深紅の武人が住くD×D   作:あさやん&あさやん

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話の展開や今後の展開の布石を書いてたら、予定より相当長くなってしまいました。

今章も相当長くなる気がしてきましたwww





第六十話

 

 

 

 

 

俺と曹操は朝食を済ませた後、昨日の部屋に向かった。中に入ると既にソーナたちとセラフォルーが、昨日と同じように大きな円卓を囲んでいる。

 

 

 

いつから来てたんだろう、さっき朝ごはん食べた時にはいなかったよね? もしかして、自分たちだけ先に食べたとか?

せっかくだから、一緒に食べれば良かったのに。使用人さんだって、何回も食事の用意するの大変でしょうよ。

 

そんな使用人さんたちへの感謝と労いを感じていると、曹操が話を切り出す。

 

「おはよう、諸君。その顔を見る限り答えが出たみたいだが............念のためソーナ・シトリー、君の口から直接聞きたい。大事なことだからね」

 

曹操がそう言うとソーナ・シトリーは椅子から立ちあがり、強い眼差しで曹操を見ながら口を開く。

 

 

「はい。私たちは夢のため.........現悪魔政権を民主化させます。そして来るべき時が来たら、魔王や貴族の地位を捨てることを決意しました」

 

「ふむ。確かに今すぐ辞めても、ただの自暴自棄にしかならない。しかしリアス・グレモリーについては良いのかな?」

 

「リアスやグレモリー家の方々については、私からいずれ話をします。ですが、そのためにはまず実力を付けて結果や実績を上げることが必要です。

そうしなければ私の、私たちの『覚悟』は伝わりません」

 

「当然だな。誰かを説得するのに、目に見える明確な根拠を用意せず、理想や感情論だけを振り回すのは実に愚かだ」

 

「はい.........先日までの私たちがそうでした。ですが今は違います。今は自分たちが成すべきことが、きちんと見えています。

まずは『若手悪魔とのレーティングゲームを全勝する』ことで結果と実績を上げ、転生悪魔でも訓練次第で強くなれるということを証明します。

そして、私達の夢に賛同してくれる『同士』を集めたいと思います。そのために.........どうか私たちに修行をつけてください!!!」

 

 

ソーナ・シトリーがいきおいよく頭を下げると、周りの皆も立ちあがって同様に頭を下げる。魔王であるセラフォルーまでもが、ソーナのために頭を下げていた。

 

彼女たちの気持ちが伝わったのか、曹操は不敵な笑みを浮かべて話す。

 

 

「頭を上げてくれ。君たちの『覚悟』はしっかり伝わったよ」

 

「っ、では.........!」

 

「ああ。この『曹操孟徳』、そして『呂布奉先』が君たちを全力で強くしよう。そして、もし君たちがレーティングゲームに全勝することが出来れば...........君たちの夢の実現のために『蒼天の紅旗』も協力すると約束しよう」

 

 

「なっ、『蒼天の紅旗』が!?」

 

「ちょっと、曹操くん!そんなこと言って大丈夫なの!?」

 

「おや、我々では不服かな?」

 

「いえ、そういうことではないのですが.......神々がお許しになるとは........」

 

「その点については上手くやるさ。それに現悪魔政権の風通しが良くなるのは、我々たけではなく各神話群にとっても悪い話ではないからね」

 

「『ギブ&テイク』ということですか..........」

 

「そういうことだ。だが、まだ決まったワケではない。まずは宣言通り、レーティングゲームに全勝してみたまえ。話はそれからだ」

 

「っ、ええ、分かっています。必ず達成してみますよ、私たちの夢のために!!」

 

 

先ほどとは打って変わり、曹操とソーナの間に火花が散っている。

 

まあ、曹操が言ったことはある意味『挑戦状』みたいなものだ。『自分たちを動かしたいなら、全勝してみろ』と言っているようなものだからなぁ。

 

そしてソーナもそれを『上等じゃ我ぇ、目ん玉かっぽじって、よく洗って、しっかり見とけやぁ!』と言わんばかりに受けたと。案外、熱くなりやすい性格なのかね?

