……流石に無茶をしすぎたか
傷口が開き、腹部と左腕の出血が酷くなるのがわかる
バルバラが人型で助かった。急所は分かりやすいし、ヒエロニムスと比べて脆い
攻撃力は凄いが、攻撃範囲に差があり過ぎるし、私の得意な戦法が使い放題ときた
そして、こいつとは既に数回交戦しているから知っている事が多い。経験の力だな
しかし…妙な違和感を覚える
流石に全てが噛み合っているとはいえ、今の私で倒せる敵ではない筈なのだ
多少弱らせる事が出来ればと思っていたのだが…
『もう!!先生!!!なんでその体で無茶しちゃうんですか!!!肉体の損傷率がどんどん上がってますよ!?』
「……すまないアロナ…」
ぷんぷん怒るアロナに詫びるしかない
正直錯乱となればこれが一番手っ取り早いので私が行ったが…
『これから先は絶対に───待ってください、敵性反応です!この反応は………さっきの……!』
その方向を見ると、先程倒した筈のバルバラ…
いや………二人居る
「なっ……」
私が向いた方向を見たサオリが目を見開いて驚いている
「なるほどな…そういう事か」
私は理解する
恐らく、ここのベアトリーチェは質ではなく量を選んだのだろう
…面倒な………
大人のカードはあまり使いたくない。やる事は多いし、もし効力が切れる前に決着をつけられないと本格的にまずいことになる
そして、こいつらに時間を使う暇も無いのだ
こうしている間にも、アツコとヒヨリが…
眉を顰めたミサキが質問を投げ掛けてくる
「…先生、どうする?」
先程のバルバラ討伐は…一体で、不意打ちが成功したからこそ成立したものだ
私の身体も少々辛くなってきた、もう一度…は無理だろう
「………サオリ、いけるか」
「あぁ、なんとか…先生の戦い方を見て、理解した。奴の攻撃は受け止めるのではなく躱すのが最適解だと…これなら───」
「…その必要は無いよ、サオリ。それに…先生。ここは任せて、先に行って」
後ろからそんな声が聞こえた
ミカが立ち上がり、銃を構えて前へ出る
サオリが慌てた様子で口を開く
「ミカ…お前は巻き込まれただけだ、トリニティに戻って…」
そんなサオリの言葉に、ミカは首を横に振った
「…ううん、サオリ。私は……私は、戦うよ。それが今、私のやりたい事なの。先生、サオリ…ありがとう、私の事を…魔女じゃないって言ってくれて。ただの不良生徒だって…言ってくれて。アリウスについては…正直に言えば、思う所は色々あるけど…うん、今はいいや。気分が、私にとって一番大事だし?大切な人を…助けるんでしょ?私にも手伝わせてよ。あと、サオリの言う通り…色々と知ったから、あのベアトリーチェとか言う女やっつけちゃってよね☆」
……やはり、ミカはミカだな
この世界でも……協力してくれるようだ
思い悩んでいた表情は晴れ、決意に満ちていた
ミカの言葉を受け、サオリも返答する
「……礼を言うのは此方の方だ。…その、ミカ…全てが終わり…また会えたら…」
若干言い淀むサオリ
「…?」
「…その………友人に…なってくれないか…?」
数秒…ぽかんとした後、ミカは笑ってこう返す
「……あは、うん、いいよ!約束だからね!」
「…あぁ!此処は任せた、ミカ!」
「おっけー!」
どうやら、この世界の二人は私達よりも早く仲良くやれそうだ
増えているとはいえ、その分バルバラは弱体化している。ミカならばなんとか対応できるだろう
「行こう、先生」
サオリが此方を見ていた
「あぁ。…ミカ、無茶をし過ぎるなよ」
「うん、分かってる!セイアちゃんにも、ナギちゃんにもちゃんと謝らないといけないし…伝えないといけない事があるから」
「…そうか。すぐに終わらせて、救援に戻る。それまで…頼んだぞ」
頷いたミカが交戦を開始する
私達はバシリカへ向けて駆け出したのだった
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大鎌を使い、道を阻もうとする蔦を切り裂き、私達が突き進んでいると、先生の速度が落ちる。うめき声を漏らし、腹部を抑えていた
左腕の包帯にも、最初見た時より遥かに血が滲んでいた
「……っ…ぐ…」
私は先生に駆け寄る
「先生!流石にその傷であんな事をすれば…」
「……私が担ごうか」
ミサキの言葉に、先生は首を横に振る
「……大丈夫だ、心配はいらない。荷物になる気も…無い。少し…痛んだだけだ。そのうち慣れる」
ふぅ…と息を吐き、再び先生は立ち上がった
「意識もはっきりしている。…時間が無い、急ぐぞ」
そう、時間が無い。ミカの時間稼ぎも、先生の出血も…姫とヒヨリも
「……了解」
誰一人欠けることなく、守り抜く事を誓い、私は再び走り出した
…バシリカは近い
決着をつけよう、ベアトリーチェ
私はお前から…皆を守りきってみせる
オリジナル生徒について!!!
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全然出していいよ!!!!!!!
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出さない方が好きだよ!!!!!