呂布がいなかったら駒王町が消滅しておっただろうが!!少しは考えて物を言わんか、ゼウス!!」
「それは我々には関係の無いことですよ、天照」
「ダグザまで....................!いいじゃろう、協定に『緊急時でも、呂布が依頼を受けた場合は権利が移る』と追記しておこう................しかし、それは『次』からの話じゃ!今回は最初の一回じゃから認めてもらうぞ!!構わんじゃろ、呂布?」
「........................................」
「・・・・・・・・・・・」
「........................................」
「・・・・・・・・・・・」
「........................................」
「・・・・・・・・・・・」
「........................................」
「....................................日本にいる間は大宜都比売に料理を作らせる」
「っ!!....................今回は仕方ない............順番通り、次は日本だ」
「よし!!これで話は決まった!!」
「「「「お前、ふざけんな!!!」」」」
その後、神々の呂布殿の取り合いはしばらく続くが、神の威圧感が迸っているため誰も止めに入ることが出来ないのであった・・・・・・・・
個人的にはサイラオーグは気に入っているので、何らかの形で絡ませたいとは思っているのですが、どうしたら良いのか絶賛考え中です........................。
大宜都比売(オオゲツヒメ)。
別名:大宜都比売神(オオゲツヒメノカミ)。
イザナギ・イザナミを親に持ち、高天原を追放された須佐之男命に料理を振る舞ったという逸話を持つ神。