シャーレの先生だ、よろしく頼む   作:桜花=サン

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深夜の事

 

ハナコは皆に向かって言う

 

「掲示板は私が見張っておきます、ヒフミちゃん達はしっかり寝てください」

 

「で、でも、それじゃあハナコちゃんが…」

 

「私なら大丈夫です。…私に出来ることはもうこれぐらいしかありませんから」

 

そう言ってにっこり笑うハナコ

確かに、ハナコなら徹夜だったとしても100点を取れるだろうが…

 

「せめて、私と交代制にしよう。流石にハナコだけに任せるわけにはいかない」

 

「…はい、先生、ありがとうございます」

 

頭を下げるハナコに気にするな、と言い…部屋に戻ってもずっと参考書を読んでいるコハルへ声を掛ける

 

「私…まだ勉強する…!90…いや、100点取れれば文句なんて無いよね…!?もっと…」

 

不安と焦りで少々まずい状態になったコハルをハナコと宥める

 

「コハル…不安なのはわかるが、今日は休むべきだ。コハルはよく頑張った、きっと大丈夫だ」

 

「そうですよ、コハルちゃん。休まないと本来の実力は発揮できませんから…」

 

「だ、だって私…」

 

「前のコハルとはもう違うだろう?大丈夫だ、私が保証する。あまり気を張り詰めすぎないようにして、今日はしっかり体を休めると良い」

 

私の言葉にアズサとヒフミも続く

 

「あぁ、夜ふかしは体に良くない」

 

「コハルちゃん、ゆっくり休みましょう?」

 

「…うん………」

 

コハルをなんとか説得し、全員睡眠に入る準備をして、部屋の電気を消して皆は就寝する

私は自分の部屋に戻り、今は私の番なので掲示板を小さく画面に表示して監視しつつ、ナギサ襲撃からナギサを守る為、どう動くか計画を立てる

 

「…この一週間…色々と準備はしたが、どうしてもミカが出てくるとまずいな……どうしたものか…」

 

私の居た世界では、夜中に他の何者かにナギサが襲われたと報告が入り、計画を早める事にしたのだが…今回はアズサが襲撃の事を知るすべが無い

そんな事を考えていると…

ふと、隣の部屋から誰かが出ていく気配

…アズサか。またあの廃墟へ行くのだろうな

そう簡単に…割り切れるようなものじゃない…か

止めるべきか…とも思ったが、すぐに戻ってくるだろうと思いそのままアズサを行かせる

数分後、私の部屋にノックが響く

ドアを開けると、ヒフミが立っていた

 

「先生、ごめんなさい、こんな夜遅くに…」

 

「私は構わない。…眠れないか?」

 

「はい…」

 

そう会話をしていると、ハナコも部屋に来る

 

「私も来ちゃいました♡」

 

それにつられてコハルも目を擦りつつ起きてきた

 

「みんななにしてるの…」

 

「皆起きてしまったか。…まぁ、この状況でぐっすり眠る…というのも難しいか」

 

苦笑しつつそう溢す

 

「なんかアズサもどっか行っちゃったみたいだし…」

 

そういえば、アズサが少々遅いな…

そろそろ帰ってきてもおかしくない筈なんだが

 

「…先生、実は先日、シスターフッドの方々に会ってきたんです。明日の試験会場、第19分館についてなのですが…」

 

「シスターフッドに?…あぁ、そういえば、彼女達の情報を得る能力はトリニティの中でも秀でているのだったか…試験会場……やはり何か妨害があるか」

 

どうやら独自の情報網があるようで、情報収集となるとティーパーティー以上のものらしい

 

「…はい。当日、そこはかなりの数の正義実現委員会が動員され、19分館は隔離される予定らしく…」

 

「!?」

 

「……なるほど…そう来たか…」

 

コハルが驚いている

前の世界でのナギサ襲撃時は、やけに警備が手薄だと思っていたが…此方に人員を割いていたからか

 

「試験を受けたければ、正義実現委員会を敵に回せ…そういう事なのだろう」

 

「そ、そんな事……!?私がハスミ先輩に事情を説明して……」

 

スマホを取り出すコハル

当然、コハルからすればそんな事はしたくないだろう。尊敬する先輩や仲間達を敵に回す…私でもしたくはない

 

「…難しいと思います。私達に協力したら、それはティーパーティーに離反する事と同義。ハスミさんが正義実現委員会を追放されてしまうかと…」

 

「うっ…うぅ…」

 

どうすればいいのか分からず、コハルは俯いてしまう

冷え切った目と声でハナコは呟く

 

「全く…どうやらナギサさんは本気で私達を退学にさせるつもりのようですね…」

 

「どうしてそこまで……」

 

すると、廊下を走る音が聞こえてきて…

 

「先生!……って、皆…?起きていたのか」

 

アズサが私の部屋に飛び込んできた

どうやら皆が居ることは予想していなかったようで驚いている様子だ

そしてその右手には、紙が握られていた

そうか、この世界の私からの………

 

「…どうしたんだ、アズサ」

 

「……もう皆にも話しておくべき…か。皆、聞いてほしい。話したい事が…あるんだ」

 

「…アズサ、それは…」

 

声を掛けるが、大丈夫、と頷くので私は黙っている事にする

 

「…明日…ナギサを襲う計画がたてられてる。私は襲撃犯達…アリウス分校出身の生徒。でも、私はそれを止めなきゃいけない……私がトリニティに送られた目的は…アリウスとトリニティの和解。その目的を果たす為に。これ以上、お互いを憎まなくても…苦しまなくても…よくなるように」





「何処行ってたの、リーダー。作戦指揮を任されてるのにふらっとどっかに居なくなって」

「…すまない。本当にちょっとした野暮用だ」

「ふぅん。ま、なんでも良いけど」

…きっとアズサなら、動くのだろうな
少しの間場を任せていたミサキに礼を言い、去っていくミサキを見送った後、深くため息をつく

「どっちつかずの愚か者だな、私は……忘れろと言っておきながら、私が忘れられないとは…」

オリジナル生徒について!!!

  • 全然出していいよ!!!!!!!
  • 出さない方が好きだよ!!!!!
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