シャーレの先生だ、よろしく頼む   作:桜花=サン

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「あはは……」

 

トリニティ自治区のとある場所にて、ナギサは紅茶を飲んでいる

微かに、その手は震えていた

ふと、ノックが鳴る

 

「……紅茶でしたらもう結構です」

 

しかし、それを無視してドアが開く音

 

「可哀想に、眠れないのですね」

 

「っ!?」

 

そんな声が聞こえ、ナギサは咄嗟に振り返り携帯している銃へ手を伸ばしつつ臨戦態勢を取る

 

「それもそうですよね、正義実現委員会が殆ど側に居ない状態…不安にもなりますよね、ナギサさん?」

 

コツコツと足音を立てつつドアから現れたハナコ

 

「う、浦和ハナコさん……!?あなたがどうしてここに……!?」

 

「それはこのセーフハウスをどうやって知ったのかという意味ですか?それはもちろん、全て把握しているからですよ。合計87個のセーフハウス…そのローテーションまで……ふふっ♡」

 

「………!?」

 

「変則的な運用もおおよそ把握しています。例えば、心から不安な時はこの秘密の屋根裏部屋に隠れるという事も♡」

 

「ッ…!」

 

やはりとんでもないな、ハナコは。トリニティのほぼ全てに精通していると自称するだけはある…

全てを把握されていた事に恐怖し、焦り、顔を青く染めつつ引き金に指を添え……そんなナギサの後頭部に銃口が当てられた

 

「動くな」

 

ナギサの耳に届いたのはそんなガスマスク越しのくぐもった声

 

「白洲……アズサさん………!トリニティの裏切り者は…一人ではなく、二人……!?」

 

「……ふふっ、単純な思考回路ですねぇ?私達二人はただの駒に過ぎませんよ。指揮官は別にいます」

 

ハナコがそんな事を言っている

まぁ、間違ってはいないが…勘違いを更に深めてしまいそうだ…全てが終われば、誤解を解くのは簡単だろうがな

それにしても…怒っている…のか?ほんの少し、言葉に怒気が含まれている事に気が付いた

まぁ…ナギサのやってきた事は怒られても仕方ないことではあるが…お手柔らかにしてあげてくれハナコ…

そんな事を願いつつ私はひっそりとハナコ達を見守る

 

「別に……!?それは、誰ですか……!?」

 

「そのお話の前に。ナギサさん、ここまでする必要、ありました?………補習授業部の事です。ナギサさんの心労は分かります。ですが、こうして先生の信頼を、善意さえ利用し、シャーレを動員して…ヒフミちゃんとコハルちゃんをあそこまで追い詰める必要はありましたか?」

 

「……それは…」

 

「私とアズサちゃんは仕方ありません。ですがヒフミちゃんとコハルちゃんに関してはあんまりだと思いませんか?」

 

言い淀むナギサをそう問い詰めるハナコ

 

「ナギサさんは、ヒフミちゃんとは仲が良かったではありませんか。コハルちゃんだって、本人は何にも関係がありません。…ハスミさんを警戒しての事だったのでしょうが、ナギサさんはちゃんと、ハスミさんと話しましたか?まさか、本人の話も聞こうとせず、ただ噂だけでここまでしたと言うのですか?それとも、本人の話は信用できないと?ヒフミちゃんが、コハルちゃんが…コハルちゃんが退学になったと知ったハスミさんがどれだけ悲しむかわからなかったんですか?」

 

「…そ…れは………確かに…ヒフミさん達には…悪い事をしたかもしれません……ですが、後悔はしていません。全ては大義のため…確かにヒフミさんとの間柄だけは守れればと思っていましたが…私は…」

 

「…ふふっ」

 

……まずい、あれは確実にとんでもない事を考えついた時の…!

 

「では私達の指揮官からナギサさんへ、メッセージをお伝えしますね?」

 

ハナコはナギサの耳元で妙に似ている声真似で囁いた

 

【あはは……えっと、それなりに…楽しかったですよ、ナギサ様とのお友達ごっこ】

 

「とのことです♡」

 

最初は何を言われたのか分からなかった…いや、分かりたくなかったのだろうナギサの顔は時間が経ち、脳が理解していくと絶望に染まっていく

 

「ま…さか…!?…そ…そん…な…むぐ───!」

 

アズサが後ろから睡眠薬を染み込ませたハンカチで口を覆い、ナギサはそのまま眠りについた

その様子をこっそりと見ていた私はため息つきながらドアから室内へ入る

 

「はぁ…ハナコ、やりすぎだ。…色々終わった後に謝っておきなさい」

 

「……はい、ごめんなさい。…ナギサさんの発言に、ついかっとなってしまって…」

 

「…まぁ、仕方がない部分もあったことは認めるが…アズサ、ナギサは大丈夫そうだな?」

 

「あぁ、何も異常は無い。呼吸も脈も正常。…わざわざこんなもの使わなくても銃を使えばすぐに昏倒させられるのに」

 

ガスマスクを外しながら稀にネットを見ていると最近見かける某マジレスロボットみたいな事を言うアズサに私は言葉を返す

 

「怪我人は少ない方が良いだろう。それに、あまり生徒同士で傷付け合って欲しくはないからな」

 

警備していた生徒達も全員睡眠薬で眠らせただけだしな

 

「さて…ナギサは私が運ぶ。次の作戦に移るぞ」

 

「了解」

 

「はい♡」

 

そうして私達三人は駆け出した




ノ ル マ 達 成(2回目)

オリジナル生徒について!!!

  • 全然出していいよ!!!!!!!
  • 出さない方が好きだよ!!!!!
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