 

そんな二人の火花もそこそこに、曹操が今後の修行について俺に話を振る。

 

 

「では話も決まったことだし、早速修行に入るとしよう。何せ十日間しかないからね、テンポ良く行かないと。呂布」

 

曹操に呼ばれて、俺は皆の前に出る。呼ばれて飛び出てジャジャジャーン♪ って、そんなことをこの空気でやれたら神様だよ。

 

「これからの修行については、呂布がメインで指導をする。彼の指導は的確かつ丁寧だ、何せ『蒼天の紅旗』の訓練メニューは彼が考えたものだからね。

ただ知っての通り、彼は口数が少ないうえに口下手だ。慣れていない君たちでは、理解に苦労するかもしれないので俺がサポートするという形だ」

 

 

ごめんなさいね、コミュ障で。まあ、最初だから『蒼天の紅旗』でやっている基礎メニューをそれぞれの相性に合わせて割り振るって感じだからね。

それぐらいなら俺でも口で説明出来る.......たぶん。

 

 

「それで呂布、まずはどうする?」

 

「いつも通りにやる。だが、まず先にやることがある。匙元士郎、こっちへ」

 

「え、あ、はい!」

 

俺が呼ぶと匙がいそいそと前に出てくる。別にそんなに緊張することはないよ?

 

 

「ヴリトラの、神器はあるか?」

 

「あ、それなら私が持ってるよ☆」

 

セラフォルーがヴリトラの神器を机の上に出す。へぇ~~、他のヴリトラの神器ってこんな形だったんだ。

ちゃんとした形を見るのって、匙の『黒い龍脈』ぐらいだったからなぁ。

 

 

「呂布、いったい何をするんだ?」

 

「ヴリトラの神器を、一つにする」

 

「「「っっっっ!!」」」

 

「な、ヴリトラの神器を一つに!?」

 

「そんなこと出来るの!?」

 

 

まあ、普通驚くよね〜〜〜。でも、ヴリトラの神器をまとめるのは原作でもやってたことだ。

 

原作ではバラバラで匙に渡したから、『龍王変化』のような不安定な力に目覚めたうえ、完全に使いこなせるのに時間が掛かっていた。

しかも、ある種の『突然変異』とも呼べる形で発現したため、『禁手化』出来るようになったのは終盤になってからだ。

 

なので、今回は俺の『エイト・センシズ』を応用して、ヴリトラの神器を一つにし、匙の魂や身体に馴染ませることで能力を安定させる。

ヴリトラの魂も復活しちゃうかもしれないけど、そこは話し合いで匙に協力してもらえるよう何とかしよう。

 

 

「匙元士郎、上着を脱げ」

 

「わ、分かりました、あと自分のことは『匙』でいいっす。これから指導を受ける身なんで」

 

匙は服を脱ぎながら、呼び捨てにするように言ってくる。あら、そうなの? じゃあ遠慮なく呼ばせてもらうわ♪

 

俺は机に置かれたヴリトラの神器を、匙の背中から魂に入れる。

 

 

パァァァァァァァ!!

 

 

神器が魂に入ったことにより、匙の背中が光りだす。俺は『エイト・センシズ』を発動させ、匙の背中に手を当てて魂を見る。

 

ふうむ...........まずはバラバラに分かれている待機状態の神器に宿っているヴリトラの魂を俺のチャクラで繋ぎ合わせる。何かパズルみたいだな〜〜〜。

 

でもこれで神器がヴリトラの魂に反応して共鳴をするから、あとは匙が元々持っていた『黒い龍脈』を軸に重ねるように合わせれば..........はい、完~~成しました~~~~♪

 

 

「終わったぞ、神器を、出してみろ」

 

「あ、はい。ハァッ!」

 

匙が神器を呼び出すと『黒い龍脈』ではなく、黒い手甲のような物が出現した。

手の甲の部分にはビー玉サイズの宝玉が四方に、その中心に拳ぐらいの宝玉が嵌められている。

 

形としては『赤龍帝の籠手』に近いが、『赤龍帝の籠手』のような重装感は無く、よりコンパクトになった感じだ。

 

