ちょっと早いですが、次章では若手悪魔のレーティングゲームを終わらせますので、呂布の戦闘シーンはあまり無いと思います。
そのため次章は物凄く長くなりますので、ご容赦願いますwww
母さんが俺をぶって、父さんが母さんを追いかけていき、リビングはシーーンと静まり返っていた。
.......初めてだ、母さんにあんな顔でぶたれたのは。今までもバカなことをやって怒られたり、ぶたれたりはしたけど........あんな風に泣かれたことは無かった。
俺はただ、父さんと母さんを犠牲にしたくなかっただけなのに。
俺がぶたれた所に手を当ててると呂布が俺に話しかけてくる。
「.......兵藤一誠」
「.........何だよ」
「お前の母親は、命懸けでお前を、産んでくれたんじゃないのか?
お前の父親は、自分の人生を懸けて、お前を育ててくれてるんじゃないのか?」
「っ、それは..........!」
「『家族』というのは、最後の最後の味方だ。その『家族』の前で、自分の命を、捨てるような真似は、ある意味、『裏切り』なんじゃないのか?」
「なっ!? 裏切りなんて、俺はそんなつもりは「なら」っ!」
「話ぐらいは、してやれ」
「.................」
呂布は俺に両親と話をするように言うと、ベランダから外に出ようとするが、背中を向けたまま一言告げる。
「兵藤一誠。家族というのは、良いものだぞ」
家族........何でコイツは俺にここまでしてくれるんだ? さっき陳宮が言い掛けたように、俺のことなんか放っておけばいいのに!!!
それに、コイツの家族はどうしてるんだろう?
「なぁ..........アンタの家族は、どうしてるんだ?」
「........『血の繋がった家族』という意味なら、この世にはいない」
っ、や、やっぱり、コイツの家族はもう.......なら、コイツが色々と気に掛けてくれるのは、俺たち家族のことを?
「.........何で、ここまでしてくれるんだよ。悪いのは俺なのに! 俺のことなんか放っておけばいいのに、何で........?」
「お前がやったことが、間違っていたかどうかは、分からない。ただ、お前の両親を想う気持ちは、『本気』だった。
その『本気の想い』は、汲むべきだと思った」
呂布はそう言うとベランダから庭に出ていった。
「赤龍帝」
呂布の背中を見送ると今度は朱乃さんの父親、バラキエルさんと母親の朱璃さんが近づいてきた。
「差し出がましいことを言うようだが.......母君が貴殿を叩いた理由、私も親の身だからよく分かる」
「え?」
「もし朱乃が自分の命を粗末に扱うようなことをすれば、貴殿の母君のように、私も朱乃に手を上げていたということだ。
たとえ私と妻のことを想った上での行動であろうとな」
「一誠さん。貴方がご両親のことを大切に思っていることは分かります。ですがそれでも、『自分のことを大切にしてほしい』。親とは子にそう願っているものなのです」
「................」
「赤龍帝よ。親の身ではない貴殿には分からないかもしれないが、子が親を想う気持ちとは別の形で、親は子のことを想っているのだ」
『親が子を想う気持ち』と『子が親を想う気持ち『』は似ているようで違うってことか。
俺は親じゃないけれど、親になったら分かるものなんだろうか?
「でも.......やっぱり、父さんと母さんの命を犠牲にするなんて、俺には出来ません」
「.........貴殿は勘違いをしている。呂布殿はそのようなことを一言も言ってはいないぞ?」
「え? でも、俺の魂を直すにはそうするしかないんですよね」
「いや、呂布殿はあくまで『魂の復元方法』を教えてくれただけだ。それだって我々が聞いたから答えてくれたに過ぎん。
呂布殿はご自分からは何も言っていなかったであろう?」
っ、確かに。呂布は自分からは父さんと母さんの命を使うようには言っていない。
それどころか俺たちが聞くまで、ずっと言いにくそうにしていた。そして俺たちに聞かれたから答えてくれたんだ。
「それに、呂布殿は一誠さんにご両親とお話をするようにしか言っていません。そのために一晩、時間を作ってくれたのではないのですか?」
「それはそうですが、でも何で............?」
「分からないか、赤龍帝。呂布殿も言っていたであろう。貴殿の『本気の想い』を汲むべきだ、と」
「っ!!」
「呂布殿は、一誠さんがご両親を想う気持ちとご両親が一誠さんを想う気持ち。どちらも大事にしたかったのです。
だから、一誠さんにご両親とちゃんと話をするように薦めて、時間を与えてくれたのですよ」
『本気を汲む』か。呂布のヤツ、そこまで俺のことを見てくれてたのか。俺はあんだけ酷い態度を取ってたって言うのに。
朱乃さんの時と同じだ。呂布は朱乃さんの愛情が歪んでしまっていたとしても、朱乃さんの『本気の気持ち』を汲もうとしていた。
そして今は俺の『本気の気持ち』も。
そうか..........自分の『本気』を認めてもらえるって、こんなに嬉しいことなんだ。あの人はきっと誰に対しても、そうなんだろうな。
どんな相手であっても相手の『本気』、『一番大事な気持ち』をちゃんと受け止めてくれる。
だからこそ朱乃さんが好きになり、神様や『蒼天の紅旗』なんかの皆から慕われているんだ。
俺は.........どうしてもあの人のことを認められなかった。だってそうだろ?
