黒服からのお願いを聞き届け、それを受け入れた私は壁にもたれ掛かりつつ話を続ける
「で、その方法とはなんなんだ?お前がわざわざ私に助けを求めたんだ、私ではないといけないのか?」
私の言葉に黒服は頷いた
「えぇ。先生、貴女…そして、恐怖を屈服させた彼女の力があれば虚の救出は可能です。そもそも、今の状態のベアトリーチェを打倒する為には虚の分離は必要不可欠です」
虚の分離は必要不可欠……
黒服のその言葉で思い出したのは、虚特有の力…再生の事
虚が死んだ……という事はその効力も消えている
「……もしかしてベアトリーチェは虚の神秘だけを利用しているのか。そんな事が…可能なのか…?」
「えぇ、その通りです。本来なら有り得ない事…それを行ってしまっている。…恐らく、これは色彩の力も利用しているのでしょう。行き場を失った彼女達の混ざり合った願い…それは今現在、ベアトリーチェに利用されています。虚と同じように…傷をつけたとしても即座に再生されるでしょう」
ベアトリーチェ……お前は何処まで…!
湧いてくる怒りを拳を握り締める事でどうにか諌めつつ、黒服の話を聞く
「しかし、逆に言えば…まだ神秘が残っているのです。恐らく、ベアトリーチェが抑圧しているのであろう虚の意識をどうにか目覚めさせる事ができれば、虚を救えます。その為に必要なのが…恐怖を屈服させ、死を司る力を持っているであろう彼女、錠前サオリと、先を生きる者…先生という役割を持っている貴女。そして………」
黒服は一本の刀を取り出した
それは、虚が持っていた……
服と包帯の下の腹部が若干疼くような感覚がした
「行き着いた場所が何処なのか分かりませんでしたからかなり捜索をしましたが…なんとか見つけ出す事ができました。虚の神秘が色濃く宿り…マエストロとゴルコンダ、デカルコマニーの手も借りて少々改造を施したこの刀があれば、可能性は0ではありません。そして付与されたのは…限定的ですが、虚の魂という不可解な物への干渉です。試運転もまだですから、私達にとっても賭けになりますが…」
黒服の手から刀を受け取りつつ、黒服に確認を行う
マエストロはあの木製の人形のようなゲマトリアだろうが…後はよく知らない名前が出てきたな
だが、随分と虚は気に入られていたらしい
「……なるほど、ベアトリーチェとの混ざり物となった今の状態から虚という魂だけを切り離す訳だな?」
「えぇ、紛れもない…【貴女達】ならば虚の魂の把握も確実に可能でしょう。あとはその刀と、彼女の恐怖から引き出した権能で虚の魂だけを分離すれば、虚は目覚め、その神秘が肉体を完全な状態で再構築してくれる筈です。ベアトリーチェという不要な混ざり物が無い虚を」
やはり薄々…というか普通に勘付かれてはいるようだ
私の正体に
「……気付いたんだな、私が…何者か」
「えぇ、あの激戦はマエストロと共に見物させて貰いましたから。まさか、虚に続いての2人目とは流石に考えていませんでしたよ。ですが、私達の対応に変わりはありません。貴女はもう大人……先生ですから」
「はぁ…見られていたのか───」
そう溢した瞬間、振動と共に何かが粉砕され、崩壊していくような轟音が鳴る
「ッ…!サオリ達の方向…!私はサオリ達の様子を見てくる!お前はどうする黒服!」
「…伝えるべき事は伝えました、…私に出来るのはここまでですから、後は…全て先生に任せる形になります」
まぁ当然か。黒服が戦うなど想像もできないし元々そうだろうなと思っていた。ならばここで別れることにしようか。十分な仕事はしてくれた
私は銃を取り出し、受け取った刀を腰に装備し、駆け出す準備をしながら黒服に声を掛ける
「あぁ分かった!虚は絶対に助ける!約束だ!嘘だったら針を千本でも万本でも飲ませるといい!!」
私は駆け出した
……やはり、言うべきだな。相手が…誰であれ
そう考えた私は振り返りつつ、私は声を張り上げる
「…虚を救う手段と情報の提供、感謝するぞ黒服!」
「……お気になさらず、先生」
若干の間の後そう返事が返ってきて、黒服は再び口を開く
「微力ながら、幸運を祈ります」
いつか聞いたその言葉を背に、私は路地裏を駆けた
オリジナル生徒について!!!
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全然出していいよ!!!!!!!
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出さない方が好きだよ!!!!!