夜闇の中、痛みに耐えつつ私は狭い路地を駆け抜ける
アロナにはアロナが居ない間に起こった事を私視点で伝えてある
大人のカードの部分は濁しているが…
取り敢えず…今、私がやらなければいけない事を整理しよう
1つ目、サオリとの合流
恐らく戦闘は行う事になる。普段の私ならまだしも、左腕がほぼ動かず、蹴りを放とうにも腹部に走る激痛という最悪の条件下だと何処かで判断を誤るか、咄嗟に動けなくなる可能性がある
早めに合流したいのだが…問題は連絡手段が無い事だ
1週間も寝ていなければ…!
2つ目、アツコとヒヨリの救出
攫われた…となると私の脳内で連想されるのはやはり儀式の生贄の事だ
ヒヨリも一緒に攫ったのはあまり意図が読めないが…
3つ目、ミカの状態を確認し、止める事
錯乱した状態、ということだけは分かっているが、何があったのか……まずは会わないと分からない
4つ目、虚はどうなっているかの確認
私が昏睡している1週間で何があったのかをアロナに調べて教えてもらったが、どうやら私が気を失った直後に大爆発が起こったようだ
恐らく…以前夢の中で言っていた事を実行したのだろう
今の状況的には……殺しきれなかったようだが
いつの間にか、アリウス自治区に入る為のカタコンベの前に到着していた
……ここはハズレか。流石に前の世界とローテーションが一致しない
周囲を見渡すと、何か大きい穴のようなものを見つける
「ふむ…風が……アロナ、敵性反応はあるか?」
『いえ、向こう側までスキャンしてみましたが、穴はしっかり繋がっているようですし生物の気配もありません!』
「感謝する、アロナ。やはり頼りになるな」
『ミサイルから守った後、何も出来なかった分ここで名誉挽回です!』
「そもそも名誉が落ちてもいないのだがな……。アロナが居るだけで本当に心強い。これからもよろしく頼むぞ」
『…!は、はい!』
アロナの存在には本当にいつも助けられている
さっきのように、私は移動しつつ情報を渡してもらったり、こうして索敵を任せたり、私の指揮能力の底上げも可能……とんでもなく高性能だ
連邦生徒会長の残したオーパーツ…か……あぁ、トリニティとアリウスの問題を片付けたとてまだ沢山の問題が残っている
ずっとベアトリーチェの相手をしている訳にはいかない
そう思考しつつ走っていると、アロナが声を上げる
『先生!前方に数十の敵性反応です!生徒さんの反応も1名!あれは……』
「サオリか」
私の耳にもうっすらと銃声が響く
聖徒会に見つかるわけにもいかないのでこっそりと近寄った
「このっ…!次から…!次へと……!!」
大鎌を縦横無尽に振り回し、聖徒会を薙ぎ倒しているが…その度にさらに聖徒会が出現する
聖徒会はサオリの全方位を取り囲んでおり…あの場所は丁度屋根もあって高く飛んで逃げる事も出来ずにいるようだ
流石に手負いの私一人が加わった所でだな…
そう思い、私は背後の空間に声を掛ける
「クラスター弾で大量の聖徒会を殲滅できる生徒が居ると、心強いのだがな」
「………はぁ…気付いてるならさっさと声掛けてよ」
暗闇からミサキが姿を見せた
「……はぁ…救護騎士団の団長に殴られる…」
やれやれと首を振るミサキ
「安心しろ、私も一緒に殴られてやるから」
「いやワンチャン死ぬでしょ先生は」
そんな会話をしつつ、小声でアロナに一番敵が薄い場所を聞く
『北方向です!そっちの方向なら、抜けられるかと!』
「了解だ。行くぞミサキ。サオリを助ける」
私は右手にハンドガンを持ちつつ歩き出す
「…分かった。これから私は先生の指揮に従う」
ミサキも着いてくる。やはり話が早くて助かるな
この世界でも自傷癖はついてしまったようだが、メンタルは当時の私達よりは遥かにマシなのだろう
まず、気を引き隙を作る為に私はとある物を投擲する
フリスビーの様に投げられたそれは、膨らみ、白い鳥…ペロロの形を取る
「……!?あ、あのデコイは…」
聖徒会どころかサオリも一瞬動きを止める
デコイとして普通に優秀なのがまたなんとも言えないんだよなこのペロロデコイ…
そして、私はハンドガンを放ち、目の前の聖徒会を撃ち抜きつつミサキに合図を送る
「ミサキ、今だ!」
「クラスター弾、命中。包囲が乱れた。脱出を急いで」
目の前の聖徒会をハンドガンのグリップで殴りつつ、私はサオリの元に到達する
「サオリ、北方向が一番包囲が薄い。強引に突破するぞ!」
「…先生!ミサキ!…あぁ、了解だ!」
サオリは突然の事態に驚きの表情を浮かべたが、すぐに頷き、走り出す
大鎌を振り抜き、前方に道を切り開いていく
屋根が途切れ、頭上に夜空が見えた
「サオリ!私を掴んで飛べ!」
「了解だ…!」
私の手を取り、サオリは翼を動かして空へ飛ぶ
そして、私はとあるスイッチを押した
ペロロのデコイの内部に仕込んだ爆弾が炸裂する
天井が崩れ、多くの聖徒会を押し潰した
かなり強力な武装だ。かなり強力……なのだが……
欠点として私がかなりキツい。精神的な意味で
あると便利だし、こうして活躍する場面もあるのだが…
少々……脳裏にあの時の事がフラッシュバックする
仮面で見えないが苦虫を噛み潰したような顔をしつつそんな事を考えていると…
「先生、ミサキは……」
若干不安そうに聞いてくるサオリに答える
「そこに降りてくれ。大丈夫だ、ちゃんと合流できるルートを教えてある」
「そういう事。そこの変な大人が一人の生徒を犠牲に……とかやるわけ無いでしょ。私達みたいなのさえ受け入れてるのに」
降り立った場所の路地裏からミサキが姿を現した
「…そうか…そうだな。不要な心配だった、すまない。先生も、侮辱に感じてしまったら申し訳無い。その、今は少々…心が乱れているようだ」
正直にそう話すサオリ
「ふむ…正直仕方無いな。不安になる気持ちはよく分かる。アツコもヒヨリも…絶対に助け出すとしよう」
「…ありがとう、先生。ミサキも、助けに来てくれてありがとう」
「………ん。…で、ほら、先生。次はどうするの」
感謝の言葉に慣れていないのか、少し間が空いたのち頷きだけ返して私に指示を求めてくるミサキ
「移動しつつ情報を共有するぞ」
「「了解」」
そうして私達は走り出した
オリジナル生徒について!!!
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全然出していいよ!!!!!!!
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出さない方が好きだよ!!!!!