イケメンで強くて皆からも慕われてるとか、嫌みにもほどがある。
朱乃さんや部長、白音ちゃん、ギャスパー、木場。更にはシトリーの皆にまで慕われていったからな、あの人は。
気づけば俺の周りの皆が、あの人のことを慕っていた。ハーレム王を目指す俺としては、ソレが面白くなかった。『何でアイツだけ!!!』、ずっとそう思っていた。
でも..........あの人が皆から慕われてるのは、イケメンだからとか、強いからとか、そういうんじゃない。
『相手の大切な気持ちを大事に出来る真っ直ぐな心』、それこそがあの人...........【呂布さん】が慕われる理由だったんだ。
そんな呂布さんだからこそ、結果的にハーレムを築くことが出来た。周りの皆が『それが一番だ』って納得したから。
っ、何だよ、俺なんかとは全然違うじゃねえか!!! 俺なんかハーレムを作ることしか頭になかった。
ハーレムを作る前にやらなくちゃいけないことが、たくさんあるだろうが!!!!
人の気持ちが分からないで何がハーレムだ!
俺は.........自分の両親の気持ちすら、理解していなかった........!!
「あの人は何で、父さん........父と母の気持ちが分かったんでしょうか」
呂布さんだって親ではない、ましてや実の家族がいないはずなのに。呂布さんは俺以上に俺の両親のことを理解していた。
「これは私の推測となるが........私たち家族は昔、呂布殿とお会いしている」
その話は知っている。前に部長や朱乃さん、アザゼル先生なんかにも聞いたからな。
巫女の家系である朱璃さんと堕天使であるバラキエルさんが結ばれたこと。
二人の間に生まれた朱乃さんのこと。
そして三人を良く思わない連中が、バラキエルさんの留守を狙って朱璃さんと幼い朱乃さんを襲ってきたこと。
だが、危ないところを呂布さんに助けられたらしい。そして朱乃さんは、その時助けられたことがきっかけで呂布さんのことを好きになったとか。
「私が妻と朱乃の無事を喜び、抱き合っていると........呂布殿は私たちのことを悲しげな表情で見ていた」
「? 悲しげ、ですか?」
何で悲しそうにするんだ? 無事助けられたのなら、普通は喜びそうなものなのに?
「うむ。呂布殿は当時、朱乃と同じくらい幼かった。しかし、アザゼルや私よりも強いことは一目で分かった」
やっぱり、あの人はそんな小さい頃からメチャクチャ強かったんだな。まぁ、北欧の神様を素手で倒すぐらいだし当然か。
「問題は『どうしてそこまで強くなったのか』ということだ。呂布殿とて、最初からあれほどまで強かったわけではないはずだ..........何か強い『きっかけ』が無ければな」
「『きっかけ』、ですか?」
「ああ、呂布殿は『北辰の駿馬』を宿している。そして先ほどの呂布殿の言葉。コレに『呂布殿の強さ』を加えれば、自ずと答えは出てくる」
神器を持っている、呂布さんの家族はずっと前に死んでいる、あれだけ強くなるほどの『きっかけ』。
っ、ま、まさか.........!?
「.......貴殿も気づいたようだな。そうだ。呂布殿のご家族は、呂布殿の神器を狙った輩によって殺されたのだろう。
恐らく呂布殿を庇ってな。故に呂布殿は強くならざるを得なかったのだ。自分の身を守るため、そしてご家族の想いを無駄にしないために」
神器を狙われて殺される。俺も『赤龍帝の籠手』を宿した結果、一度殺されたから分かる。
俺の場合は、俺だけが狙われたけど.......もしかしたら、父さんや母さんも殺されてた可能性があるってことか!?
