シャーレの先生だ、よろしく頼む   作:桜花=サン

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全力、補習授業

 

日が昇り、疲れて昼まで眠っていた皆が起きてきて教室に集合する

私の左腕は包帯でぐるぐる巻きにされていた

あの後、気絶していた温泉開発部の生徒を安全な場所に送り届けた後、トリニティに戻って皆に押し切られて救護騎士団の所に真っ先に向かったが当然、あんな真夜中に空いている筈がなく

自力で手当しようと来た道を引き返すために後ろを向いた瞬間、さっきまで居なかった筈の救護騎士団の2年生、鷲見セリナが居た時は流石に皆して驚いたしコハルは悲鳴を上げて気絶した

その後は普通に手当をしてもらい、指定された場所へとテストを提出して、今に至る

私の左腕は…辛うじて、手を開いたり、閉じたりはできるが…物を持てるとは思えない

だが、1週間もあれば動かせるようになるだろう

 

「テストの結果が返ってきた」

 

「一応、どれぐらいなのか…確認しなきゃですね…」

 

「……あぁ」

 

私は結果を読み上げる

 

─────────────────────

 

第二時特別学力試験、結果

 

 

 

阿慈谷ヒフミ:62点 不合格

 

白洲アズサ:54点 不合格

 

下江コハル:51点 不合格

 

浦和ハナコ:100点 合格

 

─────────────────────

 

皆の視線が一斉にハナコに向いた

 

「あれ!?えっ、ちょっ、ハナコ!?」

 

コハルが驚愕している

頭が良い事は知っていたが、ここまでとは知らなかったのだろう

 

「……先生」

 

ハナコのその言葉と視線に私も頷く

 

「あぁ。これからは、私が全体的に。ハナコが細かく分からない所を…という形でヒフミ、アズサ、コハルに教えていく。皆知っているが…試験範囲は3倍、目標は90点だ。本当に、辛い勉強になるだろう。……皆、ついてきてくれるか?」

 

「……はい!皆で補習授業部を卒業して、笑顔でお別れできるように、頑張ります!先生も、ハナコちゃんも、コハルちゃんも、アズサちゃんも居るんです!絶対に合格できます!」

 

「わ、私も……私、馬鹿だけど、それでも皆、私に優しく…接してくれて、ここで諦めて、皆に迷惑をかけるなんて、そんな事絶対にイヤ!ハスミ先輩からの期待にも応えたい!」

 

「私は当然、諦めたりなんてしない。全力を尽くし、それでも尚、届かないのなら受け入れる。でも、皆が居れば大丈夫。私達なら乗り越えられる」

 

それぞれの言葉を聞き、ハナコと目線を合わせ、頷く

全力で、ヒフミも、コハルも、アズサも合格させる為に…私達も頑張ろう

 

「……そうだな、皆に一つ、私の秘密を教えよう」

 

「秘密?」

 

「まぁ特に何の得にもならない情報だが。実は私の前職は、教師だ」

 

「先生の来歴の謎が深まっただけなんだが」

 

アズサにそうツッコまれつつ私は教材を用意する

さぁ、勉強開始だ、張り切っていこう

 

─────────────────────

 

そこからの1週間は、本当に慌ただしい1週間だった

机に座る3人をハナコが見回りながら私が手早く授業を進めていく

休憩時間を除き、殆どずっとこれを繰り返す

一つの教材が終わればまた次の教材を。それが終われば更に次を…

補習授業部の模試で分かるが、全員、どんどん成績が伸びていった

後半は、ヒフミは90点台が安定しだし、アズサとコハルは80点は確実に超えるようになった

特にアズサは一度、ヒフミを超える点数すら出してみせた

ただ、やはり苦手と得意があるのか、少々点数にブレがあるな

コハルは着実に、コツコツと伸びている

これならきっと、皆90点は狙える筈だ

皆泣き言一つ言わずに団結して、勉強へ打ち込んでいた

そしてあっという間に時間は過ぎていき…迎えた第三次特別学力試験の1日前

最後のチャイムが鳴る

 

「これで…補習授業は終わりだ。皆、お疲れ様」

 

「いよいよ、明日なんですね……」

 

ヒフミが険しい顔でそう呟いていた

 

「大丈夫です、ヒフミちゃんも、コハルちゃんも、アズサちゃんも凄く頑張っていましたから…絶対に、合格できる筈です!」

 

「あぁ、ハナコの言う通りだ」

 

本当に、ハナコが心強かった

しっかりと何処が分からないかを把握し、そこを丁寧に、尚且つ簡単に噛み砕いて教える

他人をよく見ているハナコだからこそだな

 

「…皆、明日に向けてゆっくり休むと良い」

 

そう言って皆を部屋へ戻るように促す

不安があるとすれば………明日起きるはずの、ナギサ襲撃だ

…どうしたものか……私一人でナギサを抱えて朝まで逃げ切れるか…?

いや、ミカが居る時点でそれは厳しいだろう

しかも私の左腕は未だに包帯でぐるぐる巻き…包帯を1日数回変えないといけない程度には血が滲むし、まだ痛む。当然、自由に動かせる訳もなく

こんな身体では大人のカードは使えない

頼れ、と言われたばかりなのだが……今回ばかりは皆、本当に第三次特別学力試験に注力して欲しい

…ぐぅ…手詰まりか……参ったな……




サオリ先生の大人のカードは確かに切り札ではありますが、先生(本編)の大人のカードよりは気楽に扱えるものです
概念的な代償を支払い、結果を手繰り寄せる…というものではなく、自傷しつつ身体強化をする最終兵器…といった所でしょうか。一応武装の範疇ですね
出し渋っているのは、時間制限(肉体の耐久力と体力)が尽きて尚まだやる事があった時に本当にどうしようもなくなる為ですね
後は知り合いに顔を見られて事態をややこしくしたくないから…というのもあります
錠前サオリの神秘を返してもらうだけだったとしても大人のカードの効果が解除された後は戦闘なんて出来たものじゃありません
友人達の力を借りた時は尚更ですね

オリジナル生徒について!!!

  • 全然出していいよ!!!!!!!
  • 出さない方が好きだよ!!!!!
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