シャーレの先生だ、よろしく頼む   作:桜花=サン

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合理的/ゲーム開発部が現れた!

 

舌の上で飴玉を転がしつつ私…戒野ミサキはパソコンのキーボードを叩く

普段はリモートワークだけど、今日は出社して欲しいとの社長からの要望があったから会社に来ていた

そんな要望滅多に無い事だから結構驚いた

ちなみに今現在は私以外に社員はあんまりいない

私だけに用事か…何かヤバいミスしたっけな……

若干冷や汗をかきつつもパソコンで色々と打ち込む

そんな事を考えていると…

 

「おはよう、ミサキさん」

 

後ろから声が掛かる

 

「おはようございます、リオ社長」

 

振り返りつつ、そう返事をした

私が視線を向けるその先には、私が勤めている会社の社長、姉さんとも引けを取らない抜群のスタイルに、長い黒髪をした無表情のリオ社長が立っていた

 

「それで、どうかしたんですか?突然出社して欲しいなんて…少し驚きましたよ」

 

早速気になった事を聞いてみることにした

 

「……その、少し前にあなたのミスが突然多くなった時期があったでしょう?最近はまたミスは殆ど無くなったけれど…何かあったんじゃないかと思って……色々情報を漁ったのだけど…その、あなたのお姉さんの事を見たの。…それで、話を聞こうと思っていて…もし辛いのだったら、回す仕事の量を少なくしたり、調整しようと…中々時間が取れなくてあれからかなり後になってしまったのだけど…」

 

急に連絡をしたのも驚かせてしまったわ、ごめんなさいと謝られる

 

「……なるほど、そういう事だったんですね」

 

リオ社長は社員の皆に正直怖がられている…というか、なんだか近寄りがたいという印象を抱かれている。確かにミスはズバズバと指摘はするし、注意も淡々とするし、殆ど何を考えているか分からないポーカーフェイスでもあるけど…本当は社員一人一人の事を気にかけているし、何かあればこうやって頑張って対応しようとしてくれる

今回も話をしたかったのだろう

 

「こういう話は対面でした方が良いと先生から教わったわ。あ、でも、話したくないのだったら、それはそれで大丈夫よ。今の調子だけでも教えてくれれば…」

 

「…いえ、全部話しますよ。ちょっと非科学的な話も含まれちゃいますけど」

 

「キヴォトスだもの、そういう事は日常茶飯事でしょう?……ミレニアムですら、特異現象調査部などというものが存在しているのだし」

 

「……それもそうですね」

 

ガリッ、と口の中の飴玉を砕いて飲み込む

イチゴミルクの甘ったるい味が舌に広がった

流石に長くなる話をするには飴玉は邪魔だ

 

「あ、先に言っておきますけど、私はもう大丈夫ですよ。姉の安否も恐らく分かりましたし…きっと、いつか帰ってきます」

 

「…そうなのね、それは良かったわ」

 

本当に若干、無表情から安堵した表情に変わった気がする

責任感が強すぎる所とか、姉さんと似てるなと思う事は多々あるが、一番似ていないのは顔に出るか出ないかだと思う

姉さんは結構顔に出るけど、リオ社長は全く出ない

 

「多少長くなっても大丈夫よ。今日はお昼過ぎまで時間を空けてあるから」

 

現在時刻は9時頃だろうか

リオ社長がその辺の椅子を引っ張ってきて正面に座る

 

「…社員思いの素晴らしい社長ですけど、無理のし過ぎで体調崩したりしないで下さいね」

 

「大丈夫よ、その辺りまでしっかり管理しているから。もしもの時があっても対応は可能なようになってるわ」

 

心配は不要よ、と告げるリオ社長

 

「この会社に所属している社員一人一人が、自分の意志でこの会社で働いていたいと思える環境を作るのが私の仕事の一つよ。足りない部分を補い合えば、一人じゃ不可能な事も可能になるわ。…王は一人では王足り得ない。皆が自分の性能をフルに活かせる職場があるのなら、それはきっと、何よりも合理的でしょう?」

 

そう言って、リオ社長は少し微笑んだ

 

─────────────────────

 

ユサユサと揺らされ、私は意識を浮上させる

 

「……………っぅ………此処は……」

 

まだ後頭部が痛い。さっきのゲーム機が落下してきた現象は夢ではなかったらしい

室内……か…?チラリと横を見れば、少々散らかった部屋が広がっていた

 

「あっ、目が覚めた!?」

 

活発な印象を受ける声が此方に近づいてくる

 

「気がついたか?君は運が良いな!」

 

目を向ければ、ピンク色と黒色の猫の耳型のヘッドフォンをつけた少女

確か…才羽モモイ…だったか

 

「…運は……どうだろうか…?」

 

「急に変な喋り方しないでお姉ちゃん。先生が戸惑ってるでしょ」

 

私を挟んで反対方向。落ち着いた感じの印象を受ける声がした

目を向けると、モモイと似た、緑色と黒色の猫の耳型のヘッドフォンをつけた少女が居た

モモイの双子、妹の才羽ミドリだ

 

「才羽モモイ、才羽ミドリ…で、合っているか?間違っていたらすまないな。君達が…恐らく倒れていた私を助けてくれた…という認識で合っているか?…あぁ、私はシャーレの先生、月司サラだ。よろしく頼む」

 

「よろしく、先生!…それで、その…助けたのは…う、うーん、合ってはいるん…だけど……」

 

「…その、先生、ごめんなさい。先生に落ちてきたゲーム機は私達…というかお姉ちゃんが原因で…」

 

周囲を見渡せば、私の上着と無事なゲーム機&コントローラーが置いてあった

ゲームのカセットが入られているであろうパッケージも沢山で……

そういえば、才羽姉妹は…ゲーム開発部だったな

 

「…………なるほど」

 

色々と繋がったな。部室にも来ることが出来た。まぁ、その方法は少々荒かったかもしれないが…

手元にあったシッテムの箱が起動する

 

『先生!ごめんなさい、ギリギリで私の力をコントローラーがくぐり抜けてしまって……見えていたのに、少し驚いて反応が遅れました…』

 

「大丈夫だ。死んでもいないし、別にこの程度の怪我はどうということもない。行動に何の支障もないなら負傷していないのと変わらないしな」

 

小声でアロナをフォローしつつ、起き上がって才羽姉妹の方を向く

ひゅ、と息を吸い込む音が聞こえた

………怖がられているな、これは

 

「そんなに怖がらなくて大丈夫だ。私は別に怒っていないからな。だが、結構な重量と大きさの物をそこそこの高さから落とすのはこれっきりにするようにな?次はもっとお説教だぞ」

 

ワンチャン死ぬ。主に私がな

それはそれとして、生徒達も当たればかなり痛いと思うからな

 

「は、はい…」

 

「あ、あれ?それだけ…?」

 

ミドリは反省したように頷く

モモイは……ちょっと拍子抜けした表情だろうか

 

「ふむ。お望みとあらばもう少し説教してもいいぞ?」

 

「あ、いや!なんでもない!なんでもないよ!!」

 

慌てて訂正するモモイ

 

「ふふ、安心しろ、冗談だ。さて、注意も済んだ。本題に入ろうか。私は君達ゲーム開発部の連絡を受けて此処に来たのだが…話を聞かせて貰えるか?」

 

私はそう言って、二人に話を聞くのだった

サオリが仮入部する所どっちがいいですか!!!!!!

  • 正義実現委員会!!!!!!!!!!!
  • シスターフッド!!!!!!!!!!!
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