深紅の武人が住くD×D   作:あさやん&あさやん

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色々と後味の悪い展開が続いていますが....................作者は『アンチ』や『胸糞展開』というのは、あまり好きではありません。

なので、一時的に気分の悪い描写が出ることはありますが、その後に何らかの形で補完するように話を作っています。

ただ、リゼヴィム................お前は別だ!!





第八十一話

 

 

 

 

ガガガガガガガガガガガガァァァァ!!!

 

 

 

「イッセー!!」

 

リゼヴィムに蹴り飛ばされたイッセーは地面を削りながら、吹き飛んでいった!!

 

そんな、『禁手』になった『赤龍帝の籠手』........神滅具でもリゼヴィムの能力【神器無効化】には通用しないと言うの!?

 

神すらも滅ぼすことが出来ると言われている神滅具でさえ無力化するなんて!

 

 

「部長、一誠君を!!」

 

祐斗に言われて、私はハッと我に帰る。そうだ、今はイッセーを助けに行かないと!!

 

 

「おーーっと、全員動かないでよん♪こっちには人質がいるんだからさ~~。

吹っ飛んでいった赤龍帝くんはともかく、キミたちまで目の届かないところへ行かれると困るのよ?

だから、ボクちゃん達が逃げるまで大人しくしていなよ♪」

 

私達がイッセーの所へ向かおうとするも、リゼヴィムが邪魔をする。

 

くっ、一刻も早くイッセーを助けに行かないといけないのに!!

 

『赤龍帝の鎧』があるから、ある程度ダメージは軽減出来てるとは思うけど、未だ戻ってこないところを見ると動けないほどのダメージは受けてしまったのだろう。

 

 

「さ~て、最後に面白いものも見れたし。そろそろ帰るとしますかね♪ お~い、ロキちん、帰ろうZE☆」

 

「フン! まぁ、いいだろう。オーディンを仕留められなかったのは残念だが、このあたりが退き時か」

 

「そうそう、チャンスはまた来るって♪素直なロキちんはボクちゃんも好きよ♪

それじゃあ諸君、ご機嫌よう。あ、この二人は今後も有効活用させてもらうから連れていくよん♪ 赤龍帝くんにちゃんと伝えておいてね~~☆」

 

リゼヴィムがロキに近づいていく。マズイわ、このままではイッセーの両親が連れていかれてしまう!

何とか二人だけでも助け出さないと! でも、どうすれば!?

 

私が人質の救出方法を考えていると、ロキが急に何かを思いついたかのように呂布様を見る。

 

 

「おっと、そうだった。良い機会だ、せっかくだしアレを回収しておくか。リゼヴィム、少し待て」

「ん?どったの、ロキちん?」

 

「帰る前に回収するべき物がある。呂布よ! その『方天画戟』をよこせ!!」

 

なっ、方天画戟を!? 確かにあの武器は凄まじい力を秘めている。

何せあのスルトや強化されたミドガルズオルムすらも切り裂いたのだから。恐らく、ロキはその力を研究したいのだろう。

 

でも、人質を取っていることをいいことに方天画戟まで要求するなんて! 何て図々しい神なの!?

 

この要求にはさすがのオーディン様も怒りを露にする。

 

 

「ロキよ。人間、それも一般人を人質に取った上に他人の物まで要求するとは........どうやら『神』としての誇りも捨て去ったようじゃのう」

 

「黙れ老いぼれ。そもそもその『方天画戟』.........いや、グラムとレーヴァテインは我の物。自分の物を取り返すことに何の問題がある。

ブリューナクについては、これまでグラムとレーヴァテインを貸していた代金として受け取ってやる」

 

「ハァ、情けないヤツじゃ。よもやここまで『堕ちる』とはのう。ハァ」

 

「ふん、何とでも言うがいい。さぁ、呂布よ! この人間たちの命が惜しくば、素直に『方天画戟』を我に差し出せ!!」

 

本当に恥も外聞も無いのか。ロキは一般人を人質に取っていることを大声で口にし、イッセーのお父様を見せつける。

 

 

そして呂布様も人質を取られている以上、ロキからの要求は断れない。

やむを得ず呂布様はロキに向かって方天画戟を天高く放り、自身はロキに背を向ける。

 

呂布様の手を離れた方天画戟は、ゆっくり回転しながら大きな放物線を描きロキの所へ飛んでいく。この場にいる全員が顔を上げ、方天画戟に目を向けていた。

 

先ほどイッセーが『禁手』になった時とはうって変わって、静かな時間が生まれる。

 

 

そして方天画戟が目の前に来たことで、ロキがキャッチしようと手を翳す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パシッ、ザシュゥッ!!

