復讐少女のジェノサイドロード!   作:黒色火薬

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EP3

「おいフリーデ……人形狩りになってるぞ?」

 

「おっと、気をつけなきゃな……お楽しみは我慢するからいいものなんだからな……」

 

こんな顔をこの男に見られるわけにはいかないしな……こんなの子供がする顔じゃないし。

 

「はぁ、お前は戦場に出るといつもこうなるよな?戦場のお前は狂気が一番似合う女だよ……」

 

「復讐はそういうものさ……ま、同い年のモンドに言ってもあれだけどな?」

 

<お、俺はどうしたら……嫌われてるのに軍なんかやってられねぇよ……>

 

お?これ……後少しか。

 

<殺す、どう?>

 

<はぁ!?んなことしてもバレて俺が処刑されちまう……!>

 

<今、何?>

 

<そりゃあ戦争……お前!?>

 

彼は私が言いたいことに気づいただろう。

気に入らないなら殺しちゃえって……戦争を免罪符に殺しちゃえって。

そんなことをずっと言っていることに彼は気づいただろう。

 

<どうする?、信じられない、人、背中、任せる、できる?>

 

<お、俺は……>

 

<ドール、敵、なら、おじさん、味方>

 

「おいフリーデ!?なんで言っちまうんだ!?」

 

本当にこいつは……こいつが復讐者じゃなきゃ連れて来ないだろうな?

 

「スパイとは言ってないぞ?あくまで捕虜としてだ……マジェスティ人がドールを敵というのは普通だろう?」

 

「そ、そりゃそうだけど……」

 

「なら問題ないだろ?」

 

マジェスティ語で話してる最中も男はぶつぶつと呟いてる……

すると男は何か決心したような顔をした。

 

……堕ちたなぁ?

 

<なぁ……あ、あんたたちも手伝ってくれよ!>

 

<私、彼、捕虜、いいの?>

 

<数が多い方がいいだろ……いつだ?>

 

<明後日、いい、私、怖い>

 

<覚悟のための時間か……まぁ俺も欲しいしな、わかった>

 

<武器、確保、任せる>

 

<わかった……明日は多分尋問が行われるはずだ、だから俺が尋問官をやる。いいな?>

 

これで尋問の免除と牢屋の鍵をゲットした……おや?少し眠そうだな?

 

<頼む、あと、あなた、少し、寝る、良い>

 

<良いのか?>

 

<あいつら、きそう、だったら、起こす、任せて>

 

<案外良いやつだなお前……じゃあ任せるぞ>

 

そうして彼は椅子に座ったまま眠ってしまった。

……本当にこいつらは兵士か?いくらなんでも油断しすぎではないだろうか……?

 

逆に罠なんじゃないかと疑ってしまうな……

 

「よし、タイミングを見て機密書類を探すぞ……まぁ司令部あたりだろうがな?」

 

「そりゃそうだろ……あいたぁ!?やめろよお前強すぎるんだからさぁ!?」

 

「ほとんど力入れてないぞ……兵士として弱すぎないか?」

 

「フリーデが強すぎんだよ、なんだよお前?」

 

「敵を殺すために鍛えた……ま、スラムで生きてたらこうなるさ」

 

「お前はどうせわざとスラムで生きてたんだろ?」

 

「お、珍しく勘が冴えてるな?これが続けばなぁ〜?」

 

「うるせぇ!?」

 

なんて騒いでるが彼が起きる気配はない。

本当に寝たのか!?この状況で!?

 

彼の上官に同情するよ……

 

「……寝てるんだなこいつ?本当に兵士なのかよ……」

 

「全くもって同感だな……と言うかちょうど同じこと考えていたな」

 

「マジ?なんか不吉だな……」

 

「戦闘訓練の時間を伸ばしてあげるのは確定として……さて、お宝でも探そうかぁ……?」

 

「あわよくば一人殺したいって顔してるぞフリーデ……流石に今はダメだぞ?」

 

「流石にわかってるさ……ま、一人消えても違和感はないよな?」」

 

「有りまくりだろうなぁ……ハンドガンは没収だ」

 

「私のマチェーテはないのかぁ……」

 

「あれは味方部隊が前線上げた時にパラシュートで流れてくるって話だろ?我慢しろよ……」

 

とりあえず今日は機密書類を回収して少佐の使いに預けよう……

 

 * * *

 

「……なぁ、モンド?これって罠じゃないんだよな?」

 

「あ、あぁ……多分」

 

裏切った兵士からもらった鍵で外に出て、司令部まで向かった。

そこには前線を警備する兵士が5名のみ。

そう、この規模の基地に対して警備兵が5名なのだ。

ここの上官は誰なんだ?もし自国軍だったら軍事指導を徹底的にやってやりたいが……

 

まぁドール軍だし助かることには変わらないから放置するか。

あ、なんだかんだ見つからずに司令部まで着いてしまった……

 

「と、とりあえず機密書類を物色するか?」

 

「ミッションは説明してるだろ?いくぞ」

 

「了解……ん!?おい止まれフリーデ!?」

 

「んぐぅっ!?いきなり服を引っ張るな!?胸って意外と痛いんだぞ!?」

 

「お前そんなに無いだろ!?」

 

「よぉしドール兵を皆殺しにしたら次はお前な!?」

 

こいつ禁句を言いやがったぁ……!?

