束の間の静寂にあった戦場が瞬く間に騒がしくなる
「ヒナ!ツルギ!虚を任せる!」
「了解」
「ぎひひひっ!さァ、我慢比べだァ!!!」
二人が虚の元へと飛び出していく
一番警戒しなければいけないのは勿論ヒエロニムスだが、虚のあの移動からの不意打ちもかなりの脅威だ。あの2人なら虚の足止めは可能だろう
私は皆に聞こえるように声を張り上げる
「その他全員はまず聖徒会を殲滅する!囲まれると危険だから単独での行動は基本禁止だ、連携の取れる者と動くように!だが何よりも優先するのは生存だ!怪我をしたらすぐに下がるように!それとあのデカブツ…ヒエロニムスの横槍を十分に警戒する様にな!」
【─────────────!!!】
ヒエロニムスがその両手を広げ、咆哮を上げるとビリビリと空気が振動する
隣に居る補習授業部に私は声を掛ける
「皆、私の護衛を頼めるか?」
「分かりました!」
「あぁ、了解だ」
「ま、任せて!」
「ふふっ、頑張りますね♡」
私は頷いて補習授業を連れ、戦場を駆け出した
まずはアビドスからだな
「ホシノ、前線に出て聖徒会の注意を引き付けてくれ!セリカ、シロコ、アヤネはノノミのサポートを!ノノミ、全弾ぶち撒けてやれ!」
「うへ、おじさん使いが荒いねぇ〜」
「「了解(よ!)」」
『わかりました!』
「任せてください☆」
私の指示通りホシノは前線に出てその聖徒会達の攻撃を自分に引き付けて盾で耐える
ノノミを守る様に両脇に立ったシロコとセリカがこちらを狙う聖徒会を処理し、その隙にノノミが掃射して次々に聖徒会を青い炎に還していく
アビドスはこの調子で聖徒会を減らしてもらおう
「サオリ!お前も目に入る聖徒会を全て薙ぎ払え!ひ…あ、間違っ…こほん、アツコ達はサオリのサポートだ!サオリの負傷を最少限に抑えろ!」
「了解。指示通り殲滅を開始する」
「気をつけてねサッちゃん。私達も頑張るから任せて」
「…あぁ。分かった」
「え、えへへ…せ、先生…なんだか指示を出す時のリーダーみたいですね……」
「さっさとやるよヒヨリ。返された銃を早く構えて」
頷いたサオリが背中の羽を羽ばたかせて加速する
その速度のまま聖徒会が集まっている場所へと突っ込み、次々に聖徒会の首を切断して炎に還す
アツコ達も少々離れた場所からサオリを狙う聖徒会の妨害を開始した
ヒヨリの言葉に若干ヒヤッとしたがアリウススクワッドはこれで良いだろう
周囲を見渡すと……ふむ、少々風紀委員会と正義実現委員会に手が足りていないか
「すまない皆、風紀委員会と正義実現委員会の居る場所の手が足りていないようだ。後で追いかけるから急いで救援に行ってくれ」
若干心配そうだったが補習授業部が頷いて走り出す
この辺りはもう制圧しているし少々一人になった程度で問題は───
そう考えて私も急いで向かおうと振り返った先に聖徒会が現れる
……問題が発生したな
どうも様々な事に脳のリソースを使い過ぎて判断が鈍ってしまっているようだ
突然目の前に召喚される可能性もあるか……
姿を隠しているのなら兎も角、突然現れるとなると気配も何も意味を成さない。接近を許してしまった
「本当に瞬間移動も召喚も勘弁してほしいものだ…!アロナの索敵能力の高さが恋しいな!」
……だが、この射程は私の得意分野だ。なんとかなる。いや、なんとかする
一番近くに居た聖徒会が射撃するが、既に回避行動を行っている私には当たらない
回避した方向は敵がいる方向だ
懐に潜り込んだ私は掌底で聖徒会の顎を殴り、彼女が握っていた銃を奪い取って後ろにいる複数の聖徒会の眉間を撃ち抜いていく
片腕だから少々難しいが…なんとか当てきった
1、2、3、4、5人か。少数で助かったな
この銃も悪くない。使い心地が愛銃に若干似ている
最後に衝撃から立ち直り、銃を奪い返そうと迫ってくる聖徒会の腕を掴んでその勢いのまま地面に打ちつけてトドメに銃弾を撃ち込む
全員が青い炎となって消えていった
「運が悪かったのかそれとも意図的か…これ以上の数に襲われたらと考えると流石に一人での行動は危険だな…早く皆と合流しよう」
そうして私は次の部隊の元へ駆けるのだった
