深紅の武人が住くD×D   作:あさやん&あさやん

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いよいよ今章も大詰めです。

予定ではあと5~7話ぐらいで終わると思います。




第八十三話

 

 

 

 

 

「あ、あの、師匠!今、おれ、師匠に背中を殴られて................ドゴンッて....................そしたら、目の前にあったオーラがパァァァァって消えて....................!」

 

「匙、少し落ち着きなさい・・・・・何を言っているのか分かりません」

 

 

 

 

呂布様が来てくれたことで、私もソーナも胸を撫で下ろすのだけれど........................ソーナの言う通り、匙くんは助けられたことに興奮して、何を言っているのか全く分からない。

 

匙くん、気持ちは分かるけど....................少し落ち着きましょう?せっかく流したソーナの涙が引っ込んでしまったわよ?

 

 

 

 

「ヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!わざわざ助けに行くなんて・・・・・・『深紅の武人』様は大変だねえ?せっかく、ボクちゃんとロキちんを仕留められる大チャンスだったのに♪」

 

「ふん、いくら強大な力を持っていても、所詮は人間だな........................まぁ、良い。『覇龍』の攻撃によって、転移阻害の結界も破壊されたみたいだからな。引き上げるぞ、リゼヴィム」

 

「そうだね、ロキちん♪ありがとね、リアスちゃん。キミと赤龍帝くんのおかげで無事逃げられるよ。本当に感謝してるよ♪それじゃあね、バイビーー☆」

 

見上げるとリゼヴィムとロキが血塗れになりながら、こちらを見下ろしていた。

 

そしてリゼヴィムはこちらをバカにするように不快な笑い声を上げながら、ロキと共に転移魔術を使い姿を消した・・・・・・・・

 

 

 

そんな........................イッセーの『覇龍』による攻撃がメディアさんの張った転移阻害の結界を破壊してたなんて........................それに呂布様がリゼヴィムとロキから離れたのだって、元を正せば私が勝手な行動をしたから........................。

 

私がもっと自制出来ていれば................もっと冷静に状況を見ていれば............................リゼヴィムとロキを逃がすことは無かった............................。

 

 

「っっっ............ごめんなさい、みんな........................ごめんなさい、呂布様........................ごめんなさい....................」

 

私は自分の不甲斐無さと愚かさに心底嫌気が差し・・・・・・涙を流しながら謝った。

 

謝ったところで、今さらどうしようもないけれど........................そんなどうしようもないほどの後悔の念で、私はただ謝罪することしか出来なかった。

 

 

どうして私はいつも『こう』なんだろう........................気持ちだけが先走って...................考えなしに行動して................空回りばかり........................挙げ句の果てには、取り返しのつかない結果に陥ってしまう。

 

コカビエルの時だってそうだった........................私が軽率なことをしなければ、駒王町が消滅寸前という事態にはならなかった............................あの時も呂布様がいなかったら駒王町は消滅していた。

 

 

どうして私はいつもいつも・・・・・・・・

 

 

 

 

ポンッ

 

 

「............................え?」

 

私は俯きながら涙を流していると・・・・・・不意に頭に何かが乗る・・・・・・顔を上げると呂布様の手が頭に乗っていた。

 

 

「............................大丈夫だ、リアス....................後でちゃんと話を聞く....................今は兵藤一誠に専念しよう」

 

っっっ、呂布様....................私が悪いのに...................私のせいで、リゼヴィムとロキを逃がしてしまったのに........................。

 

呂布様に申し訳なさを感じつつも、私は呂布様に言われた通り・・・・・・涙を拭い、意識を切り替える。

 

呂布様が『大丈夫』と言ってくれたことで、私の心は安心した。『後で話を聞く』と言ってくれたことで、謝罪は後でいくらでも出来る。そして『イッセーに専念』と言ってくれたことで............................今はイッセーを助けることだけ考えられる!!

 

 

「はい!!」

 

「確かに....................こうなった以上、今は兵藤くんを止めることに専念するべきですね」

「でも、会長............................どうやって止めれば........................」

 

そうだ....................問題は『どうすればイッセーを元に戻せるのか』だ。幸い、呂布様を警戒したのか....................今はイッセーも大人しくしているけれど、いつまた暴れだすか分からない。ひとまず、ここは呂布様に相談してみよう!!

