立花との戦闘を終えたアランは、とある平原にてモレーと二人きりでいた。
「アランくん、どう?その霊基は」
「懐かしい。失われた血潮が、体の中で渦巻くようだ」
モレーは彼の鎧に触れた。
その鎧はサーヴァントでなければ火傷を負うほどの高温を放ち、彼の内側の炎を封じ込めているかのようだ。
いや、実際にそうなのだろう。
騎士としての彼が、彼本来の怒りを封じ込めているのだろうと、モレーはそう感じた。
「……どうした?」
「ううん、ただちょっと考え事。君がこっちに来てくれたおかげで、ようやく私の夢が叶いそう。……君と二人で、このフランスを呪いと復讐を!ってね」
「…………そうか」
「君は不満?」
「そうだな。俺は、騎士としてこのような非道を積極的に行うわけにはいかない」
「……っ!そう、君はどこまで行っても騎士なんだね。町ではあんなに楽しんでたのに」
「あぁ、そうだとも。テンプル騎士団副総長は、総長にも劣らぬ騎士であらねば」
彼の言葉に、モレーはもはや落胆を隠さなかった。
「しかし、俺は騎士である以前にお前の友だ、少なくとも俺はそのつもりだった。……そんなお前は本当に、騎士としての俺を望まぬと言うのだな?」
「うん、私は君と一緒に戦いたい。前は騎士としてだったけど、今度はフランスを呪う者、世界を呪うものとして!…君がそれを望まないなら話は変わるけど」
「──俺の願いは世界を呪うことではない。だが、まぁ最終的な結果は同じだろうな」
騎士
そして、彼は自らの
「俺の望みは、彼らの罪の清算だ。俺とお前を悪魔の信奉者と罵り、我らが騎士団を壊滅へ追い込み、挙げ句の果てにはその後の不幸すら俺たちの呪いだと罪を被せた。その罪を、死でもって償わせる」
彼の鎧が赤熱し、その隙間から炎と煙が吹き出す。
一方でモレーは何処か嬉しそうにそれを見ていた。
「……アランってさぁ、私のこと好きすぎじゃない?」
「抜かせ、俺とお前の間にあるのは純然たる友情……そのはずだ」
「おっと……揺れてる?もしかしてもう墜ちちゃう?」
「安心しろ、俺はそう簡単に狂気に陥ることはない」
彼の言葉は真実だった。
アヴェンジャーとしてのスキルである『忘却補正』は、今この瞬間も復讐心に飲まれて消えそうな彼の騎士としての誉れを
アヴェンジャーの彼は騎士の誉を永遠にその胸に刻みながら、復讐の炎に焼かれ続ける。
それは、彼が自身に課した贖罪でもある。