シャーレの先生だ、よろしく頼む   作:桜花=サン

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偶然のストーカー

 

カタカタヘルメット団を追い払い、教室に戻ると、そろそろ日が落ち始めていた

 

「もう夕暮れだ、今日は解散だな。皆、お疲れ様。明日からもよろしく頼む」

 

「ん、お疲れ様」

 

「うへ〜なんだか今日はいつもより疲れちゃった〜」

 

ホシノが机に突っ伏しながらそう言っていた

私が来たり、ヘルメット団の襲撃だったりで普段よりはやはり大変だっただろう

 

「ゴタゴタしてましたからね〜」

 

ノノミが苦笑してホシノへ返答していると、セリカは手早く荷物を纏めて立ち上がった

 

「……それじゃ、私帰るから」

 

「う、うん。セリカちゃん、またね」

 

「うん」

 

アヤネの言葉にセリカはそう返事すると、ドアをピシャリと閉めて出て行った

な、何か気に食わないような事を私がしてしまっていたか…?

あわあわと若干挙動不審になりつつ思考を巡らせる

仮面で隠され、表情は見えずとも、私が慌てている事を感じ取ったのかホシノがフォローしてくれる

 

「セリカちゃん、これまでずっとこの5人でやってきてたから急に現れた先生の事を信用しきれてないんじゃないかな〜…」

 

……それはホシノもそうなのでは?と内心思いつつ、なるほどと頷く

 

「……そうか…ゆっくり、時間をかけて信頼を得られるように努力しよう。さぁ、そろそろ日が落ちる。皆、気をつけて帰るといい」

 

「「「「はーい」」」」

 

なにも焦る必要は無い。急に距離を詰めようとすれば当然、警戒されるだろう

ゆっくりと、仲良くなっていけば良いのだから

そんな事を考えつつ皆を校門まで見送って、私も帰路についた

 

 

 

翌日の朝、今日は自由登校日だ。しかし、当分の間はアビドスの対策委員会顧問としての活動が主となるので、アビドスへ向かっていると…

恐らく何処かへ出かけているセリカを発見した

うーーーん……声をかけるべきだろうか?

彼女は恐らく私にあまり良い感情を抱いていない。下手に関わろうとするのは良くないのではなかろうか

しかし、先生として生徒に挨拶もせずに…なんて事はあまりしたくない

どうしたものかと悩んでいると……

 

「ちょっとあんた!さっきから何見てるのよ!」

 

目の前にセリカが居た

この身体になってから、少し警戒心が薄れている気がする。考え事に夢中になる事も増えてしまっているし…

などと考えていたが、一旦その思考は隅へ追いやり、セリカへ挨拶する

 

「す、すまない。少々考え事をしていた…おはよう、セリカ」

 

「な、馴れ馴れしくしないで!私、まだ先生の事認めてないんだから!そんな怪しい仮面までつけて、信用なんてできるはずが無いでしょ!」

 

キッ、と睨まれた

やはりそうか…率直な思いを伝えて、この場を後にするとしよう

 

「そうか…でも、来たばかりの大人だなんて信用できなくても仕方が無い。この仮面は……すまない。セリカが私を信用しても良い、と思えるように努力しよう」

 

「な、なによ……」

 

「じゃあ、またな」

 

若干狼狽えたセリカにそう言って、正面にあった分かれ道で学校とは別の方向の道へと進む

遠回りにはなるが、走ればそこまで変わらないだろう

 

「アロナ、頼めるか?」

 

『はい!ナビゲート開始します!』

 

こういう所でもアロナは本当に心強い

 

数分の間走り、コンビニの周辺に到着する

 

「あっ」

 

「えっ!?」

 

セリカとばったり鉢合わせた

私と目が合うと、セリカは踵を返しダッシュで逃げていった

…少々悲しくなってきた

 