 

 

「呂布様、何かイッセーを元に戻す方法は無いのでしょうか?匙くんみたいに体力をゼロにする、みたいな・・・・・・・・」

 

白音曰く、呂布様は仙術が扱えるらしい・・・・・・身体エネルギーのコントロールに長けた仙術なら、体力を増やしたり減らしたりすることも出来るのではないかと思ったのだ。

 

そして案の定、呂布様は既にイッセーへの対処について、何か考えをお持ちだった。

 

 

「............................元に戻るかは分からないが....................意識を刈り取り................しばらくの間、気絶させることぐらいは出来る」

 

「何と................そんなに容易く................!?」

「さっすが、師匠!頼りになり過ぎるぜ!!」

 

「っ、それで構いません!是非お願いします!!」

 

 

「....................................分かった」

 

 

 

シュンッッッ!!

 

 

 

呂布様は一言答えると一瞬でイッセーの真上を取る....................凄い、まるで瞬間移動したみたい............分かってはいたけど................目で追えないどころか、目にすら映らない。

 

あのクー・フーリンさんや周泰さんも桁違いに速かったけど....................やはり、呂布様は次元が違い過ぎる............................!!

 

 

 

 

グォォォォォォォォォォォッッッ!!!!

 

 

ドシュンッバシュンッドシュンッバシュンッ................ピィィィィィィィィィ!!!

 

 

イッセーは呂布様に向かって、エネルギー弾による弾幕攻撃や口からレーザーのような物を放つが・・・・・・・・・呂布様は真っ直ぐ降下しながら、弾幕の隙間を縫うように華麗にかわしていく!

無論、レーザーも紙一重でかわすけど私達とは違い、余裕を持っているのが端から見ていても分かる!!

 

上手い!真上から行けば、どれだけかわしても周囲に被害が出ることは無い!!流石です、呂布様!!!

 

 

「............................綺麗............」

「............................凄え............」

 

ソーナと匙くんは呂布様の動きに見惚れていた・・・・・・気持ちは分かる、私だって同じ気持ちなのだから。

悪魔のように翼を持っているわけではないのに、弾幕の間を時折回転しながら縫うようにかわして進む姿は、まるで空を泳いでいるようだ・・・・・・・・・。

 

水族館の客がイルカとかの綺麗に泳ぐ姿に見入ってしまうように、『空』と『海』の違いはあれど....................私たちも呂布様の姿に見入ってしまっていた。

 

そうしてかわしながら進み・・・・・ついに呂布様はイッセーと接敵した!呂布様は右手の人差し指を伸ばして、イッセーの額目掛けて突き・・・・・・・二人は交差する!!

 

 

 

ドシュンッ...............トッ....................

 

 

 

イッセーと呂布様は交差した後、互いに背を向けたまま動かない........................そして....................................。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピシッ................ピシピシピシピシピシピシッッ.......................バリィィィン!!!

 

 

 

 

赤い鎧にヒビが一つ入ったのを皮切りに、鎧全体にヒビが入っていき・・・・・・・鎧が粉々に砕け散り、中からイッセーが出てきた!!

 

 

 

グラッ....................トスッ................

 

 

禍禍しい龍の鎧から解放されたイッセーは、そのままふらつき地面に倒れそうになったが............................呂布様が前へ回り込み、優しく受け止めてくれる。

 

 

「っ、イッセー!!!」

 

もう安全だと判断した私は、急いでイッセーの下へ飛んでいく。それに合わせてソーナと匙くん、そしてグラニの結界にいた皆も地上に下りる。

 

 

「一誠君!」

「一誠くん!」

「イッセー先輩!」

「イッセー先輩っ!」

 

「呂布様、イッセーは!?」

 

 

「............................息はある、気絶しているだけだ」

 

全員が地上に下り立ち、私達はすぐにイッセーの容態を確認する........................イッセーは生きている、良かった....................本当に良かった................一時はどうなるかと........................。

 

 

「っっっ、呂布様............イッセーを助けていただき................ありがとうございます!!!」

 

「....................喜ぶのは早い................消耗が激しい....................すぐに戻るべきだ....................それに、確認したいこともある」

 

私がお礼を言うと、呂布様は険しい顔をして家に戻ることを提案してくる........................どうやら命は助かったけど、予断を許さない状態のようだ。でも、確かめたいことって................................?

