生徒会長の精神干渉に抵抗し、激しくなる頭痛の中
私は生徒会長へと斬り掛かる為に手の大鎌へ力を込めようとするが…上手く力が入らない
あのシャーレの先生が左腕を負傷した
あの人の技量は本物だ。その気になれば躱せただろう
だが、シャーレの先生は負傷する事を選んだ
アズサを……守る為だ
本当に…生徒を守りたい…か…
そして…アズサの友人…阿慈谷ヒフミ
彼女は、真っ直ぐな目で生徒会長を見つめ、言う
「殺意や苦しみがこの世界の真実だと、それを強要して…全ては虚しいだけだと、ずっと言い続けていますが…それでも、私は………!!!」
「……喧しいんですよ…!黙りなさい!」
阿慈谷ヒフミへと斬り掛かる生徒会長
だが、それをシャーレの先生が防ぐ
「ヒフミ!言いたい事全て言ってやるといい!お前の心を、何もかも全てな!時間はどうにか稼ぐ!」
「…はい!!」
生徒会長の攻撃を躱し、受け流し、阿慈谷ヒフミの元へ行こうとするのを防ぎつつ、シャーレの先生はそう言い、阿慈谷ヒフミは頷いた
「ほぼ片腕しか使えない分際で、私を止められると思っているのですか!」
「どうであれ、私は生徒を守り抜く……!」
そうは言うシャーレの先生だが、動きのキレがかなり悪い
そして、阿慈谷ヒフミは息を吸い…言葉を紡ぐ
「アズサちゃんが人殺しになるのは嫌です…サオリさん達だって、良い人達で…アズサちゃんの家族です…!そんな方々も人殺しにだなんて…そんな暗くて憂鬱な話、私は嫌なんです…!殺意や憎しみ…それが本質だと…この世界の真実だと言われても…私は好きじゃないんです!」
力強くそう言い切り、更に言葉を続ける
「私には、好きな物があります!!!」
そんな阿慈谷ヒフミに斬りかかろうとする生徒会長を再びシャーレの先生が阻む
「戯…言……を……!!!」
「どうした、焦りが見えるぞ、虚!」
シャーレの先生が生徒会長の横薙ぎに振られた刀をナイフで弾き、そのまま蹴り飛ばす
「平凡で、大した個性の無い私ですが…自分の好きな物については絶対に譲れません!!友情で苦難を乗り越え…努力がきちんと報われて…辛いことは慰めて、お友達と慰め合って……!苦しい事があっても…誰もが最後は笑顔になれるような!そんなハッピーエンドが!私は好きなんです!!!」
…それは……それは、ただの理想論だ
現実はそんな事…出来る筈がない
「煩い…!煩い煩い煩い!そんなモノ…!そんな…戯言を……何も知らない…お前が!!!」
「ぐっ……!」
生徒会長が再び駆け出し…力のままナイフで刀を防いだシャーレの先生を吹き飛ばす
浦和ハナコが銃弾を放つが、それだけでは止まらない
それでも、阿慈谷ヒフミは生徒会長を見つめたまま、力強く言い放った
「誰がなんと言おうとも、何度だって言い続けてみせます!私達が描くお話は!私達が決めるんです!」
何かが、響くような感覚がした
……自分が描く…話…………
今まで見てきた数々の終わりの世界
それで…私は…………あれは……あの世界の私達の選択であって…私の選択ではない……
そう…私はあくまでも…辿っただけだった
「終わりになんてさせません!まだまだ続けていくんです!!!」
腕を上げ、空を差して阿慈谷ヒフミは高らかに言う
「私達の物語…私達の、青春の物語を!!!!!」
…………そうか。そうだったのか
あぁ……全て、理解した。私の…やるべき事も…!
心が晴れていく。意識が鮮明になっていく
私が作り出した、夜の空間が崩壊して…青く広がる快晴の空が、爛々と輝く太陽が、私達を照らした
「ぐ……ぁ……!やめろ…!やめろやめろやめろ!!!そんな…そんな事……!!阿慈谷…ヒフミ!!!」
阿慈谷ヒフミに接近し、振り下ろされる刀
私は間に割り込み、その刀を弾き飛ばす
そして返しの刃で、右腕を切断して蹴り飛ばす
「…さ、サオリさん…!?」
「…礼を言う、阿慈谷ヒフミ。それと、さっきはあんな対応をしてすまなかった。是非、これからもアズサと仲良くしてやってくれ」
驚きで目をパチクリさせているヒフミにそう言い、大鎌を生徒会長に向ける
「がっ……は……!…錠前…サオリ………!」
「…生徒会長…いや、虚。私はもう、お前には従わない。私は…家族を守る為。それだけの為に…戦い続ける」
そうだ。私は…今度こそ、皆を守り抜く
それが、私の描く話になるように
私は…別の世界でも失敗ばかりだったのだろう
私の脳裏にフラッシュバックする数々の記憶がそれを証明している
私一人でなんとかしようとして、力及ばず…
なら、駄目だった時に出来なかった事をやろう
皆を頼ろう、先生達に助けを求めよう
そして…今、私に宿るこの力を守る為に使おう
私の本質……か。本質は、きっと違うのだろう
あれは…『ワタシ』であって、「私」じゃない
本来の私は……ワタシの方なのだろうな
……だが、そんな事はもうどうでもいい
力を寄越せ。私の本質はそんなモノじゃない。例え本来はそうだったとしても、捻じ曲げてやろう
神秘、恐怖、崇高
数々の世界線を見た私はある程度それを知っている
恐怖…もうそんなモノに私を支配させない
私の力は…ただ…!
ヒヨリを、ミサキを、アツコを、アズサを…!
家族を守る為だけに使う!
私に従え!力を寄越せ!守る為の力を!
皆が笑い合える、ハッピーエンドに辿り着く為の力を…!
恐怖も、神秘も、全て私に従え!
どんどん湧き上がる力のまま、再び虚に接近する
「こ……の……っ…!!!」
「ふっ…!」
虚の苦し紛れの一撃を軽く躱しつつ、大鎌を振り抜き…左手につけている指輪を破壊する
パリン、という音と共に温かな光が放たれた
すると…アズサ達が起き上がる
「………頭が…?サオリ…」
「アズサちゃん…!良かったです…!」
「あ、あぁ…心配をかけてすまない、ヒフミ」
ヒフミがアズサへと抱きついていた
スクワッドの皆が私に駆け寄ってくる
「サオリ姉さん…!」
「……これ…は…?姉さんが…?」
「…サッちゃん、自分を取り戻したんだね」
「…皆、すまなかった。こんな私だが…まだ一緒に居てくれるだろうか……」
皆が無事な事に安堵しつつ恐る恐る、そう聞く
「……?今更何を…当然ですよね…?」
ヒヨリはそう首を傾げながら言う
「…当然でしょ、私の事、引き止めたんだから…その分ちゃんと責任取って」
ミサキは若干顔を逸らしつつそう言う
「うん。サッちゃん。ずっと一緒に居るよ」
アツコは、にっこりと笑ってそう言った
……あぁ…私は……幸福だ。何が疫病神、死神だ
そんな事は…無かったのだな
絶対に…皆を守ろう。更に決意が固くなる
「皆……ありがとう」
そう感謝を伝えて虚の方へと向き直る
ヒフミの言った通りだ
私が紡ぐ物語は…私が決める…!
オリジナル生徒について!!!
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全然出していいよ!!!!!!!
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出さない方が好きだよ!!!!!