シャーレの先生だ、よろしく頼む   作:桜花=サン

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部活見学、その1

 

翌日、昨日のように授業を受けて放課後になる

今日は午前中しか授業が無いようだ

 

「今日の授業はここで終わりだ。昨日までは部活は見学だけだったが、今日からは仮入部が可能だ。仮だから気軽に試してみると良い。既に全部活と委員会に伝達も行い、許可も取っているからな。無論、ティーパーティーのナギサからも許可は出ているし、ティーパーティーからも伝達は既に行っているとの事だ。安心して体験してみると良い。では、解散だ」

 

その言葉を聞いた皆は思い思いの場所に向かった

ミサキも、ヒヨリも、姫も何処か行く所があるようだ

皆を見送って私は教室に残り……先生が近付いてきた

 

「よし。居るなサオリ。では行こう、そこそこ歩き回る事になるが…まぁ大丈夫だろう?」

 

「歩き回る…?先生、今から何処に……」

 

ドアに向かっていく先生。事前に纏めていた荷物を持って慌てて追いかける

そして、先生は私の質問に答えた

 

「無論、部活と委員会の見学だ」

 

そう言い、更に歩を進めるのだった

 

─────────────────────

 

銃声が鳴り響いている

 

「おらおら!やっちまえてめぇら!!!」

 

「ヘルメット団なんぞボコボコにしてしまえ!」

 

「スケバンが舐めてんじゃねぇぞ!!」

 

「撃て!撃てー!!」

 

どうやら、スケバンとヘルメット団が不良同士で争っているらしい

 

「せ、先生…」

 

「少々待て。……ほら、来たぞ」

 

先生の視線の先を追うと、何者かが上空から飛来してきているのが見える

 

「誇りと信念を胸に刻み……」

 

その何者かは空中で翼を羽ばたかせて落下の勢いを更に増し、戦場のど真ん中に物凄い音を立て、地面にクレーターを作りながら着地した

 

「救護が必要な場に救護を!!!」

 

盾とショットガンを構え、高らかにそう叫ぶ彼女は…

 

「あれは………」

 

「救護騎士団の団長、蒼森ミネだ。一度会ったんだったか?」

 

先生の言葉に頷く

バシリカで休憩している時に助けに来てくれたのがあの蒼森ミネだったのは覚えている

戦場に動揺と困惑が走る

 

「な、なんだ…!?」

 

「きゅ、救護騎士団の団長だ!逃げ───」

 

ゴォン、という鈍い音と共にスケバンの一人が地面に倒れ伏す

鈍い音というのは蒼森ミネがその手に持つ盾でスケバンを殴った音だ

い、一撃で意識を刈り取るとは………

 

「皆さん、此方に!これより私が生み出す負傷者を手早く救護するように!任せましたよ!では……参ります!!!」

 

道の奥から救護騎士団がぞろぞろとやって来る

治療の際、世話になった顔も数人と……アリウスの仲間達も数名、そして私は一人、よく見知った顔を見つけてつい声を上げてしまう

 

「ミサ───!?」

 

「あまり大きい声を出すな。邪魔になるだろう」

 

私より一回り大きい先生の手が私の口を塞ぐ

私は先生に謝り、静かに様子を見守る事に徹する

 

「はぁ……なんでこんな事に…」

 

「ご、こめんなさいミサキさん。ミネ団長が勝手に…」

 

ため息をつくミサキに声を掛けるあの生徒は…

治療の際少々世話になった鷲見セリナだ。覚えている

 

「………いや、良いよ。先生からも勧められてたし……『試してみる、というのは大事な事だ、機会があるのなら、逃さないようにな』…って。何かしらやらなきゃ何か言われてただろうし、丁度いい。別に文句とかじゃないだろうけど、色々と勧めてくるから……」

 

「なるほど…先生が……まぁ、ミサキさんが良いのなら、良いのですが…」

 

そう話している二人に他の団員から声が掛かる

 

「ミサキさん!セリナさん!此方を手伝って下さい!」

 

「は、は〜い!」

 

「……了解」

 

セリナは当然、治療に慣れているだろう。昏倒したヘルメット団の治療をテキパキと進めている

……驚いた

ミサキも慣れた様子で治療を行っている

所々救護騎士団の先輩に道具の使い方を教わる場面もあったが、基本的な手当は完璧と言っても良いだろう

…そうか、自分の傷を手当している時に…

それに、救護騎士団にも結構な頻度で呼ばれていたので色々と覚えていたのだろう

ミサキは賢い、周囲をよく見ているし、物覚えも良い

逃げ切れた数名を除くほぼ全員を盾と拳で昏倒させた蒼森ミネがミサキに近寄っていき、話しかけた

 

「戒野ミサキさん、突然の事態に連れ出してしまい、申し訳ありません。気分を害してしまったでしょうか…」

 

申し訳なさそうにする蒼森ミネ

ミサキはいつも通りため息をついて返答した

 

「…………いいよ。どうせ、先生に頼まれてたんでしょ?そうでもしないと私は動かなそうだから…とか。…それは事実だし。まぁ、なんというか……少しだけ、やり甲斐…?みたいなものは…感じた……気がするし…」

 

蒼森ミネはミサキのその言葉に目を輝かせる

 

「そうですか…!戒野ミサキさんも、手早い救護の手腕、素晴らしかったです!えぇ、正式に救護騎士団に入って欲しいと考えてしまう程に」

 

「……まぁ…考えておくかな」

 

「はい。自分の道は、自分で選ぶものですからね。私達救護騎士団は、ミサキさんも…勿論、他のアリウスの皆さんもいつでも歓迎しますよ」

 

蒼森ミネはそう言って微笑みを浮かべる

彼女はその後も一人ずつアリウスの皆に話しかけていた

ミサキは無表情だが、あれは特に何も問題の無い…何も自身の邪魔、と感じていない時の無表情だ

……そうか、あの…ミサキが………

 

「移動するぞ、サオリ」

 

「…分かった」

 

そんな光景を眺めていた私に、先生から声が掛かる

その声は、少しだけ嬉しさの様な物が混ざっている様に聞こえた

ミサキが一歩を踏み出した事に喜びを感じているのだろう

私もそうだ

 

「…………………」

 

そう……なのだが………

自分の感じた複雑な感情を、私自身も形容出来ずに私は先生の言葉に従うのだった

大人サオリが居た世界の先生の性別どっちがいいですか!

  • 男性!!!!!!!!!!
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