深紅の武人が住くD×D   作:あさやん&あさやん

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本来なら二話に分けるぐらいの長文ですけど、区切りの良いところまで書いたら........................いつの間にか、こうなってましたwww






第八十話

 

 

 

 

 

 

リゼヴィムってヤツが呼び出したのは、俺の両親だった............................そんな、どうして父さんと母さんが................................!?

 

 

 

「そのと~~り♪この二人は、そこにいる赤龍帝クンのご両親で~~~す!!驚いた?ねぇねぇ、驚いた?」

 

リゼヴィムは人質にした俺の両親を宙に浮かべ、自慢気に見せびらかしてくる・・・・・・・俺は怒りで頭がどうにかなりそうだった。

 

 

「いや~~~、苦労したよ。何の用意もせず呂布ちんの前に出たって殺されるだけだからさぁ・・・・・・かと言って呂布ちんに関係ありそうな人物とかは、基本的に各神話群や『蒼天の紅旗』がガッツリ守ってるから人質に取るなんて出来っこないし・・・・・・・・

そこで聖書陣営からはどうかな~~~って色々と調べてみたら、ちょうど赤龍帝くんの両親が海外旅行に行ってるってのが分かってね。ホント助かったよ。

冥界をはじめ、どの勢力も神話群も『禍の団』を警戒して、各々の支配領域の監視が厳しくなってるからね。人質を用意するのは難しくなってるんだよね~~~、だからこの二人が日本を離れていてくれたのは運が良かったよ♪」

 

 

「そんな................じゃあ、私のせいで................」

 

「部長、しっかりしてください!」

「そうよ、リアス。貴方のせいじゃないわ!」

「部長さん、気を確かに................!」

「部長さん!」

 

確かに、あの旅行は部長が用意した物だ....................けど、部長が悪いだなんて全く思っていない!悪いのは、このクソ野郎だ!!

 

 

「テメェら、父さんと母さんを放しやがれ!ぶっ殺すぞ!!」

 

「おや~~?そんなこと言っちゃっていいのかな~~?知ってるよ~~、キミ........教えてないんでしょ?自分が悪魔になったことを♪」

 

「ッッッッッ!?」

 

「ま、さ、か。自分の最愛の息子が殺されたばかりか、悪魔になってるなんて............二人は夢にも思ってないだろうね~~~。

しかも、それをずっと隠していたばかりか、いつの間にか自分の家が悪魔だらけになってるんだから♪」

 

「「「「っっっっっっ!!」」」」

 

 

「そ、それは........................」

 

確かに俺は自分が悪魔になったことを二人には伝えていない........................いや、言えるわけがない。自分の息子が殺されて、悪魔に転生したなんて....................................。

 

二人に隠し事をするのは心苦しかったけど............もし二人にこのことを話したら................俺を拒絶するかもしれない、俺を見る目が変わるかもしれない....................そう思うと怖くて尚更言えなくなった。

 

だから、このことは死ぬまで秘密にするつもりだった................世の中知らない方が良いこともある。

 

 

だがリゼヴィムは、そんな俺の葛藤など嘲笑うかのように、とんでもないことを言い出す!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうだ!せっかくの機会だし、教えてあげようじゃないか・・・・・・キミの正体を♪」

 

 

 

 

 

............................は?こいつ、今............何て言った?

教える?俺の正体を?父さんと母さんに?

 

俺がリゼヴィムの言ったことを理解しようとしている間に、ヤツはどんどんと話を進めていく............................。

 

 

「そうだ、それが良い!我ながらグッドアイディアだ!両親も本当のことを知れる、キミも隠し事をしなくて済む。まさにwin - winじゃないか!!」

 

 

「なっ、止めなさい!!」

「何てことを............................」

「酷い........................!」

「............................ゲスめ」

「そんな................それじゃあ、イッセー先輩が....................!」

 

「リゼヴィム....................テメェ............!」

 

 

リゼヴィムが気絶している父さんと母さんを起こそうとし、部長達とアザゼル先生が止めようとするがリゼヴィムは全く気にも止めない。

 

 

「ギャスパー、貴方の能力でリゼヴィムを止めなさい!急いで!!」

「は、はい!!」

 

部長の指示でギャスパーがリゼヴィムの動きを止めようとする!

