6/16にハーメルンさんがサーバー落ちした時は、肝が冷えました・・・・・マジで。
ニコニコ動画さんの時といい、こんなことをする奴の気がしれません。
あの後、予定よりも遅れる形とはなったが無事パーティーは開催された。
会場では酒や料理を片手に談笑している者や優雅な音楽に合わせてダンスを楽しんでいる者がいる。
しかし、呂布奉先が放った『力』の波動の影響で体調を崩し欠席する悪魔が出たことにより、パーティーの参加人数は予定よりも少なくなっていた。
かく言う、私もまだ頭がクラクラする。
「部長、大丈夫ですか?」
「ええ......大丈夫よ、イッセー。少し気分が優れないけれど、問題ないわ」
私の顔色を見て、イッセーが心配そうに声を掛けてくる。
そう、私はグレモリー家の次期当主。こんなことでパーティーを欠席なんか出来ないわ!
「しかし、あれが【深紅の武人】か。噂以上の存在だったな。神々の警告が無ければ師事したいくらいだ」
「っ、ちょっとサイラオーグ、それ本気で言っているの!? あんな恐ろしい力を発する相手に弟子入りするなんて!」
「無論だ。あれほどの強者に指導していただければ、俺は間違いなく今以上に強くなることが出来る!
それに俺には分かる。確かに恐ろしいほどの力を持っているが、あの力は絶え間無い鍛練によって培われたものだ。
『努力』によって、あれほどの領域に至った御方が邪悪な存在であるはずがない!!」
従兄弟であるサイラオーグは、目を爛々と輝かせて呂布奉先を見ている。サイラオーグは悪魔の中では珍しく、魔力の才能が全く無いと聞いている。
しかし、その代わりに肉体を鍛えることで、通常の悪魔よりも桁違いの強さを得たのだ。
けれど、生まれもっての『才能』と『血筋』を重要視する貴族悪魔の社会からはなかなか認められないそうだ。
だからこそ、呂布奉先の強さに魅せられたのだろう。
どれほど凄い才能を持っていようが、その程度では神やグレート・レッドを超えることなど決して出来はしない。
更にその上に途轍も無い『努力』を積み重ねたからこそ、彼は『世界最強』へと至ったのだ。まったく、朱乃もとんでもない人を好きになったものね。
そしてその本人はと言うと
「ポ~///////////」
「朱乃?」
「ハア///////」
「朱乃ったら!」
「奉先様/////////」
「朱乃!!」
「っ、何、リアス? そんな大きな声を出して」
「ハア、『何』じゃないわよ。さっきから呼んでたじゃない」
「あら、そうなの? ごめんなさい、ちょっとボ~っとしてたわ」
まったく、これは重症ね。まぁ『情愛』が深いのが『グレモリー』の特徴だから、ある意味『グレモリー眷属らしい』と言えなくもないのだけれど。
そんな呂布奉先に首ったけな朱乃に、イッセーがおずおずと話しかける。
「あ、朱乃さん、本当にあの呂布ってヤツ、大丈夫なんですか?」
「っ、それはどういう意味かしら、一誠君?」
「あ、いや、その、危険じゃないですか? あの呂布って男。さっきだってあんな恐ろしいオーラを放ってましたし。それに悪魔を滅ぼすみたいなことも言ってたじゃないですか」
「アレは奉先様が御自身のお仲間を庇っただけのことよ。それの何がいけないの?」
「それは、そうかもしれないですけど「それに」 え?」
イッセーの発言に、朱乃は機嫌を悪くさせながら更に続ける。
「奉先様は確かに悪魔や神々をも滅ぼす『力』を持っているわ。けど、あの御方は道理に敵わないことは決してしない御方よ。
つまり黒歌........小猫ちゃんのお姉さんを庇ったのには何か理由があるはず」
「は、はあ、そういうもんなんですかね?」
朱乃の言ったことを理解出来なさそうに返事をするイッセー。確かにそうかもしれないけれど。
そういえば、曹操がお兄様に何か渡していたわね。後で見せてもらえないか頼んでみようかしら。
「ぶ、部長」
それにしても、まさか『悪魔の駒』を取り出すことが出来るなんて! これは悪魔社会を揺るがす大事件じゃない!
もし、転生悪魔たちが『蒼天の紅旗』に下ったりしたら!
「部長」
私はたぶん大丈夫だと思うけど、でも万が一ということも考えないといけない。今後は今まで以上に眷属たちに気を配らないと!
今度折を見て、ソーナとも話し合ってみようかしら?
「部長!」
「ごめんなさい、イッセー。今、考え事をしているから「あの、後ろ......」 え?」
イッセーが震えながら後ろを指さし、他の皆も私の後ろを見て驚いている。いったい何があるというの?
「リアス・グレモリー」
私が後ろを振り向くと、呂布奉先が立っていた!