「じゃあ、呂布さんの家族も堕天使に?」
「いや、それは分からない。確かに堕天使は神器を宿した者を狩っていたことがある、周りの者が邪魔であれば一緒にな。
だが、堕天使以外にも神器を宿した人間を襲う者もいる。聖書陣営そのものを良く思わない者や、悪魔などは物珍しさに無理矢理にでも眷属にしようとする輩もいるからな」
そうか.........だから、あの人は父さんと母さんの気持ちが分かったんだ。自分も両親に命を懸けて助けてもらったから。そしてその想いを無駄にしないように生きている。
そのために強くならなくちゃいけなかったんだ...........『世界最強』と呼ばれるほどに。
呂布さんは望んで『世界最強』になったわけじゃない。ただ家族の想いを無駄にしないために、家族の分まで生きるために強くなろうとしたんだ。
だから呂布さんは決して強さを鼻に掛けるようなことはしない、たとえどれだけ強くなろうとも。
っ~~~~~、ちくしょう! 何が『人の心を持ってない』だ! 誰よりも人の気持ちを、家族の気持ちを大切にしている人に向かって俺は..........!!
そんなことを言われれば、『蒼天の紅旗』の皆が怒るのも当たり前だ!!!
「おれ........あの人に、何てことを.........」
「........言ってしまった言葉は戻らない。しかし呂布殿については後で謝ればいい、あの方は全てを理解しているはずだ。
だから今は、ご両親と話しをすることだけ考えるのだ。呂布殿もソレを望んでいる」
「一誠さん、何も今すぐに行けということではありません。今はお互いに落ち着く時間が必要です。話しをするのは、落ち着いてからで構いません」
「..........はい」
俺は力なく頷くしかなかった、そしてバラキエルさんは朱乃さんを呼ぶ。
「朱乃、呂布殿のところへ行きなさい。陳宮殿が言った通り、『これ』は本来呂布殿には関わりの無い話。呂布殿が背負うべき問題ではない。
しかしあの方は自ら背負ってしまうだろう、『人の寿命を半分にする』という業をな」
「朱乃、あなたは呂布殿の妻になるのでしょう? ならばこういう時こそ、呂布殿を支えなくてはなりません.......お行きなさい」
「っ、はい、父様、母様!!」
バラキエルさんと朱璃さんに言われて、朱乃さんは呂布さんの後を追う。
そうか。自分のことしか考えてなかったけど、呂布さんだって父さんと母さんの寿命を半分にするんだから、何も思わないわけがない。
俺のせいで、そんなことまでやらせる羽目になってしまった..........すみません朱乃さん、お願いします。
俺はひとまず落ち着くために自分の部屋へ行こうとするけど、部長に呼び止められた。
「イッセー、これはアナタとご両親にしか答えが出せない問題。残念だけど、私には何も出来ないわ.........」
「部長.........そんな、部長が悪いわけじゃありませんよ。悪いのは俺なんですから!」
「ありがとう、イッセー。だからせめて、アナタとご両親が出した答えがどんなものであったとしても.........私は何も言わずに受け入れます。それがアナタの主である私の務め」
「部長.........」
「だからイッセー。ちゃんとご両親とお話をして、後悔の無い『選択』をしてちょうだい。
アナタにとっては、いずれの選択も辛いものになるでしょうけど
、それでも『選択』そのものを後悔することはしないで。約束よ?」
「部長.......はい、分かりました.........」
俺は部長にそう告げると自分の部屋に戻ることにした。
自分のやったことが取り返しのつかない事態を招いた。
その責任はアザゼル先生やサーゼクス様といった別の人が負うこととなった。
そして俺の命のために、父さんと母さんが自分の命を使わなければならない。
俺は結局自分のやったことの後始末も尻拭いも自分では出来ず、自分以外の誰かにシワ寄せしてしまっている
。
全ては俺が『赤龍帝の力』を暴走させたばっかりに。
そういえば、サイラオーグさんが言ってたな。
『覚えておけ、真に恐ろしいのは『強大な力を持つ者』ではない。『強大な力を使いこなせない者』だ。そういう輩は必ず破滅する.......周りを巻き込む形でな。
歴代の赤龍帝がそうだった。そういった理由では、むしろ呂布殿よりもお前の方が危険な存在と言えよう、リアスの『兵士』よ』
サイラオーグさんの言った通りだ。自分の力を使いこなせず、周りを巻き込み不幸にしてしまう俺は、呂布さんよりもずっと危険な存在だった。
あぁ
そうか
これが
『間違える』ってことなんだ。
ようやく一誠も呂布を認められるようになりました。
ここまでアンチっぽくなってしまいましたが、私なりに一誠という人物を分析した結果ですので、ご理解いただければ幸いです。
何せアーシアはいない。ライザー戦で活躍していないためリアスも一誠のことを好きにはなっていない、という状態でしたので........................。
悪魔になる前の............覗きなどの変態行為を止めず、『女性成分』が不足していて、女子から毛嫌いされているままの一誠だったら『こうなるんじゃないかな』という考えで一誠をここまで書いてきました。
さて、次回は私が一番好きな一誠と両親のエピソード回になります。
ですが、その前にちょっと呂布と朱乃の話を入れたいと思います。
それでは皆さん、次回で♪