行ってみよう、ミレニアム!
日が昇りきり、朝と言っていい時間。私は既に執務室にて仕事を始めていた
「〜〜〜♪」
歌を口ずさみながら私はせっせと書類を処理していく
少しでもリン達の力になれているといいのだがな
こうも書類が減らないと私が負担しているのはほんの少数なのではないか等と考えてしまう
「ふぅ、私が二人いれば…………いや居るのか」
なんなら私含めて三人居るんだった
とはいえ虚の連絡先など知らないし、サオリは生徒だ、当番ならまだしも、今手伝ってもらうわけにはいかない
「どうにか頑張るか。効率化の手段なども考えなくてはな………」
そう考えていたのだが、今朝の早朝の事を思い出してつい口角が上がってしまう
「〜〜〜〜♪」
上機嫌で書類を処理していると…パソコンの辺りに立て掛けていたシッテムの箱から声がする
『むにゃ……ふわぁ…先生…おはようございます……』
「おはよう、アロナ。起こしてしまったか?まだ眠たいなら寝てても大丈夫だぞ、まだ7時だしな」
『い、いえ、先生のお歌は目覚めるどころかなんだか落ち着いて眠く……はっ!せ、先生がお仕事を開始したというのに、私だけ寝ているわけにはいきません!大丈夫です!』
自分のほっぺたをぺちぺちと叩き、むん、と気合を入れているアロナ
「そうか、では今日もサポートを頼むぞ」
『はい!』
また書類の分類や選別等を頼めば、書類の処理効率は格段に上昇した
そのまま数十分書類を片付けていると、アロナが話しかけてきた
『そういえば先生、今日は普段より幸福度が高いですね、私が寝ている間に何かあったんですか?』
今更だが、アロナは起動している間なら私の身体の状態をしっかりとデータ化して読み取れるらしい
怪我をしていれば部位ごとの損傷率や、内臓のダメージまで分かるとか
だからこそ大人のカードを使った後は直ぐにバレて怒られる
幸福度というものまであるとは知らなかったが
思い当たる節はあるのでその事を教える
「ふふ、今日はメイクが完璧に近くてな。そのお陰で少々気分が高揚しているかもしれない」
『メイクですか…!先生、見せて欲しいです!』
元々シッテムの箱の内部で顔は見られているのに、私という存在についてはアロナからは何故かそこまで言及されない
サオリと並んだ所も見たことはある筈…なんだが…
アロナの認識に視界からの情報は使っていないのか、わざと触れていないのか、それともまた別の理由なのかはよく分からない
データで分析すれば、色々と分かりそうなものだが…
そもそも、アロナ自体不可思議な存在だからな
『……?どうしましたか、先生?』
頭上にはてなマークを浮かべて首を傾げるアロナ
…不可思議な存在だとしても、私を助けてくれているのは事実だな
私は言葉を返す
「ん…すまない、少々ぼーっとしていた。メイクが見たいんだったか?ほら」
シッテムの箱の目の前で私は仮面を少しずらす
『わぁ…!本当に綺麗です、先生!いつも仮面をつけているのが勿体無いぐらいですよ!』
目をキラキラさせてそう褒めるアロナに微笑を浮かべつつ私は仮面を元の位置に戻す
「ふふ、褒めてくれてありがとうアロナ。仮面は…うーん、外せるようになったはいいものの、無くなったら無くなったで落ち着かなくてな」
『慣れって恐ろしいですね…』
「だな」
あと、私は仮面をつけているシャーレの先生として知られているだろうからな
今では立派な象徴だ
すると───
『あ、先生、ミレニアムサイエンススクールから要請が来ました。送り主は……ミレニアムのゲーム開発部?みたいです』
「ほう、ゲーム開発部……」
かなり前、先生から少し聞いたような……
…駄目だ、あまり覚えていない
『読み上げますね』
「頼む」
『えーっと…こほん、【ゲーム開発部は今、存続の危機に陥ってます。生徒会からの廃部命令により破滅が目前に迫っている今、助けを求められる相手はあなただけです。勇者よ、どうか私たちを助けてください!】…とのことです!』
それっぽく読み上げたアロナ
途中から書類を処理する手も止まってしまった
「………ず、随分と個性的な文面だな」
『ゲーム開発部だけあってゲームっぽいですね!先生、どうしますか?』
ゲームとはそういうものなのかと思いつつ、私はアロナの質問に答える
「ふむ、助けを求めているというのは分かったし、丁度ミレニアムにも行ってみようと思っていた。まずは行って詳しく話を聞いてみようか。さて、ユウカとも久し振りに会えるといいな」
『そういえば先生はセミナーの会計さんと会ったことがあると言っていましたね!』
「あぁ、忙しそうでなければ挨拶しに行こう」
アロナの言葉に頷きつつ、書類を片付けて外出準備を整える
丁度先日ミレニアムとヴァルキューレの生徒の暗記が完了したばかりだ、タイミングがいい
そんな事を考えつつ準備を終わらせた私はシャーレを出る
「よし、行くか」
『ナビゲートしますね!』
「あぁ、頼んだアロナ」
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そして到着したミレニアム自治区
本校の近くにてゲーム開発部の部室に向かっていると…校舎の方から誰かの叫び声のような声と同時に頭上に影が差した
「…!?」
『げ、ゲーム機です先生!』
見上げると、黒い物体が落ちて来ていた
アロナが言う通りならあれはゲームをプレイする為の…何故空中に!?
壊すのが目的かもしれないが、何らかの事故かもしれない。取り敢えず受け止める為に思考を切り替える
あの速度と大きさで落下してくるとなると、素手でのキャッチは難しい上に、角に頭をぶつける…などの少し間違いがあれば大怪我どころか今の私では死にかねない
「…ならば───!」
私は上着を脱ぎ、ゲーム機を布で包み込むように勢いを殺しつつ受け止めた
一応ゲーム機の下敷きになった形なので布越しとはいえ角が腹部に刺さってちょっと痛い
恐らく無事なゲーム機を確認し、息を吐いて起き上がろうとする
「…………ふぅ…一体何が…」
『先生!』
その瞬間、後頭部を衝撃が襲い私の意識は遠のいていく
最後にうっすらと見えた視界には、ゲーム機に付属されているのであろうコントローラーが転がっていた
…に、二段構えとは……………………
なんとも言えない感情を抱きつつ私の視界は暗転した
サオリが仮入部する所どっちがいいですか!!!!!!
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正義実現委員会!!!!!!!!!!!
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シスターフッド!!!!!!!!!!!