「キャアッ!」
私は思わず悲鳴を出してしまった! 周りの悪魔や神たちも何事かとこちらを見ている!
いけない! グレモリー家の次期当主たる私がこんなことで取り乱しては!!
周りからけげんな視線を浴びせられるが、私はすぐに平静を装う。
「ゴホン、ごめんなさい呂布殿、いきなり大きな声を出してしまって失礼したわ。それで、何か御用かしら?」
「頼みがある」
「頼み?」
「ギャスパーと白音を、貸してほしい」
「っ、貸す? どういうことかしら?」
「この二人と、話す時間を、与えてほしい」
呂布殿の後ろを見てみるとギャスパーの幼なじみ.....ヴァレリーだったかしら? その子と黒歌が出てきた。
「ヴァレリー!」
「姉様!」
ギャスパーと小猫が二人の姿を見てギャスパーは喜びを、小猫は驚きの声を上げる。
なるほど、二人きりで話す時間をそれぞれに与えてほしいということね。
「なるほど、話は分かったわ。ギャスパーについては構いません。けど、黒歌についてはご遠慮いただけるかしら?」
「っ!」
「何故だ?」
「当然よ。彼女は元『はぐれ悪魔』、いくら『悪魔の駒』を取り出したとはいえ彼女の罪が無くなったワケではないわ。
主として、そのような者を私の可愛い下僕に近づけさせるワケにはいかないわ」
「.......部長さん........」
小猫が悲しそうな声を出すが、これは主として当然のこと。さっきは呂布殿が庇ったけれど、今回はそうはいかない。
結果はどうであれ、黒歌が罪を犯したことに変わりはないし、罪が許されたワケでもない。これは、この間の会談でも曹操が言っていたことだ。
呂布殿には悪いけど、ここで少し意趣返しをさせてもらおう。今回は私の言い分の方が正しいワケだしね。
まぁ、けれど、ただ断ったのでは私の体裁にも関わるので、少しは妥協しなければならないわね。
「ただ小猫にも色々と言いたいことがあると思うから、話しをすることは許可します。ただし、私も同席させてもらうわ」
これなら代替案を出したということで、断っても私の体裁に傷がつくことは無い。
それに今の黒歌は『蒼天の紅旗』に所属している。もし『悪魔の駒』を取り出すことを条件に勧誘でもされたらたまったものじゃないわ!
けれど、呂布殿は私の案にも異論を唱えてくる。
「それでは言いたいことも、言えなくなる。二人きりで、話をさせてやってくれないか?」
「お気持ちは分かるけれど、ごめんなさい。主として私は小猫を......眷属を守る立場にあります。こればかりは譲ることは出来ないわ」
「どうしても、ダメか?」
「ええ」
「.....................」
呂布殿がその深紅の瞳で、私をじっと見つめてくる。私も目を逸らさず、じっと見つめ返す。
呂布奉先、貴方がいかに強大な力を持っていようとも、私の眷属を好きにはさせないわ。
私は決して屈さない!!
そんな気持ちで彼を見つめ返していると、彼は思いもよらない行動に出る!!
ペコッ
「頼む、リアス・グレモリー」
「「「「ッッッッッ!!!」」」」
彼が.........呂布奉先がいきなり頭を下げたのだ! 私に向かって!!
この場にいた私たちはもちろんのこと、離れたところからこちらを伺っていた『蒼天の紅旗』に各神話群の神々。
さらには周りにいた貴族悪魔たち、この会場にいる全ての者が驚愕した!!
当然だ。あの【深紅の武人】が、『世界最強』の男が、あれほどの力を見せつけた存在が、一介の悪魔に頭を下げたのだから!
「ちょっと呂布、何もそこまでしなくても!」
今まで黙っていた黒歌もこれには驚いて止めさせようとする。
「....................」
しかし彼は無言のまま頭を上げない。恐らく私が『Yes』と答えるまで頭を上げないつもりなのだろう。
ちょっと待ってよ! これじゃあ私の方が悪者になるじゃない!!
少し意趣返しをしようとしただけなのに、とんでもないことになってしまった!!!
ゾクッ..........!!!
私がどうすればいいか考えていると、背筋が凍るような感覚に襲われた!
気配がする方へ目をやると、『蒼天の紅旗』や主神たちが私を射殺さんばかりに視線を向けている!!
周りにいる悪魔たちもそれに気づいたのか、発生源から距離を取っていた!!!
マズイわ、もしこの場で彼の申し出を断ろうものなら『蒼天の紅旗』だけじゃなく神々も黙っていない。いや、最悪戦争の可能性もある。
大勢が見ている前で、『世界最強』の存在に頭を下げさせたうえでその頼みを断る。そんなことが出来る者がいたら心の底から尊敬するわ!!!
くっ、やってくれるわね呂布奉先!! 端から見れば、彼が私に頼んでいるように見えるが実際は違う。
敢えて下手に出ることで、こちらが自分の頼みを断れない状況に追い込んでいるのだ!