 

 

「....................仕方ないのう。一般人もいることじゃし....................ここは一旦、赤龍帝の小僧の家に帰るべきじゃな。天照には儂から予定を変更するよう言っておこう」

 

「オーディン様、ありがとうございます!!」

 

こんなことになったのか、さすがに今日の天照様との会談は中止になるみたいね。

 

そうだ、イッセーだけじゃない。イッセーのご両親も休ませないと........................そして目が覚めたら、ちゃんと私たちのことを説明しないと............................。

 

 

 

私たちはオーディン様の指示に従い・・・・・気絶しているイッセーとイッセーのご両親を連れて、イッセーの家に帰ることにした・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「........................そうですか。息子にそんなことが............................」

 

「............................................................」

 

イッセーの家に帰ってきた私たちはイッセーとご両親を休ませた。家に着くなり、留守番をしていた朱乃の母親である朱璃さんが出迎えてくれるが・・・・・・・私たちの様子を見てただならぬ事態だと察してくれた。

 

私たちは簡単に何があったのか朱璃さんに説明したのだが........................幸いにもご両親はすぐに目を覚ました。

 

目を覚ましたご両親はイッセーのことを真っ先に気に掛けていたが、今は呂布様が診ているので問題無いと伝えるとひとまず安心してくれた。

 

 

そして私たちはイッセーのご両親に全てを打ち明けた........................自分達が悪魔でアザゼルは堕天使であること。イッセーが春先に亡くなって、私が悪魔として転生させたこと。私たち聖書陣営と他勢力との関係、その反乱分子である『禍の団』と呼ばれるテロリスト集団がお二人を拉致したこと。イッセーがお二人を助けるために、無茶な力を使ってしまい今は眠っていること。

 

もちろんオーディン様や『蒼天の紅旗』についても説明した。イッセーのご両親もオーディン様が北欧の神様ということには、すごく驚いていたけど当のオーディン様自身は気にしないようにと笑っていた。

 

かれこれ一時間ほど話しただろうか・・・・・・・ひととおり話し終わり、私たちの話を懸命に理解しようとしてくれているご両親にアザゼルが頭を下げる。

 

 

「申し訳ねえ、二人とも。イッセーを殺したのは俺の部下だ。ソイツらも、俺が部下全員に下した命令に従っていただけなんだ............................故にイッセー、いや、お二人の息子が死んだのは俺の責任だ。今さら謝っても遅すぎるが........................本当にすまなかった」

 

そう................イッセーを殺したのはレイナーレをはじめとする『はぐれ堕天使』だが、元々はアザゼルの部下だ。既にレイナーレたちは死んでいるが....................だからと言って、イッセーのご両親にとっては大事な一人息子を殺されたことに変わりはない。

 

そもそも一般人から『神器』を抜き取った後、始末するのはアザゼルの発案だと聞いている............................神器の暴走を危惧し、神器を回収するためには仕方がないとは言え............................殺される側はたまったものじゃない。

 

もっとも....................それは私たち『悪魔』も同じだ。私はアザゼルに続く形でイッセーのご両親に頭を下げる。

 

 

「悪いのはアザゼルだけではありません。この駒王町の土地は私の兄............魔王様の私有地で、私がその維持・管理を任されていました。

この土地で起こった出来事ならば、私にも責任があります。堕天使の勝手を許した結果、イッセーを守ることが出来ず........................申し訳ありませんでした」

 

「リアス............................」

「部長................................」

「部長さん........................」

「リアス部長....................」

 

皆が心配してくれる中、私とアザゼルは頭を下げる........................悪魔と堕天使、そして天使と教会。今でこそ三者は同盟を結んで少しはマシになっているけれど、当時はお互いに睨み合って険悪な雰囲気だった。

 

もっとも一般人であるイッセーのご両親には、そんな『裏社会』の事情は関係無い。一般人・・・・『表社会』の人間は『表社会』のルールや法律、モラルによって生きているのだから・・・・・・・

