深紅の武人が住くD×D   作:あさやん&あさやん

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ようやく試合がスタートしました。ですが、本格的なバトルシーンは次回になりそうです。




第六十七話

 

 

 

 

私とイッセー先輩は周囲を警戒しながら階段を昇っていた。私は猫耳猫尻尾を出した猫又モードで索敵しながら進んでいる。

 

 

「白音ちゃん、周囲の状況はどうだい?」

 

「敵の気配はしません。問題無いと思います」

 

「よっしゃあ! このまま本陣へ行くぜ!!」

 

私のこの猫又モードは人......生物の気配に敏感だ、敵が近くにいればすぐに分かる。

そういった感知能力が低いイッセー先輩と組まされたのも、それが理由だろう。

 

ここまでは敵と接触することなく、スムーズに進むことが出来た。少しスムーズ過ぎるのが気になりますが、敵が隠れていればすぐに分かるはず。

 

そうして四階まで上り、イッセー先輩が五階への階段を一気に昇ろうと踊り場に足を踏み入れた。

 

 

「見つけたぜ兵藤! まずは一撃ぃ!!」

 

「匙!? ぐわぁっ!!」

 

 

ドゴォン! ゴロゴロゴロッ..........!

 

 

「イッセー先輩!!」

 

 

鈍い衝撃音を発してイッセー先輩が吹っ飛び、階段から転げ落ちていく!

 

咄嗟に『赤龍帝の籠手』でガードしていたみたいだが、不意を突かれたため下の階まで派手に吹っ飛ばされてしまったようだ!

 

匙先輩を見ると左手からロープのような物が上へと伸びている。恐らくアレを利用してターザンよろしく一気に上から降りてきたのだろう。

 

しかも仁村さんを背負っている、二人分の重量+落下のエネルギーが加わった不意の一撃............イッセー先輩は大丈夫でしょうか?

 

だけど!

 

 

「.........どうして「どうして俺達の接近に気付かなかったのか、だろ? 白音ちゃん」っ!!」

 

 

そう、私は猫又状態になることで『仙術』を扱えるようになった。この状態ならあれだけ接近されれば、絶対に気配に気付くはずだ。

 

でも二人の存在に気付くことが出来なかった。どうして.........?

 

 

「その答えは、コレさ」

 

 

シュン...........

 

 

突然、目の前にいる匙先輩と仁村さんの存在感が急に薄くなった........!

 

 

「っ、それは!!」

 

「やっぱり白音ちゃんも感じ取ることが出来るんだな。そう、これは『気』.....『オーラ』ってヤツを体内に留め気配を消す技術、『絶』というものだ。

これを使ってここまで白音ちゃんに悟られないよう近づいたってワケさ♪」

 

『絶』、そんな技術があるなんて...........!

 

確かに匙先輩の言う通り、今の二人からは気配を感じ取れないどころか目の前にいなければ、とても認識出来ないほどに存在感が薄い。

 

遠くからこの状態で近づかれたら、まず気付くことは出来ない........!

 

でも、たった十日間でこんな『気』の技術を習得するなんて..........いったい、どうやって...........!?

 

 

「聞いてるぜ、白音ちゃんは『気』と『自然エネルギー』を混ぜ合わせた『仙術』ってのを使えるんだろ? ソレが完璧だったら、この状態でも気付かれてたかもな」

 

「っ、どういう意味ですか..........?」

 

「簡単な話さ、白音ちゃんの仙術は完璧じゃないってことだよ。扱える『気』や『自然エネルギー』の量が少ないからな。

要するに仙術を扱うには出力不足ってことだ。『気』の量にいたっては俺達よりも少ないようだしな」

 

っ.......確かに私の仙術はまだ未熟だ。仙術を扱うには『気』と『自然エネルギー』をバランス良く混ぜ合わせ、『仙気』というものを作らなければならない。

 

けど『気』や『自然エネルギー』のコントロールが完璧じゃない私では、それぞれのエネルギーを少量ずつしか扱えない。

 

だから仙術を扱うに十分な量の『仙気』を作り出すことが出来ない。

 

無理に大量に作ろうとするとコントロールが出来ず、暴走してしまう危険がある...........そんなことまで見抜いてくるなんて!!

 

 

「まぁ、全部呂布先生の受け売りなんですけどね~~」

 

「ぐっ.......良いんだよ、別に!」

 

 

っ、やっぱり............あの人なら仙術を扱えても不思議じゃあない。

匙先輩達に『気』を習得させたのも恐らくあの人。たったの十日間で、ここまで鍛えるなんて..........!!

