シャーレの先生だ、よろしく頼む   作:桜花=サン

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3人の私

 

「…やはり速いな」

 

視界に捉えたと思いきやその瞬間には姿を消し、気付いたら側面や背後に回られている

背後から振り下ろされる大鎌の刃先をナイフで逸らし、振り返りつつもう片方に持った拳銃で射撃を行うが、既に回避されていた

しかし………

 

「動きが単調だ」

 

『…ッ……!』

 

私の投げたナイフが羽を掠める

 

「まぁ大鎌など使った事もないだろうから仕方が無いがな」

 

移動ルートを予測しての投擲…ギリギリの所で回避されたか。銃弾だと早すぎてこういう事には不向きだからナイフを投擲したが…次は当てられそうだ

新しいナイフを取り出し、攻撃を警戒しつつ私は思案する

あの3対の羽が厄介だな。6枚も羽がある事でより高い機動力とまるで蜻蛉のような空中制御の両立を可能にしている

飛べる相手…私が知り合った中でもそう多くはない

それこそヒナぐらいしか飛行しているのを直接見た記憶は無いからな

ハスミやマユはあの大きさの羽なら飛べるだろうが…

空中の相手への対策は今構築するしかないだろう

次の問題は…得物、あの大鎌だろうな

だが、これに関してはなんとかなる筈だ

近接武器の使い手とは私も戦った覚えがある

あのような形状の武器では無かったが……

刈り取る事に特化したあの刃先を警戒しておけば問題ないだろう

大鎌などの長柄武器の扱いは以前調べている

それを元に対策を考えよう

視界から反転した私が消える

 

「ふむ」

 

この頃の私なら…少し攻撃のタイミングを遅らせる筈だ

我ながら読みやすい……

…いや、よく知っている私だからこそか

空いた隙に仕込みを済ませ、迎撃の体制に入る

次の狙いは…………首だな

 

「はぁッ!」

 

『がっ…』

 

反転した私が力を込め、刃が通るルートが固定された瞬間に身を低くし、振り抜かれた大鎌を回避

カウンターに拳銃のグリップ部分で顎を殴りつけ、怯んだ隙に蹴りを放ちつつ追撃に射撃を行う

全ての攻撃を受け、反転した私が地面に転がった

……いや…硬いな本当に…

腹部にクリーンヒットした筈の蹴り。だが、私の足もじんじんと痛んでいる

流石に此処まで固かった覚えはないが…反転の影響なのだろうか

だが、流石にノーダメージでは無かったらしい

反転した私が頭を振りつつ起き上がり、口を開く

 

『…お前…は……何だ…!?何故、私を……』

 

理解できないといった様子でそう尋ねてくる

 

「…私は───」

 

その瞬間、反転した私の背後に漆黒が出現し、あの刀身が見える

 

「……!」

 

私の身体は咄嗟に反応し、駆け出してしまう

 

「本当に愚かですねぇっ…!」

 

背後から嘲笑混じりの聞き覚えがある声が響く。振り返る時間は無いし、動かせても指を少しだけ。これではナイフでも、拳銃でも迎撃は間に合わない……だが

 

「二度も同じ手にかかると思うか?」

 

仕込みは済ませてある

私は指を動かし、隠し持ったスイッチを押す

そして…背後で大爆発が巻き起こった

私も衝撃で吹き飛ばされるが、受け身を取り、被害は最小限に抑える

 

「…チッ……!」

 

爆発により発生した煙から傷を負った虚が姿を見せる

…これで3人揃った事になるのか……

このような機会があるとはな…本当に、人生とは分からないものだ……

そんな事を考えていると…

 

『……貴…様…!今度こそ…!私…!私が……!この手で…!あ゙ぁぁぁぁぁッ!!!』

 

その姿を視認した反転した私は怒りのまま飛び出し、その大鎌を振るう

 

「羽虫が……!喧しいですね…!!」

 

虚は斬撃を刀で受け止める

続けて大鎌を振り続ける反転した私

虚はどんどん防戦一方になっていき……

 

『はぁぁぁぁぁッ!』

 

「ぐぁっ…!」

 

隙を突いた攻撃により、虚の腕は切り飛ばされた

 

『月よ!我に力を……!!!』

 

左手に持った鍵が煌めき、虚に向かって空にて輝く月から光の刃が降り注いだ

どういう原理の攻撃なんだそれは…!?

私に使われていたら少しまずかったかもしれない

その刃は虚を切り裂き、焼き溶かしていく

そして…

 

『断罪の時だ!死に絶えろ!!!』

 

大鎌の刃先が虚の身体を貫いた

 

「がっ…………」

 

力が抜けていく虚

その手からカランと刀が落ちた

 

『ハハ……ハハハハハ!!…私…は……!……ワタシは……!裁きは今、此処に───!』

 

……なんだ?反転した私の様子がおかしい

…いや、それよりも……!

 

「喧しい…と……言っているでしょう…!!!」

 

切り飛ばされた筈の腕を再生させつつ、息を吹き返した虚が刀を拾い上げつつ斬り上げる

 

『………!?』

 

再生の事は知らなかったのか、驚愕で硬直している反転した私を守る為にその間に割り込み、刀をナイフで受け止めて声を張り上げる

 

「戦場で油断をするなと習っただろう!そんな事ももう覚えていないのか!!!」

 

『ワタシ……私…は……?!ぐ……ぁ…ぁっ…!』

 

反転した私は頭を抱え、錯乱する

退避して欲しかったのだがな…!

咄嗟に思った事を口走った私の口を恨みつつ私は鍔迫り合いを続ける

だが……

 

「本当に誰も彼もウザったいですね!!!」

 

虚が更に力を込めると、ナイフにヒビが入る

しまった、これでは………

 

「ぐっ…!」

 

受け流しきれず、膂力の違いで私は弾き飛ばされる

そしてその刀身は反転した私の首元へ───

 

「させるか!!!!!」

 

飛び出してきたアズサがそう声を上げつつ振られている刀身に銃弾を当てて軌道を逸らす

首元に向かって振られていた刀身はズレて反転した私の頬を浅く切り裂くに留まった

 

「次から次へと…!」

 

そう忌々しそうに言いながら虚は距離を取る

駆け寄ってきたアリウススクワッドと補習授業部が私と反転した私を守るように立った

 

「サオリ、遅くなってごめん」

 

「ごめんなさい先生、遅くなりました…!」

 

アズサがそう言いながら反転した私に手を差し伸べ、ヒフミも私にそう言いつつ助け起こしてくれた

オリジナル生徒について!!!

  • 全然出していいよ!!!!!!!
  • 出さない方が好きだよ!!!!!
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