 

 

 

 

「................................頭を上げて下さい、リアスさん、アザゼル先生................」

 

イッセーのお父様に言われ、私とアザゼルは頭を上げる・・・・・・・・イッセーのお父様は私達を見て、優しく笑っていた。

 

 

「その................『悪魔』や『堕天使』といった方々の事情は、よく存じ上げませんが........................でも、皆さんが息子や私達のために色々としてくれたことは分かります」

 

「お父様............................」

 

「特にアザゼル先生................確かに息子は貴方の部下に殺されたのかもしれません。それは貴方の監督不行き届きと言えば、そうなのでしょう。

ですが....................酒を飲みながら貴方と話をして、貴方がイッセーのことをとても大事にしてくれていることは、よく知っています」

 

「....................................................」

 

「だから、私は........................皆さんのことを信じます。息子も今の生き方に不満を抱いていないようですし........................ならば、私から言うことはありません。息子が、一誠が納得した生き方が出来ているのなら....................それで十分です」

 

「っ...........ありがとう................ございます。ですが................お母様は................?」

 

 

「........................正直、息子が一度殺されたことは許すことは出来ません。ですが....................リアスさんやアザゼル先生のせいで殺されたとは思っておりません。

確かに監督責任はあるのでしょうが....................皆さんがそのことに責任を感じて、償いをしようとしてくれたことは分かります。ですので、私も夫と同じように....................皆さんのことを信じます」

 

「っっっっっっ....................ありがとうございます、お父様....................ありがとうございます、お母様...................ありがとう.........ございます....................!」

 

「....................ありがとう。そう言ってもらえて嬉しいぜ........................イッセーは良い両親を持ったな」

 

私は口に手を当て嗚咽する........................怖かった、もし私たちのことを受け入れられなかったら..................もしイッセーを死なせたことを責められたりしたら........................そう思うとずっと怖かった。

イッセーに本当のことを話すべきだと口では言っていても、心の中では不安でいっぱいだった。

 

 

だって................私もイッセーのご両親のことは大好きだった。私の両親とは違う................イッセーのご両親だけが持つ暖かさ。『グレモリー家の次期当主』でも『貴族』でもない....................『ただのリアス』としていられるこの家と、イッセーのご両親が与えてくれる空気が何よりも嬉しかった。

 

実家や実の両親からは得られない開放感と充実感....................それらはイッセーのご両親が私を『ただのリアス』として接してくれているからだ。そんな掛け替えの無い場所が無くなるかもしれないと思うとスゴく怖かった........................!!

 

 

そしてイッセーのお母様は私達を見て、優しく微笑んでくれる・・・・・・・

 

 

「リアスさん、それにオカルト研究部の皆も....................ごめんなさいね。ずっと黙っていて辛かったでしょう?たぶん、一誠が言い出すのを待っていてくれたんでしょ?

あの子ったら、こういう大事な時に限って何も言わないから............................」

 

 

「そんな....................私たちは....................!」

 

「そうです、私たちも結局何も言えなかったですし....................」

 

「はい................一誠君に全てを背負わせてしまいました........................」

 

「私たちの問題でもあったのに....................」

 

「........................ごめんなさい」

 

そう、イッセーだけが悪いのではない....................自分達の問題でもあったのに、イッセーに全てを押しつけ背負わせてしまった................こんなことになったのは私達にも責任がある。

 

 

「ふふふ、一誠は幸せ者ね。こんないい子達と出会えるなんて....................なかなか無いわよ?こんな素敵な出会いは........................」

 

「ああ、悪魔だろうが何だろうが関係ない....................君たちは息子の........一誠の先輩であり、同級生であり、後輩................つまりは『お友達』だ。私達にとっては、それさえ分かっていれば十分だ」

 

 

「「「「「っっっっっっ!!!」」」」」

 

 

私達は驚いた....................お二人は『悪魔』ではなく、『イッセーの友人』として私達とこれからも接してくれるというのだ........................この場所を、この二人と過ごす日常を............大切に思っているのは私だけじゃない。眷属の皆もこの家での暮らしを大切に思っていることを私は知っていた。

 

これからもこの家でお二人と暮らせることを、私達は堪らなく嬉しく思った。

 

 

「リアスさん、また私と一緒にお買い物に行ってお料理をしてくれるかしら?