.........仕方ないわね。
「分かったわ........二人きりで話すことを許可するから、もう頭を上げてくださる?」
「感謝する、リアス・グレモリー」
「その代わり、私の目の届く範囲内にしてちょうだい。そうね、そこのバルコニーがいいわね」
「ああ、それで構わない」
呂布殿が頭を上げると私に向けられていた威圧感が薄くなった。視線は相変わらず厳しいけれどね。
っ、白々しい! 敢えて、そういう状況に持っていった癖に!!
そんな私の気持ちを知らずに彼は黒歌に話し掛ける。
「黒歌、許可が出たぞ。全てを話してこい」
「うん.......ありがとうにゃ、呂布」
よっぽど嬉しかったのだろう。黒歌は涙目になりながら、呂布殿にお礼を言っている。
これがSS級のはぐれ悪魔? 噂では力を暴走させて主を殺したと聞いているけれど、とてもそうは見えない。
朱乃が言ったとおり、何か事情がありそうね。次に呂布殿は小猫に近づき、小猫の頬に手を当て優しく話す。
「白音、黒歌の話、ちゃんと聞いてやってくれ」
「っ、は、はい///////」
小猫は見たことが無いくらい顔を真っ赤にさせて、黒歌と一緒にバルコニーに出ていった。
この男、分かっててやっているのかしら? それとも天然? これじゃあ朱乃も苦労するわね。
あ、そうだわ!
「じゃあ、ギャスパー。私たちも行きましょうか」
「うん!それじゃあ部長さん、少し行ってきます」
「ええ、行ってらっしゃい」
小猫と黒歌がバルコニーに出ていき、今度はギャスパーとヴァレリーが嬉しそうに手を繋いで離れていく。
二人の背中を見ていると、呂布殿が私の目を真っ直ぐに見て話しかけてきた。
「リアス・グレモリー」
「? 何かしら?」
「ありがとう」
っ、っ〜〜〜〜〜! な、何よ、これじゃあ私一人が悪者みたいじゃない!
ふんっだ! 見てなさい、このリアス・グレモリー、やられっ放しではいないわよ!!
「それはもういいわ。それより呂布殿、そちらの頼みを聞いたのだから、こちらのお願いも聞いて欲しいのだけれど、よろしいかしら?」
「.........俺に出来ることなら」
「ええ、もちろん。むしろ貴方でないと出来ないことだわ」
「..............」
「ふふ、安心して。そんな無理難題を言うつもりは無いわ。そうね、朱乃と一曲踊っていただけるかしら?」
「っっっっ!!」
「朱乃と?」
「ええ、どうかしら?」
フフフ、これで呂布殿が踊れなければ恥をかくことになるし、踊れれば朱乃が喜ぶ。
完璧だわ。それにこの程度のお願いなら、周りからとやかく言われることも無いだろうしね♪
さぁどうするのかしら、【深紅の武人】さん?
「俺は構わない」
「ッ〜〜〜〜〜////////」
「フフ、決まりね。朱乃はどうかしら?」
「もちろん♪ ありがとう、リアス!! アナタの眷属になって良かったわ♪」
「ふふふ、気にしないで。約束ですもの」
朱乃が喜んでくれるのは良いけど、その言葉はもっと別の理由で聞きたかったわね。
私のそんな葛藤など気にも留めず、朱乃は顔を赤らめさせながら呂布殿に近づいていく。
「奉先様、本当に私と踊ってくださるのですか?」
「ああ、しかし、問題がある」
「っ!?」
「何かしら、呂布殿。朱乃に何か不満でもあるのかしら?」
「奉先様...........」
朱乃が悲しそうな声を出すが、呂布殿はどこか不思議そうな雰囲気で続ける。
「別に、不満があるわけではない。ただ、きになることがある」
「気になること?」
「着物で踊るのか?」
「「「.......................」」」
「っ〜〜〜〜! すぐに着替えて参りますわ!!!」
朱乃がさっきとは別の意味で顔を真っ赤にさせながら、着替えに行く。そうだった、忘れていた。
朱乃はドレスのような肌を露出する服装は好まない、本人曰く『自分の肌を男性に晒したくない』そうだ。
この間も生徒会の皆と一緒にオカルト研究部でプール清掃の後にプールを楽しんだのだが、朱乃だけは学校指定のスクール水着にパーカーを羽織っただけだった。
他の皆は自前で水着を用意していたのに、アレはさすがに浮いていた。
そんな朱乃が自らドレスに着替えに行くのだから、よっぽど呂布殿と踊りたかったのね。
朱乃の分のドレスも念のため、用意しておいて良かったわ。
そうして呂布殿は壁に背中を預け、朱乃を待つのだった。
ダンスパートが近々入りますが、作者はダンスに関しては素人です....................なので、間違っていても生暖かい目で見ていただけると幸いです。