「何か掴めたか?サオリ」
歩きながら、先生は私に問いかけてきた
「………私は…私は………分からない…まだ…」
私の中で渦巻く感情
何をどうすればこれを抑えられるのか
制御できるのか、消しされるのか
「そうか」
先生は淡白な返事しか返してくれない
「先生は、知っているのか…?」
「あぁ。よく知っている」
私は衝動のまま、先生に言葉を投げつける
「なら、教えてくれ!私は…!!!」
「言っただろう。大事なのは答えを探し、その過程、手にした答えに何を見出すかだと」
「っ……」
「さて、この辺りか」
先生は路地裏に入っていく
「………!?待て先生、そっちには…!」
気配を感じ取った私はそう叫ぶ
何故だ、先生があんなダダ漏れな気配に気付け無い筈がない
暗闇の中から手が伸び、先生を拘束しようとする
だが、あの程度なら先生は…………
しかし、先生は抵抗する事なく拘束された
「先生!?」
「おいおい、シャーレの先生とやら、噂は噂だな?やっぱり本人は貧弱でしかないぜ」
数名のスケバンが銃を構えつつ出てきた
「おいそこのお前、有り金全部寄越しな!断ったら、シャーレの先生がどうなるか分かるよな!」
なんだ、先生は何をしているんだ
ド素人のようだ。2人がかりで拘束しているがあんな拘束は私でも容易に抜けられる
しかし、先生は捕まったままだ
「先生…!」
「ほら、早くしな!さもないと「げほッ…ぁ」え?」
先生が仮面の中で吐血したのかポタポタと血が地面に流れて落ちる
……今小声で「あ」って言わなかったか?
「あっ、えっ!?そ、そんなつもりじゃ…」
「こ、拘束を緩め…」
動揺が広がるスケバン達
その瞬間、凛とした声が響いた
「閃光弾、投擲します!」
私は咄嗟に目を瞑るが、瞼の裏まで明るく見えるような輝きが私達を包み込む
「クソッ!目が!!」
「レイサさん、アツコさん、今です!」
小さい影と、見覚えのある姿が私と先生を抱えてその場から回収する
「サっちゃん、大丈夫?」
「姫…!?」
仮面を装着した姫だ
先生の方は………
「もう大丈夫ですよシャーレの先生!!!…!?シャーレの先生!血が!!!」
ひゃぁぁぁぁと声を上げるあの生徒は……
「すまないレイサ、助かった。別にあの子達に怪我をさせられた訳ではないから安心してくれ」
どうやらレイサと言うらしい
「あ、あわ、あわわわわ」
「大丈夫だ、心配してくれてありがとうレイサ」
柔らかめな声でぽんぽんとレイサの頭を撫でる先生
「そ、それなら……良いんですけど……」
「先生、ティッシュです。是非使ってください」
「ありがとうスズミ」
先程の声の主…スズミと言うようだ
ポケットティッシュを手渡していた
先生はそのティッシュで血を拭き取る
「く、クソッ!自警団か…!」
「そ、そう!その通りです!この自警団のスーパースター……で・す・が!!!今日の私は一味違いますよ!!!」
謎にステップを踏み、レイサは親指で自分を指差す
「今日の私はプリンセスさんを守るスーパーナイト!!!騎士宇沢レイサです!!!」
「わ〜!」
パチパチパチ、と姫が拍手している
先生も拍手していた
「そして!!!此方の方が!!!」
「え、私もやるんですか…?…え、遠慮しておきますね…」
頬を若干赤く染めたスズミと呼ばれた彼女はやんわりとそう断った
「騎士スズミさんです!!!そして最後に!!!」
「私はプリンセス、秤〜アツコ…!」
ノリノリで謎のポーズを決める姫
「「「「「……………………??????」」」」」
な、なんだこれは…?
脳の理解が追いつかず私は硬直してしまう
スケバン達も同様らしい。動きが止まってじっと此方を見ていた
「お〜」
先生は相変わらず拍手していた
「と、言うわけなので!やりますよスズミさん、アツコさん!!!」
「……はい」
「サっちゃんと先生に酷い事は許さないよ」
銃撃が始まり、数分もしないうちにスケバン達は制圧されたのだった
呆気に取られていた私はようやく状況に追いつく
「……はっ…私も……いや、終わった…のか」
一瞬出しかけた大鎌を消す
姫が私達に近付いてきた
「サっちゃん、先生、怪我はない?」
「…あ、あぁ…私は大丈夫だが…」
「私も怪我が増えてはいない。大丈夫だ」
流石にあの体勢だとキツかったか…とボヤく先生
やはり拘束されたのはわざとだったらしい
しかし吐血してしまったのは本当に想定外だったのだろう、先生も、スケバン達も
「スズミさん!この人達、最近のトリニティの路地裏は要注意って触れ込みが出てる原因の…」
「そうですね。思わぬ形でしたが、治安を守れたようで何よりです。正義実現委員会に引き渡しましょうか。アツコさん、もう少し話してから来ますか?それでも大丈夫ですよ」
スズミが姫にそう声を掛ける
「あ、えーっと……」
チラリと私達を見る姫
先生が口を開いた
「私達は大丈夫だ、行ってくるといいアツコ」
先生の言葉に私も頷く
「…あぁ、気をつけてな」
「…うん、分かった。行ってくるね、サっちゃん、先生」
スズミとレイサと一緒にトリニティ本校に戻っていく姫
伝え忘れていた事があったのか、急いで私の所に駆け寄ってきた
「姫?」
「サっちゃん、何があっても…私達は家族だから」
「………」
「大丈夫、私達はいつでもサっちゃんを信じてる」
仮面を外し、姫はにっこりと笑って戻っていった
「…姫には全部お見通しという訳だ」
先生がそう声を掛けてきた
少々愉快そうな声色だ
「さて、最後の移動だ。行くぞ」
巡る考えを整理しようとして、出ない結論を探しつつ、私は先生の後を追ったのだった
大人サオリが居た世界の先生の性別どっちがいいですか!
-
男性!!!!!!!!!!
-
女性!!!!!!!!!!