そうか!ギャスパーの神器ならヤツの動きを止められる!その間に父さんと母さんを助け出せれば・・・・・・・!!

 

 

「『ザ・ワールド』!!」

 

キィィィィィィィン............パシィンッ!

 

 

「「「「っっっっっっ!?」」」」

 

 

しかしギャスパーの能力は、どういうわけか弾かれてしまった!!

そんな................神器はちゃんと発動していた。呂布のおかげで安定もしている。それなのに全く止められないだなんて................................。

 

 

「そんな、どうして!?」

「まるで何かに弾かれたような....................とにかくもう一度「よせ、リアス!!」っ、アザゼル!?」

 

再びギャスパーの能力を発動させようとする部長をアザゼル先生が苦々しい表情で止める....................あんな顔の先生は初めて見る。部長もアザゼル先生の顔を見て、冷静になったのか....................落ち着いた様子で尋ねる。

 

 

「アザゼル、どうして止めるの?」

 

「ダメなんだ、リアス。ヤツには............リゼヴィムには神器の能力は一切通用しない........................」

 

「それってギャスパーが未熟だからってこと?」

 

「そういう問題じゃない。【神器】そのものが効かないってことだ........................『停止の邪眼』だけじゃない。『神滅具』を含めた全ての神器がな」

 

 

「「「「「!!!」」」」」

 

神器そのものが効かない!?どういうことだよ、それ!?

じゃあ、木場の聖魔剣やヴァーリの『白龍皇の光翼』も効かないってことかよ!?

 

 

「そんな............そんなことって....................」

 

「アザゼルの言う通りじゃよ、リアス・グレモリー。どうやら【神器無効化 セイクリッド・ギア・キャンセラー】は健在のようじゃな」

 

「【神器無効化】・・・・・・」

 

「そうだ。ヤツが生まれ持った........突然変異とも呼べる能力でな。あらゆる神器の力を無効化できるんだ........................故にヤツはサーゼクスたちと同じように『超越者』の1人として数えられている....................................」

 

「なっ、お兄様やアジュカ様と同じ!?」

 

【神器無効化】!?あらゆる神器の能力が通じないって........................何だよ、そのインチキ過ぎる能力は!?

 

 

「ヒャーヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ!そのとーり、スペシャルなボクちゃんには神器は一切通じないんだよ♪どーやらリアスちゃんは、サーゼクスきゅんからボクちゃんのことを聞いてなかったみたいだね、可哀想に♪

不思議に思わなかったかい?何故サーゼクスきゅん達、現魔王の眷属に神器能力者がいないのか・・・・・それはボクちゃんとの戦いでは、全く役に立たないからさ♪無意味なんだよ、無ー意ー味♪ヒャッヒャッヒャッヒャッ」

 

「っ........................!」

 

「さあ~~て、無駄だと分かったところで・・・・・ショータイムと行こうかね♪」

 

 

「や、やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

俺はリゼヴィムに向かって叫ぶが・・・・・・・当然、ヤツがそんなことを気にするハズは無く・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「............う................あら?いつの間にか寝ちゃってたのかしら................?」

「....................ん?ここは....................」

 

リゼヴィムが手を翳した瞬間、父さんと母さんが目を覚ましてしまった!!

 

どうしよう................どうすれば................................!