 

「これが、俺の新しい神器...........!」

 

「そうだ。その神器には、四つの『ヴリトラの神器』の、力が込められている。

名前は、『黒龍王の手甲 アブソーブション・プリズン』、といったところか」

 

 

「『黒龍王の手甲』........」

「........かっこいい」

「何かとっても強そうですよ、匙先輩!」

 

 

そのまんまの名前だけど別に良いだろう。そもそも神器の名前って結構適当というか、キラキラネームみたいに言ったもん勝ちみたいな呼び方ばっかりだからな〜〜〜。

 

けどそれはそれとして、あとは........。

 

 

「ヴリトラの魂も、神器の中で、目覚めたはずだ。呼んでみろ」

 

「はい! おい、聞こえるか.....ヴリトラ?」

 

『.......我を呼ぶのは誰だ?』

 

「おお、反応した! えっと...ヴリトラは今の状況、分かってるか?」

 

『ふん、神器の中か。忌々しい聖書の神め。我をこのような玩具の中に封印するとは........!』

 

「何か、スッゴく柄が悪いんですけど.......なあ、ヴリトラ。俺は会長の夢のために強くならなくちゃいけないんだ。だから、お前の力を貸してくれないか?」

 

『そんなこと、我の知ったことではない。何故、我がお前に力を貸さねばならんのだ』

 

「むっかー! 何よ、その言い草は!!」

「そうよそうよ! 何か嫌な感じ!!」

 

「まあ、ヴリトラは五大龍王ではあるが、その性質は限り無く邪龍に近い存在だと帝釈天が言っていたからな。そう簡単にはいかないさ」

 

 

あ~~~、そういえば原作でもそんなこと言ってたっけ? でも原作ではもうちょっと物分かりの良いヤツだと思ったんだけどなぁ。

 

う〜〜ん、仕方ない。時間も無いし俺が説得するとしますか。

 

俺は『黒龍王の手甲』の中心にある拳大の宝玉に手を乗せて、『エイト・センシズ』でヴリトラの魂にアクセスする。

 

 

「..........調子に乗るなよヴリトラ」

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!!

 

 

『っ、な、何だ、この圧倒的な威圧感は!? まるで魂が巨大な手で、握り潰されるような感覚だ!!』

 

「匙に協力出来ないなら、このまま消滅させるぞ」

 

『ガ、ガハッ! わ、分かった........き、協力、する........!』

 

お、良かった。ちゃんと分かってくれたみたいだ。ペットもそうだけど、やっぱり生き物を飼う時は最初に上下関係をはっきりさせないとね♪

 

 

『ハア、ハア、ハア.........い、いったい何なんだ、ヤツは!? た、魂そのものを直接、威圧させるとは........!』

 

「ヴリトラ、あの人には絶対に逆らわない方が良いぞ? 冗談抜きで魂ごと消滅させられちまうからな」

 

『や、宿主よ、ヤツはいったい何者なのだ?』

 

「あの人は『呂布奉先』っていう人で........何でもグレート・レッドっていう、とんでもない龍を倒したらしい。今じゃ『世界最強』なんて呼ばれてる人だよ」

 

『な、グレート・レッドを!? あの赤龍神帝を倒しただと!? た、確かに、あの威圧感ならあり得ん話ではなさそうだが...........』

 

「そういうワケだから、逆らわない方が良い」

 

『う、うむ。その方が良さそうだな..........仕方ない、力を貸してやるとするか』

 

「おう、これからよろしく頼むぜ、ヴリトラ!」

 

『うむ。せいぜい我の力を使いこなせるよう励むが良い、宿主よ』

 

 

うんうん、どうやら二人とも仲良くなったようだ。良かった良かった♪ これでようやく、修行を始めれるね。

 

 

「まさか、ヴリトラを力ずくで従えさせるとはな。本当に大したヤツだよ、君は........それで、これからどうするんだ?」

 

「まずは、山岳地帯の方へ、移動する。全員、動きやすい格好に、着替えて集合」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一時間後、俺と曹操は訓練用の服。ソーナたちはジャージ姿に着替えて近くの山に来ていた。

山中でも割りと平坦な場所だが、周りには大小様々な岩が転がっていて足場は少し悪い。

 

ちなみにセラフォルーはサーゼクス達に呼ばれているため、魔王領へ戻っていった。死んだ魚のような目をしてたけど、大丈夫なのかね?