 

 

「っっっ!?」

 

 

突然ロキの目の前に現れた呂布様が方天画戟をキャッチ、そのまま戟の一撃によってイッセーのお父様を抱えていたロキの腕が肩ごと切り落とされた!!

 

 

「なっ!?」

 

ザシュッ!!

 

「がぁぁぁぁぁぁっっ!!」

 

 

だが、呂布様は空かさず今度はイッセーのお母様を抱えていたリゼヴィムの腕をロキと同じように肩ごと切り落とす!!

 

イッセーのご両親を抱えていた腕が無くなったことで、二人はそのまま落ちていく!

 

 

 

「今よ!!!」

 

 

シュンッ!!

 

 

「確保しました!!」

「こっちもだ!!」

 

「結界、展開完了です!!」

「同じく展開完了なのです!!」

 

しかし賈駆さんの合図と共に、周泰さんとクー・フーリンさんが瞬時にイッセーのご両親の下へ跳んで周泰さんがお父様を、クー・フーリンさんがお母様をそれぞれキャッチした!!

 

二人はイッセーのご両親を抱えたまま、すぐにグラニの下へ行き、グラニに結界を張ってもらう。

 

 

 

「おのれぇぇぇぇぇぇぇ、呂布奉先!!!」

 

「くっそがぁぁぁぁ!! クソッ、クソッ、クソッ、クソッ、クソォォォォォォォォ!!! 覚えとけよぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

リゼヴィムとロキは不覚を取ったからか、それとも腕を切り落とされたからか。顔を憤怒に歪ませたまま転移の魔方陣を展開する。

 

 

 

 

キィィィィィィィィィィィィン...........パリィンッ!

 

 

「「なっ!?」」

 

けれど転移の魔方陣は起動することなく、ガラスが割れるような音とともに消えていった! こ、これは、いったい?

 

 

「無駄よ。さっきウチのメディアがこの周囲一帯に転移阻害の結界を張ったから、結界の中から外へ転移することも、結界の外から中へ転移することも出来ないわ」

 

「「っっっっっっ!?」」

 

 

っ、さっきのメディアさんの報告は『転移阻害の結界の展開が完了した』という意味だったのね!! でもじゃあ、陳宮さんの報告は?

 

 

それにしても『呂布様の不意討ち』『賈駆さんの合図』『周泰さんとクー・フーリンさんの人質確保』『メディアさんの転移阻害』。

 

まるで予め取り決めていたかのような鮮やかな救出劇だった。

でもどうしてこれほどまでに完璧な連携が取れたのかしら?

 

そんな入念な打ち合わせをするような時間は無かったはず。なのに、どうしてこんな完璧な連携が出来たの?

 

 

「おいおい、ずいぶん手際が良いじゃねえか♪ よほど段取りをきっちり決めてなきゃ、『こう』は動けないぜ? いったい、いつ相談したんだよ?」

 

あまりにも見事過ぎる電撃行動に、アザゼルも思わず上機嫌で賈駆さんに尋ねる。

アザゼルはイッセーのお父様と仲が良かったし、あのリゼヴィムにも相当腹を立ててたものね。

 

たぶん人質の救出だけではなく、呂布様がリゼヴィムとロキの腕を切り落としたことがよっぽど嬉しかったんでしょうね。

 

ま、溜飲が下がったのは私もなんだけど♪

 

 

「別に。ボクたちは全員、いかなる場合でも『自分が出来ることに全力を尽くす』よう訓練されてるってだけよ」

 

「へっ、そうかよ。だがまあ、おかげで助かったぜ。流石は神様御用達の傭兵組織だ、あの危機的状況を見事に打破しちまうんだからな。

でも、何でイッセーが突撃した時に動かなかったんだ?」

 

「ハァ、バカね。人質が取られているのに、真っ正面から突っ込むなんて出来るわけないでしょうが。そもそも人質の救出なんてのは『敵の不意や隙を突く』のが定石よ。

そして人質を取っている側が一番警戒を緩めるのは、『目的を果たして撤退する時』って相場が決まってるのよ。

だから呂布なら、『あのタイミング』では動かないって分かってたわ」

 

「なるほど、だから呂布はギリギリまで動かなかったんだな。

一発勝負の賭けだ、失敗は許されない。

確実に人質を『二人同時』に助けられるタイミングを計ってたってわけか。

それに一誠が突っ込んでも呂布が動かなければ、リゼヴィムとロキは『人質がいれば呂布は動けない』と油断させることが出来る。

あの歳であれほどの『強さ』と『慎重さ』を兼ね備えているとは、つくづく大したヤツだ」

 

っ、す、凄い。『蒼天の紅旗』のメンバーは、こんな危機的状況にも関わらず、こんなに冷静でいたのね!