アロナに励まされながら若干トボトボと歩を進める

信用…信用か……時間が解決してくれるとは…思うけれど…どのあたりが駄目だろうか…顔が怖い…いやそれは関係なかった。今は仮面がある

……明らかに一番はこの仮面だな。原因。

引っ張ってみるが、外れる気配は微塵も無い

 

「は!?」

 

前方でそんな声が聞こえたので前方を向くと…また、セリカが居た

 

「えっ」

 

「つ、ついてこないでよ!ストーカー!!!」

 

……待て、とんでもない誤解が生まれた気がする

 

「いや、偶然で…」

 

思わず口から出た言葉は走り去っていったセリカに届かないだろう

……やはり私は運が悪いな………

 

『せ、先生……』

 

アロナが気の毒そうに私を見ている

 

「……早く学校へ行こうか…」

 

自分の不運を嘆きつつ重い足取りでアビドスへ向かった

 

 

「……そんな偶然ある?」

 

「どんな確率なんでしょう……」

 

「コンビニ周辺での遭遇は先生の遠回りと、セリカちゃんの買い物が終わったタイミングの一致、その後の遭遇は先生を警戒して遠回りしたセリカちゃんとナビ通り近道をして進んだ先生でのタイミングの一致…でしょうか…」

 

「……なんとも酷い奇跡だ」

 

私のその言葉に一瞬だけ、ホシノが反応したように見えた

…どうかしたのだろうか

 

「取り敢えず、私は当分の間…セリカにあまり接触しない方が良いのかもしれないな…」

 

生徒の味方な先生が、生徒の気分を害しては元も子もない

 

「皆、すまないが…誤解だけでも解いてくれるとありがたい……」

 

流石にストーカーだと誤解されたままでは信用も何も無くなってしまう

 

「う〜ん、じゃあもういっそ皆でストーカーになっちゃおうか!ほら、行くよ〜」

 

「…?何処に行くんだ?いや、そもそもどういう意味だ?」

 

「ほ、ホシノ先輩?!」

 

「なるほど、そういう事ですね〜!」

 

「ん、ついてく」

 

ホシノが荷物を纏めて出ていくので私とアヤネは焦りつつ追いかけ、シロコとノノミは納得したようにホシノへついていった

 

 

「いらっしゃいませー!何名さ…ま…」

 

「5名だよ〜やっぱりここだったんだね、セリカちゃん」

 

「お、お疲れ様…セリカちゃん」

 

「ん、お疲れ様」

 

私達がホシノに連れられて足を運んだのは、アビドスにあるラーメン屋の柴関ラーメン

そこで、制服を着て接客のバイトをしているセリカを発見した

ホシノ達がセリカに声をかけた

 

「な、なんで皆がここに…!?」

 

狼狽えるセリカに私も声をかける

 

「……こんにちは、今日はよく会うな、セリカ」

 

「先生まで!?やっぱりストーカー……!」

 

「待て、それは本当に違う。誤解なんだ」

 

若干軽蔑を含んだ目で睨まれる

どうやって誤解を解けばいいんだ…

 

「うへ、先生は悪くないよ〜セリカちゃんのバイト先といえば、ここしか無いかな〜って」

 

頭を悩ませていると、ホシノが助け舟を出してくれた

 

「ホシノ先輩かっ……!ううっ……!!」

 

そうやって話していると、厨房から顔を出したのは…

 

「アビドスの生徒さんか、セリカちゃん、おしゃべりはそのくらいにして、注文受けてくれな」

 

この店の店主…いや、大将と呼ぶべきか?

 

「うう、大将……はい…では、ひ、広い席にご案内します…」

 

そう言ってセリカは渋々私達を席に案内した

花のパヴァーヌ編一章を飛ばしてエデン条約編を進めて良いか(パヴァーヌ編は一回飛ばすことになったらエデン条約編の後に一章、二章と続けてやります)

  • だめです!!!!!!!!!!!!
  • いいよ!!!!!!!!!!!!
  • 本編の順番通りがいい!!!!!!!!!
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