アリウスがエデン条約の強奪に成功し、ユスティナ聖徒会が顕現した
一気に戦況が悪くなる
ツルギは何の問題もないのだが……
「きゃあっ!」
「ヒナタ!」
「だ、大丈夫です…!」
問題は私達……というより私だ
本来、ハスミはスナイパー…近距離での戦闘に相手の数…そして護衛対象の私が居る…
ヒナタは広範囲の制圧が可能だ…しかし、私が近くにいると巻き込まれる可能性がある為、安易に使えない
私が生徒の足を引っ張り過ぎている事実に歯噛みしつつも指揮は怠らない
ポケットに手を入れて無線を起動させる
……駄目か。ヒナの反応は無い
既に数回試しているが…此方の無線かあっちの無線が壊れているか…?
そう考えていると、ジジッと音が鳴り…
………っ!繋がっ………切れてしまったか……
それか、予期せぬ敵に遭遇していたり……
いや、遭遇するのがアリウスの誰であれ…ヒナなら大丈夫な筈だ。恐らく、ヒヨリだろうが
私は指揮を続けなければ
「ヒナタ、下がれ!ツルギ!一度戻ってきてくれ!」
私の声に反応し、二人共戻ってきた
ハスミは私の隣で護衛しつつのスナイプだったのですぐ近くにいる
ツルギは全く堪えてなさそうだが…
ハスミとヒナタはそろそろまずいか…
連戦で傷が増え、ミサイルでの傷口も開きかけている
「…はぁ…っ…埒が…空きませんね…!」
「一か八か…先生だけでも……」
その瞬間、凄まじい音が聞こえ、ユスティナ聖徒会もアリウス兵も全てを薙ぎ払う
あの銃声に、紫色に輝く弾丸……!
上空からスタッと羽を羽ばたかせて落下の勢いを殺して着地したのは…
「先生!こっち!!!」
「ヒナ!」
…そうか、さっきの一瞬繋がった無線の座標に!
「ゲヘナの風紀委員長…」
ハスミが隣でそう呟く。その声には隠しきれない懐疑心が見え隠れしていた
しかし、ハスミは私に背を向けてすぐに銃を構え直した
「行ってください、先生!ここは私達が食い止めますので!……ゲヘナの風紀委員長!先生を頼みます!」
「えぇ、任せて。行くわよ、先生」
ヒナが再び湧いてきた聖徒会を蹴散らしつつそう言ってくれる
生徒達を置いていく…という行為に忌避感を覚えていた……だが、さっき言った通り…私は邪魔にしかならない
私がやるべき事はトリニティへ戻る事…
「ツルギ、ハスミ、ヒナタ!無理はするなよ!」
「えぇ、私達に任せてください」
そんな頼もしい返事を聞きつつ、私はヒナと共に走り出した
「遅くなってごめんなさい、先生。言ってた通り…いえ、それ以上…ね。指示を出していたアリウス分校の生徒だと思わしき緑髪の生徒を振り切ったと思っていたら……先生から聞いていたとはいえ、実際に戦うと……厄介ねっ!」
周囲を取り囲むように出現しようとするユスティナ聖徒会
顕現した瞬間に容赦無くヒナのマシンガンから薙ぎ払うように放たれた弾丸がその頭部を、腹部を…様々な箇所を撃ち抜いていく
「まぁ、一応の為…と大聖堂と離れた場所で待機するように指示されていたから、私はこの通り無傷なんだけど」
懲りずに進行方向に出現し続ける聖徒会
ヒナのマシンガン、終幕:デストロイヤーがキィィィィィン、と唸りを上げ………
その暴威は放たれる
紫色の弾丸の嵐は聖徒会どころか進行方向にあった瓦礫まで粉々に砕いていた
「道は開けた…早く」
「あ、あぁ…」
…色々とミスをしてしまったが、ヒナが無傷で居る…というだけでかなりのアドバンテージではある…か
その瞬間、ヒナの頭に何かが飛んできて…カーン!と金属が金属に弾かれたような音が鳴る
恐らく飛んできたのはヒヨリのスナイパーライフルだろう
…ヘッドショットして尚弾かれるのか…
「そこね」
ヒナが弾丸が飛んできた方向に向けてマシンガンを掃射する