 

 

「お目覚めはいかがですかな、お二人とも♪あ、下は見ない方がいいですよ♪」

 

「えっと....................どちら様でしょうか?」

「あ、これはどうも。あの・・・・下、とは?」

 

父さんと母さんも当然、現状を理解しておらず、普通に挨拶をするとリゼヴィムの言ったことを確認するかのように下を見る。

 

 

「「ひぃっ!!」」

 

「あーあー、だから下を見ないようにって言ったのに・・・・・・ま、あんな風に言われたら、誰だって見ちゃうか♪ヒャッヒャッヒャッヒャッ」

 

「ふん、悪趣味だな」

 

「そう言いなさんなって。悪役の鉄則でしょ?身内を人質に取るってさ♪」

 

リゼヴィムは二人の混乱しながら怯えている反応を楽しみつつ、母さんを脇に抱え・・・・・父さんをロキの方へ移動させる。

ロキも父さんにゴミでも見るような目を向けるが、この場を切り抜けるため渋々脇に抱える・・・・・・・ア、アイツらぁぁぁぁ!!!

 

 

「ってなわけで、お二人が目覚めたことだし・・・・・・さっそく、始めるとしますかね♪」

 

リゼヴィムはウキウキしながら、父さんと母さんに俺の秘密を話そうとする............................もう、ダメだ............ごめんよ、父さん、母さん。

 

 

「お二人とも、落ち着いて下さい。まずはこのような所にいきなり連れてきたことをお詫びします。ああ、ちなみに・・・・・これは夢ではありませんので、間違って落ちたりでもしたら助かりません。だから、大人しくされていた方が身のためですよ?」

 

「ひぃっ!」

「ア、アンタ........いったい何者なんだ!?何でこんなことをする!?それにその羽はいったい........................」

 

「ギャーギャーとうるさい人間どもだ................おい、リゼヴィム!人質なら1人いれば十分のはずだ!片方は始末しても問題なかろう!!」

 

「まぁまぁ、そう言わずに♪二人は言うなればゲストなんだがら、多少は大目に見てあげないと....................それにそっちの人質を殺したら、ロキちんが無防備になっちゃうよ?何せ『深紅の武人』様がいつでも動けるように、こっちを睨んでいるからね♪」

 

「................................ちっ」

 

ロキは取り乱している両親を見て苛立ったのか................父さんを殺すようにリゼヴィムに提案するが、呂布を警戒し却下される。

 

呂布のヤツ....................もしかして、父さんと母さんを助けようとしてくれてるのか?

けど、いくら呂布でもあんな風に人質を取られたら動けない................................くそっ!打つ手無しかよ!!

 

 

「え~~っと。まず結論から言いますと・・・・・あそこにいる者たちも含め、我々は人間ではありません。ちなみにボクちゃんは『悪魔』です。今、お父さんが言ったように、この羽が証拠です」

 

リゼヴィムは父さんと母さんに自分の羽を見せながら、羽を動かす・・・・・・二人とも何が何やら理解が追いついていない様子だ、無理もない。海外旅行に行ってたのに、いきなりこんなとこに連れてこられた上、目の前に現れた人物に『自分は悪魔です』なんて言われても信じられるはずがない。

 

だが、リゼヴィムはそんなことはお構い無く、ひとしきり説明し終わると・・・・・今度は俺たちを指して説明を始める!

 

 

「そして、あそこにいるボクちゃんと同じ羽を生やした連中も『悪魔』なのです!しかし、よく見てください....................羽を生やした者の中に見知った顔が、あなた方の息子の顔もありませんか!?」

 

父さんと母さんが俺や部長達を見て困惑する。部長達も今まで黙っていた後ろめたさから............顔を背けてしまう............................。

 

 

父さんも母さんも部長に白音ちゃん、木場にギャスパー、一緒に暮らす皆のことをとても気に入ってくれていた。

 

アザゼル先生も、よく家に来ては母さんが作ったツマミを食べながら父さんと酒を飲んでいる。休日前であれば、徹夜で飲み明かすことすらある。

 

部長は母さんと料理をするのが毎日の楽しみになっているし、木場は仕事帰りの父さんの肩を揉んでマッサージするのが日課だ。

白音ちゃんもギャスパーもまともに親からの愛情を受けたことが無いみたいで、テレビを見たり居間にいる時は、白音ちゃんは母さんの、ギャスパーは父さんの膝の上に嬉しそうに乗っている............................皆、父さんと母さんのことを心から慕ってくれていた。

 

 