 

 

「さて、種明かしもしたことだし、そろそろ始めるとするか。仁村は白音ちゃんを頼む。俺は兵藤をやる、作戦通りにな!」

 

「はい! 匙先輩も気をつけて!!」

 

「おうよ!」ビュンッ!

 

匙先輩と仁村さんが『気』を元に戻すとロープみたいな物を天井に伸ばして、立体駆動のような動きでイッセー先輩のところまで飛んでいく!

 

っ、いけない! 今の匙先輩とイッセー先輩を戦わせるのはマズイ!!

 

 

「おっと! 行かせないよ、白音ちゃん!!」

 

シュンッ........バキィ!!

 

「くっ!」

 

私が匙先輩を追おうとするも仁村さんが私の下に回り込み、私を上へと蹴り上げる!

 

っ、重い........! 『戦車』ほどではないけれど、とても『兵士』とは思えないほどのパワーだ!

足場の悪さと私の体重が軽いことを加味しても、こんなに蹴り飛ばされるなんて........!

 

 

「まだまだいくよ!!」

 

ドカァッ!バキッ!ドゴォッ!

 

「っ!」

 

思いがけない仁村さんの素早く重い蹴撃に、私はたちまち上の階まで追いやられてしまう。

イッセー先輩が四階、私が五階にいる状態.........マズイ、完全に分断させられてしまった!

 

 

「悪いけど、ここで足止めさせてもらうよ。匙先輩が兵藤先輩を倒すまでね♪」

 

 

くっ、確かにイッセー先輩では今の匙先輩には勝てない。匙先輩や仁村さんの体を覆っている『気』は、まさに『攻防一体の鎧』と呼べる代物だ。

 

いくら『赤龍帝の籠手』があったとしても、今のイッセー先輩にアレを打ち破る術は無いはず!

 

 

 

イッセー先輩...........!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いっつつつぅ..........匙のヤロウ、思いっきり蹴り飛ばしてくれやがって!」

 

 

何とかギリギリ『赤龍帝の籠手』でガード出来たけど、あまりの威力に体が吹っ飛ばされたうえに、階段やら地面やらにぶつかりまくって身体のアチコチが痛い。

 

でも、こんなもんタンニーンのおっさんとの訓練に比べればまだまだだ!! 早く白音ちゃんと合流しないと...........!

 

 

ヒュンッ........トッ

 

「よう、兵藤。悪いけどこっから先は通行止めだ」

 

「匙! テメェ、よくもやってくれたな!!」

 

「そう怒るなよ、不意討ちも立派な作戦だぜ? レーティングゲームなんだ、油断している方が悪いんだよ」

 

「くっ.........!」

 

 

確かに、匙の言う通りだ。不意を突かれたのは悔しいけど、切り替えていかないと!

 

ん? 何だ、この赤い紐みたいな物。俺の右腕から上の階まで伸びてるみたいだけど.........?

 

 

「な、何だよコレ? っ、いくら引っ張っても取れねえし!!」

 

「気に入ったか? それは俺の神器の能力で作った特別製でな、頑丈さは折り紙つきだぜ?」

 

この紐みたいな物は匙の仕業か!? くそ、確かにいくら引っ張っても取れやしねえ!

 

 

「おい! この邪魔くさい紐みたいな物、外せよ!!」

 

「そう嫌がんなよ。結構苦労したんだぜ、取り外し可能な上に頑丈に作るの。

ちなみにその紐がある限り、どこへ逃げても一発で分かるからな、逃げてもムダだぜ♪ まるで『運命の赤い糸』みたいでイカすだろ?」

 

冗談じゃねえ! 男と結ばれたって何も嬉しくねえっての!!

 

 

「白音ちゃんは仁村が抑えてくれている。お前の相手は俺ってわけだ。まっ、男同士仲良くやろうぜ♪」

 

「ふざけんな! 誰が男なんかと!! どうせだったら、一緒にいた女の子の方を来させろよ!!」

 

何が悲しくて男同士で泥臭く戦わなきゃならんのだ!! これが、あの女の子........仁村って言ったっけ? あっちだったら『洋服破壊』が出来て言うこと無しだったのに!!