リアスさんと一緒にお買い物に行くと色々とサービスしてくれるからね♪」

「っ、はい!お母様!!」

 

「朱乃さん、いつでも我が家に遊びに来てね。朱乃さんの好きな人のこと、もっと聞きたいわ」

「うふふ、喜んで//////////////」

 

「白音ちゃん、新しいお菓子を考えたから、良かったら味見してくれるかしら?」

「はい........................楽しみです♪」

 

 

「祐斗君............今度の休日、釣りに行かないか?イッセーはなかなか釣りに付き合ってくれなくてね。ギャスパー君も一緒にどうだい?」

「はい、ご一緒させていただきます♪」

「はい!ボク、釣りは初めてなので................すごく楽しみです!」

 

「アザゼル先生、釣ってきた魚で一杯やりましょう。幸いにも休日ですので、思いっきり飲めますよ」

「................ハハッ、そいつはいい。なら、俺はとっておきの酒を持ってこねえとな♪」

 

お母様は私、朱乃、白音。お父様は祐斗、ギャスパー、アザゼルに『これからも楽しくやっていきましょう』、と言ってくれているようだった....................ああ、何て素晴らしい人たちなんだろう。この人たちと出会えて良かった....................................。

 

 

 

ガチャ

 

 

「あ............みんな...........」

 

私達がイッセーのご両親と出会えた幸せを噛み締めているとリビングのドアが開く....................皆が一斉に目を向けるとイッセーと呂布様が入ってきた!

 

 

「イッセー!!」

「一誠くん!」

「一誠君!!」

「イッセー先輩!」

「イッセー先輩っ!」

 

皆がイッセーの名前を呼ぶ・・・・・イッセーの顔色は少し悪いように見えるけれど、特に目立った外傷は無いように見える。

 

 

「イッセー、身体は大丈夫なの?どこか痛むところは?顔色が悪いように見えるけれど・・・・・・・」

 

「あ、はい。特に怪我とかは無いです....................身体はちょっとふらつくけど、気分が悪いってことはありません」

 

「そう................なら、良かったわ。皆、心配したのよ?」

 

「....................すみません、なんか............色々とご迷惑を掛けたみたいで........................」

 

「いいえ、気にしないで............って言うのは無理だけど、今はいいわ。それよりも........................」

 

イッセーは申し訳なさそうな顔で謝る...................いつものイッセーとはまるで別人だ。『覇龍』で消耗しているのもあるでしょうけど................................でも、今はそれよりもご両親とお話ししないと!

 

 

「一誠....................................」

 

「っ、父さん、母さん............................ゴメン、色々と巻き込んで................それに................危険な目にもあわせて........................ごめんなさい................」

 

イッセーはご両親にひたすら謝る。やっぱりお母様の言われた通り....................自分が悪いと思ったことには、とにかく謝るのがクセなのね。

 

そしてご両親はお互いに顔を見合わせて・・・・・・そんなイッセーのことを『仕方がない』と言った感じで半笑いになる。

 

 

「一誠、リアスさん達から大体の事情は聞いたわ....................一誠が悪いわけじゃない。だから、謝る必要はないのよ」

 

「そうだぞ。むしろ息子が『悪魔』で伝説の『ドラゴン』になったなんて凄いことじゃないか!会社の皆に自慢出来るぞ・・・・・って、言っても信じてもらえないか」

 

「っ、父さん、母さん....................俺、二人の息子で良いの?」

 

「?何を言ってるの?私達の息子は『あなた』以外に誰がいると言うの?おかしな子ね♪フフフフ」

 

「まったくだ。そんな当たり前のことを聞いてくるなんて....................どうやら『悪魔』になっても賢くはなっていないみたいだな♪アハハハハ」

 

「っっっ~~~~~、何だよソレ....................『悪魔になったら賢くなる』とか....................どこ情報だよ............................ありがとう」

 

お父様とお母様の言葉にイッセーは不満を口にしながらも、涙を流しながら笑っていた............................お二人に『息子』だと改めて言ってもらえたのが、よっぽど嬉しかったのね。

 

これも全て、呂布様がイッセーとご両親を助けてくれたおかげ........................っ、そうだったわ!『後で話を聞く』って話だった!