「一誠............アナタ、一誠........よね?この人の言ってること........よく分からないけど................アナタは本当に一誠なの?」

 

「一誠............リアスさんたちもそうだが................その羽はいったい............................」

 

 

「....................ごめん............ごめんよ............父さん、母さん................ごめんよ」

 

そして俺は俯きながら............ただ謝ることしか出来なかった........................こんなことになったのはリゼヴィムのせいだ。けど....................二人に悪魔になったことを隠していたのは『俺』自身だ、部長達のことを黙っていたのも『俺』の意思だ。

 

部長達やアザゼル先生から相談をされたことは一度や二度じゃない。両親に本当のことを話すべきなんじゃないか、と何度も言われた............................皆もきっと心苦しかったんだろうな、父さんと母さんに黙っているのが................................。

 

でも皆は、こんな臆病な俺の意見を尊重し................話すタイミングは俺に一任してくれた。

 

その結果がコレだ....................だから、この責任は............俺にある。俺がちゃんと................正直に話していれば................................!!

 

 

「残念ですが、お父さんお母さん............先ほども言いましたが、これは『現実』なのです。お二人の息子さんは春先に亡くなり、以降はあの悪魔が!息子さんを装い、何食わぬ顔でお二人と一緒に暮らしていたのです!!」

 

なっ、違う!俺は正真正銘、二人の息子で・・・・・・!!

 

いや....................二人から見れば、俺は確かに『兵藤一誠』の皮を被った悪魔だ。俺が何て言おうと................父さんと母さんにとっては得たいの知れない『化け物』だ。

 

 

「なっ、違います!お父様、お母様!確かにイッセーは一度死に悪魔になりました。ですが、心は紛れもなくお二人の子どもです!お二人と過ごした記憶もちゃんと彼の中に残っています!悪魔だからと言って、別人であることなど決してありません!!」

 

「惑わされてはいけません。彼女も悪魔なのです。ほら、夏休みに彼らが一斉に出掛けたことがあったでしょう?アレは、この悪魔たちの世界に行っていたのです。

それにお二人の家が急に大改築されましたでしょう?しかも付近にいた住人も立ち退く形で............................普通に考えたら、立ち退きに誰一人反対しないなんておかしいですよね?アレも全て、この悪魔が仕組んだこと。悪魔の力を使って付近の住人を操っていたのです」

 

「っっっっっっ........................!!」

 

リゼヴィムの言葉に、さすがの部長も何も言えなくなる。俺達が夏休みに冥界に行っていたのは事実だし....................家の改築だって部長は『円満に解決した。皆、幸せになった』と言っていたけど、恐らく付近の住人には催眠術を掛けて新居に移ってもらったのだろう。

 

全て事実だからこそ....................否定が出来ない。俺達の都合の良し悪しに関わらず................................。

 

 

「信じてください!私達は...........イッセーは決して、お二人を騙そうとしたわけではありません!ただ機会を伺っていただけです!お二人と落ち着いて話が出来る機会を!!」

 

「いいえ、騙されてはいけません。奴らは悪魔です、言葉巧みに人を騙すなんてお手の物。家を改築したのも楽しそうにふるまっていたのも、お二人を懐柔するため。機会を伺っていたなんて言っていますが、それはお二人に取り入る機会を見計らっていただけでしょう」

 

「ぐっ........................!!」

 

部長は何とか必死になって弁明しようとするが、何を言ってもリゼヴィムが悪い方向へと言い換えてしまう........................。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もういいですよ、部長............................もう、いいんです............................だから、そんな悲しそうな顔をしないでください。

 

大丈夫です....................二人は絶対に助けます....................そして、この場を切り抜けられたら....................父さんと母さんから俺に関する記憶を消して........................俺は二人の前から消えます。

 

記憶の消去については、アザゼル先生に頼めばやってくれるはず。俺は二人の息子じゃなくなるけど........................二人は『俺』にとって掛け替えの無い両親に違いはありませんから........................『俺』さえ、ちゃんと覚えていれば問題ありませんから........................心配しないでください。

