アビドス高等学校
吹き荒れる風、周囲を飛び交う砂
地面を踏み締め、突風に吹き飛ばされないように一歩一歩進む
「……ッ…これは……かなりキツイな…」
『ごめんなさい先生、砂嵐で電波が妨害されて地図にアクセスできなくて……!予報でも今日は大丈夫そうだと聞いていたのですが…』
アロナが申し訳無さそうに声をかけてくる
「所詮予報は予報だ、間違える事もあるさ。私はまだ大丈夫だ。ここは無駄に歩き回って体力を消費するよりは物陰に身を隠しつつ、やり過ごそう」
私は、アビドス高等学校からの要請を受け、アビドス自治区に来ていた
いつも以上に周囲を照らす太陽は、ジリジリと体力を奪っていき、足元を埋め尽くす砂は普段の安定した地面とは違い、しっかりと踏み締める必要がある
砂漠化が深刻と事前に聞いていたので、飲み物も普段より多めに持ってきていたし、アロナのナビ通り順調に進んでいた
しかし、そこで私達を襲ったのがこの砂嵐だ
アロナは電波を遮断され、飲み物を飲む為に口を開く事すらできない
幸い、仮面のお陰で周囲は見えるし、呼吸も可能。普通の人よりはかなりマシだが…
『この砂嵐…風速的に、かなりの規模です!しっかり何かに掴まっていて下さいね。一度吹き飛ばされると先生の体では……っ!後ろです!先生、危ない!』
咄嗟にその場を飛び退くと、先程いた場所に看板が突き刺さる
「ぐっ、突風が!」
足が地面から離れ、一瞬浮遊感に包まれる
…またこの感覚を味わう事になるとは…
「そこの人、掴まって!」
声と同時に、伸ばされた腕が視界に入った
咄嗟に私も手を伸ばして、その手を掴む
「ん、しっかり握っていて」
引っ張られ、地面に足をつける
「助かったよ、感謝する。君は………」
視界を上げると、前の世界の記憶と、生徒名簿でも見た覚えのある顔
「私はアビドス高等学校の2年生、砂狼シロコ。仮面のあなたはアビドスの自治区に何の用?」
此方に来てからは運が良いな、私は
「シャーレの先生、月司サラだ。要請を受け、アビドス高等学校へ向かっていたのだが…」
「砂嵐に襲われた…と」
「あぁ。色々と対策はしていたんだが…これは予想できていなかった」
「ん、それは仕方ない。ここに住んでる私もこの砂嵐は予想外だったから…」
話を聞いていると、私の後頭部に凄い速さで飛んできた何かの空き缶が命中した
「ぐぁっ」
「あ」
スコーーーンと良い音を鳴らしつつ私は衝撃で地面に倒れる
……訂正だ、私はやはり運が悪い…………
前の身体ならそうでもない威力だったのだろうが、今の身体ではかなり効く一撃だった
落ちていく意識の中でデジャヴをひしひしと感じつつ……私は気を失った
「ええっ!シロコちゃん……ついに誘拐を…!」
「どどどどどどうするのよ!なんかいかにも不審者です!みたいな仮面つけてるわよ!ひ、一先ず口封じを……!!!」
「落ち着いて下さいセリカちゃん!し、シロコ先輩、色々と説明して下さい!」
「ん、助けただけ。誘拐じゃないから……」
複数の人がワイワイガヤガヤと騒ぐ声が聞こえ、私は目を覚ます
「いっ…つ…ここは…?」
後頭部に走る痛み。知らない建物の中に私は居た
「あ、起きた」
シロコが起き上がった私を見つけ、近寄ってくる
「あ、あぁ…シロコ。ここは…?」
「アビドス高等学校。先生の目的地、ここだったんでしょ?あの後、応急処置だけして、砂嵐が収まるのを待って、抱えてここまで来た」
「すまない…迷惑をかけたな。私はもう大丈夫だ」
寝かされていたソファーから起き上がる
シロコとは別に、奥の方にこちらの様子を伺っている3人の生徒が居た
ブロンドの髪をしたゆったりとした雰囲気の生徒、此方を警戒しているのかじっと見てくる猫耳の生徒、私を心配してくれていたのか安心したような表情をしている眼鏡をかけた生徒
先程の声は彼女達か
「情けない姿を見せてしまったな。申し訳無い。改めて…連邦捜査部、シャーレの先生、月司サラだ。助けてほしいとの要請を受けて、此処に来た」
軽く自己紹介をする
「ん、そのマスク?は外さないの?」
「…少々、事情があってな。外せないんだ」
どうやら、砂嵐対策につけていると思われていたらしい
「なるほど。覚えてると思うけど、私は砂狼シロコ。そしてあっちが…」
「アビドス高等学校の2年生、十六夜ノノミです〜!」
「私はアビドス高等学校の1年生、奥空アヤネです」
「アビドス高等学校の1年生、黒見セリカよ!」
「シロコ、ノノミ、アヤネ、セリカか。よろしく頼む。名簿を見た限りではあと一人居た筈だが…今は何処か別の場所に?」
覆面水着団、と名乗った彼女達が現れた時の事を思い出す
小柄だが、立ち姿から強者である事がよくわかったピンク髪の生徒
「確か今は外でお昼寝を……セリカちゃん、呼んできてもらえますか?」
「わかったわ!」
そう返事してセリカが教室を飛び出していった
待っている間に、アヤネが話しかけてくる
「今呼びに行ってもらっているホシノ先輩が委員長で、私達は対策委員会として活動しています。アビドス高等学校は多額の借金も抱えていて…」
「…砂漠化で自治区の人口も減り、借金を返すのも苦しい…と」
「はい………」
本当に限界ギリギリだな…
私に出来ることは大人として一緒に居て、共に対策を考える事だろう
そう考えていると、ドアが開き、セリカともう一人、生徒が入ってきた
「ほらホシノ先輩!シャキっとして!」
「うへ〜おじさんはまだ寝たかったんだけどな〜」
欠伸をしつつ、チラリと此方を見てくる
やはり、強い。ヒナやツルギ、ミカを一目見た時のような印象を受ける
「ふわぁー…アビドス高等学校の3年生、小鳥遊ホシノだよ〜よろしく、先生〜」
「あぁ、これからよろしく頼む、ホシノ」
アビドス高等学校の対策委員会、これで全員か
まだ、信用はされていないだろう
特にセリカとホシノからは、此方を推し量ろうとするような目線をひしひしと感じる
私は私に出来ることを全力で行い、信用を勝ち取れるように尽力しよう
花のパヴァーヌ編一章を飛ばしてエデン条約編を進めて良いか(パヴァーヌ編は一回飛ばすことになったらエデン条約編の後に一章、二章と続けてやります)
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だめです!!!!!!!!!!!!
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いいよ!!!!!!!!!!!!
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本編の順番通りがいい!!!!!!!!!