 

 

「仕方ねぇだろ? ウチの女子が皆、『お前とは戦いたくない』って言ってるんだから」

 

「え?」

 

「だ~か~ら、シトリー眷属の女子全員、お前には近づきたくないって言ってたんだよ。そうなるとお前の相手は必然的に俺になるってわけだ」

 

「な、何だよソレ!? 何で俺がそこまでシトリーの皆に避けられなきゃならないんだよ! 俺、そこまで嫌われるようなことやったか!?」

 

そりゃあ普段学校では、覗きとかで生徒会の皆には迷惑掛けてるけど! でも『近づきたくない』とまで言われるようなことか!?

 

しかもレーティングゲームだっていうのに.........!!

 

「『そこまで嫌われるようなこと』って...........お前、本当に分からないのか?」

 

「分かるわけないだろ!!」

 

謂れの無い濡れ衣を着せられて怒り心頭の俺。しかし匙はそんな俺を見て呆れた顔で口を開く。

 

 

「ハァ.........マジかよ、俺も馬鹿である自覚はあるけどさ、まさか俺以上のバカがいるとは..........」

 

「何だと!?」

 

「ハァ.........年頃の女子が、自分達の衣服を嬉々として弾け飛ばそうとしてくる男に近づきたいって思うか?」

 

「っっっ!!」

 

衣服を弾け飛ばすって.........『洋服破壊』のことかぁ~~!?

 

あちゃ~あの技のこと皆知ってんのか~~、そりゃあ近づきたくもなくなるわな。

滅茶苦茶謂れあるじゃん、全然濡れ衣なんかじゃなかったよ。クソッ、不意を突いて皆の裸を拝もうと思ってたのに.........!

 

 

「どうやら納得したみたいだな」

 

「あ、いや、アレはホラ.........相手を無力化させつつ、男のロマンを叶える、極めて合理的な技であってだな........」

 

「だとしても、女子の心情的にどうよ?って話だろ....... 」

 

ぐうの音も出ないほどの正論だった。くっ、匙のやつ、こんな高度な心理戦を仕掛けてくるなんて!

自分だって『会長と出来ちゃった婚をするのが夢』とか言ってたくせに!!

 

 

『リアス・グレモリーの「僧侶」、撃破』

 

 

俺が意気消沈していると不意にグレイフィアさんのアナウンスが流れた!

しかも『僧侶』って、ギャスパーか!? でもどうしてこのタイミングで!?

 

 

「おっ? 草下のヤツ、上手くやったみたいだな。これでそっちはあと四人ってワケだ」

 

「草下って、あのお下げ髪の子だろ? あの子は確か『僧侶』だったはず。どうやって、こんな短時間にギャスパーを...........?」

 

草下憐耶、俺と同じ二年で生徒会のメンバーの一人だ。お下げ髪でおっとりした感じが特徴の女の子だ。

 

部長の話では彼女はソーナ会長の『僧侶』で魔法使いの家系らしい。でも見た感じ戦闘が得意そうには見えなかった、そんな彼女がどうやってギャスパーを倒したんだ!?

 

 

「草下の祖母は魔法使いでな、その祖母からいくつか魔法を受け継いでいるんだよ。特に『風』を使った魔法が得意らしい。

だからゲームが開始すると同時に『風』の魔法で姿を隠して、中央から最短ルートでお前達の本陣まで一気に接近して偵察をしたんだ。おかげでお前達の動きや進行ルートはすぐに分かったぜ?」

 

 

『風』の魔法で姿を隠して、本陣まで接近していた!? 全然気づかなかった! クソッ、だからあんなドンピシャのタイミングで奇襲が出来たのか!!

 

 

「じゃあギャスパーもその『風』の魔法で倒したってわけか!?」

 

「いや、草下はどっちかっていうとギャスパー君みたいにサポートタイプでな。相手を倒すほどの攻撃力はまだ無い」

 

「じゃあどうやって...........?」

 

「草下はお前達の動きを俺達に教えた後、ギャスパー君を地下へと誘い出したんだよ。何か悪巧みをしている風を装ってな。

もちろん『停止世界の邪眼』に捕まらないように建物の陰などを利用しながらだ」

 

「地下? 何でそんなところに...........?」

 

「兵藤、地下のフロアには何がある?」

 

「? 地下は確か、食品売り場だったか?」

 

「そうだ。食品売り場なら当然あるよな..........『ニンニク』が♪」

 

「っ、まさか!?」

 

「そう。生のニンニクにガーリックパウダー、ガーリックソースetc........あらゆるニンニク製品を使って、ギャスパー君をニンニクまみれにしたんだよ。

さすがにニンニクを克服する修行はしていないはずだって会長がな」

 

 

ギャ、ギャスパァァァァァァァァァァ!!!