 

 

「父さん、母さん........................ごめんな。ソイツの言ってること、全部本当のことなんだ....................ずっと隠していて....................................ごめんなさい」

 

「イッセー............................」

「一誠くん............................」

「一誠君................................」

「一誠先輩............................」

「イッセー先輩....................」

 

「イッセー............お前........................」

 

ああ........................良かった................最後の最後で................謝れた。

大好きな父さんと母さんの顔を見ながら............................ちゃんと謝れた。

 

これでいい....................これでもう『俺』は大丈夫....................あとは二人を助けるだけだ................................それで『終わり』にしよう。

 

 

そうして俺が『兵藤一誠』としての人生に終わりを告げようとすると・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「....................................一誠」

 

 

 

 

 

................................え?今....................何て?

 

 

母さんが俺のことを................声は小さかったが、ハッキリと................『一誠』と呼んでくれた。さっきみたいに疑いながら呼んだんじゃない。ある種の確信を持ちながら、いつも呼んでるみたいにハッキリと................『一誠』と呼んでくれたのだ................................。

 

 

「やっぱり................あなた、一誠なのでしょう。翼を生やしているけど....................その謝り方。自分に非があると素直に認めた時は何の弁明もせず、ひたすらに謝る....................その癖は間違いなく、あの子の............『一誠』の物だわ」

 

「ああ、生まれた時から................ずっと一緒に暮らしてるんだ、見間違えるはずが無い。あの子は間違いなく....................俺達の息子の『一誠』だ」

 

 

「っっっ......................何で....................分かるの?」

 

ずっと黙っていたのに........................ずっと悪魔であることを隠してたのに........................何で、そんな癖一つで........................................。

 

俺が嬉しさと困惑が混じり合った複雑な感情を抱いていると、父さんも母さんも........................優しい顔で教えてくれる。

 

 

「分かるに決まってるじゃない。あなたを産んだのは私よ?息子の『本気の時の癖』が本物か演技かなんて、すぐに分かるわ」

 

「母さんの言うとおりだ。最初はいきなりの出来事過ぎて、パニックになっていた....................今も正直、飲み込めないこともたくさんある.......................けど落ち着いて、お前のことを見れば....................お前が俺達の息子だということだけはハッキリと分かる。伊達にお前が生まれた時から父親はやっていないからな」

 

「っっっっっっっっっっっっ!!!」

 

言葉が無かった............................気づけば、二人からの言葉で俺の顔は涙でメチャクチャになっていた。

 

二人は俺のことを........................悪魔になった俺のことを『息子』と認めてくれたのだ。部長達も一安心したのか、涙ながらに喜んでくれている。

 

 

しかし、ソレをつまらなく思ったのか....................リゼヴィムが騒ぎ出す。

 

 

「いやいやいや、お二人とも!何を言っているのですか!?よく見てください、あの翼を!あんな翼が人間に生えているわけないでしょう!?あんな化け物を『息子』と呼ぶんですか!?」

 

「そうです!たとえ翼が生えていようが、尻尾が生えていようが........................あの子は間違いなく『兵藤一誠』!私が命懸けで産み、夫が必死の思いで育ててきた........................私達の大切な息子です!!」

 

「そうだ!確かにあの子は一度死んだのかもしれない。悪魔になって人間じゃなくなったのかもしれない。でも........................................生まれ変わっても『俺達の息子』でいてくれてたんだろう!?なら、それで十分だ!!『親』として他に何を望むんだ!!!」

 

「っ!?」

 

 

悪魔になっても、人間じゃなくなっても自分の息子である....................リゼヴィムは父さんと母さんの迫力に僅かだが、気圧されていた。特別な力があるわけでもない................ごく普通の、息子を想う父親と母親に気迫負けしたのである。

 

そしてこれまで二人に対して司会者のようにふるまっていたリゼヴィムは、この二人と真っ正面から向き合うことを止める。

 

 

「ハァ................うざ。もういいわ................つまんね」

 

バリバリバリッ!