意外と気にしてるんだぞ!?

 

「じゃなくて下みろ下!!」

 

「……お?ブービートラップ?」

 

目を凝らして足元を見ると一本の糸がかろうじて見えた。

室内にはグレネード……典型的なブービートラップだろう。

 

「あ、危なかった……見張りが少ないのは警戒心を少しでも削ぐためか……?」

 

「そういうことだろう……もしかして私の警戒度モンドより低かったのか!?」

 

「お、ボス交代かぁ?」

 

珍しくモンドに煽られてしまった。

 

「よし、戦闘訓練合計10時間ぶっ続けな?」

 

「理不尽だろ!?それでいいのか上官!?」

 

「軍は序列社会だろ?」

 

「エドワーズは非所属だろ!?」

 

「バレたか……」

 

「どこまで俺のこと馬鹿にしてんだ!?」

 

「とりあえず早く書類を持ち帰るぞ?足元きをつけろよ?全部屋これがあると思えよ?」

 

「話題変えやがったな……了解、ボス」

 

「お前がボスっていうの違和感だな……」

 

「じゃあ了解だ、フリーデ」

 

「よろしい、さて?物色を……ナイフだっ!」

 

棚を漁ると銀色に光るナイフがあった。

司令部件武器庫だろうか?銃も何挺かある……

 

「なぁこれ持ち帰っていいかっ!」

 

「まぁ一本ぐらいなら……」

 

「じゃあ少し頂くか……お?なんだこのいかにも機密ですよみたいな書類は?」

 

「そりゃあ機密書類だろ……は?」

 

一部屋隣の部屋の机の上にぽんっと機密書類が置かれていた。

え、これ本当に罠じゃ無いの?怖いんだが?

 

「こ、これ少佐の使いに渡すやつでいいのか……?」

 

「流石に怪しすぎだろ……他にも無いか探してから決めようぜ?」

 

「あ、あぁ……」

 

その後司令部を全て漁ったが先ほどの書類以外に機密書類は見当たらなかった。

つまり……これが例の機密書類ということになる。

 

「なぁモンド……多分私たち今同じこと考えてるよな?」

 

「あぁ……そうだな」

 

「「ここの隊長は馬鹿か(なのか)!?」」

 

見事に私とモンドの声がハモった。

そりゃあそうだろ!?警備は薄いし機密書類は普通に置いてて罠を疑うレベルだぞ!?

もうダメだこの国……滅ぼさないと……!

人間の基準がこいつらに下げられる……!?

 

ま、そんなことしなくてもドール人は滅ぼすんだがな!

あぁ、明後日が楽しみだ……!

 

「きひっ、きひひひひっ……!」

 

「また発作かフリーデ……ほら、書類手に入ったんだったら合流地点に向かうぞ!」

 

「あぁ、そうだなぁ……!」

 

「忘れてるかもだけど後1日耐えないとだからな?」

 

「忘れるわけないだろ?そこまで馬鹿じゃないぞ?」

 

「戦闘狂が何言ってんだか……なっ、なんだ!?おいフリーデ!!聞こえたか!?」

 

「私もしっかり聞こえた……銃声だな、より警戒して少佐の使いの元へ向かうぞ」

 

「あ、あぁ……」

 

敵がいるかもしれないし気を引き締めていくか……いや、いつも気を引き締めてないわけじゃないんだがな?

 

 * * *

 

「……み、ミーシャ?」

 

少佐の使いとの合流地点に向かうと、ミーシャが倒れていた。

服ははだけており体には痣が多くついている

 

「ミーシャぁ……!?」

 

急いで体を抱き抱えると、虚な目から流れる涙と焼けた額に開く大きな穴が目に入った。

おそらくここでレイプされた後に頭を撃ち抜かれ息絶えたのだろう。

あたりにある彼女の脳漿がその証拠だ……

 

「おいフリーデ……フリーデ!!」

 

「なんだ!?」

 

肩に置かれたモンドの手を振り払う。

いつもなら私が置くくらいなのに今だけはやめて欲しかった。

それくらい参ってる……

 

「今は泣くなっ……!痕跡からしてまだ敵は遠くはない……それでバレて射殺されたらミーシャの犠牲が無駄になるだろ!?」

 

「お前は自分の娘同然の子供が殺されて冷静でいられるのかっ!?あぁ!?」

 

「俺だって泣き叫びたいし今すぐにでも体を綺麗にして弔ってやりたいに決まってるだろ……!」

 

ハッと顔を上げモンドに向けると、涙を全力で押し殺しながら彼女の死を悼んでいた。

 

「い、いや、すまない……つい冷静さを失ってしまった」

 

「いやこれは仕方ない……ただ一つ改めて心に決めたことがあるんだが一緒にどうだ?」

 

「私も一つ決めたよ……」

 

そして私たちは一息吸って言葉を吐いた。

 

「「ドールは全員ぶっ殺してやる……!!」」

 

見事にハモった言葉。

これが私たちからミーシャへ送る仇討ちの宣誓だ。

 

 

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