「先生、聖徒会の出現するペースがどんどん落ちています。出現には上限が……?」
「確かに、数がちょっとずつ少なく…」
「この調子でいけばいつかは途切れるって事?」
移動中、ハナコがそう聞いてきて、ヒフミとコハルがそう反応する
だが、聖徒会に出現の上限等は無かった筈だ。と…なると……
「いや、ヒナとツルギが虚を追い詰めているのだろう。聖徒会を召喚する隙も無い程に…」
そう噂をした瞬間、虚とヒナとツルギが飛び出してきた。虚は血だらけで、今も片腕を再生させた所だ
ヒナは掠り傷が数か所程度、ツルギは既に怪我を再生させた後だった
「ぐっ……!この…私が……!まだ、足りないと言うのか…!こんな…こんな物語は…認めない……」
刀を杖のようにしてなんとか起き上がろうとする虚
だが、再び地面に倒れてしまう
傷は無限に再生されるが、体力までは戻らないようだ
虚は当分の間動けないだろう。警戒は怠らないが
「ヒエロニムス…!早く奴らを殲滅なさい…!」
虚がそう叫ぶと、ヒエロニムスが杖で地面を叩く
振動と同時に、私達の足元に紋様が浮かび上がって…
「先生!」
ヒナが私とハナコを、ツルギがアズサとヒフミとコハルを掴んでその場から離れる
紋様は爆発した。爆風が私達を襲う
「…無事ね。先生、そろそろ……」
「ぐ…すまない、助かったヒナ…そうだな。聖徒会の数も減ってきた、そろそろ仕掛ける時か」
私は声を張り上げ皆に指示を出す
「全員、あのデカブツを攻撃!足元に出現する紋様に警戒するんだ、爆発して負傷するからな!」
私の声を皮切りに数々の弾丸、爆発、砲撃、斬撃がヒエロニムスを襲う
【─────────!!!】
ヒエロニムスは咆哮を上げ、杖で何度も地面を叩いた
紋様が様々な場所に出現し、爆発が発生する
「被害を受けた部隊は報告を!負傷者は迅速に戦場から離れさせるように!ハナコ、コハルは負傷者の応急処置の手助けをしてきてくれ。アズサ、ヒフミはヒエロニムスをそのまま攻撃!」
ハナコとコハルは頷いて後方へ下がっていき、アズサとヒフミはそのままヒエロニムスに攻撃を続ける
ふと、アズサが口を開いた
「ヒフミ、ペロロのデコイを出して」
「え、えぇっ!?あんなのに通用するんでしょうか…!?」
「やってみないと分からないから、早く!」
「は、はい!」
ヒフミがペロロのデコイを投げ、ペロロが出現する
すると、数個の紋様がペロロの下に出現して爆発した
「き、効くんですね!?」
ヒフミが驚愕の声を上げる
私も驚いたが、これは中々嬉しい誤算だ
「ナイスだヒフミ!あるだけデコイを展開してくれ!」
「分かりました…!」
出来るだけ距離が開くように様々な場所にデコイを設置していくヒフミ
体感、そこそこの数の紋様がペロロに向かい、ある程度余裕が出来た
「ヒナ、ツルギ!全力で攻撃してくれ!」
「えぇ…!」
「ギャハハハハハ!!!」
ヒエロニムスをヒナのマシンガンが穿っていく
巨大な体をしている為、弾丸は余さず命中した
そして、ツルギはヒエロニムスにゼロ距離まで接近し、紋様による爆発も意に介さずショットガンを撃ち込み続ける
別の場所では…
「負傷者が3名!」
「数人で護衛しつつ下がりなさい!」
ハスミが声を張り上げそう指示を出している
「アコちゃん、そろそろ私も行ける…!」
「分かりました。気をつけて下さいね、イオリ」
アコがイオリを送り出し、再び指示に戻った
「次弾装填、急いでください。…っと…少々前進。紋様が下にありますよ」
イロハが虎丸で欠かさず砲撃を続ける
そして、ヒエロニムスの周囲を飛び回る影が一つ
大鎌を巨体に突き刺し、力のままヒエロニムスを斬り裂いていく
「はぁぁぁぁぁぁッ!!!」
サオリはそう声を上げつつ更に追撃を加えていく
「ミサキ!」
「了解」
合図通り放たれたクラスター弾がヒエロニムスの巨体に全弾命中した
「ヒヨリ、どんどん撃って。ミサキ、位置を変えるよ」
姫の指示に従い、アリウススクワッドは着実に攻撃を加えていく
「おじさん達は皆が攻撃に集中出来るように残った聖徒会とやらを倒そっか」
「ん、了解」
アビドスが戦場を駆け抜け、聖徒会の残党を処理していく
「…ヒエロニムスに着実にダメージが溜まっている…!この調子なら──────」
そう考えた瞬間、ヒエロニムスが今までに無い程の咆哮を上げ、杖を天高くに掲げる
地面に線が走っていく
「これは……まさか…!」
これは、紋様だ。この戦場を包み込む程の大きさ…!