お前、この大一番に体を張ったギャグかますとか何考えてんだぁぁぁぁぁ!!!

『強い男になる』って呂布と約束してたんじゃなかったのかよ!?

 

試合開始前のあの気合いはどこにいった!? 部長にだって優しく抱きしめられてただろうが!!

あんな羨ましいことをしてもらっておきながら、あっさりやられやがってぇぇぇぇ!!

 

帰ったら覚えておけよ! 今後しばらくお前のメシはニンニクオンリーだからな!!

それからニンニク克服のための特訓もするからな、覚悟しておけよぉぉぉ!!!

 

 

「クッソ! こうなったらお前をソッコーで倒して、白音ちゃんと合流してやる!! 『赤龍帝の籠手』!!」

 

『Boost!』

 

俺は『赤龍帝の籠手』を使い、パワーを溜め始める!

 

 

「そうそう、そうこなくっちゃな! こっちもいくぜ『黒龍王の手甲』!!」

 

匙が名前を呼ぶと左手に『赤龍帝の籠手』のような物が出現した!

いや、形は似てるけど俺の『赤龍帝の籠手』よりもコンパクトだし色も黒い。あれはいったい..........。

 

 

「匙、それは...........?」

 

「これか? これは俺の新しい神器『黒龍王の手甲』さ。俺が元々持っていた『黒い龍脈』とセラフォルー様が持ってきてくれた三つのヴリトラの神器を、呂布師匠が一つにしてくれたんだよ」

 

なっ! 新しい神器だって!? それに四つの神器を一つにしたって..........呂布のヤツ、そんなことまで出来るのかよ!?

 

俺が驚いていると『赤龍帝の籠手』の宝玉が急に輝きだす!!

 

 

『この気配.......まさかヴリトラか!?』

 

『ほう、その声はドライグか。久しいな』

 

 

ドライグが話し出すと匙の神器に付いている宝玉も光って、声が聞こえる。

もしかして俺の『赤龍帝の籠手』のように匙の神器の中にも何かいるのか?

 

 

「ドライグ、ヴリトラって何だよ? 知り合いか?」

 

『ああ、ヤツは【黒邪の龍王 ヴリトラ】。五大龍王の一体だったドラゴンだ。

随分昔に帝釈天に倒され、身体ごと魂をバラバラにされたと聞いていたが...........どうやら復活したらしい』

 

五大龍王!? ってことはタンニーンのオッサンと同格だっていうのか!?

 

 

『しかし意外だな、ヴリトラ。邪龍のように面倒な性格のお前が、おとなしくその小僧に手を貸しているとはな。随分と物分かりが良くなったじゃあないか?』

 

『フン、性格についてお前にどうこう言われる筋合いは無いわ。まぁ、色々とあったんだよ..........今は故あってこの宿主に協力している』

 

「ハハハ.........まぁ、よろしく頼むよヴリトラ。さて兵藤! お互いドラゴンを宿した者同士、決着をつけようぜ!!」

 

匙はボクサーのような構えで向かってくる! ちぃっ!こうなったらやるしかねぇ!!

 

 

俺も匙を迎え撃つべく構える! こうして俺達も戦闘を開始した。

 

 

 

 

 

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

 

 

 

 

 

 

「なっ、新しい神器だと!? しかもヴリトラの魂まで蘇っているなんて...........!」

 

 

俺はあまりにも驚愕の事実に席から立ち上がってしまう!

 

確かにセラフォルーにヴリトラの神器を渡していた。それらを『黒い龍脈』を持つシトリーの『兵士』......匙だったか?

ヤツに与えればヴリトラの意識が目覚めるかもしれないとも思っていた。

 

しかしそれはあくまで可能性の話であり、目覚めたとしても意志疎通が出来るとは限らなかった。

 

それが魂まで完全に復活するなんて...........!

 

 

「ホホ~ウ。ヴリトラとは、また随分と懐かしいヤツが現れたものじゃ。なぁ帝釈天」

 

「ヒャーハッハッハッ! 確かにNA☆ これは面白くなって来たZE☆」

 

「ええ、『赤龍帝』VS『黒龍王』の戦いですか。これは見物ですね」

 

「ガーハッハッハ! 呂布のヤツめ、中々面白い趣向を用意してくれるではないか!!」

 

ちぃ、神連中は完全に観戦モードかよ。仕方ねぇ!

