シャーレの先生だ、よろしく頼む   作:桜花=サン

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私の役目

 

「…くっ…!」

 

思わず声が漏れる

なんだ…?明らかにおかしい

シャーレの先生。確かに戦闘能力も持ち合わせていると聞いていたが、ここまでのものか…!?

銃口を向けた瞬間、蹴りで狙いをずらされる

バックステップで距離を取ろうとしたのと同じタイミングで距離を詰められる

 

「はぁっ!!」

 

「ッ…!」

 

咄嗟に胴に向かって蹴りを放つが…後ろに跳ぶ事で勢いを殺された

空いた距離を使い、アサルトライフルを連射する

掠る事での切り傷は出来たが、致命傷に至る弾はナイフで弾かれるか躱された

まるで考えの全てを見通されているような感覚

あの仮面で目線が見えないのも厄介だ、何を狙っているのかが予測しにくい…

それに…この戦い方はアリウス……いや…私の…?

若干混乱する私の耳に、少しだけ音が響く

…………この音は……引き時か

ここで仕留めておきたかったが…見誤った

 

「…どうした。来ないのか」

 

シャーレの先生のそんな言葉を無視しつつ、私は走り出し、その場を去った

 

─────────────────────

 

「…退いたか……」

 

ナイフを収納し、息をつく

…死ぬかと思った

蹴りを限界まで勢いを殺して受けて尚、ズキズキと痛む腹部に眉を顰める

一つでも動きを間違えればそれだけで終わりだった

蹴りをまともに受けていれば内臓がいかれていただろうし、その後の弾丸も一つでも読みを誤れば致命傷だった

大人のカードは今は絶対に使えない

まだまだやる事が多すぎる。代償で動けなくなるのは流石に困る

そんな事を考えていると…

バコン!と爆音が響き、ツルギがやってきた

銃声を聞いて急いできたのだろう

その姿は血だらけだが…もう治っているようだ

 

「…!先生!ご無事でしたか!」

 

そしてその後ろには、ハスミとヒナタの姿

こっちの二人は結構な怪我をしていた

 

「先程の銃声は……!」

 

「あ、先生…!良かった…!でもその傷は…!」

 

ヒナタが言っている傷は私の腕や足にある、弾丸が掠った時の切り傷だろう

 

「襲われたが、なんとか撃退した。この傷も軽傷だ、心配は要らない。そっちの様子はどうだ?」

 

「突然の攻撃により、風紀委員会も正義実現委員会も殆ど戦闘は不可能です。なんとか動ける人員にはシェルターへの避難誘導を任せています。私達は銃声を聞き、何があったのかの把握しに来ました」

 

ハスミがそう報告してくれる

……まだ、ユスティナ聖徒会顕現は始まっていない、今のうちに避難は済ませなければな…

そして、最大の問題を聞く

 

「ナギサ達はどうなった?」

 

「先生の指示でツルギがすぐ側にいましたから、ツルギが庇い、軽症で済んでいます。気を失ってはいますが、近いうちに目を覚ます筈です」

 

「そうか…」

 

不幸中の幸いだ、トップを失ったトリニティの暴走はナギサが起き次第抑えられる

ハスミは眉を顰めつつ、忌々しそうに言う

 

「ですが、これは一体誰が…」

 

「……足音。先生、私の後ろに」

 

ツルギがそう言いながら前に出る

そして、姿を見せたのは……

アリウススクワッドのミサキ

生気のない瞳が、私を視界に捉える

………久しぶりに見たな、その目は

 

「……残党…いや、正義実現委員会の本領を発見。リーダーの言った通り、シャーレの先生と合流してる」

 

後ろからぞろぞろと、機械的な動きでアリウス兵が現れる

 

「あの校章……アリウス分校………!?」

 

ヒナタが驚いている

流石はシスターフッド、知っているか

 

「…アリウス…そうですか、あなた達が…!」

 

「ハスミ。落ち着け」

 

ツルギがそうハスミに声をかけた瞬間

 

「撃て」

 

ミサキの指示で一斉にアリウス兵が射撃を開始する

ツルギの身体に次々と弾丸が当たっていく

マガジンの弾が切れたのか、射撃が止んだ

 

「つ、ツルギさん!」

 

ヒナタがそう声を上げるが…

ツルギは何事もなかったかのように…いや、これは…傷がもう…治っている

ほぼ、何事も無かったツルギはゆらりと立ち上がり………

 

「…暴れるのは、私の役目だ!ギギギッ…ヒャハハハハハハハァーッ!!!かかって来い!雑魚共!!!」

 

そう言って一瞬で飛び出していった

ハスミは息を吐き、冷静さを取り戻す

 

「……そう…ですね。えぇ、私はツルギの支援をします、ヒナタさんは先生の護衛を!…避難も完了したとの報告が今来ました、ここを突破して一度トリニティに戻りましょう!」

 

「分かりました…!先生!」

 

「了解だ、指揮を始めよう」

 

シッテムの箱は使えないが、元々そこまで私はシッテムの箱に指揮能力は依存していない。殆ど何の問題も無いだろう

ツルギを前衛に、ツルギが余計なダメージを負わないようにハスミがサポート

数は相手が圧倒的だったが、どんどん状況はひっくり返っていく

できるだけ、今のうちに先へ進まなくては…!

少しずつ、少しずつ移動しながら戦闘を行う

私の考えていた数倍進みが遅い

…アリウス兵だけでこの量……?もしかして、今アリウスに存在する戦力全てを送りつけてきたのか…!

 

「……これが、トリニティ最強戦力の力…なるほど、確かに凄い…………でも、時間切れ。『顕現せよ』」

 

ミサキがそう言うと同時に、青白い炎が無数に出現し、人型を形取っていく

 

「………?!これは……っ!」

 

ハスミが死角から撃たれ、よろける

 

「大丈夫かハスミ」

 

「…はい。ですが……」

 

ハスミはすぐに体制を整え、射撃姿勢に入る

 

「……これは……ユスティナ聖徒会…!」

 

ヒナタは知っているようだ。シスターフッドの前身…ユスティナ聖徒会…

エデン条約の…戒律の守護者

今、アリウスによるエデン条約の強奪が成功したのだった

オリジナル生徒について!!!

  • 全然出していいよ!!!!!!!
  • 出さない方が好きだよ!!!!!
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