「わわわわっ!」
「暴れるな…落ちるぞ」
ワタワタするヒヨリを掴んで救出しつつ私達の前に降り立ったのは、この世界の私
「また来たのか、懲りない事だな」
「……任務の為だ、死んでもらうぞ」
そう言うが早いか、私に向けて拳銃を速射する
ナイフで防御しようとしたが…間に入ったヒナの大きな羽に全て防がれた
「ゲヘナの風紀委員長……一番体力を削っておきたかったのだがな……」
「それは残念だったわね」
再びヒナのマシンガンから弾丸が放たれた
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……状況が悪過ぎる
さっきも言った通りよりにもよってゲヘナの風紀委員長…空崎ヒナが無傷だとは……
…プランCに変更せざるを得ない…か
「ヒヨリ」
「は、はい…」
意図を察したヒヨリが作戦を開始する
ユスティナ聖徒会が再び顕現を始め、アリウスの生徒達も続々とやってくる
「チッ…!」
1秒でも時間稼ぎができて、気を逸らすことが出来れば彼女達は……………どうなろうと構わない…
………本当に、すまない……
ユスティナ聖徒会に気が向いているうちにアリウスの生徒が複数人、死角からヒナに掴みかかる
「!?何を…っ!」
「…ッ!まさか!」
3人はシャーレの先生の拳銃により倒されたが…
残り、1人。シャーレの先生の位置じゃ空崎ヒナが射線上に居るから撃つことは出来ないし当たる事も無い
そうしてそのアリウスの生徒は、ヒナに振りほどかれ、羽で弾き飛ばされる直前に……
所持していたヘイロー破壊爆弾を、起動させた
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咄嗟に拳銃を構え、そのまま撃ち放つ
弾丸は爆弾に命中し、ヒナとは少し距離ができるが…
あれは…あの形状は………っ…
ヘイロー破壊爆弾が爆発する
視界が真っ白に染まり、私は吹き飛ばされる
…私はなんとか大丈夫だ、今の私には爆風ぐらいしか効果がない。転がって出来た擦り傷程度だ
あれはヘイローを壊す…という事に特化し過ぎている
ヒナもあれはまずいと判断していたのか、防御姿勢をとっていたが…
「……ごほっ…あれは………」
砂煙の中、姿を見せたヒナは少々出血していた
「っ…!ヒナ!」
「…!ぐっ…!!!」
「はぁッ!」
同じく砂煙の中から接近していたこの世界の私に不意を突かれ、ヒナの背中にアサルトライフルが直撃してしまう
「このっ…!」
振り返りながらマシンガンを放つヒナ
「ッ──!ぐぁっ!」
無理に近づき過ぎた為…躱しきれず、弾丸はこの世界の私に直撃し、吹き飛ばされていく
追撃を加えようとするヒナ
その瞬間、ヒナの背後の空間が音も無く裂け、漆黒が現れる
あれは…まずいモノだ、危険だと本能が警鐘を鳴らしている。殺意や怨念…ありとあらゆる負の感情から齎される力だと、理解できてしまう
咄嗟に駆け出したその瞬間
「ヒナ───!」
「まぁ、ブラフなのですけれど」
私の耳元でそんな囁き声が聞こえると同時に……
ドスッ…と、私の体に衝撃が伝わる
「………ごぼっ…」
「未知の脅威には、取り敢えず貴女は生徒を護ろうと動く……愚かですね、シャーレの先生。…チェックメイトです」
私の腹部を、刀が貫いていた
オリジナル生徒について!!!
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全然出していいよ!!!!!!!
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出さない方が好きだよ!!!!!