 

 

「おい呂布、どうやって神器を一つにした? それにヴリトラの魂を完全な形で蘇らせるなんて、どんな魔法を使ったんだ」

 

「......................」

 

 

くそ、黙りか。だがこれは大事件だ。何せ神器は聖書の神が作った物。そしてヴリトラの魂を四つに分け、それぞれの神器に封じ込めたのも聖書の神だ。

 

それを一つに合わせて新たな神器を作り出したばかりか、ヴリトラの魂を復活させて神器に定着させただと!?

 

これが事実なら呂布は聖書の神と同等、もしくはそれ以上の『異能』や『能力』を有していることになる。

 

無論、無から有を生み出すようなことは出来はしないだろうが、呂布の成長率は未知数なうえに天井知らずだ。

神器に関しての知識や造詣を深めれば、いずれ神器そのもの.......もしかしたらそれ以上の物を生み出すことが出来るかもしれない。

 

っ、まさか『人工神器』を要求したのも、これを見越してのことか!? こいつ、どこまで先を読んでやがるんだ!?

 

単純な『武力』だけじゃねえ。必要なことを理解し、先を見据えて行動出来る『知力』まで有してやがる.........これが『世界最強』か!!

 

「なぁ、おい「そこまでです、総督殿」っ!?」

 

俺が呂布に問いただそうとすると曹操が割って入ってくる。

 

 

「それ以上、呂布を詮索するのは止めてもらいましょうか。別に良いではありませんか。

四つのヴリトラの神器が一つとなり新たな神器が生まれた、それに伴いヴリトラの魂が復活した。

そしてそれらはソーナ・シトリーの『兵士』が有しており、ソーナ・シトリーの掌中にある。ただそれだけのことです」

 

 

っ、確かにそうだが...........龍王の力と魂を宿した新たな神器、その重要性については言うまでもないことだ。

本来であればレーティングゲームを中断してでも調査・研究をすべき代物だ。

 

しかしあの神器は呂布が生み出した物。いくら元々あった四つの神器を合成・合体させたとしても、あの神器に呂布の手が加わっていることは間違いない。

 

もしかしたら呂布の手を借りられれば、他の神器同士を掛け合わせて新たな神器を他にも生み出すことも出来るかもしれない。

いや、さらには未だ安定しない人工神器同士を掛け合わせて安定化させることも...........。

 

だからこそこの場で詳しく聞きたかったんだが、それは呂布の力・能力の一端を知ろうとする行為に他ならない。

神々の警告があるのにそんな行為が許されるはずがない! 現に奥の席にいる神々が俺のことを射殺さんばかりに睨み付けて来やがる!!

 

こいつ、分かった上で言ってやがるな!?

 

 

「これは凄い!『黒邪の龍王』と『赤龍帝』の戦いか!!」

「ハッハッハッ!ソーナ嬢も中々粋な演出をされる!!」

「ええ!まさかこんな隠し玉を用意しているとは!!」

 

 

新しい神器の登場と龍王の復活、そして龍王と天龍の戦い。このエンターテイメントな演出にソーナ・シトリーを軽んじていた貴族連中は手の平を返したような反応をする。

 

だが、これでソーナ・シトリーの評価が上がったのは間違いない。もし狙ってやっていたとしたら大したモンだ。

 

 

しかしこれはマズイかもしれねえな。もしあの神器一つで四つのヴリトラの神器の能力を全て扱えるとしたら、かなり厄介だぞ?

 

『黒邪の龍王』ヴリトラは力は他の龍王に劣るかもしれないが、呪いなどの相手にデバフを与える能力に秀でている。

基本スペックは神滅具である『赤龍帝の籠手』の方が上だとは思うが、使いこなせれば『赤龍帝の籠手』以上の活躍が出来るかもしれねえ。

 

 

 

これからの展開がどうなるのか。貴族や神々は期待を、俺は不安を感じながら両者の戦いを見守るのだった。

 

 

 

 







草下が風魔法が得意というのは、作者の独自設定です。原作では『魔法を受け継いでいる』ことと『索敵や偵察などのサポートが得意』とのことでしたので。

ちなみに『風を使って姿を隠した』というのは、Fateはアルトリア(セイバー)の『風王結界』みたいな物です。





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