 

それにソーナも戦術・戦略に長けているけれど、この賈駆さんはソーナと同等........いいえ、それ以上の智略の持ち主だわ。

 

私たちとほとんど年は違わないはずなのに、ここまで冷静に物事を見極めることが出来るなんて!

アザゼルも言っていた通り、これが『蒼天の紅旗』。各神話群の神々が認めるわけだわ。

 

 

けど、やっぱり賈駆さんは私たちと仲良くするつもりは無いみたいね。

 

残念だわ、同じ指示を出す立場として色々とお話がしたかったんだけどね。

どうしてあのタイミングで、あの一言だけで、メンバーが完璧に動けたのか、とか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リアスやアザゼルの疑問は当然だった。無論『蒼天の紅旗』のメンバーには、人質救出のための細かい打ち合わせをするような時間も隙も無かった。

だが彼らは傭兵組織。あらゆる状況に対応出来るよう、常に訓練している。

 

その最たるものが『人質を取られた』場合について。何百という状況を想定し、あらゆる方向からアプローチするマニュアルを作成しているほどだ。

 

何故『蒼天の紅旗』が、これほどまでに『人質』の存在を危惧しているか。

それは敵対者もしくは敵対勢力が自分たちを脅かす場合、真っ先に取る行動は『呂布奉先の無力化』だからだ。

 

 

『蒼天の紅旗』を相手取る場合、最大戦力たる呂布を無視することはありえない。そして、その呂布を無力化する一番手っ取り早い方法が『人質』を取ることだ。

 

故に曹操および参謀役は『蒼天の紅旗』を立ち上げた際、『人質』を取られた場合のマニュアルを何よりも優先して作成。さらにそのマニュアルは、今もなお改良が施されている。

 

当然マニュアルの中には、今回のように『敵および人質が少数であり、かつ両者が同じ空間内にいる場合』についても記載がある。

 

この場合、まず呂布は人質の救出を第一に行動するが、敵が少数の場合は敵を殲滅することで、人質の安全を確保しようとする。

逆に敵が多数、もしくは人質が多数であれば、人質の防衛を優先し敵の殲滅は二の次にする。

 

今回であれば前者にあたるが、それはこの場にいる『蒼天の紅旗』のメンバーは全員が理解していた。

 

呂布が敵の殲滅を優先するなら、自分たちがやるべきことは三つ。

 

一つ目は人質の確保。

二つ目は敵を逃がさないこと。

三つ目はこの二つを呂布の動きに合わせて行うこと。

 

故に各々が自分のやるべき役割に全力を尽くす。そしてそのことは口にするまでもなく、互いが理解していると『確信』していた。

 

 

呂布なら必ず人質を助けるために動くはず。

賈駆なら呂布が動くであろうタイミングを逃さず合図してくれるはず。

周泰とクー・フーリンなら必ず人質を確保してくれるはず。

メディアは強固な転移阻害の結界を張って、敵を逃がさないようにしてくれるはず。

陳宮は仮に戦闘になったとしても敵の攻撃から味方や周囲を守ってくれるはず。

 

 

メンバーの間に言葉はいらなかった。互いに精進と切磋琢磨を積み重ねてきた時間が無言の『信頼』を生み、この危機的状況を打破したのである。

 

 

 

全ては『最強の武』を『最強のまま』振るえるようにするために。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まっ何にせよ、アンタたちが逃げるには普通に飛んで逃げるしかないってことよ。

もっとも、怒り心頭のソイツが許してくれればの話だけどね」

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!

ズシャンッ! ズシャァンッ! ズシャァァン!!!

バリバリッ! バリバリバリィッ! バリバリバリバリィィッッ!!

 

 

呂布様から発せられる目に見えるくらいの激しい怒りを内包したオーラが空気を震わせ、大気を焦がし、雷を呼ぶ!