 

俺がセラフォルーの沈んだ顔を思い出していると、ソーナが修行について聞いてくる。

 

 

「それで呂布殿。修行というのは、具体的にどのようなことをされるのですか?」

 

「まだ、修行はしない。今日は、丸一日掛けて、下準備をする」

 

「下準備、ですか? それはいったい...........」

 

「日が暮れるまで、俺と戦ってもらう」

 

「........え?」

 

 

「「「「...................」」」」

 

 

あれ? 聞こえなかったかな? ではもう一度「「「「エエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!」」」」

 

何だ、ちゃんと聞こえてんじゃん。けど、そんなに驚かなくてもよくない?

 

 

「た、た、た、た、た、戦うって、呂布殿とですか!?」

 

「コクン」

 

「そんな!? 勝てるはずがありません!!」

「そうっすよ! いくら何でも無理ですって!!」

「そうですよ! 私たち死んじゃいます!!」

 

「別に、勝つ必要は、無い。それに、死なないように、ちゃんと手加減する」

 

「勝つ必要は無い? じゃあ何のために?」

 

「『痛み』に、慣れてもらうため」

 

「痛みに慣れる、ですか?」

 

そう。つい最近まで『戦い』というものとは無縁である一般人だった彼女たちに今必要なのは、トレーニングではなく『戦いによる痛み』に慣れることだ。

 

だがその必要性を俺がどうやって上手く説明するか考えていると、曹操が引き継いでくれる。

 

 

「ソーナ・シトリーはともかく、君たちはつい最近まで一般人........しかも学生だった。

『相手を完全に打ち倒す』つもりで攻撃した経験なんかは無いだろう。もちろん『自分を完全に打ち倒す』つもりで攻撃された経験もな」

 

「「「「................」」」」

 

「君たちがこれから行うのは、子供の喧嘩やスポーツの試合とは次元が違う。

泣こうが喚こうが、男だろうが女だろうが相手を攻撃し、相手に攻撃される『何でもアリ』の戦いだ。

相手を全力で攻撃することに躊躇したり、相手からの攻撃で痛がったりしていたら『戦い』にならないだろ? だから、まずそういったことに慣れさせようという話さ」

 

流石は曹操の旦那、俺の言いたいことを上手く意訳してくれる! そこに痺れる憧れる!! まあ、理由はそれだけじゃないんだけどね。

 

 

「そう言われると『はぐれ悪魔』を狩ったことはありますが、対人戦の経験はほとんどありませんね」

 

「確かに.......兵藤や木場はともかく、白音ちゃんやリアス先輩を思いっきり殴ったりするのは気が引けるよな」

 

「うんうん、私なんかギャスパー君を攻撃するなんて無理!」

「私も」

 

「やれやれ。そんな様でよく会談の時、テロリスト相手に『戦える』なんて言えたものだ。やはりあの時は呂布に任せて正解だったな」

 

やっぱり皆は、まだ一般人としての感覚が抜けてないみたいだ。気持ちは分かるけど、いい加減切り替えていかないとな。

 

 

「では、始めるぞ。殺しはしないが、『死ぬほど痛い』思いはすると、覚悟しろ。

逃げるにしろ、攻撃するにしろ、『全力』で動け」

 

「「「「はい!!!」」」」

 

 

 

 

 

この日、シトリー領のとある山では爆音と悲鳴が鳴り止まなかったという。

 

 

 

 







ようやく、修行パートに入ることが出来ました。

この修行パートで『気(オーラ)』『魔力』『セブン・センシズ』『エイト・センシズ』の個人的解釈を入れていきたいと思います。

オリジナルの神器を出しましたが、形状としては【烈火の炎】に出てくる魔道具『風神』を黒くしたイメージです。

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