まだこんな力を残していたのか…!
私は声を張り上げる
「全員、防御姿勢を取れ!下がれる者は下がれ!」
「先生!先生も急いで逃げて!」
ヒナがそう叫んでいるが、この距離では…
ふと、影が差し、身体が空中に持ち上がった
「うっ…ぐ……サ、サオリ…!?」
「上がれる限界の高度まで上がる…!酸素は薄いだろうが耐えてくれ先生!」
酸素に関しては恐らく仮面がある限り大丈夫だが…!
これでは皆が…!
私は……このまま皆が爆発に呑まれるのを見ている事しか出来ないのか…?
いいや、方法はある。後始末も、私の身体もきっと大変な事になる。リスクだって大き過ぎる
何より、サオリに虚、アリウススクワッド達に私の素顔を見せる事になる。正体を知られる事になる
だが……私の仕事は…
先生の仕事は…生徒を守る事だろう!
そうと決まればやる事は一つしかない
私は、大人のカードを取り出した
「先生、何を………」
「大人の責任を果たしに行く。大丈夫だ、後は任せろ」
「ちょっ…!先生!?」
私を掴む腕を振り解き、重力によって落下が始まる
「力を返せ、大人のカード!!!」
大人のカードが煌めき、仮面が光の粒子となって弾け飛び、私を包み込んだ
私という神秘が、私自身に帰ってくる
黒い帽子、白いジャケット、手には愛用のアサルトライフル、腰にはいつものハンドガン
私の頭上に蒼く輝くヘイローが出現する
動かしにくかった左腕も治った
空中で狙いを定め、私は二発の弾丸を放つ
一発目は杖に命中
地面に触れかけていた杖がブレて地面への接触が1秒程遅れた。それだけあれば二発目の弾丸は届く
頭部を穿った弾丸はヒエロニムスを数秒怯ませる
そして、私はヒエロニムスに向かって落下していく
「はぁぁぁッ!!!!!」
腕を振り上げ、拳を握り締めて、重力により増していく速度のまま、私はヒエロニムスの脳天を殴りつけた
【─────────!!!!!!】
私の腕に伝わる嫌な感触と共にヒエロニムスは絶叫を上げ私を振り払おうと暴れる
「ぐっ…!流石に効くだろう!私も痛い!」
だが骨は折れてないから実質ノーダメージだ
倒せなかろうと目的は達成だ
地面に現れていた紋様が消えていく
暴れるヒエロニムスの頭部から私は地面に降り立った
皆の視線が一斉に私に向く
アズサが驚愕と困惑の表情のまま口を開いた
「先…生…?いや……サ…オリ……!?!?」
あまり見た事のない表情をするアズサに苦笑しつつ言葉を返す
「……バレてしまったな。だが皆…無事で何よりだ、本当にな。色々と言いたい事があるだろうが…それは後にしようか」
私はアサルトライフルを構え、言う
「皆、よく頑張った。後は『大人』に任せてくれ」
オリジナル生徒について!!!
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全然出していいよ!!!!!!!
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出さない方が好きだよ!!!!!