 

 

「きゃあっ!」

「ぐあっ!」

 

そして二人の身体を急な電流が襲い掛かり....................二人は気絶する。

 

 

「っ、父さん、母さん!!」

 

「心配すんなよ、ちょっと電気を流して気絶させただけだ。死んじゃいねーよ....................ま、一般人にはちょびっとキツめの電圧だったかもね♪」

 

「てめえ....................................」

 

この野郎....................父さんはともかく、身体があまり丈夫じゃない母さんに........................あんな気絶するぐらいの電気を流したっていうのかよ。

 

許せねえ........................コイツだけは断じて生かしちゃおけねえ................................!!

 

 

再び頭が怒りで沸騰しそうになる俺を・・・・・・リゼヴィムが更に燃料を投下する。

 

 

「あーあ、つまんねーの。せっかく面白そうな親子の破綻劇が見れると思ったのに................................下らねえ」

 

 

 

 

ブチッ....................................................

 

 

瞬間、俺の中で何かが弾けた・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「リゼヴィムゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!」

 

 

 

ゴォォォォォォォォォォォォォォッッッ!!!

 

 

 

 

『赤龍帝の籠手』がかつてない輝きを放ち、俺の身体中から赤いオーラが迸る!!

 

そして『赤龍帝の籠手』からドライグの声が聞こえる。

 

 

『相棒、遂に至ったみたいだな。両親の深い愛情を知り、それを傷つけられたことへの激しい怒りが相棒の心に劇的な変化を与えた....................さあ、叫べ!今なら出来るはずだ!!』

 

頭の悪い俺でもドライグが何を言いたいのか、すぐに分かった........................俺は渾身の想いを込めて叫ぶ!、

 

 

 

「≪禁手化≫!!!」

 

 

『Welsh Dragon Balance Breaker!!!』

 

 

 

ドゴォォォォォォォォォォォォォォンッッッ!!!

 

 

 

遂に至った『禁手』、その名も『赤龍帝の鎧』!!

 

全身を赤い鎧で覆われてはいるが不思議と重さは感じない。そして動かし方も頭で理解出来る!!

 

俺は背中のブースターを勢いよく噴出させ、リゼヴィムに突進する!!

 

 

 

「リゼヴィムゥゥゥゥゥッッッ!!!」

 

コイツだけは許せない。父さんと母さんを拐い、キズつけたばかりか........................二人の想いを下らない物と吐き捨てたコイツだけは........................一発、いや二人と俺の分も含めて三発は殴らないと気が済まない!!!

 

今まで感じたことのないくらいのパワーをみなぎらせ、体感したことのないスピードでリゼヴィムに迫るが・・・・・・ロキが魔力の弾を放って迎撃してくる!

 

 

「ふん、愚かな。真っ正面から突っ込んでくるとは・・・・・・・・」

 

 

バシュンッバシュンッバシュンッ!!

 

 

魔力弾はいずれも生身の俺なら即死待ったなしの威力だっただろう........................生身の俺なら。

 

今は一秒でも惜しい俺は、ロキの魔力弾を気にすることもなく真っ直ぐ突っ込む!!

 

 

「邪魔だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

『BoostBoostBoostBoostBoostBoost............』

 

 

一気に最大回数まで倍加を重ねて解き放ち....................魔力弾は俺の身体に当たった瞬間、弾けて消えていった。

 

 

「なにぃ!?」

 

ロキが魔力弾を弾いた俺に驚愕する!!俺もまさか全くの無傷だったことには驚きだが、今はどうでもいい!

 

俺はリゼヴィムに肉薄するほどの距離まで詰めると、ありったけの怒りを込めて拳を放つ!!

 

 

「くらいやがれぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

『禁手』状態から最大限まで倍加させた、文字通り全身全霊の一撃。いくらタンニーンのオッサンでもまともに食らえば吹っ飛ぶほどの威力だ!!

 

しかし・・・・・・・・・・・・

 

 

 

バシィィィィィィィン................................