もはや、リゼヴィムとロキから『逃亡』の二文字は完全に消し去られていた。

 

 

「アンタたちも人質なんて取ったんだから、当然覚悟の上なんでしょうね? 『本気』でキレた呂布は、ボクたちでも止められないから悪しからず」

 

「おい、ちょっと待て! こんなところで呂布が『本気』で暴れたりしたら、この辺り一帯がどうなるか分からねえぞ!?」

 

「大丈夫よ、アザゼル。陳宮が結界能力に長けた守護獣を既に配置してるから。私たちが吹っ飛ぶことはあっても、周囲は無事のはずよ」

 

 

「ええええええええええええ!!じゃあ、俺たち死ぬってことっスか!?」

「だ・か・ら! 全員さっさとグラニの結界の中に入りなさい!! ホントに死ぬわよ!!!」

 

 

賈駆さんの指示で、散らばっていた私たちはグラニの結界に入り再集結。

見ればオーディン様やロスヴァイセさんは既に結界の中にいた、ちゃっかりしてるわね。

 

 

「あっ、イッセーがまだ外だわ!」

 

「ああ、そうだったわね。でも、アイツが吹っ飛ばされたのは地上でしょ? なら陳宮の守護獣が張った結界で守られてるわよ」

「でも、深手を負って!」

 

「陳宮の守護獣が張る結界には『癒し』の力もあるから、回復してるはずよ。空に上がってこないのは、気絶してるからじゃない? むしろ今は地上にいた方が安全だわ」

 

良かった、じゃあイッセーは無事なのね。皆も賈駆さんの言葉で安堵したようだった。

 

 

それにしても、この陳宮さんも凄いわね。こんな小さな子どもなのに『防御』と『癒し』を両立させる高度な術を扱えるなんて。

 

正確には守護獣?を生み出してるみたいだけど。さっきの報告は『地上に結界を張る守護獣の配置が完了した』という意味だったのね。

 

いずれにしても、『蒼天の紅旗』のおかげでイッセーのご両親を無事助け出すことが出来た。

 

私はこの場にいないイッセーに代わり、お礼を言おうとしたけど陳宮さんがオズオズと手を上げた。

 

 

「あの~~、賈駆? いくら私でも『本気』になった呂布殿の攻撃から、地上を守れる自信は無いのですが?」

 

「そう。なら、死ぬ気で守りなさい。私達は全員やるべきことを『死ぬ気』でやったわ。あとはアンタだけよ」

 

「なっ!? 無茶言わないで欲しいのです! 『本気』になった呂布殿の攻撃がどれだけ凄まじいか、賈駆だって知ってるじゃないですか!?」

 

「.............フイッ」

「こらーーーー! 目を背けるななのです!! ご自分でも無茶なこと言ってる自覚あるんでしょう!? ちゃんとこっちを見るのです!!!」

 

「うるっさいわね! 遅れてきた罰よ!! それぐらいの無茶、何とかしなさい!!!」

 

「私怨じゃないですかーーー! 公私混同反対なのです!! 皆からも何とか言ってくだされ!!!」

 

 

「えっと、遅れてきたのは事実ですので仕方ないかと」

「ハハハハハ、私も結界を張ってるんで、一緒に頑張りましょう?」

「公私混同反対って、どの口が言ってるんだよ」

 

どうやら陳宮さんが寄り道して遅れてきたことを、大なり小なり根に持っているらしい。

まぁ、それは私たちも同じなのだけれどね。ただ所属が違うのでここは敢えて黙っている。

 

そして陳宮さんは同メンバーからの賛成をもらえなかったからか、今度はオーディン様に飛び火する。

 

 

「オーディン様! 私達がオーディン様になかなか合流出来なかったのは、オーディン様があっちこっち飛び回っていたからなのです!!

ですのでここは一つ、お願いするのです!!」

 

「ふむ。そうじゃなぁ........陳宮」

「はいなのです!」

 

「地上に被害が出たら、天照のヤツがうるさいぞ?」

「まさかの追い討ち!?神に見放されたのです!!」

 

オーディン様も根に持ってたのね。でも陳宮さんの言う通り、合流出来なかったのはオーディン様にも原因があるのだから、少しぐらい擁護してあげても良かったんじゃないかしら?

 

危機的状況を脱し、グラニの結界の中にいる私たちは張り詰めていた緊張の糸を少し緩めていた。

呂布様もいるし、少しぐらいなら構わないと思っていたのだが............態は思わぬ方向へと進むことになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドッガァァァァァァァァァァァァン!!!!

 

 

 

 

 

 

突然の爆発音とともに、地上から血のように赤いオーラが天へと昇っていく! ドス黒い禍禍しさを放ちながら!!

 

 

 







呂布がロキの前に瞬間移動したのは【NARUTO】の『飛雷神の術』です。

あらかじめ方天画戟にマーキングをしていた、ということです。

ちなみに呂布と転移系の術や技は、あまり相性が良くないので使える種類は多くありません。しかし、ゲオルクなどの転移系を扱えるメンバーに教わることで、ある程度は使えるようになっています。

その辺りのくだりは、第四十二話に少しだけ書かれています。

それでは皆さん、次回で♪

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