ちゃんとイッセーとご両親を助けてくれたお礼と....................リゼヴィムとロキを逃がすことになってしまったお詫びをしないと!!

 

 

「呂布様................この度はイッセーとご両親を助けていただき、誠にありがとうございます。度重なる呂布様のご厚意には感謝のあまり、言葉もございません。

また................私の身勝手な行動により、リゼヴィムとロキの逃亡を許すことになったことを深くお詫び申し上げます。本当に................申し訳ありませんでした」

 

「.......................気にするな................それに...............『助けた』とは........言い難い状況だ」

 

私は呂布様の前へ行き頭を下げる。呂布様は気にしてはいない様子だけど............................だからといって、呂布様の優しさに甘えてはいけない。ここで呂布様が許したとしても、私が私自身のことを許せない!!

 

けど................『助けたとは言い難い』って、どういう意味なのかしら?

 

 

私が頭を下げたまま呂布様の言っていることの意味を考えていると........................イッセーが間に入ってくる。

 

 

「部長....................待ってくれよ、部長は悪くない!悪いのは俺だ!!勝手にでしゃばった上に、『覇龍』とかいう危険な力を使って暴走して....................皆に迷惑を掛けた。

部長は俺を助けようとしただけだ、何も悪くない!悪いのは俺なんだから、責めるなら俺にしてくれ!!な?頼むよ!!!」

 

「イッセー................いいえ、それは違うわ。確かに『覇龍』を発動させて、メディアさんの結界を壊したのはアナタだけど....................それだけならリゼヴィムもロキも逃がすことはなかった。呂布様がリゼヴィムとロキから離れざるを得なかったのは、私が考えなしの行動を取ったからよ。だから....................悪いのは私」

 

「そんな....................そもそも俺が暴走したりしなければ、こんなことには........................」

 

「ありがとう、イッセー。でもね................私はアナタの『王』なのよ?下僕の罪は主の罪でもある。だからアナタに罪があったとしても、それは私の罪なの....................お願いだから、ソレで納得してちょうだい」

 

「部長........................................」

 

これで良いのよ、イッセー。私はアナタの主................せめてこれぐらいはさせてちょうだい。それよりも、せっかくご両親に受け入れてもらえたのだから....................そんな悲しそうな顔をしないで、ご両親も心配してるじゃない。

 

大丈夫............私は大丈夫だから....................心配しないで............................

 

 

 

 

 

「ハァ~~~、リアス・グレモリーも赤龍帝も・・・・何勘違いしてんのよ。バッカじゃないの?」

 

「................................え?」

 

「なっ、誰がバカだよ!それに何だよ、勘違いって!?」

 

いきなり賈駆さんが私達の間に入って罵倒してくる。落ち込んでいたイッセーも、さすがにバカにされるとは思わなかったのか........................怒りを露にして、賈駆さんに食って掛かる。

 

私もイッセーほどではないけれど気になる................勘違いっていったい............................?

 

 

「今回の一件による失態が、アンタたち程度でどうにかなるわけないでしょうが........................それに最初に言ったはずよ?『アンタたちグレモリーが何か問題を起こしたら、ルシファーやアザゼルが責任を取る』って............................。

だからアンタたちの失態の責任は全て、ルシファーと............そこにいる総督殿にあるってことよ」

 

 

「「っっっっっっ!!!」」

 

 

そうだ....................最初に今回の仕事の件について説明をされた時、確かにそう言われていた!

本来、参加することがなかった私達『グレモリー』が問題を起こしたら....................私達の名誉回復のために仕事を回してくれた魔王であるお兄様とアザゼルが...............責任を取る、と....................................。

 

賈駆さんの言う通り........................私達はとんでもない勘違いをしていた!

私達が問題を起こしても、それは私達の責任ではなく....................お兄様とアザゼルの責任になるということだ!!