─────────────────────
大鎌を横薙ぎに振るい、4つの首を切断する
背中に気配を感じ、振り返ろうとしたが銃声が鳴り響き背中の気配が消える
この銃声はヒヨリか。流石の精度だ
ふと、地面に金色の紋様が浮かんでくる
これは………
「横に避けてサッちゃん!!!」
「ッ…!!!」
姫の言葉を聞き咄嗟に横に回避する
ドンッ、という音と共に衝撃で地面が揺れ、先程まで私の足元にあった紋様が光を放ち破裂した
「これは……」
一番ヒエロニムスを警戒して見張っていたミサキが私に情報を渡してくる
「リーダー、多分あのデカブツの攻撃だよ。あの手に持ってる杖…?を高く掲げた時に紋様が現れた。その後の振動は地面に杖を叩きつけた時のものだよ。それと同時にあの紋様も爆発するみたい」
ミサキの説明になるほど、と頷き言葉を返す
「なるほどな…私は大丈夫だが、皆は回避を優先しろ。どんな状況でも地面に紋様が現れたらそこから離れる事を最優先にな」
今の私の素早さならば回避は容易い。だがヒヨリとミサキは武器も大きい為少々移動が遅くなるだろう
「…分かった」
機動力が高い私が出来るだけヒエロニムスの攻撃を引きつけられるように動くとしよう
先程の攻撃で被害が出ていないか辺りを見渡す
あれは…風紀委員会と正義実現委員会が少々被害を受けてしまっているな
救援を……と思ったがアズサ達と先生が向かっているか
あそこは先生達に任せて私は私の戦場に集中しよう
私は再び大鎌を握り締め飛び出した
─────────────────────
今の振動は………ヒエロニムスか……!
やはり本格的に活動を開始したようだ
体制を整え、私はやはり被害を受けている部隊を見つける
正義実現委員会と風紀委員会だ
先程の衝撃で前衛の生徒達が崩れたようだ
イオリとアズサが前に出て敵を引き付け皆を守り、マシロ達が後方から多くの聖徒会を撃ち抜いているがイオリは普段そんな役回りではないから不慣れなようだし、アズサは多少の慣れがあるが流石に相手の数が多すぎる
「っく…!この…!」
「……!すみません先生!負傷者が数名!」
「先生、なんとか耐えられてるけどこのままじゃジリ貧だ」
私を見つけたマシロとアズサがそう報告してくる
私も急いで駆けつけて聖徒会を拳銃で処理しつつ負傷者を後方に運ぶが…
今のままだと退避するより先にイオリ達がまずい
他の部隊に救援を───
そう考えた瞬間、後方から飛んできた沢山の小型ミサイルが聖徒会を殲滅していく
「手が足りてないみたいですね、先生。面倒ですが、借りは返させてもらいます」
響く重低音。現れたのは巡回中の札が掛けられた戦車、万魔殿の虎丸に搭乗したイロハだった
「イロハ…!助かった、感謝する!」
「まぁ、先生のお陰でイブキが怪我をせずに済みましたし、借りを作りっぱなしの方が面倒ですからね…」
イロハの指示で虎丸から砲撃が放たれ、聖徒会はどんどん数を減らしていく
そして、此方に駆けてくる足音が数十人分聞こえてきた
「遅くなってすみませんイオリ。よく頑張りました、少し休んでいてください」
「アコちゃん!」
多数の風紀委員を引き連れたアコが現れた
「マシロ、まだやれますか?コハルも、助けに来てくれてありがとうございます」
「…!はい、大丈夫です、ハスミ先輩!」
「は、はい…あんまり、役には立ててなかった気がするけど…」
多数の正義実現委員を引き連れたハスミが現れ、私に声を掛けてくる
「遅くなり、申し訳ありません先生。この場はもう大丈夫です。引き続き他の皆さんにも指揮をお願いします」
「あぁ、分かった。無理はするなよ」
補習授業部を回収し、私はその場を後にする
「はぁ…正義実現委員会と風紀委員会に挟まれて……居心地悪いですね……」
そんなイロハのぼやきが風に乗って聞こえてきた
オリジナル生徒について!!!
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全然出していいよ!!!!!!!
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出さない方が好きだよ!!!!!