「……皆は大丈夫だろうか…」
暗がりの中、私は裏路地を抜けつつ走る
あの後、風紀委員会と温泉開発部が更に増え、事態は更に混沌と化した
そこで、美食研究会が足止めをして、その間に私達補習授業部は皆で分散してそれぞれで敵を振り切りつつ、試験会場に向かうことになったのだが…
ヒフミとコハルからは着いた、と連絡があったが…アズサとハナコはどうやらイオリに追いつかれているらしい
だが、イオリは搦め手に弱く、アズサは様々な物を使ったゲリラ戦が得意だ。有利ではあるので、信じるしかないか。ハナコも居るから、なんとかなる筈だ
「…この辺り……っと、居た。ヒフミ、コハル。無事だったか、良かった」
「先生!良かったです!もう、急に私は一人で大丈夫、だなんて言って飛び出すんですから!先生は私達と違って流れ弾だけでもやられちゃう可能性があるんですよ!」
「そうよ!ちゃんと説明してから行ってよ!」
ヒフミとコハルに怒られる
私は少々大きいから目立つと思って単独で向かったのだが…心配させてしまったか…
うーん……まだ悪い癖は抜け切っていないようだ。反省だな…
「すまない、生徒に迷惑はかけられないと思ってな……私も少々、焦っていたのかもしれない」
「……先生、あんまり無理をしないでください。先生が倒れてしまったら、皆悲しみますし、心配します!」
涙目でそう訴えるヒフミ
…そうだな、私のせいで生徒を泣かせてはならない
私は指でヒフミの涙を拭いつつ頷く
「…あぁ、それはこの前の件で重々承知している、すまなかったな」
そんな会話をしていると、足音が2つ
アズサ達が合流してきたようだ
「無事だったか、先生、ヒフミ、コハル」
「アズサとハナコも無事だっ───」
振り返ると、普段通りのアズサと、水着姿のハナコ
「……………もう何も言うまい」
頭の中が???????で埋め尽くされる中、もうスルーする事を決意した
それにしても…美食研究会の皆は無事だろうか…
ヤバくなったら投降します、と言っていたが…
今度、色んな目的の為にゲヘナに行かなくてはな
「さて…今は取り敢えず試験だ。時間にも間に合ったな。この廃墟の一階に………これか?」
地面に落ちていたとある物を拾い上げる
「それは…不発弾、ですか?」
ハナコの見解は当たりだ
「L118、牽引式榴弾砲の弾頭だな。爆発しないように爆薬などは取り除かれてる」
「あぁ、ティーパーティーの…」
待て、つまりナギサはゲヘナに攻撃の為じゃなかったとしても、砲弾を撃ち込んだのか?
今回は知られていないようだが…危うすぎる
これが原因でエデン条約どころかトリニティとゲヘナの戦争が始まってもおかしくなかった
ナギサ………本当に、焦り、恐怖、動揺でどうにかなってしまっているのだろう
中を開けてみると、テストの用紙と…
録音機…か?
「起動するぞ」
ピッ、と電源を入れる
『これを見ているということは、どうやら無事に到着されたようですね』
ナギサの声が廃墟に響く
「…ナギサ…」
「この方が、ティーパーティーの……」
コハルがそう呟いている
やはり一般生徒にとっては存在は知っているけど…ぐらい住む世界が違うものと認識されているようだ
……ヒフミはなんでナギサと会える程親しいんだ…?
ヒフミの異常性を再認識しつつ、ナギサの言葉に耳を傾ける
『ふふふ…恨みの声が聞こえてきます』
誰も言っていないぞ、ナギサ
こんな事は、恨みを買う事だと理解はしているのだろう
『それでは、時間以内に試験を終えて戻ってきてくださいね』
一呼吸置き、ナギサは言う
『どうかお気をつけて』
まだ、何かしてくるつもりか…
録音はそこで途切れたようだ
「……皆、試験を始めるぞ。……テスト範囲は3倍、合格は90点以上…だが、最後まで抗おう」
ヒフミとコハルの表情が曇る
……当然だ、コハルは60点を目指して、やっと届いたと思ったら…90点を目指すことになってしまったのだから。ヒフミだって、まだ90点は取れたことが無い
アズサは決意を決めたような表情で頷く
アズサはいつも通りだな。安心する
ハナコもいつも通り…の笑顔の裏に苛烈な感情を感じさせる
怒っているのか。…それもそうだな、ヒフミ達の努力を全て無にするような事をナギサはしたのだから
「席について、時間になったら合図をするから、そこから試験開始だ」
時計を確認する
あと一分か
皆に試験用紙を配り、時間を待つ
「………試験、始め」
皆が一斉に紙を表にして、問題を解き始めた
その様子を見守っていると………
……足音がする。それも複数人
「…馬鹿な、完全に振り切った筈……っ…そうか。ナギサ…!」
足音の主は、温泉開発部。この辺りに温泉があるかも、等と適当な情報を流すだけで誘導が出来てしまう
「………先生」
ナギサの仕業だと感づいたハナコが心配そうな表情で私に小声で話し掛ける
「…任せてくれ。皆は、問題に集中を。あと…少々迷惑をかけるかもしれない」
私は、温泉開発部も出来るだけ傷付けたくはない
だが、話が通じるような子達では無いことも事実
ならば、自分から帰らせる他無いだろう
私は廃墟を出て、入口の辺りに立つ
爆破どころか、当たり所が悪ければ…威力高めの銃弾が数発当たるだけでこの廃墟は倒壊しかねない
それ程に外壁も脆くなっている
「いやぁ、この辺りに温泉があるって教えてくれるなんて親切なやつもいたもんだ!」
「そうだな!……って、あれ、誰だ?大人?」
温泉開発部が近付いてくる
私は、大人のカードを取り出す
例え90点に届かなかったとしても。補習授業部の試験は、誰にも邪魔させない
あの子達は諦めない、妨害等には屈しないという意思を、ナギサへ届ける
そして、あの子達が傷つかないように、私は護る
…ヒフミ達には謝らないといけないな
「力を返せ、大人のカード」
カードが煌めき、仮面が砕かれ光と化し、私を包んでサラという存在を塗り替えていく
いつもの服、いつもの銃、私のヘイローが顕現した
そして………
「生徒達の試験の為………借りるぞ。ヒナ」
『貴女らしい。存分に使いなさい』
そんな返事が、聞こえた気がした
私の周囲は闇に包まれ、2つ目の神秘はこの身に宿る
巨大で、立体的なヘイローが私のヘイローを包み込む
私を包み込む闇が晴れた
手には巨大なマシンガン、終幕:デストロイヤーを持ち、背中から生えた翼を広げて私は告げる
「すまないな。此処から先は立ち入り禁止だ」
オリジナル生徒について!!!
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全然出していいよ!!!!!!!
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出さない方が好きだよ!!!!!