 

 

自分で責任が取れると思っていた................何かあっても、責められるのは自分自身だと思っていた............................でも、そんな考えは甘かった。私達は................実際は自分のやったことも自分で責任を取れない................『子ども』だった............................。

 

 

「........................ふぅ........まぁ、しょうがねえな。そういう話だったしな....................やれやれ、サーゼクスと俺のクビだけで済めば良いんだが....................」

 

「アザ........ゼル................」

「先........生................」

 

「へっ、そんな顔すんじゃねえよ。責任者ってのは責任を取るためにいるんだ................それに、まだクビになるって決まったわけじゃないしな♪」

 

........................なんて情けないんだろう。自分でやったことの不始末を他の者にやらせるなんて........................皆が皆、呂布様のように情が深いわけではない。

 

今回の一件、恐らくはまず襲撃を受けた北欧神話群と『覇龍』の暴走があった日本神話群との話し合いになる。

 

そこで北欧神話群と日本神話群からの賠償請求が聖書陣営にあって、その後に聖書陣営内でお兄様とアザゼルの責任問題になる。それから悪魔政府よりお父様........『グレモリー家』への責任問題へと話が移っていき....................たぶん、私とイッセーへの処罰は一番最後になるはずだ。

 

そこからも判断が出来るように、私達が如何に低い立場にいるのかがよく分かる............................本当に、何て愚かだったのかしら............私は!!

 

 

「・・・・・決まりね。私はとりあえず、このことをリーダーに報告しておくわ。オーディン様、天照様への連絡などはお任せして宜しいですか?」

 

「うむ。仕方ないのう................リアス・グレモリーよ。悪く思わんでくれ、さすがに今回の一件............儂だけの判断ではどうにもならん」

 

「........................................はい」

「っ............................くっそ!」

 

賈駆さんもオーディン様も責めることは出来ない。賈駆さんの言っていることは正しい....................実際私とイッセーには責任を取る能力は無いのだから。

 

そしてオーディン様の言っていることももっともだ。事は既に聖書陣営と北欧だけの問題ではない。今回、一番の被害を受けたのは間違いなく日本神話群だ。

 

ロキの襲撃は北欧から既に話が伝わっていたみたいだし、リゼヴィムや『禍の団』の行動は聖書陣営とは関係が無いと先日の会合で通達済みだ........................しかし、この日本で『覇龍』による暴走が起こったことと襲撃の主犯を取り逃したことについては紛れもなく聖書陣営の失態だ。だからこそ、被害を受けた日本神話群を無視して勝手に話を進めることは出来ない............................。

 

 

私とイッセーは共にどうしようもない無力感に苛まれていると・・・・・・・今度は呂布様が話を切り出す。

 

 

 

「............................そろそろ............俺の話をしていいか?」

 

「....................何よ、呂布。急に改まったりして....................言っておくけど、コイツらを許せっていうのは『無し』よ。オーディン様も言ってたけど、『これ』はもうこの場でどうこう出来る話じゃないわ」

 

「........................分かっている................俺が話したいのは................別のことだ」

 

別のこと?そういえば、何か確認したいことがあるって言ってたけど....................そのことかしら?

 

この場にいる全員が呂布様の話を聞く体勢に入ったのを確認すると、呂布様がイッセーの前へ行く。

 

 

「................................兵藤一誠」

 

「............................何だよ........」

 

イッセーは未だ自責の念に囚われているのか....................呂布様の呼び掛けに対して、ぶっきらぼうに答える........................。

 

イッセー、呂布様はアナタとアナタのご両親を助けてくれたのよ?そんな恩人に対して、その態度は見逃せないわ。

 

私がイッセーを注意しようとすると・・・・・・呂布様は衝撃的な事実を私たちに伝える!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「............................このままだとお前は....................あと十年ほどで死ぬ」

 

 

 

 

私は自分の足元が崩れたような感覚がした・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 






呂布がイッセーを気絶させた方法は、イッセーの精神体に直接『仙術チャクラ』を流して、そこから脳に刺激を与えました・・・・・・言ってみれば【聖闘士 星矢】の『フェニックス幻魔拳』ですね。

さて、一誠の寿命が激しく減ってしまいましたが・・・・・もちろんこのままにはしておきません。ただ当然、代償は払ってもらいます。

それでは皆さん、次回で♪

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