ここから話を進めていきます。
しかし過去話が所々入りますので進行速度が亀になるかも....................
第一話
ビュン!!ブゥゥン!ヒュッ!!!ブォォン!!
いくつもの風を切る音がすると、十枚の葉が2枚ずつ薄く剥がされていた。
「........................ふぅ」
俺は息を軽く吐いて、得物を壁に立て掛けると置いていたタオルで顔を拭い、頭を振って髪に帯びていた熱を取り払う
パチパチパチパチ........................。
俺は音のする方へ顔を向けると、そこには俺よりも少し年上の青年が漢服を着て微笑みながら拍手を送っていた
「相変わらず見事な技の冴えだな。美しさすら感じるよ、呂布」
「........................曹操」
そう、この男は曹操孟徳。かの乱世の奸雄の魂を引き継いでおり、原作でも『禍の団』英雄派のリーダーだった男だ。
もっともこの世界では『禍の団』には所属してはおらず、出会った時は須弥山の世話になっていたんだよね
「..................修業前の、準備運動..................」
「そうか、精が出るな。今回の修行相手はギリシャ神群だったか? 毎度苦労を掛けるな............それはそうと、そろそろ食堂に行かないと朝メシを食いそびれてしまうぞ?」
何と?!もうそんな時間か!急いで行かねば!!
「........................行ってくる」
「あぁ、ゆっくり食べてくると良い」
俺は置いていた得物、【方天画戟】を異空間にしまって食堂へ向かう
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「やれやれ、アイツは一度鍛練に熱が入ると中々終わらないからな」
もっとも、そういったところがアイツの強さの基礎となっているんだろうがな。
呂布の武は技巧の極致でありながら、一種の美の極致でもある
一切の無駄の無いあの動きは同じ長物を得物にしている俺にとっての理想形だ、いくらでも見ていていられる
そういえば、俺が呂布と知り合ったのもあの美しさに魅せられてのことだったな............あれからもう四年になるのか................................
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パシャン!
「ふぅ、これで6匹目。もう日が落ちそうだし、そろそろ切り上げるか........................」
俺は釣り針を魚から外し、桶に魚を入れて今日の寝床である洞窟へと向かう
「しかし、運が良かったとはいえ少し釣り過ぎたな、俺一人では食べ切れんぞ? さて、どうするか」
保存食にでもするか? 塩漬けは、さすがに塩が足りない。生木を刻んで燻製にでもするか?
道中、釣り過ぎた魚を有効活用する方法を考えながら山道を歩いていると..............................
ドカァァァァァン!バサバサバサバサ
「!今の音は?!」
突如鳴り響いた山の中には似つかわしくない爆発音、そして飛び立っていった鳥の羽根音。間違いなく只事ではない!! 俺はすぐに爆発がした方へ向かった。
そうして山道を下っていくと、先ほど釣りをしていた場所とは別の川の畔に差し掛かった。周りはもう暗くなっている。俺はいきなり畔に出るのではなく、手前の茂みに身を潜める。
そっと魚の入った桶を脇に置き、神滅具『黄昏の聖槍』を手に出し外の様子を伺うと....................................そこには馬に跨がり戟を携えている男がいた。
「とうとう追い詰めたぞ!下等な人間の分際で、よくもこれまで数多の同胞を殺してくれたな!!」
声のした方を見てみると空に黒い翼を生やした堕天使が浮かんでいた、しかも一体や二体どころではない。
っっ多い、軽く見積もっても百体はいるぞ!
しかもそのほとんどが中級。さらには上級堕天使も十体以上いる!!
マズイな............いくら気になったからとはいえ、これほど危険な状況だったとは........................! 日本の諺で「好奇心は猫をも殺す」と聞くが正しくそのとおりじゃないか。
どうする、加勢するか? いやこの状況では焼け石に水だ。それに俺一人が加勢しても何も変わらない。
それに俺の存在に気付かれるのはマズイ、堕天使達の神器狩りは有名だからな。しかも俺の神器はあの『黄昏の聖槍』、あいつらが放っておくはずかない。
幸いも奴等は俺に気が付いてはいない、このままやり過ごせば..............................そんな醜い自分の心が顔を出し始めると馬に跨がっている男が口を開く。
「どんな事情があろうとも、武器や殺意を向けてくるならば..............................死ぬ覚悟ありと見る」
その瞬間、彼の身体から深紅に輝くオーラが迸る! な、何なんだこの威圧感は!? 堕天使百体など足元にも及ばないこの存在感は!!!
「くっ、何をしている!早く殺してしまえ!あの下等な人間を!!」
堕天使達が青年に向けて光の槍や砲撃を放つ
ドゴォォォン....................
彼がいた所に特大の爆発が起こり、巨大な煙が空に昇っていく
「..............................やったか?」
堕天使百体分の攻撃、普通に考えて一介の人間がこれを受ければ骨すらも残らない。無論、俺とて聖槍を全開にして防いだとしても無傷ではいられないだろう。
しかし何故だろう、彼が今の攻撃で殺されたとは到底思えない。
そんな不思議な確信をもっていると煙が晴れていくとそこには..............................キズ一つついていない彼の姿があった!!!
「バ、バカな!」「何なんだ、アイツは?!」「本当に人間なのか!」
堕天使達に動揺が走る。先ほどまで圧倒的に優位に立っていたと思っていたはずが、今では逆に追い詰められている。しかも彼は一歩も動いていないのに、だ。
「う、うろたえるな!攻撃を続けろ!!」
指揮官らしき堕天使が再び指示を出すが、どう考えても悪手だ。あれだけの攻撃で無傷なら他にどんな攻撃を仕掛けても傷一つ付けられないだろう。
ならば逃げの一手しかないはず........................どうやら一番狼狽えてるのは指揮官のようだ。
「............もう終わりにする........」
彼がそう呟くと身体を覆っていたオーラが戟に集中していく!!!
「月牙..................天衝!!!」
バシュン!バシュン!!バシュン!!!
彼が振るった戟から放たれた紅く輝くオーラが幾つもの刃となり、堕天使達を襲う!
「ギャア!」「グハァ!」「グウァッ!」
堕天使達は微動だに出来ず、ただ彼の斬撃を受け一人残らず消滅していった....................................。
あれだけいた堕天使が跡形もなく消滅したことにより、辺りが静寂に包まれていた。だが、彼は変わらず馬に跨がり一人佇んでいる。
そんな彼の姿を見た俺の中に生まれたのは........................
美しい..........................................。
彼への惜しみない称賛だった。
何の因果か英雄の魂を受け継ぎ、更には聖槍まで宿した俺はずっと考えていた。
『人とは果たして、どこまでいけるものなのか』
そんな人間の可能性を求めて旅をし、今は須弥山で修業をしている。
今回たまたま休みを与えられたため、山を下りてアウトドアに勤しみながらゆっくり考えてはみたが、結局満足のいく答えは見出だすことは出来なかった。
だが今目にした、あの全てを押し潰すかのような威圧感、美の究極とも言える技、圧倒的なまでの力の奔流。
一朝一夕で出来ることではない! きっと血を吐くほどの努力と研鑽の賜物を気が遠くなるほど続けてきたのだろう!!
あの男なら俺が求めていた答えを見せてくれるかもしれない..............................!
そう思ったら自然と足を進めていた。
今回の技
聖闘士 星矢:セブン・センシズ
NARUTO:八門遁甲の陣
BLEACH :月牙天衝(連撃可能にアレンジ)