 

 

俺の拳はリゼヴィムに簡単に止められてしまった............................片手で。

 

な、何で!?『禁手』状態なのに................限界まで倍加させたのに............................何で子どもの拳を受け止めるみたいに簡単に....................................。

 

俺がとても信じられない物を目にしているような顔でいると、リゼヴィムはまたしてもこちらを嘲笑うかのような不快な笑い声を上げる。

 

 

「アーヒャッヒャッヒャッヒャ!忘れたのかい、赤龍帝くん?ボクちゃんには神器が通用しないってことを。能力の強弱、神器としてのランク、直接的か間接的か................そんなの一切関係ナッシング♪

神器に関する力は軒並み、無力化ないし無効化されちゃうのよ?だから、今キミが放ったパンチも倍加の力が無効化されて、ただの一般人レベルになってるってわけ♪現にキミの『禁手』もボクちゃんが触れてる部分だけ解除されてるでしょ?」

 

俺の右拳を見てみれば、確かにヤツの言ったとおり........................ヤツが掴んでいる右手だけ鎧が解除され、生身の部分が剥き出しになっていた。

 

そんな........................じゃあ、物理だろうが魔力だろうが............たとえ『禁手』になっていようが........................神器を介していれば、ヤツが触れた瞬間に無力化されちまうのかよ....................................。

 

 

「この土壇場で『禁手』になったのは驚きだけどね........................でも残念でした、魔王と戦うにはレベルが足りないよ。レベルを上げて出直してきなさい♪」

 

 

ドカァッ!!

 

 

「ゴフッ!!」

 

 

ガガガガガガガガガガガガァァァァ!!!

 

 

 

「イッセー!!」

 

 

部長が俺を呼ぶ声を聞きながら、俺はリゼヴィムに蹴り飛ばされた........................よほどの力で蹴られたのか、地面に激突した後も勢いはなかなか納まらず....................地面を抉るような形で吹き飛ばされて、ようやく止まった。

 

 

............................イッテェ................腹を蹴られた瞬間も鎧が解除されて、生身でモロに蹴りを食らっちまった。鎧のおかげで地面に激突した瞬間に即死することはなかったけど........................ヤツに蹴られたところ、たぶん内臓がいくつか潰れてる。

 

 

『相棒、大丈夫か!スマン、ヤツの能力が禁手すら上回るものだとは思わなかった............................完全に見通しが甘かった............................』

 

なに............謝ってんだよ........................ドライグのせいじゃねえよ........................俺が考え無しに突っ込んだのがいけなかったんだ................それに、ドライグの鎧が無かったら............................間違いなく、死んでた。

 

 

『しっかりしろ、相棒!両親を助け出すのだろう!お前と両親の絆を汚したアイツをぶん殴るんだろう!?このままアイツに笑われたままでいいのか!?』

 

そうだな............................父さんと母さんを........................助けないと........................でも、どうすれば........................。

 

 

 

 

せめて、リゼヴィムが無効化出来ないほどの力があれば............................................

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

≪≪≪≪≪≪≪力ガ欲シイカ?≫≫≫≫≫≫≫

 

 

 

 

 

 

 

 

 







ついに一誠が『禁手』に至りました。さすがに原作主人公が『トリアイナ』はおろか『禁手』すら使えないのは、原作ファンとしては看過出来ませんからねwww

かと言って、乳をつついてパワーアップするとかいうトンデモ展開は論外ですし........................そう考えると一誠に劇的な変化が現れるのって、一番最初のアーシアがレイナーレに殺された時とリゼヴィムに両親が拐われた時ぐらいしかタイミングが無いような気がします。

さて、せっかくの『禁手』も通用しなかったわけですが........................マダダァ、マダ足リナイィィ、モット一誠ニ絶望ヲォォォ!!ってな感じで、一誠の苦難はまだ続きます。すべては私が望む『兵藤一誠』にするために!!

あ、ちなみに一誠が『リゼヴィムじゃなくて、ロキに突っ込めよ』というツッコミは野暮なのでご容赦願います♪


それでは皆さん、次回で♪


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