「サオリ、話しておかなくてはいけない事がある」
「どうした?」
私達は少々進む速度を落とす
「虚についてだ」
私は、これからのベアトリーチェ対策について話す
そして、虚がやってきた事も
サオリは納得がいったように頷いた
ミサキも理解したらしい
「……なるほど。稀に…まるで別人のようなあの態度…そういう事だったのか…」
「…気まぐれにしては、落差が激しすぎたよね」
私は言葉を続ける
「虚とベアトリーチェの分離が叶わない限り、私達の勝ち目は薄いだろう。あの傷の再生…虚の力をベアトリーチェは使っている。逆に言えば…虚の分離を成功させられれば勝ち目は必ず見えてくる」
「…あぁ、了解した。この力…まだ分からない事だらけだが、やれるだけやってみよう。…先生は大丈夫なのか?その体で…先生も接近し、その刀を使う必要があるのだろう?」
心配そうに私の腹部にある血の滲む包帯を見てくるサオリに私は頷く
「心配は要らないと言っただろう。必ずやり遂げる」
まだ、倒れるわけにはいかない。ミカも、虚も、全員を助けなければ。それが…先生の仕事だからな
「…そうか」
サオリは前を向き、走り出した
ミサキと共に私はその後ろを着いていく
─────────────────────
遂に到着したバシリカは、酷く静まり返っていた
蔦が襲ってくる事もない
視界に、棘だらけの蔦に覆われ、磔にされたアツコとヒヨリが映る
二人共、全身から血を流していた
「姫!ヒヨリ!」
『……喧しいですね。本当に…』
サオリの声に反応したのか、先程まで何も居なかった筈の空間に、突如して現れたソレは……
真っ赤な肌に、白いドレス。顔の上部分は沢山の目のようなもので隠れている
ベアトリーチェそのものだった
しかし、一つだけ違うのは…頭上に、ヘイローが浮かんでいる事
見覚えがある、虚のヘイローだ
そのヘイローはチカチカと、弱々しく明滅していた
「ベアトリーチェ…貴様が奪った物、全て返してもらうぞ」
『…奪う?何を言うのですか!ここの全ては私のモノ…!!簒奪者はどちらでしょう!先生…私の敵対者………!!!ここで裏切り者共々、排除して差し上げます!!!!』
もはやあれに大人としての余裕など微塵も無い
喚き散らすベアトリーチェを私は見据える
『邪魔者がようやく死に絶え、消えた…!素晴らしい気分です…!えぇ、アレはただの無駄死にでしたよ!私はこうして、今…生き残っている…!ハ…ハハハハ!!!酷く滑稽ですねぇ!私を拒んだからこそ、私を殺せなかった!アレの足掻きなど何の意味も無かった、ただ虚しいだけでした!力を…私に与えただけ……!儀式も進行しています!そして何より……『私』は他の『私』を知った…!!!!!』
そんな叫びと共に、ベアトリーチェは姿を変えていく
メキメキと大きくなっていき、その姿はまるで植物のように………彼女の頭部が花のように開く
巨大な蔦が10本、地面を砕き…地中から出現した
その蔦には、大量の目がついている
【これが……新しい私の力……!!!】
「ッ……先生…!」
「あれが……私達を…」
そう言いつつ、ミサキが銃を、サオリが大鎌を構える
「………ベアトリーチェ。私の大敵」
左手でシッテムの箱を起動し、私は右手でハンドガンを手に取る
シッテムの箱を持つぐらいならなんとか…大丈夫そうだ
「生徒達の未来の為。貴様は…不要だ」
【あなたのくだらない理想論も聞き飽きました…!大人というものを勘違いしているあなたに本当の『大人』を教えて差し上げます!!!】
【─────────!!!】
巨大な蔦が躍動する
二本はベアトリーチェを守護するようにベアトリーチェの辺りを取り囲み、八本は此方に襲い掛かってきた
『先生!分析が完了しました!』
一瞬で分析を終わらせたアロナに礼を言う
「流石だアロナ」
『データを送りますね!』
手早く確認し、アロナの戦闘シュミレーション機能で予測された攻撃範囲の外へ移動しつつ、2人にも指示を出す
「サオリ、蔦の相手を頼む。蔦の装甲は薄い、力を入れ過ぎずとも大丈夫だ。今のお前の機動力ならばアレは捉えられない。的確に攻撃を加えていけ」
「あぁ…!」
「ミサキ、ありったけのクラスター弾を放ってくれ。サオリも私も自力で回避するから私達が居ても気にするな。姫とヒヨリにだけ注意してくれ。…あと…」
「………うん、了解」
「任せたぞ」
サオリが翼を使い飛び出し、ミサキはクラスター弾を放つ
サオリは蠢く蔦の間を潜り抜け、通りすがりに大鎌を振るい傷をつけていく
放たれたクラスター弾が蔦を襲い、巨大なその体に全ての爆発が命中する
【鬱陶しい羽虫共ですね……!】
ベアトリーチェの背後に大量の赤い球体が出現し、辺り一帯にばら撒かれた
着弾すると、その赤い球体は爆発した
ミサキと私の方向に飛んでくる赤い球体をハンドガンで撃ち抜き、着弾する前に消滅させる
サオリは自力で全て回避したようだ
「これでっ……!」
サオリが大鎌で1本の蔦を斬り裂いた
しかし、その蔦は瞬時に再生する
「……やはりか」
【ハハハハ!!私の身体の一部を斬り裂いたとて、何の意味もありませんよ!】
虚の分離の為には、この蔦を突破してベアトリーチェの元に辿り着く必要がある
【諦めて大人しく死になさい…!】
蔦についている目が見開き、大量の光線が放たれた
オリジナル生徒について!!!
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全然出していいよ!!!!!!!
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出さない方が好きだよ!!!!!